KotobanomoriNo.753

 

言葉の森新聞

 

2002年3月4週号

文責 中根克明(森川林)

  3.4週の「山のたより」にはこれまでの講評

 3.4週の「山のたより」には、1月1週からの講評をすべて載せています。そのため、左側のランキングのページはありません。

  3/29(金)は休み。新年度は4/1(月)から

 3月29日(木)は休みです。新年度は4月1日(月)から始まります。

  新学期の教材は3月20日(水)ごろ発送

 4月からの教材は3月20日(水)ごろに発送します。毎学期数件、教材未着の事故があります。27日ごろになっても教材が届かない場合は教室までご連絡ください。(0120−22−3987)

 なお、新学期から担当の先生が交代する場合でも、今回お送りする教材は1−3月までの担当の先生名で作成しています。

 先生の住所ラベルは、教材には同封していません。4月1週の「山のたより」と一緒にお送りします。

 1−3月に体験学習をされた生徒の場合、新年度と旧年度の学年を混同してデータに入れている可能性があります。4月からの教材は、新学年で表示していますので、もし表示されている学年が異なっている場合はご連絡ください。

  中学生・高校生の英語長文教材

 4月から、中学生・高校生の長文教材に英語の長文が追加されます。中学生の英語長文は、高校受験の英語問題のレベルです。高校生の英語長文は、大学受験問題のレベルです。

 いずれも翻訳は載せていませんが、下記の翻訳サイトから、言葉の森のホームページの英語長文の掲載されているページにジャンプすると、機械翻訳が表示されます。中学生高校生で英語長文課題に取り組む方は、自分の力で英文を読んだあと、翻訳のページで内容を確かめてください。

http://www.nifty.com/globalgate/

 また、音声に関しては、下記のページから「テキスト読み上げソフトReporter」をダウンロードすると、自分のパソコンで英文を聴くことができます。(無料)

http://interhills.power.ne.jp/muratagumi/

  4月から指導の仕方が変わります

 4月から指導の仕方が大幅に変わります。

 要点は、

(1)項目指導を徹底する

(2)進級基準を明確にする

(3)添削講評の基準を設ける

の三点です。

(1)項目指導を徹底する

 課題フォルダの表紙に項目表があります。「会話」「たとえ」「思ったこと」などです。これらの項目について、それぞれキーワードを決め、そのキーワードが入っていればその項目は「◎」、入っていなければその項目は「 」(ム印)としていきます。

これまで

これから

キーワードをもとに先生がを判断して評価。

キーワードだけで評価。

先生の主観が入り、甘辛度によって不公平になることもあった。

先生の主観が入らず、評価が公平になる。

キーワード化しにくいものも先生が判断して評価していた(「中心を決める」など)。

キーワード化しにくいものは評価に入れず、講評の中で言及する。

指導については、キーワードの有無とは別に先生が独自に指導。

講評について、キーワードの有無とは別に先生が独自に講評。

 評価はキーワードの有無だけを基準としますので、生徒の目標が明確になります。ただし、項目にとらわれて内容をおろそかにする面が出ないように、指導と講評でカバーしていきます。

(2)進級基準を明確にする

 言葉の森では、当初A1級からL4級までの作文の進度を決めて指導していました。しかし、途中で、それまであった印刷物の教材をすべてデジタル化する必要性が出てきたので、その作業が完了するまで、進級基準を一時保留にして、全学年一律の指導をするようにしていました。

 今回、全教材のデジタル化が半分以上進みましたので、この4月から学年一律の指導ではなく進度に応じた指導をしていきたいと思います。

 この進級試験に、(1)の項目指導を活用しますので、ふだんの作文の勉強も、進級試験に合格することを一つの目標として取り組むようにしていってください。

 なお、これに合わせて、それぞれの生徒の現在の進度を4月に入ってから決めなおします。

進度 A1 A2 A3 A4 B1 B2 B3 B4 C1 C2 C3 C4 D1 D2 D3 D4 E1 E2 E3 E4 F1 F2 F3 F4
目標 作文の表記を身につけ楽しく書く習慣をつける 中心を決め、表現をくふうして書く 表現をくふうし、長くくわしく書く 表現をくふうし構成を意識して書く 構成を考え感想に重点を置いて書く

進度 G1 G2 G3 G4 H1 H2 H3 H4 I1 I2 I3 I4 J1 J2 J3 J4 K1 K2 K3 K4 L1 L2 L3 L4
目標 意見文の基本的な構成を身につける 二つの異なる意見を比較して考える書き方を身につける 象徴的な題名を主題化する書き方を身につけ 人文科学のテーマを書く書き方を身につける 社会科学のテーマを書く書き方を身につける 自然科学のテーマを書く書き方を身につける

(2)添削講評の基準を設ける

 これまで、作文の添削講評について、指導する講師によって若干の違いがありました。ある先生は、作文用紙にコメントをくわしく書き、ある先生は作文用紙には簡単に書くというように、先生の指導スタイルによって添削講評の雰囲気が違っていました。

 指導と評価の内容は共通していますが、添削と講評のスタイルが先生によってあまりにも異なると担当講師交代の際などに生徒の方もとまどうという面がありましたので、4月から、どの先生も同じスタイルで添削と講評を行なうようにしていきます。

 その結果、これまでシールをたくさん貼り講評をくわしく書いていた先生が、急にシールが少なくなり講評も簡単になるというケースがあります。また、その逆のケースもあります。

 同じ先生でこれまでの指導スタイルと外見が大きく異なる場合も出てきますが、指導と評価の原則はこれまでと同様だということでご了解ください。

  ゆとり教育についてのメール

 言葉の森オンラインマガジンの読者の方から、ゆとり教育についてメールをいただきました。許可を得て掲載させていただくことにしましたが、長文でしたので、4月2週の言葉の森新聞に掲載します。

 今回は、私の感想だけを。

 子供の教育を、鳥や犬のしつけと比較すると、いろいろなところからクレームが来そうですが(笑)、私はかなり共通点があると思っています。

 自慢ではありませんが(という言葉で始まる話はたいてい自慢ですが(^^ゞ)、我が家の犬は、食事中に「あっちに行きなさい」と言うと行きます。「おいで」と言うと来ます。「待ってろ」と言うと待っています。吠えてはだめと子供のころから教えているので、よほどのことがないかぎり吠えません。そして、いつもにこにこ笑っています。と書くとすごく立派な犬のように聞こえますが、しかし、おあずけができません。雷が鳴ると表に逃げ出します。寒い時はこたつでぐうたら寝ています。

 なぜ、こういう立派な犬に(どこがや)育ったかというと、小さいころの最初のしつけで例外をできるだけ作らなかったからです。そのかわり、小さいころにしつけをしなかったことや、例外が多くてしつけとして定着しなかったことは、成長してからいくら熱心にしつけをし直そうとしても、もう受け付けません。

 いただいたメールにあった「ストレスに耐える力」も、このしつけに似ていると思います。小さいころに我慢する習慣をつけた子は、大人になっても楽に我慢できますが、小さいころにそういう習慣をつけなかった子は、大人になってから苦労します。私(森川林)も、小さいころかなり甘やかされて育った記憶があるので、苦労しました(笑)。

 人間が犬や鳥と違う点は、成長してからでも自覚次第で自己変革ができるということです。しかし、いちばんいいのは、幼少期のしつけの中で自然に、強くたくましく清く美しく生きる習慣をつけておくことだと思います。

  光る表現(幼長−小3) 2002年3月4週号

●亮佑さん(いまね/幼長)の作文より(さかな先生/3.3週)

 だんぼうるでいすをつくってくろぎました。★評:「くつろぎました」といういいかたが、とてもじょうずです。大きないすにゆったりとすわったかんじがわかりましたよ。

●クリリンさん(いあし/小1)の作文より(けいこ先生/3.2週)

 はじめて(ランドセルを)しょったときは、思いと思ったけれど、三学きになるとかるくなってきました。いそいでいるときは、走ることもできるようになりました。「わたしの体とランドセルのいきがピッタリあうようになってきたのかな。」と、思いました。 評:あんなに大きくて重いと思っていたランドセル、今はいきがピッタリのなかよしさんになったのね。

●航さん(いのも/小1)の作文より(メグ先生/3.2週)

 はじめは、じょうずにできるかなとおもっていました。ぼくは、だれよりもじょうずにつくりたかったです。【評】思ったことがとてもくわしく書けたね。

●充さん(いさせ/小2)の作文より(スズラン先生/3.2週)

 (六年生に)ぼくたち二年生ぜんいんは、かみねんどで作ったきねんひんをあげます。それは、ぼくたちがこのあいだ、まず、かみねんどをすきなかたちにして、そのうしろにじしゃくをつけます。それは、れいぞうこにくっつけたりできます。:評:どういうものができたのかわかりますね。絵には「いつもありがとうございます」という言葉が入っていて、言葉の森のお友達にもみせてあげたいと思いました。

●真水さん(いすく/小2)の作文より(きりこ先生/3.2週)

 春スキー(題名)<季節を感じるすてきな題だね。>

●慧人さん(いそゆ/小2)の作文より(ゆうこ先生/3.1週)

 ひさしぶりに行くのでしんぞうがどきどきしました。でもぼくとこうたくんとほかの人はいのこりそうじでのこることになりました。(中略)いのこりそうじがおわってポケットを見たらまたなかったのです。「あ〜あ、これで見つかんなかったらこうたくんと家にいけない。」と思いました。【講評】出来事を感情表現を交互にまじえながら、楽しく仕上げてくれました。

●さくらんぼさん(いそら/小2)の作文より(スズラン先生/3.2週)

 ドッジボールが大のにがてな私は、六年生に、「ドッジボールきらいだからやりたくないよ。」と言ってしまいました。そしたら、「じゃあ、もと外野(さいしょから外野にいること)をやったら? 」と言われました。私は、外野にいても、あとで内野に入らないといけないので、それでも、気がすすみませんでした。:評:なんと言われても苦手だからいやだなぁと思っていたことが会話から伝わってきますね。でも、無事に終わってほっとした気持ちになれたことも書いてあったので、読んでいてこちらまでほっとしました。

●さとしさん(いたゆ/小2)の作文より(けいこ先生/3.1週)

 (1日の)時間は、長ければ長いほどたくさんあそべるけど、まつ時間が長くなります。みじかいとまつ時間がみじかいけど、あそぶ時間はみじかくなります。だから(1日の)時間は中くらいがいいです。 評:1日が36時間あったら、もっと友だちとあそべるのに……そう思ったのがスタート。いいところ・悪いところのりょうほうをしっかり考えられた。けっきょく1日が24時間というのが、中くらいでいいのかもね。

●森のきのこさん(いたれ/小2)の作文より(ゆり先生/3.2週)

 五時になって家に帰りました。わたしは、もう春になってきたから六時まであそびたいなと思いました。【評:楽しく遊んだからなかなか帰りたくなかったんだね。季節を感じる良いむすびです。】

●ミニリュウさん(いにと/小2)の作文より(ぴのこ先生/3.2週)

 チョウチョウウオも色が黄色くて、まるで水の中でちょうちょがとんでいるみたいだなと思いました。フエヤッコダイは、細長いフエをくわえてるみたいでした。【評】魚を見て思ったことをうまく書けたね!これからもいろんな魚に出会えるといいね。

●大和さん(いぬむ/小2)の作文より(ゆうこ先生/3.1週)

 二たい一でまけてしまいました。けれど、あと少しで、どうてんでした。どうしてかと言うと、ぼくがつっこんでいって、ゴールエリアまでいったからです。(中略)まけたけど、なんとも思いませんでした。なぜなら、ぼくは、思わないタイプだし、その時おもしろい話をしていてわらったりしていたからです。【講評】サッカーの試合をじょうずな漢数字で盛り上げて書いてくれました。そして、負けてしまったけれど前向きな大和さんがいいね♪次の試合もがんばれ〜o(^▽^)o

●ウサリンさん(いねめ/小2)の作文より(ゆうこ先生/3.2週)

 わたしが一番好きなところは、あつぞこの方です。はかってみると、五センチ三ミリでした。今も大切にくつをつかっているけれど今どはもっと、大切にしたいです。【講評】一番○○をじょうずに表現してくれました。

 

●海乃さん(いへほ/小2)の作文より(スピカ先生/3.2週)

 せいちょうしていったたんぽぽは、わた毛にはならないで、ライオンになって、自分のペットになってボディーガードになってくれたらかっこいいなと思います。 評:たんぽぽがライオンににているところからそうぞうしたことが、とてもすてきなゆめとして書けました。読んでいても思わずそうぞうしちゃったよ。

●ミニパンダさん(あもろ/小3)の作文より(ポプリ先生/3.2週)

 おどろきの中には、三つのおどろきがあります。一つ目は、かなしみのおどろき。二つ目は、うれしいおどろき。三つ目は、わらいのおどろきです。この中でわたしがはじめてけいけんしたかなしみのおどろきを書きます。(中略)「死んでる。」「えっまさか。」わたしは思いました。なぜかというと、チーは、かったばかりで、とても元気だったのです。死んでいても、体はあたたかくて、かおは、今も生きているようなかんじでした。わたしはきっとチーは、心がきれいだったから、幸せなように、死んでしまったんだなと思いました。そのあと、わたしは、かなしみのあまりにないてしまいました。本当にかなしい思い出の一つになりました。評:かなしいけいけんだったね。でもわすれられないきれいな思い出になりますよ。

●ムリョウさん(いかゆ/小3)の作文より(さかな先生/3.2週)

 さいしょにきいたうぐいすの声は、まるでプロの歌手のようなきれいな声でした。★評:思わず耳をすまして聞きほれてしまうね。

●ユータンさん(いくい/小3)の作文より(ポプリ先生/3.2週)

 春を見つけた場所は、大運動場です。私が大運動場に入って一番に見つけた春は、「たちいぬのふぐり」でした。今まではかれ葉だらけだったのに今は「たちいぬのふぐり」の花畑でした。「わあ、きれい!」ほんとにとてもきれいでした。次に見つけた春は、黄イチゴの花でした。「かわいいね。」黄イチゴの花は黄色でした。そして私は、イチゴがなったら、食べてみたいなぁと思いました。評:いろんな春をみつけました。たのしそうね。

●春まきくんさん(いせね/小3)の作文より(メグ先生/3.2週)

 学校に行くとさくらがつぼみを出していた。あと二週間もしたらさくらという感じだった。【評】さり気ないシャレになっているのね。今年は、さくらの開花も早そうだね。

●スマイルさん(いにわ/小3)の作文より(さかな先生/3.2週)

 私は春が好きです。草花がおしゃべりしていたりしているみたいで楽しいからです。★評:ほんわかとあたたかくてやさしい春のようすが感じられました。

●ポッターさん(いねり/小3)の作文より(はるな先生/3.2週)

 わたしは、このとき「あんたは、おじさんか?」といったことがあります。その時、お兄ちゃんの堪忍袋の緒が『プチン』と切れて頭の上に、つのがニョキッとはえて、目が火のように「ゴーゴー」ともえているのを見たことがあります。・・・・(中略)、お兄ちゃんが私に向かって、風邪のように突進してきたのです。私が家の中で必死に逃げ回る後をお兄ちゃんが追いかけてきます。 ・・・(中略)でも、わたしは、こんなへんなお兄ちゃんが、大好きです。(講評);けんかのようすが、会話やたとえの表現を駆使して日常語で、ユーモアたっぷりに説明できました。すごいバトルのようですが、でも、兄弟の、なにかほのぼのとした、交流が、読み手に暖かく伝わってきます。これからも、兄弟すごく、仲良く、明るくやっていかれることでしょう。そのようすが、むすびのひとことに、たいへんほほえましくかきあらわせました。(けんかするのは、仲の良い証拠なのですよね!!)

●ちえちゃんさん(いはさ/小3)の作文より(メグ先生/3.2週)

 花がゆらゆらゆれている。春が近づいてきました。春になるとぽかぽかです。今日の温度は17度。【評】リズム感のある書き出し。本当に春がやってきたという感じがするね。

  光る表現(小4−小5) 2002年3月4週号

●ビーバーさん(あにい/小4)の作文より(メグ先生/3.2週)

 星を見ている時、神秘の世界に吸い込まれたような気分です。【評】星空をずっと見ていると引き込まれそうになるよね。

●秀雄さん(あろう/小4)の作文より(ゆうこ先生/3.1週)

 確かに、校外遠足に行けないことは、しょっくでした。しかし、校内遠足も楽しいことばかりでした。校外遠足と同じくらい楽しかったのでよかったです。(まだまだ遊びたいよ〜)【講評】すばらしいまとめの段落になりましたね。

●みかんさん(いこい/小4)の作文より(すず先生/3.2週)

 そのいろいろな草花で花たばを作ったので、とてもきれいな花たばができました。その花たばを、ちょうどあながあいている木にさしこんでおきました。すると、木がきゅうに春らしくなったような気がしました。 今年一番に発見した春のオオイヌノフグリは、四年生の初めに、理科で習った草花です。冬の間はかれていたのに、また出てきました。オオイヌノフグリのほかにも、タンポポ、ホトケノザ、ナズナなどいろいろな草花がまたはえてきました。評:春を見つけたうれしさがあふれていますね。

●YOTOさん(いせい/小4)の作文より(ぴのこ先生/3.2週)

 ぼくは、このクリキュラは街路樹の害虫なんだから、くじょするときに殺虫剤を使わないで幼虫を取って、養蚕業をする人たちにあげたほうがいいと思います。【評】想像したことをかけたね。クリキュラの特性を生かして、活用していくのは大事だよね。

●アミーゴさん(いそと/小4)の作文より(ゆうこ先生/3.1週)

 「十一回だよ!すごーい!」その言葉が耳に入ったしゅん間、わたしは、むねの中で、何かがさわいでいるようにとてもうれしかったです。そして、三学期初めての体育の日……。(中略)「何回?」「十五回!!」とてもゆめのようで、「うそじゃないよね!」と何回も聞き続けましたが、やはり十五回でした。【講評】リズミカルに会話文をつなげてくれました。

●ヤマネさん(いてせ/小4)の作文より(けいこ先生/3.1週)

 通学の途中に梅の花が「もうすぐ春ですよ。」とやさしくささやいているように咲いています。……次は桜が咲く時期です。まだつぼみです。5年生(になるの)が近くなると桜が咲き始めます。桜たちが「5年生もがんばって!!」というみたいに勇気づけてくれます。その期待にこたえて5年生になってからもがんばっていこうと思います。 評:寒い寒いと思っていても、花たちが季節の変化を教えてくれるのね。梅や桜が語りかけているという表現がすてき。

●まりさん(いにほ/小4)の作文より(クマのプーさん先生/3.1週)

 わたしは、そんなに大切にされていたんだな。わたしの名前の意味どおりに進みたいです。【評】こんな感想を聞いたら、真理さんのまわりの方達はどんなにうれしいことでしょう!

●キティさん(いぬこ/小4)の作文より(ゆうこ先生/3.2週)

  いよいよ出発です。パパの後ろをまるでヘビのように、私とお兄ちゃんと弟はついて行きました。(中略)やがて、シカの大群は森の奥へ消えて行きました。私たちもそれを追うように森の中に入りました。(中略)しばらくして、また歩き始めると、私はありの巣を見つけました。ありの巣は三十cmぐらいの山になっていて、ゆらゆらと右左にこまかく動いていて、まるで地面の『にきび』のようでした。よくよく見てみると、小さなありたちが一生懸命に働いていました。ありの巣は茶色くて、どっしりした感じです。 ちょっぴり北風がふいていて、森の中は寒かったりしたけれど、たくさんの発見をして、なんだかとっても得をした気分でした。 私にとっての春は、むらさきのきれいなお花。ママにとっての春は、鼻水がずるずる出る鼻。

●プーさん(いはれ/小4)の作文より(スピカ先生/3.2週)

 道を歩いていると、沈丁花や木蓮などがさいていてとてもいいにおいがします。つんで帰りたいと思いました。フワーという気持になります。 評:においまで伝わってくるような感じ。「フワーという気持」というのが、甘い香りを思い起こさせてじょうずだね!

●にゃむさん(いひむ/小4)の作文より(ゆり先生/3.2週)

 「ホー、ホケキョ」「おきなさい!日曜だからって、もう!」・・・(略)・・・『うぐいすは春だけじゃなく幸せも運んでくれるのねェ。発見!』と感じ、一日をすごした。【評:日曜日の朝、うぐいすの声を聞いて、なんだか幸せな気分になったんですね。よく分かります。】

●一休さんさん(わら/小4)の作文より(森川林先生/3.2週)

 手伝ってくれるのはいいけれど、収穫が成功するか失敗するか分からないというのにもうできたにんじんのことを想像している。それほど自信があるのだろうか、大丈夫なのかと心配になった。◆評:心の中で思ったことだね。口には出さなかったけど思ったことがよく書けている。

 

●まもるさん(いそき/小5)の作文より(ゆり先生/3.2週)

 四しあい目は、二対〇でかちまいした。なにか、つよそうでへぼいような気がしました。ほっとした。【評:最初、相手チームが強そうに見えたんだね。でもやってみるとそうでもなかった・・・。ホッとした気持ちが伝わってきますよ。】

●うさぎさん(いそに/小5)の作文より(スズラン先生/2.1週)

 「節分」豆を食べるのにも、ちょっとした工夫がある。それは、豆をいって、カレーの中に入れて、ドライカレーにすると、ものすごくおいしくて、ハッピーな気持ちになれる。そんな工夫を、私の家ではしている。:評:豆まきをしたあと、こういう工夫をしてハッピーな気持ちになると、本当に「鬼は外」というさっぱりとした気持ちになれそうですね。

●うさぎさん(いそに/小5)の作文より(スズラン先生/3.1週)

 (ホットケーキを友達と作って)私は、片面だけ、少しはんじゅくにして、くっつくようにして、その中に少々ココアパウダーをふってからまるめた(ロールです)。中に入れたココアパウダーがほろにがくて、とてもおいしかった。:評:ホットケーキのイメージではない、ほろにがいちょっと大人の味のおいしそうなロールケーキでしたね。お料理は工夫ですね。

●桃花さん(いてら/小5)の作文より(ぴのこ先生/3.2週)

 もうすぐ五年生最後の大切な役目がある。それが卒業式の準備をやり終えることだ。それを終えることによって、初めて卒業生からのバトンを受けつぐ事になる。【評】いよいよ六年生。どんな一年になるのかな。楽しみだね!!

●パレットさん(いてり/小5)の作文より(すず先生/3.2週)

  先生たちは、みんなすごくうまいのですごい練習をしたにちがいありません。失敗して、やっと先生になったんだなぁと思います。そこで、こんなことわざがあります。それは「失敗は成功のもと」ということわざです。失敗すればするほど成功に近づくと言うことです。 レオナルド・ダ・ビンチという人は、「モナリザ」の絵を描いた人です。あんなすごい絵を描くのはしなんのわざです。どれだけ失敗したのか知りたいです。評:確かにたくさんの失敗があって、あれだけの素晴らしい絵ができたのでしょうね。

●拓馬さん(いはの/小5)の作文より(メグ先生/3.2週)

 難しいから楽をする方法をさがすのではなく、せっかく自分で考える力があるので、自分で考えることも大切だと思いました。【評】そのとおり。たとえ遠回りでも、自分なりに創意工夫してみることも大切だね。

●穂香さん(すよ/小5)の作文より(ゆうこ先生/3.2週)

 このように私たちが、普段何気なく研究をしているが、このような人たちの行った研究とは比べ物にならないと思う。もし、レオナルド・ダ・ヴィンチのようなとても本物の人間に近い絵を描くならば、あらゆる人の様子・姿・角度の一度一度を見て研究をしたのだと思う。だから、今でも世界に愛される絵ができあがったのだ。【講評】モナリザの微笑は角度を変えて見ると、その見え方が変わりますね。

●さるっちさん(やあ/小5)の作文より(メグ先生/3.3週)

 僕はこの時ものすごく感動した。あんなにちっぽけな種子でも『根』、『茎』、『葉』、になる所がきちんとあり、発芽のための栄養分が蓄えられているところもあるということに。【評】幼い頃から抱いていた謎。それが解けたときの感動が伝わってくるよ。

  光る表現(小6−社) 2002年3月4週号

●雅貴さん(あめす/小6)の作文より(みのり先生/3.2週)

 卒業証書授与式が雨だったら、もしかしたら天気が僕達の卒業のことで感動してくれているのかもしれない。(評)とても文学的な表現ですね。何か心に余韻(よいん)が残ります。

●ナズナさん(あもせ/小6)の作文より(メグ先生/3.3週)

 真っ赤な夕日…目にたまった涙を染める。ああ両手に溢れそうな思い出達。枯れないように、ゆっくり明日を尋ねてゆくから。【評】今は振り返って涙するだけの思い出。でも、もう間もなくその思い出たちがナズナちゃんを後押ししてくれるよ。

●ALO-HAさん(あるわ/小6)の作文より(スピカ先生/3.1週)

 いつもなら、言い返してくる彩奈ちゃんなのになぜか、返事がない。ただ、黙々と掃除をしていた。これはただごとじゃない!周りの男子も動物園にいるおりの中のライオンを見るような顔をしている。 評:豹変した「彩奈ちゃん」と、彼女を見つめる周りの目を、たとえを使ってわかりやすくユーモラスに表現したね。

●スヌーピーさん(いうわ/小6)の作文より(ゆり先生/3.3週)

 アスファルトの道には虫の死骸がないから良いと思う人もいると思うけれど、虫の死骸や花には大事な役目がある。私たちに季節の移り変わりを告げてくれることだ。カブトムシの死骸が落ちていたらそろそろ秋。タンポポが咲いていたら春。カタバミが咲いていたら夏。ミズヒキが咲いていたら秋・・・・・。【評:砂利道が知らせてくれる季節感を、具体的な例をあげて説明できています。】

●正人さん(いなり/小6)の作文より(森川林先生/3.1週)

 前に読んだ長文の音読で人生を選ぶか生活を選ぶかというのがあったけど、ほとんどの人間は、生活のほうにいってしまう。僕は、人生を選びたいので料理も大切な選択しの一つになるかもしれない。これからも料理を楽しみたい。◆評:これまでの長文の話を消化して引用したところがいいね。人生を考えるというところが六年生らしい。

●SIGNALさん(あつえ/中1)の作文より(ゆうこ先生/3.1週)

 私は、確かに人間「狂気」という気持ちも必要だと思う。今、私たちの周りに当たり前のようにあるテレビやラジオも歴史をたどれば、だれかの狂気によって発明されたものだと思うからだ。(中略)狂気という刀をもつときにはそれをおさえるさやも必要なのだ。【講評】狂気=凶器=刀。刀をおさめる「さや」は、私たちの心の狂気を鎮める場所でもあるんですね。

●あつしさん(あむら/中1)の作文より(ゆうこ先生/3.1週)

 「狂気」がないとそのことに集中できずに、長続きしないと思います。「狂気」があるからこそ夢中になれるのだと思います。確かに夢中になりすぎて他のことが見えなくなってしまうというところは欠点だが、「狂気」にならないと物事の進歩がないと思います。

●晃章さん(あらか/中1)の作文より(えんぴつ先生/3.2週)

 日本人が昔から淡泊なものを好むのは、ものごとをおおげさにしないで、かざりをつけずにそのままの姿で見よう、という考えがあったからだと思う。【評】:まずい料理ほど、調味料が必要だし、中身に自信がない人ほど、身のまわりに装飾をつけたがる?・・かな?人間、中身で勝負したいもんだよね。

●ルフィさん(あわせ/中1)の作文より(さかな先生/3.2週)

 ・・・論理で音楽・芸術は説明できないということだ。CDを聞く時に、「あぁドの後にソがきてすぐミがくる。それにこの♪98のペースだからいい歌だなぁ。」なんて思いながら聞く人はいないだろう。それに絵を書くとき「ここに曲線を入れて青と赤をぬると目のもうまくがしげきされて・・・。」なんて考える人もいない。頭にうかんだ旋律や風景を五線とか画用紙にぶつけるだけなのだ。直感なしではピカソもゴッホもつんくもいない。★評:ユニークな実例を、最後の一文が明快にしめくくっているね。

●トトロさん(いけの/中1)の作文より(クマのプーさん先生/3.1週)

 常に「今自分は狂気のすぐそばにいる」ということを自覚し、その上でその狂気を少し利用すればいいと私は思う。【評】狂気のマイナス面をよくわかった上で、プラス面を使うというニュアンスがよく表れていると思いました。

●奈央さん(いしえ/中1)の作文より(メグ先生/3.1週)

 静に物事を考えることも大事だが、「夢があるから行動するのではなく、行動するから夢が生まれる。」という名言もあるように「狂気」が無ければ何事も始まらないのである。【評】確かに「狂気」から何かが生まれることってよくあるよね。

●こめさん(いせか/中1)の作文より(ゆうこ先生/3.1週)

 カラスはなんでこんなにだらしない食べ方をするんだろうと思った。最近、燃えるごみの日にごみステーションに行くと、ごみの上に青いネットがかぶせてある。これは、カラスがごみを食い散らかさないように、つまりカラスがごみステーションに行っても残菜が食べられないように作ったものである。しかし、最近は、このネットもカラスには通用しないようである。都会のカラスにとって、ごみステーションは絶好の餌場である。

 

●ボミーさん(いてる/中1)の作文より(ゆうこ先生/3.1週)

 ぼくは初めて剣道を見た時、ただ竹の棒を面、小手、胴に当てればいいものだと思って軽い気持ちで部活に入った。しかし一日目にしてその気持ちがふっとんだ。その時先生がいて先輩たちの練習後の顔を見ると「家に帰って寝たい」と言うほどだった。「僕たちも二年になったらあんな感じにしごかれるんだろうなぁ」と思った。

●しっぽさん(ほし/中1)の作文より(メグ先生/3.1週)

 狂気はやりたくないことをやるときにも使えるし、嫌なことがあって忘れたいときにも使うことが出来ると思う。【評】なるほど、そういう狂気の使い方もあるね。

●実由記さん(いそほ/中2)の作文より(クマのプーさん先生/3.2週)

 わたしは、日本人の迷信はけっこうあたってると思いますが、アメリカ人の迷信は半分はずれていると思います。【評】よく見ているいい指摘だと思いました。相手国の自分の中での位置付けも関係しているかもしれませんが。

●太一さん(あうけ/中3)の作文より(ゆうこ先生/3.2週)

 火があったことによって人間は進化してきた。もしかすると、火は人間たちの心の奥底にある「懐かしさ」、つまり遥か昔の記憶をくすぐられるのかもしれない。家族が手分けして働き、食事を狩りなどで調達して、夕食には火でその日の収穫を調理しながら皆で食べる、そんな太古の昔を。【講評】火の中に見出した回顧的な精神を辿ってくれました。読み応えがありました!

●ひまわりさん(あなつ/高2)の作文より(クマのプーさん先生/3.1週)

 日本人が日本人らしいものを作り出しても、欧米らしいものをつくりだしても、どちらもまったくかわらず違和感などないのである。それは時代の流れによる変化なのだ。【評】「時代の流れによる変化」に言及したのがよかったですね。

●太公望さん(うの/高2)の作文より(メグ先生/3.2週)

 文化は歴史の長さに比例して発展していくものである。【評】長い歴史の中でじっくりと育まれてきた文化こそが本物だと言えるね。

●純也さん(いねな/社)の作文より(森川林先生/3.2週)

 私自身も実際に同じ時間帯に同じような趣旨の番組がある場合、自分にとって分かりやすく独自色が反映されているものを選ぶように努めている。そうすることが各媒体を「ゴシップ記事なら視聴率が取れる」という安易な考え方から視聴者にとってより必要な情報は何であるかという観点へと変えていくはずである。◆評:マスコミ批判を、自分たち自身の問題としてとらえたところがいいね。

 

 

 

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