1998年4月2週号 通算第565号

言葉の森新聞

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  学年がちがっている人はご連絡を

新学期になって新しい学年になりましたが、3月から教室に入った人の中には、学年がまちがってプリントされている人がいるかもしれません。課題フォルダの学年のところを見て、もしちがっている人がいましたらご連絡ください。

  曜日・時間の変更はいつでもできます

4月から学校やほかの習い事の予定も変わってきたと思います。言葉の森の曜日・時間の変更はいつでもできます。通信の場合は、平日4時〜9時、土曜2時〜5時の間で都合のよい時間を選べます。ご希望のある方はご相談ください。

  今週4.2週のヒント

 小1・2年生 4.2週「自由な題名」

 先生からの電話があるときまでに、どんなことを書くかきめておきましょう。

 小3・4年生 4.2週「はじめて何かを食べたこと」

「はじめて何かを食べたこと」という題名で書きにくいときは、「こわかったこと」や自由な題名で書いてもいいでしょう。「はじめて何かを食べたこと」は、お父さんやお母さんに話を聞いてみてもおもしろいかもしれません。

小5・6年生 4.2週「『子どものころ』を読んで(感)」

要約:新5年生は、要約という項目がはじめて出てきます。これは、4年生のときに練習した「三文ぬきがき」と同じように考えておくと書きやすいと思います。長文を何度も読んで、大事なところを選んで抜き書きしていきましょう。今週は、要約に時間をとられて、要約だけで終わってしまったいうふうになってもかまいません。できるだけ自分の力でまとめていきましょう。

似た話:友達に何かをたのまれてことわれなかったり、いやなことをイヤと言えなかったり、あやまりたいけどあやまれなかったりしたことってあるでしょう。「ごめんね」ということばは、なかなか言いにくいものです。似た話は、できるだけ二種類思い出して書いていきましょう。

感想:5年生は、この文章を読んで「わかったこと」を書きましょう。6年生は、「人間は……」「言葉というものは……」という大きい感想で書いていきましょう。

ことわざ:「61、知って行わざるは、知らざるに同じ」「69、人生意気に感ず」「131、実るほど頭(こうべ)をたれる稲穂かな」などが使えそうです。表現の項目は、たとえでもいいのですが、できるだけことわざを結びの感想のところで使うようにしてみましょう。

中学生 4.2週「『子供の世界は』を読んで(感)」

要約:3〜4文で150〜200字にまとめてみましょう。

意見:確かに人間の内的世界をかかわらせない科学的な見方の方が、世界を正確に表すことができます。実感としては、太陽が東から昇って西に沈むとだれもが感じます。その実感を克服するのが科学的な見方です。しかし、現代の社会は、科学的な正確さを求めるあまり、人間の心の納得をないがしろにしている面もあります。「知識として理解するよりも心から納得することの大切さ」という主題で書いていきましょう。または、長文の冒頭にある「ふしぎに思うことの大切さ」を意見にして書いてもいいと思います。

名言:「30、自分の心のうちに持っていないものは、何ひとつ自分の財産ではない」などが使えそうです。短文集の2・3・4ページにある名言はひととおり読んで、自分の力で見つけられるようにしておきましょう。

高校生・大学生・社会人 4.2週「『効力感は』を読んで(感)」

解説:意見は現代の社会の問題にかかわらせながら書いていきましょう。子供は(人間は)自分の力で、周囲の大人や兄弟のお手本を参考にしながら、新しい課題に挑戦し効力感を獲得していく、というのが長文の内容です。みなさんも子供のころ、お母さんが危ないからやめなさいというのを振り切って自分の力で玉子焼きを作ろうとしたり、電車の切符を買おうとしたり、自転車で遠出をしたりしたことがあるでしょう。現代の社会は、子供が自分の力で課題を見つけ達成することにあまり寛容ではありません。それよりも、勉強のスケジュールに合わせて、子供が自分からは必ずしもやりたいと思っていないことまで賞罰で押し付けているようなところもあります。これは、文明社会が持つ共通の弱点です。「あぶないからしちゃダメ」という制限と、「したくないことでもしなさい(ごほうびをあげるから)」という押し付けが共存しているのが現代の社会です。ここから、当為の主題「子供は……べきだ」という意見や、社会問題の主題「……は問題だ」という意見を書いて、そのあと方法や原因や対策で展開していきましょう。ことわざの加工が書きにくいという人は名言の引用になってもかまいません。しかし、できるだけことわざを自分なりに加工して書いていきましょう。ことわざの加工は、こんな感じです。「『蟹は甲羅に似せて穴を掘る』ということわざがある。人間も本来自分の甲羅に合わせてそのときどきの課題を見つけ出す力があるはずである。しかし、現代の社会は、甲羅の大きさにかまわずに一律に同じ穴を掘ることを要求しているように見える」。ことわざをほかの言葉にあてはめたり、ことわざを逆の意見のところで引用したりするのが「ことわざの加工」です。

  来週4.3週のヒント

小学3・4年生 4.3週「『ミイラ取りがミイラになる』を読んで(感)」

 ミイラが薬になったという話を読んでびっくりしたでしょう。今はそういう薬を飲む人はまずいないでしょう。似た話は、ミイラの話というよりも、「だれかを迎えに行ったはずなのに、その人まで行ったままになって帰ってこない」といようなところで見つけてみましょう。お父さんやお母さんに似た話がないか聞いてみてもいいでしょう。または、昔は、変なものを薬にしたというような話でもいいと思います。ちょっとむずかしいけど、よく考えてきてください。

  光る表現(学年は旧学年)

■愛美さん(しあ/小2)の作文より(ミルクティ311)

 先生はさくらがすきなそうでとってもよろこんでいました。つぎの日、森くんというこがさくらの花をとっていて先生におこられていました。まるでおにのようでした。わたしは、こわいなぁと思いました。先生は、花がかれていたら、かなしそうにしています。わたしは、先生が花がすきなことをしりました。評:さくらの花がさいた日とつぎの日の話を書いてくれたね。先生のことを、よく見ていて、先生のきもちも、わかってあげられる愛美ちゃんは、やさしい子だね。

■ひろりんさん(あしゆ/小3)の作文より(めもま302)

 昼ごろにある歌を歌っていると、「あ''〜」のような声が出て、高い声を出しているつもりなのに出ませんでした。評:作文では実際の声が聞こえませんが、とても感じが伝わってきます。カゼの時、こんな声によくなりますよね。

■ファーブルさん(なか/小3)の作文より(ミルクティ310)

 一番たいへんだった人は、たぶん先生だったと思います。何故なら、いろいろ、みんなのグループに、「こくのあるカレーね。」とか、「おいしいね。」や、「ベリーグットなカレーね。」などと、言葉を一言ずつ言っていたからです。まるで、先生は、ロボットに、言葉をインプットしているかのように、たくさんの言葉を言っていました。評:楽しい先生だね。自分で考えたたとえが、とてもうまいよ。

■惇さん(のと/小3)の作文より(ゆらぎ310)

 給食台は、まるでボブスレーのそりみたいです。ぼくは給食係です。……(中略)……「給食係でない人は乗ってはいけない」と、給食係が言います。ぼくは、坂道でひゅーっとスピードを出して乗ってみたいです。落ちないようにすれば、ボブスレー気分がでると思います。……(中略)……夏は良くて、冬はいやなのは台拭きです。お母さんたちは、こんなこともできないの、と言うと思います。冬は冷たくていやです。今はまだちょっと寒いので、しぼるのはいやです。いやなときはジャンケンポンで決めます。ぼくは2回連続して給食係です。でもすごく楽しいので満足しています。評:作者の気持ちがよく書けていますね。理由が入っているので、くわしく書けました。

■つるちゃんさん(のひ/小3)の作文より(もとばと314)

 冬の南公園も、雪ですてきですが、春も、さくらがいっぱいさいてお花見をしたりします。家族で、おべんとうを持っていって桜の木の下で食べるのが好きです。夏は、せみをつかまえたりします。前に、せみのぬけがらをいっぱいひろってきて作品てんにだす絵を作りました。秋には、気のみをひろいにいったり、きれいな色の葉っぱを取りに行きました。評:季節感がとっても良くつかめていますね。

■由布子さん(あこあ/小4)の作文より(めもま306)

 そして(お雛様を飾って)何日もたった今日。そして最後に会う日がやってきた。学校から帰ってきた時は応せつ間がぽつんとしていた。評:結びが、すごく上手です。「また一年会えなくてさびしいな」という言葉で書くより、ゆうこちゃんの心の様子をよく表現していますね。

■ちーくんさん(ふち/小4)の作文より(ゆらぎ304)

 「トーリッセ」……友達とどろけいとおにごっことキックベースをしました。……ぼくのチームは全員足の速いひとなのでうれしかったです。……ぼくはみんなをふりきりました。うまくにげられました。ぼくは仲間を助けるために相手がいっぱいいるところにとっしんしていきました。しかしつかまってしまいました。……ぼくとさかもとくんはすごくいいところににげました。がけです。がけといっても土でだんになっています。そこで下から来たら右の通路と左の通路に逃げ、もう少しでタッチされそうになると、3メートルちかくで、小さな木と枠があるところにとびおります。これは、ぼくとさかもとくんしかできないので、いいにげみちです。こわれかけた板で、アスレチックのさくと橋を作り、にげる道ができています。全部で5このうち、3こはきけんなので、ぼくとさかもとくんのとっておきの道です。評:作者が作文の中で生き生きとしていますね。文章の長さも、くふうできました。

■芽意さん(あえゆ/小5)の作文より(ミルクティ304)

 明日からなにもかもすべて休めるぞー! 私は小児科の先生のいったことも聞かずに一人で喜んでいた。しかし、家に帰っておばあちゃんがお母さんに話していることを聞いていると死ぬおそれもあるそうだ。それに友達の話ではどんどんほっぺがふくらんでしゃべれないくらいいたいそうだ。なんということだろう。不幸はまだあった。妹のじゅくの発表会が近いため、私はかくりされることになった。まるで雨後のたけのこのように不幸が起きてしまった。評:おたふくかぜをひいて喜んだのもつかのま、次々と不幸が起こって…。笑ってはいけないんだろうけれど、おもしろい表現に笑ってしまいました。(^o^)

■顕さん(うと/小6)の作文より(もとばと306)

「僕の嫌いな場所は、銀行だ。あそこへ行くと皆、頭の中はお金のことばかり。目の色を変える。これが人間の本当の顔だから悲しくなる。」評:鋭い観察力……。