1998年 3月 4週号 通算第563号

言葉の森新聞

住所 234横浜市港南区港南台4-7-29-A201 電話 0120-22-3987 ファクス 0120-72-3987 留守電 0120-64-3987

http://www.mmjp.or.jp/shine/index.html  (Yahoo!で"言葉の森"と検索してください)

  97年度をふりかえって

この一年間で多くの生徒が新たに言葉の森で作文の勉強を始めるようになり(生徒 270名)、それに伴い多くの先生が新たに指導に携わるようになりました(先生 11名)。またこれからの一年でさらに多くの生徒や先生が参加されることと思います。この言葉の森の成長を支えてくれたみなさんの期待にこたえるために、教室の利益はできるだけ多くの方に還元していきたいと思っています。私(中根)が今考えていることは、図書の貸出をもっと多くすること、遠方通信費などの負担を少なくすること、先生と父母・生徒とのコミュニケーションをもっと密度濃いものにすること、そして生徒も講師もより学びがい教えがいのある教室にしていくことです。

インターネットでのやりとりはまだそれほど活発ではありませんが、これから教室の生徒が常時インターネットに接続できる環境が整えば、やがて生徒どうしがお互いの作文についての感想をインターネット上でやりとりするようなことも日常的にできるようになると思います。

  留守電の番号は0120−64−3987です

3月2週の言葉の森新聞でもお知らせしましたように、留守電の番号は、0120−64−3987(丸い庭、虫と咲く花)になりました。ファクスはこれまでどおり、0120−72−3987(丸い庭、七つ咲く花)です。

  3月30日(月)31日(火)はお休みです

3月30日(月)31日(火)はお休みです。

  新学期は4月1日(水)から始まります

新学期は4月1日(水)から始まります。新学期用の新しい教材は通信の人には3月下旬にお送りします。通学の人には4月1週の授業のときにお渡しします。

新学期からの長文集は、これまでの縦長のスタイルではなく上下二段に分けるようにしますので読みやすくなると思います。

  曜日・時間の変更はいつでもできます

新学期になると、学校やほかの習い事の都合で曜日や時間を変更することも多くなると思います。曜日・時間の変更はいつでもできますので、0120−22−3987(丸い庭、二つ咲く花)までご連絡ください。

  3月4週は清書です

3月4週は清書です。これまでに書いた作文のうち、2月中旬から3月上旬にかけて書いた作文が返却されていると思います。先生のアドバイスを参考に、その中からいちばんよく書けた作文を清書していきましょう。まだ、勉強を始めたばかりで作品があまりない人は、清書用紙に直接自由な題名で作文を書いて送ってください。この清書は、言葉の森のホームページと5月発行の「広場」に載せます。原稿用紙の空いているところには、絵をかいておきましょう。

書き方は、「学習の手引」をよく見てください。

清書用紙(水色の罫線の原稿用紙)の左上に生徒コードを書くことと、1枚目の裏側に学校・学年・名前・住所・電話・投稿の希望などを書くことを忘れないようにしましょう。

感想文をもとにして清書にする場合、清書する文章はできるだけ感想文のかたちではなく作文のかたちに直しておいてください。つまり、要約や三文抜き書きなどの部分は省き、似た例と感想を中心に書き、題名もそれに応じて変えておくということです。感想文というかたちのままだと新聞などに応募しにくいのでお願いします。

  3・3週の要約例

  小5・6年生 3.3週 「がんばること(感)」

要約:がんばることが好きな日本人は、「努力」「勉強」などという言葉をよく使う。勉強はつとめしいるという言葉だがもともとの中国語にはそういうニュアンスはない。勉強はそれ自体が目的なのでなく、自分を探すための手段である。

  中学生 3.3週 「専門化(感)」

専門外の事柄について理解し、思慮分別を伴った言論を展開できる人たちがいる。その基盤となるのは常識や分別である。(アリストテレスは大衆を相手に話し合うにはエンドクサに基づいて言論を展開するのが有効だとしている。エンドクサとは常識にほかならない。)常識は知識に次ぐ確かさを持っている。(常識は非専門家からの、またはまたは非専門家向けの、あるいは非専門家同士の言論の基盤なのだ。)知恵を伴う言論は教養が基盤となる。教養は専門的技術とは区別され、一個の自由人にふさわしいものとして学ばれる。

 

  光る表現

■美和さん(あきき/小3)の作文より(めもま216)

 わたしにとって、「カ」はまるで小さなおじゃま虫のようです。評:とてもよくわかる面白いたとえですね!! 私もそう思います。

■ナッキーさん(あうく/小4)の作文より(恭子121)

 外に出てみると、雪はやみ、庭一面に真っ白。よく本でみる、銀世界というものになっていました。学校にいく道は、まだふんでいないところがあったので、シャキシャキというう音をたてながら、学校にいきました。評:情景描写と音の表現がすばらしいですね。

■ギップルさん(けら/小4)の作文より(ひかり210)

 私は、「一杯生きてもっと、りっぱなモンシロチョウになるんだよ!」と心のなかでいいました。それから、時々モンシロチョウを、みかけると青虫君のことを、思い出します。評:ギップルさんと青虫君とのほのぼのとした関係がよくえがかれています。

■チョロすけさん(ふか/小4)の作文より(ミルクティ219)

 「やぁーぱりおたがいたすけ合わなくちゃ。」とぼくは思います。だからときどき蚊に血を分けてあげようと思います。(蚊はぼくたちをたすけてくれるようなことはできないけれど)これからは人間から存在かんのうすいプランクトンまでみーんなたすけ合っていきたいと(蚊にはあまりかんけいないけど)思いました。評:蚊の話から発展して、生き物すべての助け合いが大切という、視野の広い意見が書けたね。

■マルコ2さん(ひえ/小5)の作文より(恭子224)

 でも、いくら子犬でも、犬なのだからキュンキュンなくのだ。授業のあいだじゅうマメ太のことが気になってしかたがなかった。評:マメ太って、とても、かわいらしくて、めずらしいなまえをつけたものですね。なきごえが、すごく子犬の、実感がでていて、かわいらしさが、よくつたわってきます。「学校にくる犬」より

■ドリカムさん(うせ/中1)の作文より(ミルクティ219)

 勉強も、自分のためになるから、いやでも必要だからやらなければならない。でもそれはとてもストレスがたまるものだろう。だから私は、これから勉強を必要とみないで、やりたいとして見たら、とても能率良くなるかもしれない。評:「ニーズとウォント」の長文感想の結び。勉強も「ウォント」と見なしてやってみようという発想がいいね。

■しまりすさん(ああは/小3)の作文より(洋子306)

 わたしは、カがブーンと飛んでいたりカが目の前に飛んでいたり足や腕にとまったりするとすぐ手で「パッン」とたたいてしまいます。なのにカを研究している人は、一日のうちに一回カに腕から血をすわれて、そのうえ一度に何百匹ものカに血をすわれるなんて考えただけでもかゆくなってきます。研究している人は、かゆくないのか不思議です。それにいつもやっていたら腕がでこぼこじゃないのか不思議です。評:カのはなしを読んで不思議におもったことが素直に書けています。また絵がその様子を想像しているところを描いていてすばらしいのですが、みなさんにおみせできなくて残念です。

■チーターさん(あしせ/小4)の作文より(洋子210)

 ぼくは、ボールがどこに飛んででいくかわからないので、ボールをにらんで捕りにいきます。、どんなボールがきようともうしろにはにがしませんでした。まるで中を飛んでいるブーメランを犬が追いかけてジャンプしてとるみたいにぼくは、ボールをキャッチします。評:ボールをのがしはしないぞと元気にかけまわっている君の姿がいきいきとかけていてすばらしかったです。

■純平さん(にの/小4)の作文より(洋子306)

 「あっこれだったのか」とぼくは、心の中でさけんだ。いつもいつもどうしてだろうと不思議におもっていた。それは、カにさされたときぼくの皮膚がまるでほっぺをふくらませておこっているようにふくらんでめちゃくちゃかゆいときと、赤くちいさなホクロのようになってぜんぜんかゆくないとき、同じカなのにどうしてかゆさがちがうのか毎年気になっていた。これを読んでめちゃくちゃかゆいさされ方を防ぐ方法がわかった。それは、カに十分に血をすわせればよいということだ。でもぼくは、そんなに心が広くなれるかな。だって、ぼくは、カをみると条件反射して両手でバチンとしてしまうからだ。……(中略)……どうせ、血をすわれるならカとにらめっこしながら観察しようとおもった。たぶん今年の夏は、去年までのぼくとはちっがってカを見る目がちがうだろう。評:長いこと気になっていたことがこの文を読んで解明してよかったですね。そのときの驚き喜びがミックスした気持ちが文のでだしにうまく現われてかきだしていてすばらしいです。さされたときのたとえもよくかんさつされてうまく表現しています。どうせさされるならカとにらめっこしながらみてみようというところでは、おもわずわらってしまいました。がまんできるかな?

■NERVさん(うの/中1)の作文より(ミルクティ303)

 この間長野オリンピックが開かれたが……(中略)……昭和の初めごろは自分のためよりも国のために、と思え。などと言われていた。そのためオリンピックの時、メダルをとった選手は、国のために…、天皇陛下のために…と言っていたそうだ。今でも、北朝鮮の選手が総書記のためにメダルをとると、インタビューで言っていた。評:オリンピックというタイムリーな(今、話題になっている)例を使ったところが、うまいね。

■あささん(あおみ/小2)の作文より(とも312)

(大好きなロケット公園のことについて)ぼくは「こんな公園がいっぱいあったらたのしいだろうな。」とゆめにまでみたことがあるくらい楽しいところです。先生やみんなでくると、ぜったい楽しいと思います。1回きてみてー。評:すばらしいですね! どれだけ楽しいところか実によく表現できていますね。本当に行きたくなってしまいます。