KotobanomoriNo.756

 

言葉の森新聞

 

2002年4月3週号

文責 中根克明(森川林)

  「母と子の二十分間読書」から

 児童文学者の椋鳩十さんが続けていた「母と子の二十分間読書」の中に、低学年の子供たちが活字に親しむきっかけ作りの参考になるものがあります。

 田舎の小学校の一年生といえば、活字の字が、ようやく、ひろい読み出来るようになったという子どもが多いようです。

 幼い子どもにとっては、活字の抵抗ということは、なかなか強いようです。

 だから、一年生の一学期が終わるまで、おかあさまが、おはなしを読んでやるのでした。

 夏休みに入ってからは、おかあさまが、読んでやりながら、おはなしの山場にくると、そこを、二、三行とか、終わりの二、三行とかを、子どもに読んで貰いました。

 二年の二学期頃になると、その子どもは、十ページも、十五ページも、おかあさまに読んでやることが出来るようになったのです。

「本を読まない子の読ませ方」(明治図書)より抜粋

 易しい漫画のような本しか読まないと、よく嘆かれるお母さんがいます。子供に、よい本を読ませるためには、お母さんやお父さんが、寝る前にその本を読んで聞かせてあげるのがいちばんです。良書には子供の好奇心を引き出す力がありますから、必ず途中で、自分で読むようになります。読み聞かせで大事なことは、楽しい雰囲気で読むことです。読んだあとに問題などを出すと(笑)、読み聞かせそのものを嫌がるようになります。

  小3の題名課題

 小学3年生は、今学期から作文の題名が決まっているので書きにくくなったと思います。どうしても書きたいことがあるという場合は、これまでどおり自由な題名で書いてもかまいません。しかし、与えられた題名に合わせて出来事を探してくるという練習をすると、題材選びの力がついてきます。小学3年生は、できるだけ課題集の題名で書いていってください。


 自分の体験だけでは長く書きにくいという場合は、お父さんやお母さんに似た話を聞くようにすると、話題も広がり、字数も長く書けるようになります。「ほかの人の話を聞いて書く」というのは、構成を立体的にする練習にもなりますので、ご家庭でもご協力お願いします。

  来週の清書はペン書きか濃い芯で

 現在、1月の清書を、毎週の「山のたより」と一緒にお送りしています。

 清書の中で、鉛筆の字が薄かったために、きれいに印刷されないものがいくつか出てしまいました。ご自分の清書を見て、もう一度きれいに印刷し直してほしいというものがありましたら、担当の先生又は本部までご連絡ください。ご連絡のあった肩には、こちらに残っている清書をいったん返却します。返却された清書は、もう一度上から濃い芯の鉛筆かペンで上からなぞって担当の先生あてにお送りください。書き直された清書は、新しい清書と一緒にもう一度印刷します。

 来週は4.4週の清書ですが、清書の際は、できるだけ濃い芯の鉛筆又はシャープペンシルか黒ペンで書いてくださるようお願いします

  新聞への投稿はご家庭でもできます

 毎月の清書は、学年別にプリントしたあと、生徒の希望に応じて、新聞社に投稿しています。

 この投稿は、ご自宅から行なうことができます。

 言葉の森からまとめて新聞社に投稿するよりも、個人で投稿の手続きをした方が掲載されやすいと思いますので、個人投稿をされる方は、以下の点に注意しながら投稿してください。

(1)使うのは市販の原稿用紙

 言葉の森の清書用紙よりも、市販の原稿用紙を使う方が掲載される確率は高まると思います。

 大きさは、できるだけA4サイズの400字詰のものをお使いください。

(2)ワード(一太郎)の原稿用紙でも可(以下の説明はOffice97ですからやや古いです)

 ワードの文書を原稿用紙形式で出力することができます。「ファイル」→「新規作成」で「論文報告書」のインデクスを開くと、「原稿用紙ウィザード」があります。この「原稿用紙ウィザード」を使うと、ふだんの文章をそのまま原稿用紙のマス目に流し込んだかたちの文章が作れます。(「原稿用紙ウィザード」が見つからない場合は、Officeを再インストールしてください)

 新聞社では、手書きもパソコン書きもどちらも同じように扱っているようです。

(3)投稿は本名で(ふりがな・住所・電話・学校名・学年なども記入)

 言葉の森の清書は、できるだけペンネームで書くようにおすすめしていますが、新聞社への投稿の際は本名が必要です。名前の欄は、本名とふりがなを書いてください。住所・電話・学校名・学年などは、裏面か欄外に書いておいてください。

(4)言葉の森には投稿のコピーを提出(サイズはA3、名前はペンネーム、生徒コードを記入

 言葉の森には、新聞社に送る投稿のコピーをお送りください。

 サイズは、言葉の森の清書用紙と同じA3サイズにしてください。

 本名はペンネームに直し、生徒コードも左上に入れておいてください。(生徒コードは必須

 投票・自習日数・国語問題などは、原稿用紙の欄外に書いておいてください。

 言葉の森から二重投稿をしてしまわないように、欄外に「投稿済み」と書いておいてください。

 小学4年生のころまでは、新聞などに掲載されることが大きな励みになります。(小学5年生以上になると、そういうことを恥ずかしがる人が増えてくるようです)

 小学生の生徒のみなさんの中には、朝日小学生新聞や毎日小学生新聞を取っている方が多いと思います。毎月のみなさんの清書を見ていると、入選作品として掲載されそうなものが多数あります。


 小学生のお子様をお持ちの家庭では、毎月の清書の中でよく書けているものは、できるだけ自宅から投稿してくださるようお願いします

  指導の内容変更についてのご質問

 小学三年生の保護者の方からメールで次のような質問がありました。多くの人が共通した関心をお持ちだと思いますので、承諾を得て掲載させていただきました。(実名など一部省略)

【保護者からのご質問】

 言葉の森新聞に掲載されていた、『担当が替わったときに指導内容が違うことによる問題を是正するためにマニュアル化する』、という方法は、管理者側の立場にたつと便利だと思いますが、指導を受ける側の立場にたつと、不安になってきます。

 これまで子供が言葉の森を続けてこれたのは、電話指導と『手書きの』講評につきると思います。 その一つの柱である講評が、添削作文についてこないで山のたよりにパソコンで打った字になりますと、子供はきっとがっかりします。

 子供は自分あてに電話がかかってくる、自分あてにお手紙がくる、自分の書いた作文にこれだけの反応が返ってくる、ことが楽しみで続けてこれてるのだと思います。

 ある程度大きな子供ですと、山のたよりだけで理解できると思いますが小学生には、言葉の森のせっかくの魅力が半減してしまい、続けることが難しくなってくるのではないかと心配しています。

 先生はプロですから、指導に個人差があって当然だと思います。指導力のない先生に基準を合わせるのはどうかと思います。他の基準でも、ある程度担当の先生に任せたほうがいいのではないか、キーワードが入ってるか入ってないかで評価されると書く方も窮屈じゃないかと思うのですが。

 大きな組織になってくると管理する側は基準を設定しないと大変だとは思いますが、言葉の森には、マクドナルドではなく、町のオリジナルのハンバーガー屋さんでいてほしいです。

【言葉の森からのお返事】

 評価の基準については、これまでも項目表をもとに指導していたものを更に徹底するということです。

 というのは、担当の講師が増えるにつれて、評価の甘さ辛さに個人差が目立つようになってきたためです。指導の内容や講評の内容については個人差があって当然なのですが、点数のつく部分について個人差があると子供たちに不公平になるので、これまでの基準の再徹底ということにしました。

 実際には、山のたよりの講評とお電話で、これまでと同じように、担当の先生が生徒に合わせた指導をしていきます。

 手書きのコメントを少なくして、「山のたより」の講評を350−450字というのも、指導の公平性を考慮してのことです。

 また、言葉の森新聞にも書きましたが、指導の継続性と公開性のためにも、指導の中心は、手書きの部分よりも、山のたよりの講評の部分にするという方針で今後やっていきたいと思います。

 子供さんは、直感的に、手書きの部分に最初に関心を持つと思いますが、これからは、山のたよりの講評の部分にもっと関心が持てるような工夫をしていきたいと思います。

 今学期からの指導で、お子様も最初はとまどう面があるかと思いますが、慣れてくればこれまでと同じように楽しく勉強していけると思います。

 もし、問題点などが出てきましたら、またぜひご連絡くださるようお願い申し上げます。<nane@mori7.com>


  光る表現(幼長−小5) 2002年4月3週号

●亮佑さん(いまね/小1)の作文より(えんぴつ先生/4.1週)

 ぞくぞくしました。こわかったけどたのしかったです。★【評】:ぞくぞくして、こわくって、たのしかったのね。いろ〜んなきもちが、たくさんつたわってきますよ。「つかれた、ディズニーシー」というタイトルも、おもしろいね。きもちが、とってもゆたかだね♪♪

●コナンさん(いすみ/小2)の作文より(ふじのみや先生/3.2週)

 子犬が、山みたいにいっぱいかさなっていました。 【ひょう】かさなると、あったかくて、あんしんするのでしょうね。思わず、さわってみたくなる山ですね。

●りょうさん(いつみ/小2)の作文より(みのり先生/4.1週)

 もう一つすごいとおもったことは、ちょうきょうしがなげたフリスビーを一かいでとったことです。水の中から水の上のものを見ると、ひかりのくっせつによってまがって見えます。それなのに、イルカは、どこにフリスビーがとんでくるのかをよそくできるのです。イルカがそこまでかしこいとは、しりませんでした。(評)むずかしいことをわかりやすくせつめいできたね。イルカのすごさがよくわかったよ。

●マッキーさん(いなく/小2)の作文より(メグ先生/4.1週)

 おわりにビンゴをやりました。わたしは一ばんにあたりました。そのごほうびは、二このチョコレートです。そのとき、わたしは、体がはじけるほどうれしかったです。【評】マッキーちゃんがどんなにうれしかったかがよくわかります。

●あみかさん(いせわ/小3)の作文より(メグ先生/4.2週)

 ゆき子ちゃんちでかみの毛を直してもらいました。とても上手でまるでびようしさんみたいでした。【評】上手なたとえが使えたね。

●慧人さん(いそゆ/小3)の作文より(ゆうこ先生/3.3週)

 つぎにドコモタウンのえい画みたいのも見ました。はじまりました。「ガガガガガガガガ。」すごいいきおいでゆれました。「ウィーーーンウィーーーーン。」またすごくゆれました。【講評】会話文をじょうずにいれてくれました。これは何の音??びっくりしてしまうようなインパクトのある会話文にもチャレンジしてくれました!

●ミニリュウさん(いにと/小3)の作文より(ぴのこ先生/4.1週)

 とうとう来たかとかちんこちんになってしまいました。まるで、アイスブロックみたいなかんじでした。【評】きんちょうしていたようすがよくわかるよ。

●真章さん(ありる/小4)の作文より(スズラン先生/4.1週)

 「クイッ、クイッ」ドライバーを回して、ビデオデッキをぶんかいします。・・略・・すると、ビデオデッキの心ぞうのヘッドと、ヘッドをそうじするものと、大きいモーター一コ、小さいモーター一コ、それからねじとばねが、山ほどでてきました。それいらい、それは、ぼくの宝物になりました。:評:こわれたビデオデッキでも、お父さんが説明をしながら分解するとおもしろいものがたくさん出てきて、本当に宝物を探し出したことになりましたね。

●ナオさん(あわも/小4)の作文より(スズラン先生/4.1週)

 「うわー、きたなーい、なんだこのおもちゃは!!」と、おどろくようにお母さんが言いました。:評:子ども部屋を見ておどろいたお母さんの表情がわかりますね。

●ムリョウさん(いかゆ/小4)の作文より(えんぴつ先生/4.1週)

 それを見て、ぼくはひらめきました。そして、心の中でどうするかぶつぶついっていました。★【評】:いたずらの作戦をたてて、それを実行にうつすまでの心の中のようすが、うまくかきあらわされていますねえ。このとき、亮祐君の目は、さぞかしキラキラ光っているんだろうなあ。

●とよよっちさん(いせく/小4)の作文より(ふじのみや先生/3.3週)

 (パストゥールが研究していた)四十年といえば、だいたいお母さんが生まれてから、今まで研究をしていたのと同じになります。 【評】気の遠くなるような長さを、お母さんにたとえて説明したのが、とてもいんしょう的です。

●フレディさん(いせそ/小4)の作文より(ふじのみや先生/3.3週)

 四十年といえば、一せいき(百年)の二分の一ぐらいになります。私にはそんなこととてもできません。まるで、ミクロの世界の生物たちと、けっこんしたみたいじゃありませんか! 【評】長い間いっしょにいると、微生物ともお話ができるようになるのかもしれませんね。「けっこん」にたとえたのが、何度読んでもおもしろいなぁ!

●ジョナサンさん(いにう/小4)の作文より(ふじのみや先生/4.1週)

 (ベッドの上で)飛んでいると、まるではんにんまえのちょうちょのようでした。 【評】ひらひら…ドタッ。パタパタ…ドタッ。こんな感じだね。

●瑞さん(いみち/小4)の作文より(ゆえ先生/4.1週)

 ◆評◆私(ゆえ)の机には、ないものばかり・・・。瑞君のつくえの上の様子(ようす)が、読んでいる人にとてもよく伝わってくる文章ですね。

●真帆さん(あはち/小5)の作文より(かすみ先生/4.1週)

 まるでプロの試合のようだった(評)はくねつしたすごい試合だったことがよく分かる上手なたとえですね。

●みかんさん(いこい/小5)の作文より(ももんが先生/4.1週)

 (…前略)一人ずつ先生とあく手をしました。その時に先生が、私に、「一年間ありがとうございました。」と言いました。私は、思わずなみだが出てしまいました。みんなもうっすらとなみだをうかべていました。【評】「思わず」や「うっすら」という、小さなことばが、とても生きています。その場のふん囲気が伝わってきますね。

●キティさん(いぬこ/小5)の作文より(ゆうこ先生/4.1週)

 太っちょおじさんはまるで、NHK連続テレビ小説ドラマ「さくら」のおじいちゃん(小林亜星)みたいだ。あれ?この太ちょお腹は見覚えがあるぞ。そうだ、この人はパパの友達だ。【講評】ユーモア表現なのかな!?(^_^)いえいえ、立派なたとえの表現です。小林亜星みたいな太ちょおじさんはどこの街にもいそうだな〜(笑)。親しみやすいたとえ表現でいいわ〜!!

●にゃむさん(いひむ/小5)の作文より(ゆり先生/4.1週)

 (フリーマーケットで)六周ぐらいぐるぐる回って、マンガを買い、それから二周回って、なんともいえない愛くるしい表情をして、なんともいえないデカいサイズの、(中略)トロの、うきわみたいなビニールせいのだっこぬいぐるみが\400でうられてた。【評:ほりだしもの(!?)のトロを、やっと見つけた様子がくわしく書けていますね。】

●一休さんさん(わら/小5)の作文より(森川林先生/3.3週)

  ぼくが一番おどろいたことは、ハエがスピードの調節ができるということです。なぜおどろいたのかというと、それは人間のできないことをあの小さい虫であるハエができるからです。ぼくは何もかもハエに勝ると思っていたのに、この長文を読んでからそんなことを思わなくなりました。◆評:感想文を書き出す前に、中心をしぼったところがよかったね。

●一休さんさん(わら/小5)の作文より(森川林先生/4.1週)

 ぼくはなるべくお楽しみ会が誰もが楽しく笑い文句無しといった表情で終って欲しいと考えた。考えるのは簡単だが、実行させるのはむずかしいものだ。そこで先生に相談してみると、このような答えが返って来た。◆評:常体で書くと、文章の内容が自然に内面的なものになってくるね。高学年らしい書き方。

 


  光る表現(小6−社) 2002年4月3週号

●友葵さん(あしも/小6)の作文より(ゆり先生/4.1週)

 今まで、千尋ちゃんがいるのが普通だった。しかし、六年教室に、千尋ちゃんの席がないと思うと、何だか、不安だ。 でも、千尋ちゃんと私は、北極と南極に住んでいたとしても、友達だ。少しおかしいけど、クラスは違う、クラスメートだ。【評:友葵ちゃんの、千尋ちゃんを大切に思う気持ちがよく表れているね。】 

●えりさん(あなふ/小6)の作文より(ももんが先生/4.1週)

 (あー、ぺっちゃん、一度! 一度! 一度だけでいいの! お願い! ぺっちゃん!しゃべって! お・ね・が・い・!っ)【評】大好きなぬいぐるみ(ぺっちゃん)と、お話ししたい強い気持ちが、よく伝わってきますね(^o^)。

●みんこさん(いせあ/小6)の作文より(ふじのみや先生/4.1週)

 そのちらかしっぷりといったら、二、三日そうじしなかった飼育小屋と同じレベル。この時! 私は机の上をキレイにしようと決心した! 今まででこの机に近づいてなくなってない物は一つもないだろう。 【評】近づいたら消されるなんて、まるでブラックホールか神隠しだね(笑)。

●咲恵さん(いなふ/小6)の作文より(ぴのこ先生/4.1週)

 私の友達は絵がないとだめだと言う人が多い。でも私は違う。想像して本を楽しむのだ。最初から登場人物の姿を知っていると、なにか物足りない。絵がないからこそ自分で登場人物の顔をつくって楽しめるのだ。【評】しっかりと自分の考え方を書くことができたね。

●さるっちさん(やあ/小6)の作文より(メグ先生/4.1週)

 まるで手をハヤブサのように潔くあげる人をうらやましく思った。【評】うまいたとえ。

●クリリンさん(あかの/中1)の作文より(えんぴつ先生/4.1週)

 声をかけるときのはじめにあだなで呼びかけるとけろっとした顔で、答えてくれたことがある。このように新しい友達を作るきっかけにすることもできると思う。★【評】:そうそう、はじめの一声の勇気が、かなりだいじ。あだ名で呼ばれた友だちの方も、内心はドキドキしながら、すごくうれしかったりするのよねえ。呼ばれた側の方が、もしかしたらその時の感動をいつまでもわすれないかも。   "☆"

●シュシュさん(あさつ/中1)の作文より(メグ先生/4.1週)

 「道は近くても、行かなければ到達しない」という名言があるようにどんなにいいあだ名があっても使っていかなければ何も変わらない。だから人が嫌がらないものなら、積極的に呼び合ってどんどん他の人と接していければいいと思う。【評】あだ名は、人の輪を広げる役割もしてくれますね。

●おこじょさん(あめお/中1)の作文より(メグ先生/4.2週)

 英語でこんな問題が出た。『次の文を英語に訳しなさい<この村は無医村である>』という問題である。(中略)しかしたいていの人は、無医村という英単語を知らない。僕だって知らない。そこでこんな文を作るとこの問題は解ける。〈There isn't any doctors in the town.〉。直訳すると、あの町には医者がいない。この町は無医村だ、と同じ意味である。こういう柔軟さが、これからは大切であると思う。【評】少し見方を変えるだけで、一見むずかしそうな問題が解けることってありますよね。

●黎さん(いてし/中1)の作文より(ポプリ先生/4.1週)

 あだなとは人間にとって、友との絆を深めるとても大切なものなのだ、と私は思う。なぜなら、あだながなければ、今の、私の親友とは、ただのクラスメートという存在になっていたのだから・・・。評:主題をよくまとめられました。がんばったね。

●創さん(いなあ/中1)の作文より(ふじのみや先生/3.3週)

 暗いアスファルトからはなれて、いろいろな宝物がある路地をふんだとき、遠い昔にがむしゃらに歩いたその先の足の、地面の温かさが伝わってくる。 【評】詩的なイメージが印象的だね。感覚の鋭さがあらわれています。

●健介さん(いはち/中1)の作文より(クマのプーさん先生/4.1週)

 僕は中学校を挑戦する三年間にしたいと思っている。【評】書き出しの一文ですが、テーマが凝縮されていて、読み手を引き付ける力があると思いました。

●ミュウさん(あおゆ/中2)の作文より(ゆり先生/4.1週)

 日本で組織のなかのリーダーになる人をきめる時は、自分から立候補するひとは少ない。私の学校で学級委員をきめるときなどは、自分から立候補する人はいない。結局いつも投票で決めることになる。その投票で決まった本人も、「いややし。」とかいいながら引き受けている。【評:「謙遜」の身近な例を、おもしろく書けていますね。】

●ひろりんさん(あしゆ/中2)の作文より(とこのん先生/4.1週)

 短所は(略)、「こんな風にならないようにするための目標」という感じではないだろうか。「他人の振り見てわが振り直せ」というが、「自分の振り見てわが振りなおせ」だ。短所は長所と同じく必要なものだったのである。評:短所をネガティブにとらえず、前向きな形で受け止めて意見を展開しています。主題からずれることなく、しかりとまとめた点も◎。

●ちえぞーさん(いうね/中2)の作文より(ゆうこ先生/3.3週)

 異国文化に触れる時に起こる驚きをカルチャーショックと言うのだろうか?アメリカではよく、「ディベート」という形式の授業が用いられるようで、ともかく自分の意見が言えなくてはダメなようだ。日本は違って、とにかく多数派が勝つ。多数決などもそれの類いだろう。だから、意見がなくても多数派なら何も責められることはない。【講評】アメリカ形式のディベートと、日本の美意識の象徴ともいえる謙譲の美徳。上手なタッチで比較検討してくれました。

●奈央さん(いしえ/中2)の作文より(メグ先生/4.1週)

 自分の出来ないことをすべて短所といわずにそれは短所ではなく、これから長所になっていくものなのだというように考えていくことも大事だと思う。【評】前向きな意見でまとめることができました。

●潤之介さん(かな/中3)の作文より(メグ先生/4.1週)

 声をかける時は目線を合わせることが大切だ。むしろ、その人よりか低くてもいいくらいである。その方が、相手も安心できるだろう。【評】そのとおりだと思います。同じ言葉をかけるにしても、相手と同じ目線で(あるいは相手よりも低いところから)声をかけなければその言葉の本当の意味は伝わらないでしょう。

●純也さん(いねな/社)の作文より(森川林先生/3.4週)

 マスコミには視聴率に重きを置く商業主義に走るのではなく、我々視聴者が何を求めているのかを追求し続ける情報提供媒体であり続けてもらいたい。◆評:対比を明確にした意見。豊富な語彙で的確に表現しています。

 

 

 

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