1997年4−6月 第4週号 通算第520号 言葉の森 

言葉の森新聞

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  右脳の創造性と左脳の創造性

七田眞(しちだまこと)さんの右脳教育がブームです。

これまでの、知識偏重の左脳教育への反省から、右脳のよさを主張しているところは、とても共感できます。著書の中には、幼稚園児で算数の問題を見たとたんにその答えを言えるという超能力的な子供の事例なども数多く紹介されています。計算をするのではなく、問題を見るとすぐに答えが浮かびあがるということのようです。

しかし、これは決して不思議なことではないように思います。(私にはできませんが)。例えば、1+1=2というような計算の例を、左脳の分析的な考えで考えれば「一個のリンゴと一個のミカンを足すと、果物が二つでしょ。」となりますが、右脳的に考えると、「もともと世界には1+1=2がある」というふうに言えるからです。同じように、「1+1=3−1=2×1=4÷2=√2×√2=……と無限に表現できる数のひとまとまりの体系が世界に存在している」と考えると、なんらかの答えがある問題については、その問題を見たとたんに答えが浮かび上がるということもありうることだと思います。(私にはできませんが)。

これは、ある意味で人間の視力の発展したかたちとも考えられます。犬は白黒しか見えないようですが、人間はカラーで「もの」を見ることができます。見ている「もの」自体は同じですが、「もの」が持っている情報を、人間は犬よりもずっと多く受け取ることができます。これに更に、その「もの」に対する知識などが加われば、更に多くの情報をその「もの」から受け取ることができるでしょう。比喩的に言えば、右脳を開発して心がオープンになったときの視力には、「もの」の背後にある情報(問題の場合はその答え)までもが見えるのだと言ってもよいと思います。

この視力が未来に対して発揮されれば、ある種の予知能力ということになります。ナマズが地震を予知できるのは、人間には見えない何かをナマズが「見て」いるからです。同じように、ウインカーを点滅させて走っている車を見たときに、犬や猫はその車の曲がる方向を予知できませんが、人間は車の曲がる方向を予知できます。このように考えると、右脳を開発していくうちに、問題の答えが見えるだけでなく、相手の心が読めたり、未来が見えたりすることも、当然ありうることだと思います。(しつこいようですが、私にはできませんが)。

しかし、「もの」がよく見えるということが、そのまま人間の創造性につながるのではありません。七田さんをはじめ右脳のよさを提唱している多くの人がその点を誤解しているようです。

「未来を予知する最も確実な方法は、未来を創造することだ」という言葉があります。「もの」がよく見えるというのは大切なことですが、それだけではねっころがってテレビを見ていることと変わりません。人間がすることは、あるべき未来を構想し、まだ見えない未来を創造することです。未来の構想までも右脳に委ねてしまえば、新興宗教と同じです。人間の未来は、左脳の言語脳も使いながら、試行錯誤を繰り返して一歩ずつ築いていくものなのです。

  勉強の時間配分の目安

   重点を絞って反復するのがコツ

学校で勉強する科目はたくさんあります。そのどれもが大事な科目ですが、その中でも特に大事な科目があります。家庭での学習は全体を同じようにやっていくのではなく、大事な科目には多くの時間を割くようにしていきましょう。

科目ごとの時間配分の目安は次のとおりです。この時間配分でやっていけば、毎日2教科の勉強をするという無理のないペースで勉強を進めていくことができます。

英語 週6回 問題集1〜2ページ、参考書5〜10ページ

数学 週5回 問題集1〜2ページ、参考書5〜10ページ

国語 週1回 参考書5〜10ページ

理科 週1回 参考書5〜10ページ

社会 週1回 参考書5〜10ページ

このほかに、漢字、短文、長文、読書は、勉強の基本ですから毎日やっていきましょう。

また、学校や塾でのテストが返却されたときは、その見直しを必ずやっていきましょう。

  第4週は清書です

   国語の問題も一緒に提出しましょう

第4週には、これまでに書いた作文の中から特によく書けたものを清書します。新学期が始まったばかりで、まだ返却されている作文が少ない人は、清書用紙(水色の罫線の原稿用紙)に直接自由な題名で作文を書いて送ってください。(自由な題名の例……「わたしの家族」「わたしの友達」「漫画はよいか悪いか」「あだなはよいか悪いか」「いまの世の中でいちばん問題だと思っていること」

この清書は、「広場」に掲載したあと、インターネットのホームページに掲載し、新聞社に投稿します。名前を出してほしくない人は、おもてには名前を書かず、裏に書いておけば結構です。清書用紙の左上の隅に生徒コードを必ず書いておきましょう。また、空いているところには絵をかいておきましょう。1枚目の裏に、住所、電話、氏名、学校、学年を書いておきましょう。くわしい書き方は「学習の手引」に載っています。

清書は、できるだけ濃い鉛筆かペンで書きましょう。字数は、新聞社に投稿する関係で、中学生以上は500字程度に、小学生は600字程度か1200字程度になるように書いていきましょう。文章を縮めるコツは、①要約の部分を省く、②実例が二つある場合は体験実例の方を優先してほかの実例を省く、③ことわざ・名言の引用を省く、などです。全体を少しずつ削るのではなく、1〜2箇所をまとめて削るのがコツです。ただし、縮めたり長くしたりするのは意外に大変なので、うまくできない人はもとの原稿のままの字数で清書してもかまいません。

今週の「山のたより」に同封した国語の問題は、国語の実力を知るための模擬テストです。清書と一緒に必ず提出しましょう。

  連休中の授業

   課題集の中の4〜6月の予定をごらんください

今学期の勉強の予定は、課題集の中の予定表に書いてあります。

連休中の予定は次のようになっています。

4月29日(火)から5月5日(月)までは休みです。ただし、5月5日(月)は、宿題になりますので、教室での授業や先生からの電話説明はありませんが、自宅で第5週の課題を自分で書いて提出してください。