1997年10−12月 第8週号 通算第547号

言葉の森新聞

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  11月24日(月)は休み(宿題)

教室の10月から1月までの予定は、課題フォルダの中の予定表に書いてあります。

今週は、11月24日(月)が休み(宿題)になります。月曜日の生徒のみなさんは、第8週の清書と自習テストを宿題としてやってきてください。「山のたより」などは郵送しますが、担当の先生の電話説明はありません。先生の説明を聞きたいという人は、別の曜日に教室(0120−22−3987)に電話をして聞いてください。(電話の受付時間は、普段の授業時間と同じで、平日午後4時〜8時、土曜午後2時〜4時半です)

  11月29日(土)は休み

11月29日(土)は休みです。1ヶ月に4週のペースで勉強をしていきますので、第5週にあたる週は休みなります。この日は作文の勉強はありませんが、毎日の自習は忘れずにやっておき、自習用紙は次の週に一緒に提出しましょう。

  第8週は清書です

第8週は清書です。これまでに書いた作文のうち、10月中旬から11月上旬にかけて書いた作文が返却されていると思います。先生のアドバイスを参考に、その中からいちばんよく書けた作文を清書していきましょう。

書き方は、「学習の手引」をよく見てください。

清書用紙(水色の罫線の原稿用紙)の左上に生徒コードを書くことと、1枚目の裏側に学校・学年・名前・住所・電話・投稿の希望などを書くことを忘れないようにしましょう

この清書は、1月発行の広場に掲載します。原稿用紙の空いているところには、絵をかいておきましょう。

  第8週は自習テストも提出しましょう

第8週は、自習テストを行ないます。漢字と短文の問題は、漢字集・短文集を見ないでやっていきましょう。長文の問題は、長文集を読みながらやっていきましょう。解答は、後日、「山のたより」に掲載されます。

  合格速報

中島さんが東海大学通信工学部に合格しました。教室で勉強していた内容とかなり近いテーマだったのでうまく書けたそうです。面接では小論文が上手だったとほめられたとか。

上杉さんが鶴見大学英文科に合格しました。小論文のテーマは「言いたいことをうまく表わすために比喩を使うことについて」。書きやすかったと言っていました。

  高校生はもっと読書を

11〜12月は、ちょうど大学の推薦入試の季節にあたるので、小論文の勉強に力を入れる人が増えてきます。高校生の人たちを見ていて共通して感じるのは、読書量の少なさです。「私の家族」という身近なテーマではとてもいい文章を書ける人が「国際社会における日本の役割」というようなテーマではギクシャクした文章しか書けなくなるということがよくあります。そのいちばんの原因は語彙の少なさです。語彙が不足しているいちばんの原因は、そういう語彙の含まれる本を読んでいないということです。高校生の人は、岩波新書・中公新書・新潮選書などの本をもっとたくさん読んでいきましょう。

  整理整頓について

今、講師研究会の電子メールで活発にやりとりが交わされているのが、整理整頓についてです。「机の上がきちんと整頓されていないと勉強もはかどらないのではないか」というのがテーマです。

整理整頓と勉強の能率とは確かに高い相関があるようです。言葉の森でも、自習をきちんとやってくる生徒は、成績が悪いということはまずありません。自習を毎日やっている生徒は、学校の宿題や家庭の学習もきちんとやっています。一事が万事ということです。

しかし、真面目にきちんとやっている子がそのまま成績がいいかというと必ずしもそうではないところが難しいところです。

   勉強の量と質

成績は、高学年になるほど、学習の量よりも質との相関が高くなってきます。成績を上げるコツは、反復学習で確実な知識や技術を身につけていくことです。一冊の参考書を何度も繰り返しボロボロになるまで読むような勉強の仕方をしている子は、確実に成績が上がります。次々に新しい参考書や問題集を手がけるような勉強の仕方をしている子は、勉強の時間は同じでもなかなか成績が上がりません。

そして、勉強の質と量以上に大事なのが、難読です。ある程度の難しさを持った本を読んで考える力をつけていかないと、勉強のやり方や時間を改善しても本当の学力はつきません。

そして、最も大事でありながら見落とされがちなものに、楽しく幸せな気分で勉強するということがあります。食事でも、怒られながら食べれば消化が悪くなります。勉強も、叱られながらやらされて、やっと終わってからも叱られるという勉強の仕方をしていると、そこで身につけた知識はなかなか定着しません。大人の方は経験があると思いますが、小中学校時代の思い出で、よく覚えている学年とほとんど思い出せない学年とがあります。自分が先生や友達から認められて楽しい気分で勉強していた学年は、よく覚えています。ということは、その学年で勉強したこともよく消化されて自分の血や肉になっているということです。勉強をしている間は必要に応じて叱ることもありますが、勉強が終わったら必ずほめるということを大人の人は忘れないようにしてください。

以上、まとめると、一番が幸せな気分、二番が難読、三番が反復学習、四番が勉強の時間ということで、小中学生のうちは勉強の時間を確保するためにも整理や整頓が欠かせないということになりそうです。高校生になると、やる気が出て朝から晩まで勉強をしても平気になりますから、このころになると、勉強の時間は意欲や体力との関係が高くなるようです。

   整理整頓は文化

整理整頓は、生まれつき身につくものではなく文化として身につくものですから、子供のときの最初のしつけが子供の生涯の整理整頓のセンスを左右するようです。子供のときの最初のしつけは、両親の持っている文化としつけに割ける時間にかかっているようです。両親が整理整頓が苦手で、子供が整理整頓が得意ということはありません。また、両親が整理整頓が得意でも、こまめに子供にかかわる時間をとれない場合は、子供は整理整頓が苦手になるということがあります。最近は忙しい両親が多いので、こういう家庭が増えていると思います。

整理整頓ができていなくていちばん困るのは、大人になって探し物の時間が増えるということです(笑)。よく「あれ、財布どこだっけ」「あ、車のキーが見つからない」と出かけるときに大騒ぎするケースがありますが、これは単純に「使ったものは元の場所にもどす」という文化が身についていないのが原因です。この文化が身についていない人は、はさみを出して使うとそのまま使った場所の近くの適当なところに置き、ノートを出して使うとこれもそのまま使った場所の近くの適当なところに置くというような置き方をしています。置いた直後はそれがそこにあることを覚えていても、数時間たって別のことを始めると、もう「あれ、はさみどこだっけ」「あれ、ノートどこに置いたっけ」となってしまいます。文化は自覚によって変えることができますが、少しでも油断すると元に戻ってしまいます。

子供のときに整理整頓の習慣が身についていると、一生の間の探し物に割く時間がだいぶ減ると思います。

   勉強時間の確保

勉強の仕方にはいろいろなコツがありますが、成績があまりよくないという生徒の原因の大部分は、勉強の時間が不足していることにあります。15分やっている子も30分やっている子も1時間やっている子も、みんな自分なりに「たくさん勉強している」と思っています。

勉強の時間が不足しているかどうかの目安は、漢字の書き取りの成績に表われます。漢字の書き取りは、頭のよさや勉強のコツという問題以前の問題で、単純に勉強にかけている時間に左右されるからです。

忙しくて勉強の時間がとれないという原因の多くは、小中学生でしたらテレビやゲームに割く時間が長いことで、高校生でしたらスポーツや音楽に割く時間が長いことです。名言に「かぎられた人生で大事なことは何をするかではなく、何をしないかということである」というものがあります。勉強はもちろん人生のすべてではありませんが、有意義な人生の中核を形成するものです。

学生時代は勉強が仕事だという位置づけで、勉強の時間を最優先して確保していきましょう。

  12月のテーマは「しわす」

おお、もう12月だ、早いなあ、という声があちこちから聞こえてきそうな季節になりました。いまだかって「まだ12月か、遅いなあ」という声は、聞いたことがありません。ということで、12月のテーマは「しわす(師走)」です。かしら文字に「しわす」のことばをつかって五七五の俳句を作って、広場に投稿してください。

しろい息、綿毛にくるまる、スズメさん(まだ、そんなに寒くないけどね)