1997年4〜6月 第1・2週号 通算第518号 言葉の森 

言葉の森新聞

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  国語の問題は月1回に

この一年間、国語の問題集をもとに、毎週模擬テストを行なっていましたが、小学4年生以上の問題集は難しいものも多く、毎回は提出できない人も多かったようです。

国語の勉強で問題集を解く時間は、勉強の内容としてはあまり意味のないものです。国語の実力をつけるためには、問題集を解くよりも、問題集の問題文を何度も繰り返し読む方がずっと効果があります。しかし、自分の国語の実力がどの程度かを見るために、模擬テストという位置づけでテストを行なってきました。

模擬テストで意味ある集計が出せるためには、たくさんの人がそのテストを提出していることが必要です。したがって、今学期から国語の問題は、週に1回ではなく月に1回というペースで、できるだけ多くの人が国語のテストを出せるようにしていきたいと思います。このテストは、プリントとして配布する予定です。

  国語の問題集を選ぶとしたら

自宅で毎週、国語の問題を解くような勉強をしたいという方がいましたら、基本的なところで、小学生は「ホームテスト」、中学生は「ハイテスト」などを選んでやっていかれるとよいと思います。

高校生は受験研究社の「トレーニングノートα」「同β」などが新しい長文が多く薄くてやりやすいのでよいと思います。また三省堂から出ている「大学入試センター試験攻略 国語Ⅰ・Ⅱ」は、現代文のポイントをわかりやすくおさえているので、おすすめです。

小5以上で、受験のための国語の力を更につけたいという人は、昨年以前の受験問題そのものに直接あたってみるとよいでしょう。特に、志望校の過去問は早めに取り組んでおきましょう。例年、過去問は仕上げとしてやってみるという考えの人があまりにも多いので、これはくれぐれも注意しておきます。

国語の力をつけるためのいちばんの近道は、難読です。問題集を解くような勉強は、他の教科の場合は効果がありますが、国語の場合は、ほとんど効果がありません。問題を解くために問題文を読むというところだけが役立つ部分です。問題を「解く」という勉強の外見にとらわれず、問題文の文章を「繰り返し読む」という勉強の中身を大切にしていきましょう。

  ホームページに会員専用の作品ページ

インターネットのホームページには、これまで、生徒全員の作文とプロフィールなどを毎週掲載していましたが、あまりうまく書けなかったときの作品は掲載してほしくないという人もいたと思いますので、この4月から、全員の作品は、「会員専用のページ」にだけ掲載することにします。

だれでもが見られるホームページには、特によく書けた作品だけを掲載していきたいと思います。よく書けた作品なら、だれに見られてもいいでしょ(^.^)。

「会員専用のページ」のアドレスは、言葉の森新聞の上部に書いてあります。このページのアドレスはときどき変更します。変更のつど、言葉の森新聞でお知らせします。

生徒のみなさんの中でインターネットに接続している人はまだあまり多くないようですが、この2、3年のうちに多くの家庭でインターネットに接続できる環境が整うと思います。会員専用のページでお互いの作文を見て感想を書き合ったり、チャットでお喋りをしたり、ということが早くできるといいですね。

  第2週の長文の解説

「私は小さい頃」の要約

  1. 川で溺れそうになった。
  2. そのとき元のところに無理に戻らず下流に流されるままにして助かった。
  3. 怪我をして手足が動かなくなったときに、そのことをふと思い出した。
  4. 「神は試練とともに脱出の道も備えている」という聖書の一節が心に響いた。

似た例 失敗をしたときに、「あのとき、ああすればよかったのになあ」とくよくよ考えるより、むしろその失敗を受け入れて、今自分にできることにベストを尽くすという考え方が大事。スポーツなどでは、よくそういう場面があるでしょ。失敗しても「ドンマイ、ドンマイ」と言って明るくやり直す方がいい結果になるものね。

感想 「失敗とは、人間にとって……」と考えてみよう。

ことわざ 「122、覆水盆に返らず」「72、捨てる神あれば拾う神あり」などが使えそう。

「ただひとつ留意」の要約

  1. 日本では、犬をワンワンと呼ぶように赤ちゃん言葉が多い。
  2. フランスでは、赤ちゃん言葉はほとんどない。
  3. 日本では家族の呼び方についても子供中心である。
  4. 日本式の文化は、日本の子供の性格形成に大きな役割を果たしていると思われる。

意見 子供中心の日本文化のよい面を書いていこう。反対理解は、日本人の「甘え」の原因になっている面もあるというところで考えられるかな。

名言 「62、人はその制服のとおりの人間になる」。つまり、家族みんなから「おばあちゃん、おばあちゃん」と呼ばれていると、だんだんおばあちゃんらしくなる。子供にとっても、子供中心の文化は、子供の性格形成に大きな影響を及ぼしそう。

   「21、子供は大人を小さくしたものではなく……」。つまり、フランスなどでは、子供を一種の小さな大人として扱うが、日本では、子供は大人と違う子供として扱う、というふうにも考えられる。自立心が育ちにくいというマイナス面はあるけど、その分、幸福な子供時代を送れそうだね。

  賞状を送ります

前学期の賞状を送ります。

この賞状は、前学期の第3週から第9週までの点数をもとにして集計しています。金賞は生徒全員の上位から10%まで、銀賞は同じく20%まで、銅賞は同じく40%までとなっています。ですから、金賞の人はとてもよくがんばったといえます。賞外となっている人は上位40%までに入っていないということです。残念! 今学期、またがんばってください。

賞状は、賞品と交換できます。賞品の交換には古い賞状も使えます。賞品との交換一覧表は後日「言葉の森新聞」に掲載します。賞状は捨てないでね。

  進級の基準

進級した人は、A1級からA2級へというように、級が変わっています。級は、課題集の表紙の右上に書いてあります。級は、A1級からL3級まであります。

進級の基準は、第3週から第9週までの作文の平均点が90点以上、第3週から第9週の出席の回数が二分の一以上、第5週と第10週のテストの点数のどちらかが90点以上、となっています。第1週と第2週の点数は進級の計算には入れていません。

平均点90点以上というのは、がんばれば全員が進級できるということです。わかりにくいところは、どんどん先生に聞いて、今学期は全員が進級できるようにしていきましょう。