1997年4−6月 第3週号 通算第519号 言葉の森 

言葉の森新聞

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  生徒一人ひとりの個人専用ページ

  「私のうち」ができました

    CGIを利用したチャットもできます

4月10日から、生徒一人ひとりの個人専用ページを作りました。アドレスは、「山のたより」に掲載しています。

インターネットを利用する意味は、(1)生徒どうしの交流を深めること、(2)通信でもリアルタイムの指導をすること、(3)生徒一人ひとりが主人公となる教室運営をすること、の3点です。

特に、一人ひとりが主人公になるというのは、これからの社会でいちばん大事な要素になってくると思います。人間は、自分が中心になったときに最もよくその力を発揮できます。繁栄する社会とは個々人の自主性が十分に発揮されている社会で、停滞している社会とは、少数の人だけが主人公で大多数の人が歯車の一部となっているような社会だと思います。

現在は、インターネットに接続できる家庭の方がずっと少数派ですから、情報提供の中心は、当面、紙の印刷物で行なっていきたいと思います。しかし、ヤフージャパンの1日あたりのアクセス件数が、昨年9月に100万件、今年2月に200万件、4月に400万件と日々急増していることを考えると、将来は、紙の印刷物よりもインターネットでの情報提供が中心になってくると思われます。

今回、開設した個人専用ページ「私のうち」には、その人のプロフィールと最新の清書作品とチャットの書き込み欄があります。書き込みの表示は20件まででき、それ以上は古いものから順番に消えていきます。

このページの使い方は、現在、紙で書いている「広場へのひとこと」と同じです。自分のページに、ひとりごとを書いてもいいですし、友達のページに立ち寄って、おしゃべりを書いてもいいということです。書き込む欄は、CGIというプログラムを利用したチャットシステムですから、たまたま、その人がアクセスした同じ時刻に、ほかの人がそのページにアクセスしていれば、その場で画面上のおしゃべりができることになります。

新しいものが登場するときには、必ずそれに伴う弊害もあります。しかし、大事なことは、弊害があるからといって新しいものを取り入れないことではなく、むしろ新しいもの取り入れて、弊害にも早めに対処していくことです。

チャットに書き込むときは、次のようなルールを自分に課していくとよいでしょう。

  1. インターネットに接続したりチャットに参加したりする時間を平日15分以内・日曜30分以内などというようにあらかじめ決めておく。

(テレビや漫画やゲームのやり方と同じです。無制限にだらだらやらないようにしましょう)

  1. キーボードは、必ずローマ字入力で、タッチタイピングで行なう。

(タッチタイピングというのは、10本の指をそれぞれ特定のキーに対応させて打つことです。キーを見ないで打てるので、慣れてくると楽に速く打てるようになります。逆に、いったんキーを見ながら打つクセをつけてしまうと、なかなか直りません。何事も最初が肝心です。

 ローマ字入力は、将来必要になる英語入力にもそのまま使えるので、ひらがな入力よりずっと有利です。これも、いったんひらがな入力を覚えてしまうと、ローマ字入力に切り替えるのはとても大変ですから(私がそうです(^^ゞ)、小学校4年生以下でまだローマ字を習っていない人は、自分でひらがなで打たずに、お父さんかお母さんに代わりに打ってもらうようにしましょう)

  港南台に、平日6時半クラス増設

中学生以上の生徒が増えているので、港南台の通学教室に6時半開始のクラスも作りました。したがって、平日の時間は、4時、5時15分、6時半の3クラスになります。

これ以上遅い時間を希望する人は、通信クラスに切り替えてやっていきましょう。

通信クラスは、現在、7時半以降の希望がとても多いので、今後、遅い時間をもっと延長していきたいと思います。また、希望があれば、早朝のクラスも開始したいと思います。(本当は、早朝5時ごろから、朝飯前のひと勉強ができたら健康的でいいのですが。……いないだろうなあ^^;)

  「山のたより」で投票数が減ることも

現在、年度の変わり目で、「山のたより」には、前の学期のデータが一部分残っています。このため、前学期の1・2週分のデータが消えて、前学期の3週以降と今学期の1・2週のデータが計算された場合、投票数が減ったり点数が少なくなったりすることもあります。

前の学期のデータ表示が一段落しましたら、前学期のデータは削除し、今学期だけの表示にします。しばらくは過渡的な状態だということでごらんください。

  第3週の長文の解説

「別にすてきな」の要約

  1. くずかごは重んじられていない
  2. 私たちは、暮らしというものを「手に入れること」を中心に考えている
  3. しかし、暮らしの姿勢を作るのは「何を手に入れないか」ということだ
  4. 大きなくずかごを置けば、生活の姿勢が変わってくる

似た例

 ぐっと身近に、「ぼくの机の中もガラクタでいっぱいだ」「もう読まないけど捨てるにはもったいない漫画の山がある」などと考えてみよう。紀子(きこ)さんのうちには、テレビもなく漫画もなかったそうだ。「何を持っているか」ということより「何を持たないか」ということがその人の生き方を表しているような気がするね。

ことわざと感想

「71、過ぎたるは及ばざるがごとし」「136、山高きがゆえに貴からず」などが使えそう。

何をどれだけ持っているかということよりもその中身が問題。本当に大切なものだけを大事にして、余分なものはどんどん捨てていくシンプルな生活が必要なのかもしれないね。

「ユージーン」の要約

  1. ユージーンの街では障害者も対等に扱われた
  2. 障害者は障害者として保護されるよりも、傷つくことも含めて自ら経験することを望んでいる
  3. 障害者の自由度は、社会の障害者に対する位置づけで決まる

似た例

中学生のみんなも、「これは君たちにはまだ難しいから、易しいのでやっていいよ」と言われるより、「難しくて失敗するかもしれないけどがんばろう」と一人前に扱われる方がうれしいでしょう。

名言と意見

「63、人は食べるために生きるのではなく、生きるために食べるのである」「88、私たちの人生は、私たちが費やしただけの価値がある」などが使えそう。

弱者の立場になって親切にしてあげることも大切だけど、本当に相手を一人の人間として尊重するのであれば、時には厳しいことも言って相手を対等の存在と見て接することが大事なんだろうね。