KotobanomoriNo.748

言葉の森新聞

2002年2月3週号

文責 中根克明(森川林)

  11月のアンケートより(その1)

 11月4週のアンケートを掲載します。

 次回のアンケートは、2月4週の予定です。

 また、運営や指導に関するご意見・ご要望は、いつでも受け付けておりますので、担当の先生または教室にご連絡ください。(ホームページからの送信はhttp://www.mori7.com/youbou.htmlです)

●父母より(小6) 私は、子どもの作文のために言葉の森にお世話になっていたのですが、近ごろは、親の私の方が勉強させていただいているなあと感じております。毎週届く言葉の森新聞を楽しみに読ませて頂き、ハッとしたり、うなずいたり、親として何をしてやれるか考えさせられています。

 昔と違い、今は教育に関しての情報があまりにも多く、時として迷ってしまいがちですが、その迷いをふっきらせてくれます。どうぞこれからも良いアドバイスを私たち親にもたくさんして下さい。よろしくお願い致します。

▼教室より 子育てというのは、だれにとっても試行錯誤です。かつては、祖父母と同居していたり、地域社会のつながりがあったり、兄弟の中でもまれたりと、親以外の支えがいくつもありましたが、今は核家族化と少子化の中で、親が孤軍奮闘して子育てをしています。 

 よその家はどこもうまくいっているように見えますが、くわしく話を聞いてみると、どこの家でもそれぞれ悩みがあるようです。しかし、更にくわしく話を聞いてみると、失敗するところと成功するところは、多くの親にも共通しています。我が家(森川林)も、子供が二人、中2と高2になった今ごろになると、「あのときもっとああしておけばよかったなあ(笑)」と思い当たるところが多数あります。

 子育てのポイントはひとことで言うと、愛情と躾(しつけ)です。私が今になって反省するところもつきつめれば、「もう少し愛情深く接してやればよかった」か「もう少しきちんと躾をしておけばよかった」のどちらかです。しかし、これらは、理屈として知っているだけではなかなか実行できません。いちばんいいのは、そういう家庭を実際に見学するか体験することです。

 人間は自分が育てられたのと同じように子供を育てるものです。現在の親の世代はちょうど日本の敗戦によって、それまでの家庭教育の伝統がいったん断絶した中で成長しました。しかも、近年の情報機器の発達によって、自分自身が子供時代に経験しなかった環境で子育てをしています。子供のインターネットのし過ぎに悩んだり、携帯電話の使用料に頭を痛めたりと、新しい問題が次々と出てきます。大事なことは、これらを単に子育ての問題として考えるのではなく、その家の家庭文化の創造の問題として考えていくことだと思います。

●父母より(小3) 早1年が経ち、作文にもずいぶん慣れてきたようで、思っていることがだいぶ文章に書けるようになってきました。作文を書く前に、内容をおもしろおかしく話してくれますが、いざ文章に書いてみますと、口で言っていたことの5分の1ほどしか書けていません。書き方によって、内容が本人の思っているものと違ったふうに表現されていることもあります。話し言葉を文章に表現できるのは、いくつくらいからなのでしょうか。ある程度書く内容を箇条書きにしてから作文にとりかかるなどのテクニックはまだ使わない方がよいのでしょうか。

▼教室より 文章を書くには、精神の圧力のようなものが必要です。作文を書く前に書きたいことを喋ってしまうと、その圧力が減圧してしまうのか、予想したほどいい文章にならないことがよくあります。ですから、作文を書く前には内容をあまりくわしく聞かない方が、子供にとっては書きやすくなるようです。 

 もう一つは書き慣れの問題で、文章を書き慣れていないうちは、手と言葉と頭の連動がまだスムーズにいっていません。これは子供に限らず大人でも同様です。水泳でも水に慣れていないうちは、一応は泳げるもののすぐにくたびれます。力の配分がまだスムーズではないからです。考えと言葉と手が継ぎ目なくつながるようになるためには、長文の音読を始めとする反復練習が必要です。

 作文の授業でよく行なわれている、書き出す前の箇条書きは、かける時間のわりにはほとんど役に立ちません。構成を考えるという頭の仕組みができるのが小学5年生以降ですから、低中学年のうちは、構成メモを考えさせると、かえって子供が混乱するようです。

 したがって、(1)目標の字数を決めて、(2)書く前の話は抑え気味に、(3)長文音読の練習と並行しながら、作文を書くというやり方をしていくといいと思います。

●父母より(小6) 言葉の森を始めて1ヶ月が過ぎました。毎週、先生からの電話を楽しみに待ち、メモを参考に一気に書き上げています。幼い頃から絵本の読み聞かせを欠かさず、小3頃まで続けていたこともあってか、読書は大好きです。書くことも嫌いではないのですが、内容がまとまらず、中途半端に終わってしまったり、何が言いたいのかポイントがぼけていたりで、読む力と書く力は違うのかなと親も子もどうやって書く力をつければよいかと困っていました。言葉の森に出会えてよかったです。

▼教室より 幼児期にたっぷり読み聞かせをして育てられた子は、小学生になって作文を書くようになると、書く字数も長くスピードも速くなるという傾向があるようです。しかし、作文を書く際に、何が要求されているかわからないと、書けなくなってしまうということもよくあります。これまでの日本の作文教育は、一種の文学教育のような芸術的な観点から指導や評価されることがあったので、漠然とじょうずな作文や感動的な作文を要求されて途方に暮れる子供もいました。言葉の森の作文指導も、まだ漠然としたところが残っていますが、子供にとってわかりやすい指導と評価ということでこれから努力していきたいと思います。

●父母より(小5) 教育も子育ても、(一人っ子で)私も手さぐりの状態です。ですから、言葉の森新聞にとても助けられております。情報にまどわされず、今子供に何が必要かがわかってきました。これからもわくわくと新聞を待つことでしょう!

▼教室より 現代の子育ては、創造的に取り組んでいく必要があるようです。時代の変わり目で、しかも情報だけはふんだんにあるという状況で子育てをしていると、つい目先の変化に流されてしまいがちです。小さな変化に惑わされないためには、できるだけ遠くに目標を設定しておく必要があります。 

 今の親の世代は、大学受験が人生の大きな目標だったという人が多いと思います(私もですが)。それは、その前の世代の価値観の反映されたものでした。つまり、日本の社会では近代化以降一貫して高学歴が社会における高ポストの条件となっていました。だから、いい大学に入学すれば、それはそのまま将来を約束されたも同然だったのです。

 しかし、今、時代は変わっています。現代は、大学入学ではなく、卒業後の仕事を人生の大きな目標として考える必要があります。というのは、いい大学に入っても、もはやいい仕事は約束されていないからです。ですから、子育ても大学入学までとの関連ではなく、将来の仕事との関連として考えなければなりません。わかりやすい具体例で単純に言うと、これまでは成績さえよければ多少性格に問題があってもどうにかなりましたが、これからは学生時代までしか通用しない成績ではなく一生ついて回る性格の方を重視しなければならないということです。

 特に、仕事というものが、今後、会社への就職だけでなく自分で興すベンチャービジネスようなものまで含めて考えるようになってくると、子育ての基準も自ずから変わってくると思います。

 もう一つわかりやすい単純な例で言うと、よく受験期にそれまでの読書習慣をやめてしまう子がいます。また、受験が終わるとその反動で漫画解禁やテレビの娯楽番組解禁をしてしまう家庭があります(笑)。これは、受験という目標を大きく考えすぎるところから来ています。長い人生のことを考えれば、どんなに忙しいときでも読書は続ける、漫画やテレビは制限しながら接するという姿勢が必要です。

 これからも、こういう子育ての基本を、自分への反省も兼ねて(^^ゞ、書いていきたいと思っています。

●父母より(中2) 中根先生の飼っていらっしゃるオウムのコト、バノの冒険物語は、久しぶりに心が温かくなりました。

 11月12日の流星群、よかったですね。私の中では、人生二番目ぐらいの良い体験でした。

 子供たちにもステキな体験をしてほしいと思います。

▼教室より コトとバノの話は、個人的なことなので、「こんなどうでもいいことを新聞に書いていいのか」とも思ったのですが、意外と多くの方の好意的な反響があり喜んでいます。 

 流星群は、私も寒い中、深夜の山登りをしてシュラフにくるまって夜空を眺めましたが、こういう体験も過ぎ去ると、懐かしい思い出になります。

 現代は、バーチャルな体験ばかりが盛んになっているので、このような実際の生きたものや生きた自然との関わりは、意識的に作り出していく必要があるようです。

←最近のバノの写真です。(最近、マウスのコードをかじるのを覚えて、一個使えなくなりました)

 

  永谷先生が4月から復帰します

 昨年から体調を崩し自宅療養中だった永谷先生が4月から復帰します。

 この間ご心配いただいた生徒のみなさま、保護者のみなさま、ありがとうございました。

 復帰後の担当時間は、当面週1回だけで、金曜日の16:30〜19:30となります。

 担当交代をした場合、通常は元の担当の先生が戻っても特別の連絡はしないことにしていますが、永谷先生に関しては、事前に複数の生徒の方から復帰後の再担当を希望する声がありましたので、言葉の森新聞でお知らせします。

 4月からの担当を希望される方は、2月末までにご連絡ください。電話0120-22-3987 言葉の森

 

 

  光る表現(小1−小3) 2002年2月3週号

●あかりさん(いはぬ/幼長)の作文より(メグ先生/2.1週)

 リカちゃんであそびました。あそんでいたとき、まるでリカちゃんになったようでした。【評】じょうずなたとえがつかえたね。あかりちゃんは、リカちゃん人形みたいにかわいいものね。

●クリリンさん(いあし/小1)の作文より(けいこ先生/2.1週)

 わたしの心の中には、やだやだおにがすんでいます。お母さまのいうことに「はい。」と答えられなかったり、わがままなことをいっておこられるおにです。せつぶんのときは、「おには〜外。ふくは〜内。」といってまめまきをします。私の心の中でも、イエズスさまの心をもったてんしたちといっしょに、心の中のやだやだおににむかって、まめまきをしています。でも。やだやだおにが「やだー。やだー。」といってにげまわっているから、お母さまに、おこられています。わたしは、毎日「いい子になれますように。」と、神さまにおいのりをしています。 評:心の中でもせつぶんのまめまきをしているのね。「やだやだおに」が心の中にいるというかんがえが、とてもおもしろい。

●りょうさん(いつみ/小1)の作文より(みのり先生/2.1週)

 一日じゅぎょうがつぶれて、その上せかい一しゅうをしたみたいでおもしろかったです。(評)じゅぎょうとはまたちがったおもしろいべんきょうができましたね♪

●真季さん(いなく/小1)の作文より(メグ先生/2.1週)

 わたしのおにのおめんは、まゆげがふとくて口についているはは、上に二本あって下に三本あります。耳はすこしとんがっていて、あごはまるみがあります。めはきりぬきました。【評】おめんのようすをよくかんさつして、くわしくかくことができたね。

●耀子さん(いふね/小1)の作文より(そら先生/2.1週)

 私はその時、幸運を忘れたみたいに、ショックで、ビックリして、どうしようもない気持ちになりました。★そういう気持ち、すごくわかる! 私の家にはダックスフントが2匹いるのね。毛の短いオスと毛の長いオスで、それはもうめちゃめちゃカワイイの。いつの日か、この子たちがいなくなったら…と思っただけで、もう悲しくて頭が変になりそうになっちゃうもん。        "☆"

●かっぴーさん(いくす/小2)の作文より(けいこ先生/2.1週)

 もし妹の文ちゃんが、しゅう字をならっていたら、きってすみをようふくにつけて牛さんのようになってしまうだろうと私は思いました。 評:文ちゃんはまだ小さいから、こんなこともおこりそうだね。文ちゃんがしゅう字をならうのは、もう少し先かな。

●みのりさん(いこの/小2)の作文より(メグ先生/2.1週)

 まめまきは、楽しくて心にのこっています。いままでのまめまきとくらべると、いちばん楽しかったと思いました。【評】思ったことがとてもくわしく書けたね。本当に楽しいまめまきだったみたいね。

●さくらんぼさん(いそら/小2)の作文より(スズラン先生/2.1週)

 「弟がねつを出した」弟のわたるのかおを見ると、とても赤くて、まるで、おふろですごくあつくなった時のかおのようでした。わたしは、とてもしんぱいでした。:評:高い熱を出してしまった弟さんのようすを表すたとえが上手ですね。熱が高いときはこういう顔色になりますね。

●由華さん(いはこ/小2)の作文より(スピカ先生/2.1週)

 (たこあげをして)そのかちゃんは、マンションの十かいぐらい上がりました。わたしとこのみちゃんのたこは、四、五かいくらいぐらいまで上がりました。 評:たこがどのくらいあがったかということが、数字を使ってわかりやすく表現できたね。

 

●真章さん(ありる/小3)の作文より(スズラン先生/1.3週)

 お母さんがビニール手袋をして、ミカンのはこに一つのこったなにかをベランダに出しました。はじめ、ぼくは、みどりのおいしそうなまんじゅうと思いました。なので、どうして、ベランダでなんか出すんだろう、ミカンのはこの中に、なぜまんじゅうがあるのかな、と思いました。けれど、お母さんが、「これがくさったミカン。」といったので、よくよく見ると、先の方に、オレンジ色のものが二つありました。:評:ミカンのはこから緑色のおまんじゅうが出てきたときは、変だなぁ→びっくり、だったでしょうね。これを最初に発見したお母さんはもっとおどろいたかもしれませんね。緑のまんじゅうという表現がその変わりようを示していますね。

●マーヤさん(いちこ/小3)の作文より(さかな先生/2.1週)

 注意されたり、わらい話をしたりして、毎日の夜ごはんは、家族全員で食べるからおいしいし、楽しいです。★評:あたたかい家庭のふんいきが感じられました。

●ちーさん(いぬえ/小3)の作文より(森川林先生/1.3週)

 もし、び生物が、大きくて、強くて、力もちだったら、ちきゅうの悪い大王になっているかもしれません。せいじ家は、その悪い大王の家来にされていて、わたしたちは毎日くさっているものを食べなきゃいけなくなっているかもしません。◆評:なるほど、「もし……だったら」で、想像した話をおもしろく書いたね。

●くにさん(いのか/小3)の作文より(ゆうこ先生/2.1週)

 その後ちょっとボケーッとしたりしています。どうしてボケーッとするのか考えてみました。たぶんつかれたのうみそと体を休めているのだと思います。ボケーッとしているとしあわせになります。すると、ボケーッとした後に、お父さんは、「歯をみがいてねなさい。」と言います。僕はわれにかえって急いで、せんめん所に行って、歯をみがきます。【講評】「我に返る」という表現が上手に用いられています!

  光る表現(小4−小5) 2002年2月3週号

●ビーバーさん(あにい/小4)の作文より(メグ先生/2.1週)

 駅から学校までだいたい千メートルで、チーターが走って息切れする距離ぐらいです。【評】おもしろいたとえだね。ビーバー君が走るとどうなるのかな?

●ラブリーさん(あにせ/小4)の作文より(けいこ先生/2.1週)

 「いっせ〜の〜せ!」と回し始めると、みんないっせいに飛びました。あと30秒くらいの時に、「48!」今までの最高記録をぬきました。その時は、嬉しさのあまり引っかかってしまいそうになってしまいました。「はい終わり〜。」と先生が言ったときはなんと!58回もいっていました。やった〜!なんだか、本番でも優勝できそうな予感がそのとき風にのってただよっていました。 評:2分勝負12人大なわとびの練習風景。新記録達成の瞬間の、充実感・満足感が伝わってくるね。本番は60回だ! 

●ししさん(あふか/小4)の作文より(さかな先生/2.1週)

 お姉ちゃんはシャボン玉をふくらませて、「食べてごらん」 と言ってきました。ぼくは、「シャボン玉なんておいしくないからやだよ!」 と言いました。★評:会話がいきいきとしているね。シャボン玉を食べる、という予想外の話にビックリ。(@@)

●ともっちさん(いえさ/小4)の作文より(けいこ先生/2.1週)

 日本は、それぞれちがう地いきで、それぞれのせつぶんがあります。東京は、まきずしがなくて、さんざんさがした覚えがあります。きょ年、東京から名古屋に引っ越してきて、すごくびっくりすることがありました。名古屋は、まきずしもすごくいっぱい売っていました。でも、だいずの豆がありません。そして、お店を回ってみると、豆のつめほうだいがありました。「やったぁ。やっとあった。」と思って見てみると……なんと、らっかせいです。つめほうだいのかんばんには、せつぶんの豆と書かれています。(中略)べつの売り場にも、どこの売り場にも、豆まきの豆は、らっかせいです。 評:関西でまきずしを食べるのは知っていたけれど、名古屋でらっかせいをまくのは知らなかったなぁ。引っ越しをしたことで、いろいろな地いきのおもしろいところが、たくさん発見できたね。

●まいポンさん(いこに/小4)の作文より(ふじのみや先生/2.1週)

 なぜ八人もぬかせたのか、疑問に思っています。お母さんは、くつをはいているよりも、はいていない方が早く走れるというのですが、本当なのでしょうか。わたしは、このとき、早く走ろうとしたからだと思います。 【評】つまり、気持ちが体を動かしたんだね! お母さんの考えと自分の考えを比べたのが、いいね。

●圭さん(いそむ/小4)の作文より(スズラン先生/1.3週)

 もし、このガがぼくの家の周りにたくさんとんでいたら、きっと、気持ち悪いと思います。でも、そのガは、人間をさしたり、ハエのようにくっついたりしないので、まだいい方だと思います。:評:もし、空が真っ白になるほどたくさんとんでいたり、カのように刺すものだったら、想像しただけでもゾッとしますよね。

●ミニまろさん(いそれ/小4)の作文より(けいこ先生/2.1週)

 そして立春の日の今日、下校と中で友達が、「あっ! 見て見て! 梅の花が咲いてる!」と、白い梅の咲いた木を指さしました。梅の木を見上げながら私の胸は(もう、春になるのかぁ……。)と期待でふくらんできました。梅の花が私に『春だよ。』という言葉を告げに来たのでしょうか。 評:ついこの間までは寒い寒いと思っていたけれど……暦の上では春になった。よく見ると、本当に春がやってきたのだね。梅の花は真っ先に春を告げる「春の使者」かもしれないな。

●ノンキィさん(いちえ/小4)の作文より(ポプリ先生/2.1週)

 別に勝ち負けは関係ないから、その人をせめなかったけど、やっぱり少しくやしかった。今度駅伝をするときは、一位だからって安心しないで、私もまるで前に見えない人がいると想ぞうして、その「見えない人」をぬかそうと、全力を出してがんばろうと思う。

●ミーミーさん(いちさ/小4)の作文より(けいこ先生/2.1週)

 (春のイメージを)だいたい一つにまとめると、私だったら「新しい命の始まりを喜ぶ気持ちのあらわれ」と言います。 評:小鳥が鳴いて、花が咲き、木々の緑があざやかになる……春のイメージを自分のことばで上手にまとめられた。

●キティさん(いぬこ/小4)の作文より(ゆうこ先生/2.1週)

 ゴキブリは、目がほとんど見えません。だから触角は目の役割を果たし、また、えさのニオイをかぎわける鼻の役目もしています。それに触角は手の役割もしているので、これがなくなると、えさを見つけるのに二時間以上もかかります。ゴキブリのおしりの方にとんがっている、二つのブラシのようなもの...これはなんと耳なんだって!おしりで音を聞くなんて、面白い!【講評】虫(ゴキブリ)の世界を楽しく表現してくれました。(否定的な表現が全文を通じてつかわれていません。)すばらしいですね!

 

●プーさん(いはれ/小4)の作文より(スピカ先生/2.1週)

 4周目が終わると、なんだかうれしいです。でもあと1周あると思うと、ガクッとしてきます。5周目は目がくらくらするし、こきゅうもできなくなってしまうくらいです。 評:校庭を走るマラソンのようすを、「○周目は・・・」ということで心身の変化がよくわかるように書けました。思わず「がんばって!」と声をかけたくなるような、マラソンの苦しさが伝わってきたよ。

●ドラゴンさん(いひあ/小4)の作文より(さかな先生/2.1週)

 その後ぼくはBくんをおいかけました。Bくんのせなかはぼくたちのせなかを四つにわったぐらい小さいものでした。だけどぜんりょくをだしきって走ったら、やっとBくんをぬけました。★評:Bくんのせなかの大きさをたとえたのが、とても上手でした。追いつくのが大変だったことでしょうね。

●DD51さん(あある/小5)の作文より(ポプリ先生/2.1週)

 乗りごこちはシリーズ21に比べると良くはないが、八千系は、高度成長時代をささえた重要な車両であることを忘れてはいけない。八千系がなければ、奈良線系統は成り立たなかったかもしれない。大切な車両である。・・・二十世紀後半を走った八千系。もう八千系快急は見られないのだろうか。ぼくにとっては最後のシャッターチャンスだったかもしれない。「パシャ。」という音で。評:日本の歴史を大好きな電車のことから覚えたようだね。知らないことを教えてもらいました。

●友葵さん(あしも/小5)の作文より(ゆり先生/2.1週)

 二つの目標を達成した私は、まるで宝くじが当たったような気分だった。 負けず嫌いな私は、目標を達成しないではいられないのだろう。目標を達成した時は、どんなに嬉しいか。最高な気分になる。【評:目標を立てて走り、その目標を達成できたとき・・・。うれしい気持ちがていねいに表現できていますね。】 

●寛和さん(あめね/小5)の作文より(メグ先生/1.1週)

 「住は、けがが多いから、まるで傷ついた兵士みたい。」と言われ、ぼくはがっかりしました。【評】「傷ついた兵士」とはかっこいいなあ。でも、くれぐれもけがには気をつけてね。

●あずささん(ありな/小5)の作文より(スズラン先生/1.3週)

 私のクラスでは、先生が「間違えることははずかしいことではない。教室は間違える所だ。」と、いつもおっしゃっている。そのおかげで、私は、五年生になってから、わからないことは先生にきくようになった。:評:間違えたことを体験して、新しい知識が身についていくことが多いですね。良い実例でした。

●健太さん(いせつ/小5)の作文より(メグ先生/1.3週)

 ソクテラスは『汝自身を知れ』と言う名言を残した。それは、ソクラテスが、自分があまりものを知らないということを知っているからこそ同時代人ソフィストたちの『知ったかぶり』を批判するために言った言葉かと僕は考える。【評】これは鋭い!

●夏輝さん(いへう/小5)の作文より(えんぴつ先生/2.1週)

 ★ぼくは胸の高鳴りを抑えるように、一度深呼吸してから、手で一気にやぶり捨てるように封筒を開けた。★実はこれがかかっていたのだ。(笑)

●さるっちさん(やあ/小5)の作文より(メグ先生/2.2週)

 生物を飼うということは、すごく難しいしその人の重要な使命になると僕は思う。【評】大切な命を預かっているのだから、責任重大だね。

  光る表現(小6−社) 2002年2月3週号

●クリリンさん(あかの/小6)の作文より(えんぴつ先生/2.1週)

 太巻き寿司をゆっくりと味わうこともできるので、いつもとは違うゆったりとした節分が過ごせるのではと感じています。

●ハムさん(あそみ/小6)の作文より(メグ先生/2.1週)

 算数の時は、計算が先にあるので、まるで鉛筆の音が試験場に広がったように感じた。【評】静かな試験会場でみんなが必死に計算問題を解いているようすが想像できます。

●けろっぴさん(あちえ/小6)の作文より(さかな先生/2.1週)

 宮内先生のピストルが鳴った!そのしゅん間、ぼくは飛び出した。飛び出しは成功した。今は一位だ。そのままつっ走る。カーブを曲がった。加速する。加速する。「転ぶ」心配なんてするなと自分に言い聞かす。ゴールテープが見えてきた。白だ。加速、加速、加速。ゴールテープは間近だ。今、テープを割った。一位だ。★評:歯切れの良い短い文や、言葉の繰り返しが効果的。まるで実況放送を見ているようだ。

●雅貴さん(あめす/小6)の作文より(みのり先生/2.1週)

 最後抜かされそうになったのをおもいっきり走りぬいたことだと思う。最後ダッシュで走ったときは、もう足を動かしている感覚がなかった。まるで機械のように足が勝手に動いていると思ったほどだった。(評)もう足ががくがくして止まろうと思っても止まれないような感じかな?よくわかります(^0_0^)

●田鳥倉部さん(あゆと/小6)の作文より(メグ先生/2.1週)

 「一生懸命。」という文字が初めて頭に浮かんだ。司会者の人が、「次は、プログラム№5番附属鎌倉小学校」と言って幕が開いた。「ガラガラ、ガラガラ。」この時は、緊張のピークだった。さらに、館内は暑かった。【評】緊張の一瞬。張りつめた雰囲気をうまく表現したね。

●SMILEY(^o^)さん(あるわ/小6)の作文より(スピカ先生/2.1週)

 (私は飛べる。飛べるんだ。)そう心に何度も言い聞かせた。跳び箱がもう目の前に迫っている。一瞬、うまくいくかもしれない、と思った。一瞬、諦めてしまえ、と思った…。でもその時にはもう、私は飛び箱の上……。力いっぱい踏み切って、思いっきり足を広げて跳んでいた。(とっ、跳べた?!)力が抜けた。さっきまっでの緊張がまるでうそのようにさっていく。まだ跳べたという実感がわかない。評:全編これクライマックスで、どこを「光る表現」としてもいいような作文でしたが、やはりここ、跳んだ瞬間でしょう。心臓の鼓動が聞こえてきそうな緊張状態から一瞬にして「力が抜けた」ところまでの描写がすばらしいです。

●ジョニーさん(いねも/小6)の作文より(ポプリ先生/2.1週)

 面接を待つイスに座った。手から汗がにじみ出てくる。いつの間にか、ズボンがぬれている。前の友達が部屋から出てきた。緊張でいっぱいで、たえられない。やっとの思いでドアをノックした。「いいですよ。」校長先生の声だ。「失礼します。」ドアをゆっくりと開け、ゆっくりと閉めた。イスに座ったとたんに、校長先生が、質問をした。ぼくはそれにすぐ答えることができた。不思議なことに緊張が台風でふっとんでしまったかのように、なかった。評:面接直前の緊張と、それが急になくなっていったようすがよく書けています。

●ウルフさん(すふ/小6)の作文より(メグ先生/2.1週)

 緊張するということは、決して悪いことではなく、緊張をうまく生かせば、いつもは出せない力が発揮できる。頑張れるということだ。【評】緊張をうまくプラスに変えていくことが大切ですね。

●ピカチュさん(とや/小6)の作文より(ふじのみや先生/2.1週)

 豆まきの由来…宇多天皇の昔、鞍馬山の奥の僧正谷という所に住んでいた鬼神が都に乱入しようとしたので三石三斗の豆を煎って、鬼の目をつぶして災厄をのがれたということが、始まりであると言われている。 【評】豆のふくろから、とてもおもしろい話を取材できたね。 それを、作文の中に生かしたのはさすが!

●日本太郎さん(あねひ/中1)の作文より(クマのプーさん先生/2.1週)

 人間にとって愛情とは、甘えではなく、しっかりした人間に育つために必須の材料だと思う。【評】愛情の定義として言い得ているし、「必須の材料」という言葉も印象的でした。

●晃章さん(あらか/中1)の作文より(えんぴつ先生/2.1週)

 社会にはゲ−ムと同じル−ルがある。(略)すべての条件を満たして大人になり、初めて社会というゲ−ムに参加できるのだと思う。★評:社会とゲ−ムとル−ルをうまく組み合わせて、説得力のある一文だね。

●ルフィさん(あわせ/中1)の作文より(さかな先生/2.1週)

 彼(=ベートーベン)の才能が開花した理由の一つに、厳しい父親の音楽教育がある。★評:あくまでも一因、という態度が、かえって説得力を感じさせるね。

●トトロさん(いけの/中1)の作文より(クマのプーさん先生/2.1週)

 私も、妹を時々おこるが、色々一方的にならないように、これからも注意していきたいと思う。【評】具体的で共感が持てるうえに、「一方的にならない」という観点がとてもいいですね。

 

●奈央さん(いしえ/中1)の作文より(メグ先生/2.1週)

 子供にとって愛情とは、木(植物)でいうと根っこのようなものだと思う。つまり、人間には愛情が必要なのである。【評】愛情を木の根っこにたとえたところがうまいね。

●ペライアさん(いひお/中1)の作文より(森川林先生/2.1週)

 緊張していても、平静さを失わなければ、成功するのではないか。その良い例はたくさんある。たとえば、イチローだ。このひとは、チャンスで、自分が打たなければ自分の責任になるというときでも、絶対に緊張にうちかてる。この精神力が大リーグで首位打者になるという成績を残したのだと思う。◆評:自分の体験から、ほかの人の経験へと一般化して考えたところがいいね。

●たぬきさん(のと/中1)の作文より(メグ先生/2.1週)

 確かに、学校や塾での勉強も大切だが家庭で学ぶことがないと、精神的に弱くなると思う。「カメラマンは、レンズのほこりを払うまえに目のほこりを払わねばならない」という名言があるように、身近にある教育・・家庭、これを大事にしなければならない。【評】名言を引用しながら、何が大切かをはっきりさせることができたね。

●潤之介さん(かな/中2)の作文より(メグ先生/2.1週)

 私の小学生の頃の学級会などは、委員長が「これでいいですか?」と聞くと必ずみんな「いいでーす」と声をハモらせて答えたものである。その時みんなが思ったことは恐らく一緒だろう。「適当に答えとけばいーや。」である。【評】投げやりな雰囲気が伝わってくるよ。

●惣さん(やき/中2)の作文より(クマのプーさん先生/2.1週)

 それは多分人に流されやすいからだと思う。【評】本心では違う意見でも、大勢の人の意見に惑わされて賛成にまわる時のことをうまく分析していると思います。

●たこたこさん(こむ/高1)の作文より(メグ先生/2.1週)

 他人のことを知るためには自分のこともよく知っておき、自分だけが悩みをかかえているわけではない、自分だけが特別ではないと思って人と接していくことが大切なのである。【評】「自分だけが……」という考えを捨て、心を開いていくことが大切ですね。

●○○○○さん(あう/社)の作文より(森川林先生/2.1週)

 むしろ、現在において「腕」の重要性は確かに高まっている点はあると思う。しかし、現在明らかに「腕」を偏重している傾向は確かにある。雪印が現在たたされているような苦難をどう乗り越えるべきかということは「腕」だけではカバーしきれない。むしろ、「度胸」が「腕」よりも大きな意味を持つ。◆評:現代の話題と関連させて論じたところがいいね。

 

 

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