KotobanomoriNo.745

言葉の森新聞

2002年1月4週号

文責 中根克明(森川林)

  1.4週の国語問題の答えの書き方

 1.4週の国語問題の全8問のうち、後半の4問は、長文を読んで解く読解問題になっています。

 漢字問題は答えを載せていますが、読解問題は答えを載せていません。

 ですから、解答欄には、次のように書いてください。

●漢字問題……答えを書いて自分で○×をつける

●読解問題……四問選択の番号を書く

(例) ○○×○4312

 読解問題の解答は、次々週の山のたよりに掲載します。

  1.3週の低学年の感想文

 1〜3月は、学校では3学期にあたるので、学年の勉強のまとめの時期になります。

 言葉の森でも、1〜3月は小学校1・2年生に感想文の課題を出しています。(1.3週、2.3週、3.3週)

 しかし、感想文の課題は、最初はかなり難しく感じるものですから、生徒本人が乗り気でない場合は、通常の自由な題名で書いてかまいません。

 書き方のおおまかな流れは次のようになります。

 字数などは短くなってもいいですから、感想文の書き方の枠組みがわかればよいという軽い気もちで書いていってください。

 このはなしをよんでいちばんおもしろかったのは……です。

 わたしにもにたはなしがあります。それは……

 もし、わたしが……だったら……

 わたしは、このはなしをよんで……とおもいました。

 感想文は、似た話が見つかると、生き生きとしたものが書けます。しかし、似た話が見つからないと、なかなか長くは書けません。

 感想文の勉強は、作品を仕上げることに意味があるのではなく、似た話や感想を書こうとして長文を読んで考える過程に意味があると考えていってください。

  小学校からの英語教育にどう対応するか

 小学2年生の保護者の方から、次のようなご質問がありました。

 「来年度から、小学校で英語学習が始まると聞いていますが、小学生の英語学習に対してはどんなふうに考えておけばよいか、『山のたより』で教えてください」

 

 英語の専門家の間でも、英語教育については意見が大きく分かれています。

 小学校からの英語教育を主張する人の意見に、「中高6年間も勉強していて、日常会話もできない」というものがあります。

 実際に、英語が得意教科だった学生が海外に行って英語のヒアリングができずにショックを受けるというケースは多いようです。しかし、学生時代に文法をしっかり勉強した人は、時間がたち英会話に慣れてくると、文法の素養があるのでやがて英語を母国語とする人よりも正しい英語が使えるようになり、二度目のショックを受けるということです。

 現在、教室に来ている中学生・高校生を見ていても、英語の得意な生徒で、中学1年生から学校で初めて英語を学んだという人がかなりいます。小学校から早期の英語教育は、高校生ぐらいになると、プラスにもマイナスにも働いていません。小学校から英語を勉強していた生徒が有利なのは、中学1年生の初期までです。

 ですから、英語教育は、現在のように中学生から始めるというかたちでも特に問題はないと思います。

 

 しかし、世界の流れは、英語がある程度自由に使えないと日常生活にも不便を感じるようになってきています。日本の会社でも、会議は英語という会社が次第に増えています。インターネットなどによるボーダーレスの世界が進行すると、英語が苦にならないという実力を高校を卒業するまでにつけておくことは必須の教養になっています。

 一方で翻訳ソフトなどの高性能化により、ある程度まとまった量の読み書きは、わざわざ人間がする必要がなくなります。ですから、英語を専門に勉強したり、早めに勉強したりする必要はありませんが、中学生になったらしっかり勉強しておく必要はあるというのが現在言えることだと思います。

 

  春の体験学習のお知らせ

 言葉の森では、春の体験学習を開催しています。

 ご兄弟やお友達で、言葉の森の体験学習に参加を希望されるかたは、お問い合わせください。

  春休み中に過去問を

 2〜3月に受験シーズンが終わり、次の学年の生徒の受験がスタートします。

 高校2年生の人は、春休みに入る前に志望校を決めておく必要があります。まだこれから一年間勉強するのですから、志望校の決定は決して弱気にならずに高い目標を掲げていってください。

 予備校などでは、過去問の勉強は秋から取り組ませるところが多いようですが、これでは過去問の意味が半減します。過去問は仕上げのためにあるのではなく、今後の作戦を立てるためにあるものです。

 春休みの間に、必ず1年間分以上の過去問を仕上げて勉強の方向を決めておきましょう。

  じょうずな叱り方

 日曜日に中学生の子供のバスケットボールの試合を見てきました。

 そこで感じたことは、子供が失敗をしたときの大人の叱り方が意外と大事だということです。

 よく失敗した「結果」を叱る人がいます。パスミスをしたりキャッチミスをしたりするときです。勉強であればテストで悪い点を取ってきたときなどです。こういうときは、子ども自身が失敗して「しまった」と思っていますから、大人がそれに輪を掛けて叱るのは逆効果になります。大人はむしろ、子供を励ましてあげるぐらいでちょうどいいと思います。

 もう一つは、「動機」を叱る叱り方です。子供がさぼったり手を抜いたりしているときに、大人が叱らずに黙認すると、歯止めがかからなくなります。落書きなども、見つけたらすぐに消すようにしていればそれ以上落書きが増えることはありませんが、しばらく放置していくとやがて落書きの無法地帯のようになってきます。叱るというのは、叱る人にとってはエネルギーを必要とすることなので、冷静に叱ろうなどと考えていては時機を逸します。「どうして、こんなことしたのかな。ほかの人が見たらどう思うかな」などとやわらかく言っていては叱ったことになりません。もっと血の気の早い叱り方をする必要があります。(笑)

 叱ったあとも大事です。

 まず、叱ったあとは必ず早めにそれを補うようにほめてあげることです。たまに、夜寝る前に叱ってそのまま子供を寝かせる人がいますが、それは子供にとってはつらいことです。夜叱ったら、子供が寝る前にひとこと「さっきあんなに叱ったけど、それは君の悪いところを叱っただけで、君の全体は本当はとてもいい子なんだよ」(言い方はいろいろあるでしょうが)と言ってあげることが大切です。

 もう一つは、叱ったことは必ず実行させるということです。「机の上、かたづけなきゃだめでしょ」と叱っておきながら、子供が「はあい」と言うだけで遊びに行ってしまうというような場合、自分が叱ったことで満足してしまうようですと、その後の叱り方に権威がなくなります。

 感情というものは伝染します。ある人が暗い叱り方をすると、その周りの人もお互いを暗い雰囲気で見るようになります。明るい叱り方をすれば、周りも明るくなります。大人の人が率先して、明るい叱り方をしていく必要があります。

  朝食前の勉強

 血液の流れの関係だと思いますが、食後の軽い運動は体にいいものですが、食後の勉強は体にも頭にもよくありません。

 特に文章を書くような頭を使う学習は、食後よりも食前の方が能率が上がります。

 朝食前の時間は、それぞれの家庭で過ごし方がほぼ決まっていますから、これまでのやり方を変えて新しいやり方を取り入れるのは難しいと思いますが、我が家の経験から言うと、朝食前の十数分の勉強はかなり能率のいいものでした。(今は子供が中学の部活動で早朝から出てしまうので、時間が確保できなくなりましたが)

 長文音読のような毎日行なう短時間の勉強は、夕方ではかえって続けにくい面があります。夕方は、親に急用ができたり、子供に学校の臨時の宿題が出たりすると、毎日の決まったことがすぐにできなくなります。その点、早朝はいつも同じようなペースで過ごすことができます。

 夜は早めに寝て、朝の食事前のひとときを勉強する時間にあてられると、自習なども継続しやすくなると思います。

  読みかけの本を一冊

 小学校低中学年のときに本をよく読んでいた子も、高学年になるにつれて次第に読書から遠ざかっていきます。

 読書というものは生活の一部ですから、何日か本を読まない日が続くと、そのまま本を読まない生活に慣れてしまいます。

 この状態を克服するためには、いつでも外出するときは読みかけの本を一冊持っていくと決めておくといいと思います。読書好きな子は、自然にやっていることだと思いますが。

  光る表現(小1−小3) 2002年1月4週号

●りょうさん(いつみ/小1)の作文より(みのり先生/1.1週)

 さいごにみおちゃんがサッカーボールぐらいのたまをおばあちゃんになげつけたらおばあちゃんは、「ひゃあ〜」といってにげようとしました。けれども、おもいっきりかおにあたってまるで、手をつかわずにデコレーションケーキをたべたようなかおになってみんな大わらいをしました。(評)すごい。おもしろい。めにうかぶようです。おばあちゃんは、ちょっとかわいそうだったね(^_^;)でもさいこうのたとえです。

●りょうさん(いつみ/小1)の作文より(みのり先生/1.2週)

 たべてみたらすごくあつかったけれど、口の中でたこがぷりぷりしていておどっているかんじでした。(評)うまいなぁ。まるでコマーシャルのようです。おいしそう。たこやき食べた〜い!!

●真季さん(いなく/小1)の作文より(メグ先生/1.2週)

 がっきのしゅるいをぜんぶあわせると、とてもきれいな音になります。なぜかというといろんな音があっておもしろいからです。【評】これが合奏(がっそう)のよいところですね。

●航さん(いのも/小1)の作文より(メグ先生/1.2週)

 はしっていたら、むねがいたくなってきました。一かいもあるかないっておとうさんとやくそくしたので、あるきませんでした。ゴールしたときは、むねがいたくていたくてたまりませんでした。【評】おとうさんとのやくそくをまもるために、くるしくてもさいごまで走りつづけた航くん。大きなはく手をおくりたいです。

●あき子さん(いひせ/小1)の作文より(そら先生/1.2週)

 「でも、おいしいな。」と、じぶんできめました。★へんなあじだけどおいしいな、とじぶんできめた、  というのもすご〜くすき。  こういうのを「プラスしこう」というんだよ。  とびばこがたかくてこわそうにみえたけど、わたしは  とべるんだ、ときめたらほんとうにとべたとか、 「わたしにはできる」ときめたらムリだとおもって  いたことができちゃうものだよね。このまほう (あんじ)はなんにでもつかえるよ。 

●くわがたさん(いきと/小2)の作文より(ポプリ先生/1.1週)

 もう一つは、本がすきなことです。本がまるでたきのようによめます。評:たきのように本がよめるなんてうらやましいなあ。

●充さん(いさせ/小2)の作文より(スズラン先生/1.2週)

 ぼくは今まで、ほらをふいたり、うそをついたりすることはいけないことだと思っていたけれど、この本を読んで、ほらふきで自分の身をまもっているから、すこしはほらふきもやくに立つんだなぁと思いました。:評:今学期の長文がのっている本を読んでみた感想、考えてみましたね。とっさに言ってしまったうそが引き起こす物語はちょっとスリルがありましたね。

●リッチさん(いしれ/小2)の作文より(けいこ先生/1.1週)

 今、わたしはおたふくかぜにかかっています。そして、いやなことがたくさんあります。それは外に出られないこと、それからごはんを食べるといたくなってしまうこと、友だちといっしょにあそべないこと、学校をお休みしなければいけないこと、家でじっとしていないといけないことです。いやだいやだのオンパレードになってしまいました。 評:「いやだいやだのオンパレード」がおもしろいね。「早く学校へ行きたーい!」そんな声がきこえてきそう。

●あみかさん(いせわ/小2)の作文より(メグ先生/1.2週)

 すずかちゃんがわたしの一りん車をもって、まっていてくれました。まるでわたしのいもうとみたいでした。【評】やさしいお友だちのことを自分のいもうとにたとえることができたね。

●さくらんぼさん(いそら/小2)の作文より(スズラン先生/1.2週)

 (畑で収獲をして)最初に、にんじんをぬきました。にんじんは力をいれないと、ぜんぜんぬけません。・・略・・二十日だいこんは、にんじんとちがって、力をぬいても、すぐスポッとぬけて、とても気持ちがよかったです。お母さんが「大きなかぶを思い出すね」と言いました。:評:土の中からぬける感じが良くでていますね。

●ゆきんこさん(いとせ/小2)の作文より(きりこ先生/1.1週)

 わたしの手をピーンとのばしたくらいの大きさの雪だるまを作りました。みかんぐらいの大きさの玉からどんどん大きくしていきました。<たとえをつかってじょうずに書けたね。>

●ミニリュウさん(いにと/小2)の作文より(ぴのこ先生/1.1週)

 楽しい楽しい雪まつりの一日でした。本当におもしろかったです。また、どさどさじゃんじゃら雪がふったら、たたかいごっこや、もっともっと大きな雪だるまロボットを何こも作ってみたいです。【評】はくりょくのあるふりかた! 41年ぶりの雪は本当にすごかったんだね。

 

●カヤさん(ありそ/小3)の作文より(ゆうこ先生/1.1週)

 車の中も、さむくなって、ちょっとこごえていました。でも、初日の出を見ると、心が温かくなりました。初日の出には、みんなが幸せでありますように、とねがいました。それに、初日の出を見ると、とても、心がゆったりとしたし、ちょっと、感動してしまいました。【講評】初日の出は、あたらしい一年のはじまりを心の中にひびかせてくれるんだね!

●泰児さん(いおと/小3)の作文より(けいこ先生/1.2週)

 もし、いまタイムマシーンで新年会にいけたなら、帰るときひみつで食べ物を持って帰りたかったです。 評:おいしいバーベQだったことを、「もし……なら」を使って楽しく説明できたね。食べきれなかったことが心残りだったわけだ!

●瑞幾さん(いおね/小3)の作文より(はるな先生/1.2週)

 さぎ、とんび、カラスが、たくさん空をとんでいます。とんびは、グライダーのように。カラスはかりうどのように。さぎは、えさをひたすらさがすように。・・・・(中略)春には、野いちごができ、たべたりもします。しぜんの野いちごは、かなりおいしいです。秋には学校の道に、ぎんなんがたくさんおちています。冬には、雪がつもり、まっ白なときもありました。(講評);通学路の、まわりのようすについて、それぞれ、四季おりおりのけしきのちがいが、わかりやすく書けています。また、野いちごや、ぎんなんなど、自然のめぐみの豊富さが、とてもくわしく、いきいきと説明できました。いおね君が、毎日学校へ通う道をとり囲んでいる豊かな田園風景(でんえんふうけい)が、目に浮かんでくるようですね。特に、野鳥の飛び方を、たとえをつかって表現しているところが、とてもよかったです。

●とよよっちさん(いせく/小3)の作文より(ふじのみや先生/1.1週)

 全部終わったら、九時になっていたからおふろに入りました。おふろに入っても、まだのび太(ドラえもんのとうじょう人物)が、「ねぇ、ドラえもん。何かいい道具だしてー。おねがいだからさ。」という声が聞こえるようでした。  【評】おふろの中で、本当にのび太の声がひびいているような、そんな感じがしますね。

●春まきくんさん(いせね/小3)の作文より(メグ先生/1.2週)

 ぼくは、「よーし。」と気合を入れた。ふくろくんが「やー。」と声をあげて石をけった。【評】たかが石けりでも真剣勝負。二人の真剣なたたかいのようすが伝わってくるよ。

●ウイングさん(いたら/小3)の作文より(メグ先生/1.1週)

 心の中で、「こわくない、こわくない」と思っていたら、うまくできました。【評】スキー場での一場面。必死に、「こわくない。」と自分に言い聞かせているようすが伝わってきます。

●くにさん(いのか/小3)の作文より(ゆうこ先生/1.2週)

 僕は気がつきました。ビニールのかばんだけがぬれていたのです。僕は思いました。なんで僕の顔と身体全体はぬれていなかったのに、かばんだけがぬれていたのだろうと。【講評】読み手にわくわくさせてくれる印象的な書き方をしてくれました!!

●陽子さん(いのめ/小3)の作文より(メグ先生/1.2週)

 航がのろのろと歩いていたので「走りな。」と言いました。そうしたら、まるでひょうみたいに走りました。私とお母さんとお父さんの横をさっと通りぬけて、走っていってしまいました。【評】航君の走るようすをたとえを使って書くことができました。

  光る表現(小4−小5) 2002年1月4週号

●ビーバーさん(あにい/小4)の作文より(メグ先生/1.2週)

 そして6時20分。朝焼けが見え始めました。「うわー、奇麗だな。」ぼくは、その光景を頭に焼き付けておきました。【評】初めて見た初日の出。感動の瞬間です。

●ししさん(あふか/小4)の作文より(さかな先生/1.2週)

 森と虫がきょう動で自然をつくったり、空気をきれいにしてるのにぼくたち人間が木をきったりするから自然や空気がきたなくなって人間の体にがいをおよぼすから、自然をたいせつにしよう。★評:森や虫がそれぞれ自然を守る働きをしていることに気づくことができたね。人間もぜひ、力を合わせていきたいものだね。

●みかんさん(いこい/小4)の作文より(みか先生/1.2週)

  学校につくまでで一番つらかったのは、風が強かったので飛ばされそうになったことです。私は、雪がひどくなったのでかさをさしました。そうしたら、かさが飛んでいきそうになって、前に進だけでたいへんでした。すごい時には、かさがうらがえりそうになったほどでした。そんなふうになりながら、やっと学校につきました。私はほっとして、力がぬけてしまいました。評:雪と風に向かって必死で歩いていく仁美ちゃんの力強い姿が目に見えるような、生き生きとした書き方ですね。

●ヒマワリさん(いすさ/小4)の作文より(はるな先生/1.2週)

 「ジリジリジーン」朝、めざまし時計がなりました。 「あー。あともうちょっと〜」私は、寒い朝起きるのがにがてです。時計をを五こも、セットしておいてもムダです。けれど、さすがに、七時半をすぎるとおきます。・・・・(中略)「ガチャッ」とドアをあけると、まるで、北海道に行ったみたいでした。「ハー」とやると、息がまっ白です。中休みは、お日様がピカピカでこんどは、おきなわ気分でした。 なわとびをやっていたせいかもしれません。(講評);作文の中身がよくわかるように、あなたの本音を書き入れ、くふうをこらした題名と、けたたましい目覚まし時計の音で始まる書き出しが、大変印象的です。時計を5個もセットしておくとは、実にすごい!! 今まで寝ていた、ぬくい寝具の中から抜け出て、服を着替えるときのつらさが、大変ユーモラスに表現できました。寒い朝の起床は、本当に、強い覚悟がいるものですね。暖かい家の中から、一歩外へ踏み出したときの、厳しい寒さを、たとえをつかって、とてもじょうずにかきあらわせました。また、お昼頃、太陽の熱で、温度が上がり、戸外が、とてもあったかくなるようすも、北海道と対照的な沖縄を引き合いに出して、たくみにあらわしたので、感心しました。寒い朝に、誰もが、よく、似た経験することなので、共感しますね。

●たんぽぽさん(いそく/小4)の作文より(メグ先生/1.1週)

 (台湾で迷子になって)お母さんが台湾に来る前、「台湾はゆうかいが多いから、ちゃんとママについてくるのよ。」と言っていました。私はそれを思い出すと、泣きそうでした。(中略)五分くらいたって、お父さんとお母さんがむかえに来てくれました。みつかったと同時に、私は泣き出しました。【評】ほっとしたとたんに、ずっとこらえていた涙がこぼれてしまったのね。この気持ちはよくわかるなあ。

●アミーゴさん(いそと/小4)の作文より(ゆうこ先生/1.2週)

 とってもとっても楽しい音楽。できない人でも練習すればきっとできます。音楽も大好きになります。みんなもそうなってほしいです。それからわたしも、好きな音楽だけをがんばらばいで、その他のじゅ業もがんばり、にがてなじゅ業も、好きになりたいです。どれも、大人になって(大きくなって)やくにたつことだと思うからです。【講評】アミーゴさんのやさしい素直な気持ちがあたたかく伝わってきました(^。^)

●PINPAさん(いなに/小4)の作文より(みのり先生/1.1週)

 ベッドのすぐ近くにある大きなツリーのたくさんの明りが、わたしの目を光らせ、ねむけを取るのです。(評)すごい!!何だか物語を読んでいるようです。

●まりさん(いにほ/小4)の作文より(クマのプーさん先生/1.2週)

 のぞいてみると、たんにんの安部先生が、おかしを食べている事があります。そういう時は、三人で「あー」と言います。すると、先生は口をもぐもぐ動かしながら、「なんにも食べてない、食べてない。」と言います。【評】いきいきとしたやりとりが描けていますね。先生のコミカルな様子も、上手に会話を使って表現できました。

●薫さん(いねむ/小4)の作文より(みか先生/1.1週)

 私が、一番楽しみにしていたのは、これから始まるディズニーランドの花火だ。最初に、色とりどりの、レーザーが光った。次はお待ちかねの花火だ。「ドーン。」かん声があがった。花火だけなのに、すごい光だ。今年も元気で、花火みたいに明るい私になりたいです。評:今年も明るくて周りの人をハッピーにしてくれる、花火みたいにすてきな薫ちゃんでいてくださいね。

●一休さんさん(わら/小4)の作文より(森川林先生/1.1週)

 坂の前にたってみると絶壁のがけが目の前だった。すべってみるとぼくはごろごろと転がった。やっと立ち上がってもまたごろごろ転がる。を繰り返しながらなんとか坂を下りきった。◆評:スキー場の場面。坂が急だと、こういう滑り方(ころがり方)をしながら降りてくることがあるよね。自分らしい体験。

 

●一休さんさん(わら/小4)の作文より(森川林先生/1.2週)

  なにかとても大事なものをなくしてしまった気持ちだ。ハム介は家族の一員だったのだ。僕の心の中にはまだ、かごの中からカラカラと音がする。◆評:二年間かわいがっていたハムスターのハム君の死。寿命というものはあると思うけど、やはりペットの死は悲しいね。

●DD51さん(あある/小5)の作文より(ポプリ先生/1.2週)

 例えば、半年前に長野に行ったときのことだ。横川けい谷という所に行った帰り、ちょうど、中央本線の横を通った。駅もあり、時刻表で調べると、ちょうど電車の来る三分前だった。急いで駅に行って待っていると、一分もしないうちに電車がきた。この路線は、一日に電車が10本ほどしか走らず、電車も荷物車を改造しためずらしいものだった。ぼくはこれこそ、「二度とないチャンス」と思った。評:むだなくはっきり様子がつたわっています。

●友葵さん(あしも/小5)の作文より(ゆり先生/1.2週)

 みんなで声をそろえて、「三十!」と言った。みんなが言い終えたその瞬間!私のとなりの健介君が、「サートゥィーン!」と、まるで『ちびまるこちゃん』に出てくる、花輪君のように、もったいぶった言い方で、言った。みんな笑ってしまった。【評:楽しそうな授業ですね。花輪君のたとえもおもしろい!】

●くま吉さん(いにし/小5)の作文より(けいこ先生/1.2週)

 父の一言がきっかけで、また(岩に)登りはじめたことはまさに、そっ啄の機といえませんか? そう、本文でたとえると、父が親鳥で、私が雛です。父の一言は、親鳥が卵をつつくのといっしょ。私が岩登りに着いていったのは卵の中で雛がつついているようではありませんか。そして、雛がかえったのです。この場合、かえった雛は、私の中の岩登りの才能のことです。 評:長文を自分自身の体験に重ねたことで、「そっ啄の機」の意味をしっかり理解できたようだね。 

●穂香さん(すよ/小5)の作文より(ゆうこ先生/1.2週)

 階段を勢いよく駆け下りて、スリッパからスキー靴へと替えて、手袋はめて、帽子かぶっていざ外へ!!【講評】スピード感のある情景を生き生きと描いてくれました。

  光る表現(小6−社) 2002年1月4週号

●シュシュさん(あさつ/小6)の作文より(メグ先生/1.2週)

 この長文には、「「疲れたから、本を読もうか」という人があまりいない」と書いてあったが、私はあまりそうは思わない。たしかに、本を読むためには少しの努力が必要だが、その努力の量よりも本を読んで面白いと感じた量の方が多いからだ。【評】本の世界の面白さに引き込まれてしまえば、あとはただひたすら読み進めるだけですものね。

●シュシュさん(あさつ/小6)の作文より(メグ先生/1.3週)

 人間は、1つの考え方にとらわれていないで、他のことも受け止める柔軟な心を持っていなければいけないということが分かった。私も、小さい時の新鮮さを忘れずにいけたら良いと思う。【評】大人になっても、子供のような柔軟さ、純真さは忘れたくないですね。

●雅貴さん(あめす/小6)の作文より(みのり先生/1.2週)

 『「今日は疲れたから、映画でも見ようか」とはいいますが、「疲れたから本でも読もうか」という人はあまりいない』という文は本当にそうだと思う。疲れているのに、本を読むなどすればよけい目が疲れたりする。しかしそれは気分にしか過ぎないと思う。なぜなら映画を見ても目を使っているのだから、本と変わらないだろう。さらに本には、耳は使わないが映画は、耳も使うため実質映画などの方が疲れているのだろうと僕は思う。(評)書かれている内容に惑わされず、独自の意見をきちんとまとめられているところがとてもすばらしい。

●シュンさん(あよぬ/小6)の作文より(きりこ先生/1.1週)

 12時になって「ゴーン」と音がした。<書き出し部分ですが、いい表現ができましたね。>

●スヌーピーさん(いうわ/小6)の作文より(ゆり先生/1.2週)

 一番、自分で想像していたのと違った人は、ホグワーツ魔術学校の先生の「スネイプ先生」だ。私が想像していた「スネイプ先生」は、髪の毛は金色で短く、肌は黒っぽい先生だと思っていた。ところが、映画で出てきた「スネイプ先生」は、髪の毛は真っ黒で長く、肌は青白かったです。ただ1つ映画といっちしたところは、意地が悪そうな顔つきをしていたところだ。【評:本を読んで想像していたイメージと、映画に出てきた人とが違っていたんだね。でも、「意地悪そう」な顔は一緒! 具体的な話でわかりやすく説明できています。】

●スヌーピーさん(いうわ/小6)の作文より(ゆり先生/1.3週)

 日本語を喋り生活してきた私は、英語や韓国語や中国語で喋るのは難しいし、「〜です」という意味の言葉がどうして文の最後にきていないのかな?などといろいろな不思議がうかびあがってきた。けれども、外国の人からすれば日本語の喋り方や文の書き方が変、などと思えるのではないか。【評:とても具体的で分かりやすい例ですね。立場が変わると”当たり前”のことも”変”に思えてしまうんだね。】

●真太郎さん(いかせ/小6)の作文より(さかな先生/1.1週)

 12月31日夜、11時59分2002年に向けてのカウントダウンが始まりました。あと20秒・・・刻々と時間が迫ってきました。あと15秒・・・10秒・・・5秒、4、3、2、1・・・今、2002年を迎えました。その時、これからの一年を思い胸がワクワクしました。★評:新年を迎える瞬間。実感がこもっているね。

●ニャースさん(いくき/小6)の作文より(みち先生/1.1週)

 ぼくたちは一番さいしょでした。だからとてもきんちょうであまり前半はリズムにのってできませんでしたが後半からは、リズムにのってできました。だからかちました。《評》リズムにのることが勝利に結びついたんだね。リズムという言葉の力をいかしたね。

●正人さん(いなり/小6)の作文より(森川林先生/1.1週)

 例えば本を読んでいるときハリー・ポッターが息苦しくなると僕の体にも伝わって息苦しくなってしまう。なんだか自分が本の中にいるような気がする。◆評:いい表現だけど、それ以上に内容がいい。熱中して読んでいると、作者や登場人物が本当にそこに生きているように感じられることがあるものね。

●史子さん(いぬは/小6)の作文より(みち先生/1.1週)

 (縄跳のダブルダッジができた)うれしくて飛び回ってしまいました。《評》気持ちを動作で表現しストレートに伝わってきます。冬休みは、人間にとってチャレジと楽しい日々をくれると思いました。《評》心がけ次第で冬休みが楽しい日々になるのですね。

●ウルフさん(すふ/小6)の作文より(メグ先生/1.2週)

 (本は)自分のペースで読めるけどテレビは流される。【評】「流される」という表現がうまいね。

 

●ひろりんさん(あしゆ/中1)の作文より(とこのん先生/1.1週)

 そういう(ポイ捨てをする)人のために考えたのが、「おうむ返し機」である。(略)「おうむがえし」というのはポイ捨てする人がゴミをぽいっと道路に投げると、ゴミが道路に跳ね返ってポイ人におうむがえしすることをさす。評:なんといっても、その発想力が見事。ポイ捨てをなくすための方法として考え出されたこの機械、ぜひとも実用化してもらいたい!ユーモアと独創性がすばらしいね。

●晃章さん(あらか/中1)の作文より(ゆうこ先生/1.2週)

 ぼくの考える未来は角張っている。そして、ぼくの考える過去は丸まっていて、現在は過去と未来の中間だ。(中略)作者の不二雄氏は今後おとずれる冷たいままの未来を温かい未来にしていこうという気持ちをこのドラえもんというマンガにたくしたのではないかと思う。【講評】ドラえもんのいる未来は温かく楽しそうですね!!

●千恵さん(いうね/中1)の作文より(ゆうこ先生/1.1週)

 こうやって私達は幸せに年を越す事ができたが、そうではない人も世界中にはたくさんいるはずだ。例えば九月二一日に起こった同時多発テロ。これは世界中の人々に大きな衝撃を与えた。それで家族を失った悲しみははかりしれないものがあるだろう。そして、それで浮き彫りになったアフガニスタンの難民の多さ。その人々は寒い中で一生懸命に生きている。(中略)そして、私も「大好きな幸せな年越し」が今、できている事に感謝しなければならない。

●美絵さん(いさほ/中1)の作文より(クマのプーさん先生/1.1週)

 ゴミは、ちりが山となるより(それは、どんどん地球破壊する)、立つ鳥あとをにごさず(立ち去る時は、ちゃんと後始末をやる)の方がだんとついい。【評】2つのことわざを使って、ゴミ問題の原点をきちんと押さえた表現になっていますね。

●実由記さん(いそほ/中2)の作文より(クマのプーさん先生/1.2週)

 「そもそも日本軍が来なければ」ということを南京の人たちも思ったのかなと私は思いました。【評】授業で聞いた「南京大虐殺」の話と課題文をクロスさせて感じた、素直な気持ちを表せたと思います。

●木枯らしさん(いとえ/中2)の作文より(ぴのこ先生/1.2週)

 私の意見は、世界中の人々が争いごとをやめ、お互いのことを分かり合い、手をつないで生きていくことが大事だと思います。

●潤之介さん(かな/中2)の作文より(メグ先生/1.2週)

 自分を見つめ直す。そういう意味では反省はとても大事だが、本当に大事なのは、その反省を実行にうつせるような行動力ではないだろうか。【評】まさにその通り。反省だけで満足してしまってはいけませんね。

●ムッちんさん(との/中2)の作文より(クマのプーさん先生/1.2週)

 海外の恐怖というものを例のテロ事件を筆頭として考え、なぜ彼らは戦うのか、戦争のメリットデメリットをよく考えて、組織化した世界がアンバランスになった時はまた、太平洋戦争のような愚かなことがないようにしなければならない。【評】抽象的になりがちな結論を、具体的な説明を含んだ表現でうまく結んでいると思いました。

●惣さん(やき/中2)の作文より(クマのプーさん先生/1.2週)

 「歴史は勉強するためにだけあるのではない、日本が今まで、やってきた過ちや出来事をしる為に勉強するのである。」と言っていた。僕は、どうして歴史を勉強するのだろうと前々から思っていたので、なるほどと納得した。【評】課題文の著者の言っていることとクロスするいい例を持ってきているし、暗記科目なんてよく言われることを覆す説得力がある表現だと思いました。

●眠雨さん(うき/高2)の作文より(森川林先生/1.2週)

 美しい風景は人の心を癒すが、多額の金銭は人の心を別段癒しはしない。◆評:名言に近い。(^o^)

●キウィさん(いしわ/高3)の作文より(森川林先生/12.4週)

 今までは、親のことがあまり好きではなかったが、留学という道に行かせてくれた親に感謝したいという考えになった。そして、少しずつではあるが親孝行をしようとがんばっている。私が、留学で得たことは、……◆評:留学の体験を通して自分の考えが変化したことをよく考えてまとめている。

 

 

 

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