1996年1ー3月 第1週号 通算第465号            定価130円

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                目次

12週号の各地の広場から……1

新年に向けて……………………2

なぜパソコンを使うのか………2

投稿の仕方………………………4

自習表の中で、2月以降の予定

に誤りがありましたので、後日

訂正したものをお送りします。

新年にむけて

 あけましておめでとうございます。

 昨年から、パソコンのデータベースにすべての情報を入れるシステムを作ることにしましたが、ハードとソフトにトラブルが続出して予定が大幅に遅れてしまいました。

 どういうトラブルかというと、エプソン社のプリンターをつなぐとマイクロソフト社のアクセスというソフトで住所ラベルが作れなくなるとか、富士通のFMVというパソコンではキャノンからの文書を読み込むソフトが動かないとか、マイクロソフト社のワードというワープロソフトのページレイアウトを開くと、パソコンが突然止まってしまうとか、こういう有名メーカーの製品が、メーカー側も原因が分からないというようなトラブルで何週間も仕事を停止させてくれたのでした。

 これをみると、パソコンというのは、本当にまだ完成されていない製品なのだということがよくわかります。今は、トラブルの起こるところをうまくよけて仕事を進めています。

 パソコン上での仕事が軌道に乗れば、教室での勉強も今とは比較にならないほど充実してくるはずですから、楽しみにお待ちください。

なぜパソコンを使うのか

 いま通学のクラスでは、15台のパソコンを入れて、全員がパソコンで作文を書くようにしています。といっても、新聞やテレビで話題になっているような最新式のカラーの高速のパソコンではなく、旧式のモノクロの低速のパソコンです。飛行機でいえばジェット機の時代のプロペラ機のようなものですが、このプロペラ機が実によく動くのです。

 パソコンで作文を書き始めると、当初は、どうしても書くスピードが落ちます。教室にも、1時間書いて保存できたのは題名と名前だけという人もいました。こんなにゆっくりしか書けないのなら手で書くほうがずっと早い、

パソコンになれるのはもっと大きくなってからでも十分だ、という考えの人もいると思います。しかし、教室では、これからの勉強の重要な手段として、小学1年生から、全員がパソコンで作文を書けるようにしていきたいと考えています。

 その理由は二つあります。

パソコンの目的は個性とふれあい

 第一の理由。

 現在、学校などでのパソコンの使われ方は、多くの場合、手紙を出したり、百科事典を調べたり、作文を書いたり絵をかいたりという、パソコンがなくてもできることをパソコンを使ってやっているというケースが多いようです。

 パソコンで作文を書くことによって手で書くよりも字が読みやすくなったという程度では、パソコンを清書機械として使っていることでしかありません。パソコンの本当の価値は、そのネットワーク性にあります。

 教室では、今後、15台のパソコンのハードディスクの中に、そのパソコン用の「広場」を作り、そのパソコンを利用しているほかの曜日やほかの時間の生徒どうしが互いの作文を読み合ったり、感想を書き合ったりできるようにしていきます。

 そして、そのパソコン上の広場は、ニフティサーブなどのパソコン通信の中のフォーラムと連動できるようにし、通信で勉強している生徒も自宅のパソコンやワープロから、その広場にアクセス(つながること)できるようにしていく予定です。

 このように、同じ世代の異なる考えの人どうしが自由に意見を交わせる仕組みを作り、それによって互いの個性を伸ばしていくかたちで勉強を進める、というのが、パソコンを導入する一つの大きな理由です。

パソコンで他教科の勉強もカバーする

 もう一つの理由は、パソコンを使うことによって、作文や読解以外のいろいろな学習もできるようになる、ということです。

 いまの世の中では、子どもたちは消化不良をおこすほどたくさんの参考書や問題集や塾の宿題に囲まれています。いったいこれほど長く勉強に拘束する時間やこれほどたくさんの教材が必要なのかとだれもが疑問に感じています。

 しかし、だからといって、塾などで勉強する時間を作らなければ、いまの子どもたちはテレビゲームをしたり漫画を読んだりと、いくらでも無為に時間をすごすことができる環境にもおかれています。

 したがって、大切なことは、「遊んでいるくらいなら勉強をさせよう」と「勉強ばかりではかわいそうだから遊ばせよう」のどちらかの選択ではありません。勉強でも遊びでも意欲的・創造的に取り組めることが大切なのです。燃える意欲を持って勉強するのであれば、朝から晩まで勉強をしていても少しも疲れません。また、創造的な遊びであれば、朝から晩まで遊んでいてもその遊びの中で人間は必ず成長していきます。

 パソコンを使った勉強は、その場で自分の到達点がわかり、その場で友達との交流ができるという点で、勉強を遊びのように魅力あるものに変える大きな手段となりえます。そのためにも、いまから全員がパソコンを自由にあやつれるようになっておく必要があるのです。