1996年10〜12月  第4週号 通算第498号          言葉の森 定価130円

言葉の森新聞

住所 〒234横浜市港南区港南台4-7-29-A201 電話 0120−223987 留守番電話・ファクシミリ 0120−723987

インターネットホームページ http://www.mmjp.or.jp/shine/index.html  電子メール ニフティサーブ gbc02511@niftyserve.or.jp

第3週の解説

  1. ソクラテスは、自分の仕事を、人間が正しい理解を生み出す手伝いをすることだと思っていた。
  2. ソクラテスは自分が人生や世界についてよく知らないということを知っていた。
  3. 答えの見つからない問題にぶつかったとき、人はごまかすかあきらめるかする。
  4. ソクラテスは、あきらめずに知恵を手に入れようと努める人だった。

 似た例は、わかっている気がするがわかっていないことって多いなあ、というところで書いていくとよいと思います。例えば、どうして空は青いのだろうとか、どうして人間の顔には目と鼻と耳があるのだろう、とか、考えてみればこたえのない問題は多いと思います。半分感想になってしまうような似た例でもいいでしょう。しかし、小学生の場合は、わかっている気がすること自体があまり多くないかもしれないので、このソクラテスの話はピンと来ないかもしれません。

 結びの感想は、「人間は…」と大きく考えていくとよいでしょう。また、「わかった」という言葉で考えていってもよいと思います。

 名言は、ちょっと入れにくいと思いますが、「人間は求めているかぎり迷うものだ」や「弱い人は率直ではありえない」など。

 ■「ミドリが死んで、日本からトキが」

  1. トキを初めとする多くの動植物が絶滅しつつある。
  2. 地球上の生物の多様性が失われているのは、人類に対する警告でもある。
  3. 私たちは、自然と調和するために、自然についてもっとよく知る必要がある。

 似た例は、絶滅しつつある動植物の例などでいいと思いますが、中学生には実感のわかないこともあると思います。田舎などに行くと、虫や魚など、いろいろな動植物を見る機会が多いと思いますが、それに比べて自分たちの近くにはそういう動植物や自然がない、ということも、似た例になるでしょう。

 意見は、自然との調和ということで書いていくと、第2週と同じになってしまうので、あまりおもしろくないと思います。「生物の多様性の大切さ」ということで書いていくほうがよいでしょう。こうすると、似た例も、クラスにも社会にもいろいろな顔や考えの人がいるからおもしろいし、進歩がある、というところで見つけられるでしょう。反対理解は、「農作物などで種類を一定にさせたほうが能率が上がり管理しやすいという面は確かにあるが」という感じで。

 名言は、再び「雑草はまだその美点が」または「子供は大人を小さくしたものではなく」など。

■「どうして子どもの頃の」

  1. 子どもの頃、学校での勉強はつまらなかった。②しかし、当時はその苦しい勉強に耐えることが、社会的に必要だった。③今、旧来のシステムはなくなりつつある。④単なる知識ではなく、生きていくのに必要なことを知る方法を教えるのが学校の役割となるだろう。

  わかりやすい文章。しかも、名文。反対理解は、経験主義的な教育の行き過ぎで、基礎学力が低下するという問題が、今米国などで起きているといわれている。アメリカではむしろ、日本の統制のとれた知識の詰め込みかたを見習おうという声もかなりあるらしい。

第3週の小2から小4の感想文の解説

 第3週は、書ける生徒はできるだけ感想文で書くように指導しました。似た例のかわりに「もし、…だったら」という言葉で想像した話を書いてもよいとしました。字数は長くかけなかったと思いますが、力のある生徒には、今後、似た例を長くして字数を伸ばすように指導していきます。また、似た例は、二つ以上書いてもよいとしていきます。

■小2「ちゃんばらごっこのけが」

 似た例は、自分がけがをしたときのことなどがいいでしょう。怪我をしたときは、「痛い」というよりも、「しまったなあ。お母さんに言ったら心配したり怒られたりするだろうなあ」という気持ちだと

思います。そういう怪我の経験がない人は、「もし自分がこの登場人物だったら、どんなことをしただろう」と、想像した話で書いてもいいと思います。

小3「つうしんぼ」

 似た例は、初めて通信簿をもらったときのことが書ければいいと思いますが、3年生ではもう忘れていると思いますので、最近の通信簿をもらったときのことを、まわりの大人の反応などを思い出しながら書いていくとよいでしょう。

小4「一さつの教科書」

 友達にノートや消しゴムを貸して上げたり貸してもらったりした話を書くといいでしょう。「貸してあげる」といわれると、その人の好意が感じられてうれしくなるという気持ちは、多くの生徒が経験していると思います。

第4週は清書です

 生徒のみなさんに手もとに、1週または2週までの作品の原本が戻っていると思います。また、今週の広場には、16日(水)までに教室に到着した作文が掲載されていますから、郵便物が予定通りに教室についていれば、通信の生徒も第2週までの作文が広場に載っていることになります。また、インターネットのホームページには、みなさんの作文が毎日更新されて掲載されていますから、最新の作文が載っています。

 これらの自分の作文を参考にしながら、水色の罫線(けいせん)の原稿用紙(さくぶんようしフォルダの中に入っています)に清書を書いて送ってください。清書の書き方は、「かだいフォルダ」の中に書いてあります。また、原稿用紙は、自分で市販のものを用意して書いてくださっても結構です。

 この清書は言葉の森から新聞社などに応募します。ほかの人の作文を写したり、すでに一度清書したものをもう一度清書したりすることがないように注意してください

 清書を自分で送る人は、自習用紙の「生徒から先生へ」の欄に「自分で送りました」と書いておいてください。

週と生徒コードと課題コードは忘れずに

 言葉の森では、作文や国語の評価と点数の集計をすべてコードを中心にして行なっています。コードがあることによって、教室の移動や作品の掲載が人手をかけずにパソコンの中だけで瞬時にできるようになっています。

 コードが正しく書いていないと、作品が別の広場に掲載されたり、先生の評価が出てこない場合があります。

週と生徒コードと課題コードはひらがなで正しくていねいに書いておいてください

 なお、小6年と中23年と高23年では、課題集(作文)に書いてある課題コードと、長文集に書いてある課題コードが一致していませんでしたが、課題集(作文)の課題コードの方を書くようにしてください