1997年10-12月 第5週号 通算第544号

 言葉の森新聞

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  作文・読解・漢字の読み書きの関係

作文は、その生徒の国語力や思考力をトータルに表します。今、大学で小論文を受験科目に採用するところが増えていますが、文章力を見れば、その生徒の本当の実力がわかると言われています。

しかし、作文の勉強は国語力の結果であって、作文の勉強が国語力の原因なのではありません。よく「作文を勉強していれば、読解力もつき、漢字も覚える」と言う人がいますが、そういうことはありません。「読解力がつき、漢字力がつけば、いい作文が書ける」ということです。

人間は、自分の持っている感受性や語彙(ごい)力の範囲で世界を表現します。作文を書いていて上達するのは、字数と構成とスピードだけです。豊かな表現や深い主題や個性的な題材は、自習をしなければつけることはできません。

毎日新聞の記事によると、高校生の7割が一ヶ月の間に1冊も本を読んでいないそうです。また、読書離れは小学4年生ごろから始まっているということです。こういう状態で作文を書くのは、材料がないのに料理を作るようなものです。毎日の自習で読解力や表現力をつけながら、それを週1回の作文の練習に生かしていきましょう

  インターネットにみんなのページ

インターネットの言葉の森のホームページに、生徒それぞれのページがあります。ここには、みなさんが書いたプロフィールと毎月の清書が載っています。このページは同時にチャットコーナーになっていて、その人あてに自由にメッセージを書き込むことができます。

このチャットコーナーに書き込みをして、自分の生徒コードをローマ字で入れると、自分のページにすぐに飛べるリンクができるようにしました。したがって、AさんがB君のページにメッセージを書きB君がそれを見ると、B君はすぐにAさんのページに返事を書きにいけるということです。また、このふたりのそれぞれのメッセージをCさんやD君が見て、自分のメッセージを書くこともできます。

自宅でインターネットにつなげる人は、一度自分のページを見てください。そして、友達や先生にメッセージを書いてみましょう。自分のページのアドレスは、「山のたより」に載っています。

  「山のたより」に自習ランキング

「山のたより」に、自習ランキングを載せています。これは、今学期の1〜3週の自習の日数を集計したものです。小学生の1週間の自習日数の平均は、2〜3日というところです。自習をしっかりしている生徒は、文章力も上達しています。自習と文章力の関係は、中学生や高校生にもあてはまります。長文を繰り返し音読している生徒は、読解力もつき、語彙も増え、文章の流れもスムーズになってきます。

自習はできるだけ毎日していきましょう。

  11月3日(月)は休み(宿題)

教室の10月から1月までの予定は、課題フォルダの中の予定表に書いてあります。

今週は、11月3日(月)が休み(宿題)になります。月曜日の生徒のみなさんは、第5週の課題を宿題としてやってきてください。「山のたより」などは郵送しますが、担当の先生の電話説明はありません。先生の説明を聞きたいという人は、別の曜日に教室(0120−22−3987)に電話をして聞いてください。(電話の受付時間は、普段の授業時間と同じ平日午後4時〜8時、土曜午後2時〜4時半です)

  今週の広場のテーマは、「もみじ」の俳句

今週から、週ごとの「広場」のテーマを決めていきたいと思います。

現在、「広場」は、生徒どうしの交流の場ということで、何を書いてもいいというようにしています。この「何を書いてもいい」というのは、これからも変わりませんが、自由だとかえって書きにくいという人もいると思いますので、テーマに合わせた「五、七、五」の俳句を書くということを課題としていきたいと思います。

例えば、「もりのなか、みんなとあそぶ、じゅうしまつ」という感じです。「五、七、五」の頭文字に「も、み、じ」を入れて書いてください。季節の言葉などは入れなくてもかまいません。もちろん、これまでと同じように、絵をかいたり、友達の作文を読んでの感想を書いたり、ひとりごとを書いたりしても結構です。

楽しい俳句を送ってください。できれば空いているところに絵もね。(^O^)/

  投票は、自分にしてもいいことに

これまで、作文に対する投票は、自分以外の人ということにしていましたが、「どう見ても、自分の作文がいちばんいい」という生徒が何人かいましたので^^;、これから、投票は、自分の作文があるときは、自分の作文でもよいということにします。

この投票は、ほかの人に1票を入れると、自分にも自動的に1票が入るという仕組みにしていますので、ほかの人に1票を入れても、自分の作文があるときに自分に1票を入れても、自分自身の票の数は同じです。

  第5週の課題のヒント

スポーツの秋、食欲の秋、そして最後に勉強の秋(^^ゞ。第5週のテーマは、どの学年も共通して「食べ物」にまつわるテーマになっています。ただし、学年によって書き方が違いますから、項目表をよく見て書いていきましょう。

小学1・2年生 「自由な題名」

1・2年生の人は、題名を決められると書きにくいと思いますので、自分で自由な題名を決めて書きましょう。先生の電話があってから題名を考えるということがないように、お母様やお父様がその日の朝にでも、「今日は作文の日だから何を書くか見つけてこようね」と声をかけてあげてください。

小3・4年生 「私の好きな食べ物」

「わたしの好きな食べ物は納豆です。」などと書いたあとに、「この間、こんなことがありました。」と、出来事を思い出して書いていきましょう。説明だけで書いていくとなかなか長くおもしろく書けません。出来事を書く場合も、できるだけそのときの会話を思い出してくわしく書いてみましょう。

中心を決めるためには、好きな食べ物を「天丼とカツ丼とカレーライスと焼きそばとあんまんと肉まんと……」などとたくさん書かないで、一つか二つにしぼっていくとよいでしょう。食べたときの様子をたとえを使って表してみましょう。

 小5・6年生 「私の好きな食べ物」

複数の実例は次のように書きましょう。第一の実例は自分の好きな食べ物の話です。第二の実例はお母さんやお父さんの話でもいいですし、逆に自分の嫌いな食べ物の話でもよいでしょう。または、自分の好きなもうひとつの食べ物、または、好きな食べ物のもうひとつの話というように書いてもいいと思います。実例を複数組み合わせて書きましょう。

結びの感想は、「好きな食べ物というものは(人間にとって)……」というふうに大きくまとめましょう。

ことわざは、「88、蓼食う虫も……」などが使えそうですね。

小5・6年生の今回の項目表は、「●たとえ」になっていますが、これは、「●たとえ又はことわざ」と読みかえて評価していきます。「できればことわざ、できない場合はたとえでよい」というふうに考えてください。

 中学生 「食べ物についての意見文」

意見は、「好き嫌いはよいか悪いか」「給食と弁当とどちらがよいか」「食べ物を大切に」「和食と洋食」「外食と家での食事」「食事のときは静かに食べるのがよいかにぎやかに食べるのがよいか」「手作りの料理と冷凍食品」「ハンバーガーなどの立ち食いはよいか悪いか」「味覚と栄養」など自由にテーマを選んで考えてみましょう。ただし「レモンティーとミルクティーとどちらがおいしいか」などという個人の好みに還元されるテーマにすると理由を展開しにくいので注意しましょう。

中3の生徒は、「食べる」という象徴的なテーマで、生き方の主題を考える練習です。「食わず嫌い」「腹八分」「蓼食う虫……」「衣食足りて……」などの言葉が考えるヒントになるでしょう。

名言は、「63、人は食べるために生きるのではなく……」などが使えそうですね。

高校生 「食べ物」

高校生は、社会的なテーマとして「食べ物」を考えてみましょう。「食糧危機」「飽食の時代」「日本の食文化」など、いろいろ考えられそうですね。

与えられたテーマを社会問題と結び付けるためには、普段からの問題意識が必要です。新聞の解説記事を毎日読んで、今世の中でどういう動きが起きているのかを見ておきましょう。高校生の人と話しているとテレビを通して得た情報が多いようですが、テレビから得る情報はどうしても表面的になりがちです。新聞や本から活字の情報ををしっかり読むようにしましょう。

大学生・社会人 「食べ物」

大学生や社会人の人は、ぐっとくだけてダイエットの話やグルメ情報の話などで書いてもいいでしょう。ほかの人の経験していないような体験実例が書ければおもしろいと思います。そのためにも、普段からいろいろな体験に挑戦しておきましょう。

今の大学生は、昔と違って真面目に勉強する人が増えたようです。しかし、高校時代のような気持ちで、ただ勉強をしていればいいというのでは不十分です。先生から与えられたものをただ受け取るだけでは多くを学ぶことはできません。特に、日本の大学教育はアメリカなどに比べてかなりレベルが低いと言われていますから、のんびり暮らしていると、何も身につかないままあっという間に4年間は過ぎてしまいます。

大学生活で大事なことは、自分から進んで新しい体験や勉強に挑戦していくことです。

また、パソコンは、社会人になってからではなかなか時間がとれずマスターするのにも時間がかかるようです。大学生の間のたっぷり時間がとれるうちに(お金はたっぷりではないと思いますが)、大学のパソコンをどんどん利用して使い方を覚えておきましょう。

  第4週の表示の一部訂正

「山のたより」を親しみのあるものにするために、表示の仕方に毎週変化を持たせるようにしました。そのため、一部、表示が正しく出ていないところがありましたのでお知らせします。

   中学2年生の評価の未表示について

10月24日(金)までの印刷分で、中学2年生の1・2・3週の講評が表示されていませんでした。25日(土)以降は、ちゃんと出ています。また、中学2年生の漢字小テストの問題も正しく表示されていませんでした。