夏休み体験学習参加お礼

 

 このたびは、夏の体験学習にご参加いただきありがとうございました。

 言葉の森の新学期は10月から始まります。10月からの受講を開始される方は9月中にご連絡くださるようお願い申し上げます。

 

表記上の注意はあまりしませんでした

 今回の授業では、表記上の細かい注意はあまりしないようにしました。

 小学生の作文では、字の間違いがあったり、表現の稚拙なところがあるのが普通です。それを見ると、たいていの大人の人はその部分を直したり書き直させたりしてしまいます。しかし、それで、その子の実力がつくかというとそうではありません。

 大事なことは、見た目のいい作品を書くことではなく、その子の本当の実力をつけることです。例えば、段落の付け方の分からない子に、「こことここを段落にしたらいいよ」と教えるのは簡単です。しかし、もっといい教え方は、「段落の付け方のルールは、こうだから、自分で考えて段落をつけてごらん」という教え方です。時間はかかっても、こういう教え方の方が子供たちの財産になります。同じことは読点の打ち方や誤字の訂正についても当てはまります。

 一ヶ月という短い期間の夏期講習でしたから、もっと即戦的な勉強を期待された方も多いと思いますが、私たちはできるだけ現在受講している生徒が受けるのと同じような勉強の仕方をするようにしました。

 中学生以上の人は、在籍生徒と同じようにパソコンで作文を書いてインターネット経由で送信するというやり方で勉強しましたので、あまり長い文章は書けませんでした。しかし、今後のことを考えると、中学生のうちにパソコンで文章が書けるというのは必要なことになると思いますので、敢えて在籍生と同じようにパソコンで書く練習をしました。

 

作文の勉強には本人の主体性が必要です

 作文の勉強は、普通の教科の勉強とはかなりちがうところがあります。英語や数学の勉強では、ただイスにすわって先生の話を聞いているだけでも何か勉強したような気がします。しかし、作文・小論文は、自分からすすんで書き出そうという気持ちがなければ何も始まりません。

 今回の夏期講習に来た生徒の中で、教室に来る前に書くこと決めてきた子は、総じていい作文を書きました。教室で先生が「今日は何を書くのかな」「わかんない」というような子は、書くことにだいぶ苦労していました。また、高学年の生徒は感想文の課題がありましたが、かなり難しい長文を課題にしていましたので、事前に長文を読んでこなかった子は感想文でなく自由な題名で書くようにしました。今後、作文の勉強を続ける場合は、事前の準備や予習を必ずしてきてくださるようお願いします。

 勉強でもスポーツでも、上達のためにいちばんの核となるものは、本人の主体性です。勉強に主体性を持つためには、子供の生活にある程度の余裕があることが必要です。しかし、今の子供たちはいろいろな習い事や勉強に追われ、次から次へとスケジュールをこなすような生活をしています。頭や体の柔軟な時期に多くの習い事をすることは決して悪いことではありません。しかし、いちばん大事なのは、子供自身が日々の生活に幸福感をもって生きているかどうかということと、読書をしっかりしているかどうかということの二つだと思います。勉強に疲れていたり、読書をする時間がなくなっていたりすれば、それは勉強の仕方そのものを再考する必要があります。知識を詰め込むような教育ではなく意欲を育てていくような教育が、これからますます求められるようになってくると思います。

 

小学校時代の作文は本当の実力ではありません

 小学校のころは、ほとんどの子が読書も作文も好きです。作文も、子供らしい感受性と表現のあるじょうずな文章を書く子がたくさんいます。こういう状態を見ていると、親はつい、作文や読書はほうっておいても自然にできるようだから、もっと苦手なほかのことを勉強させたほうがよいのではないかと思いがちです。

 しかし、小学校の低中学年のころに作文が得意で読書が好きだった子の多くが、中学生高校生と進むにつれて作文や読書の水準が上がっていくかというと、そういう例は実はとても少ないのです。ほとんどの子は、中学生になっても小学校のころに読んだ本と同じような水準の本を読みつづけていくか、又は本をほとんど読まなくなっていきます。作文についても、多くの子が小論文を書くのにふさわしい語彙力や表現力を持てないまま高校生になっていきます。

 小学生のころにじょうずな作文を書けるかどうかということは実はあまり重要なことではありません。高校生になったときにその年齢にふさわしい小論文を書くための基礎力をつけていくことが大切です。小学生のころは、じょうずに書くよりも、しっかりした文章を書いてそれを学年に応じて発展させていく時期です。

 

小学2年生のころから始めると長続きしやすい

 作文の勉強が、中身のある勉強らしいものになってくるのは、小学5年生ごろからです。小学2・3・4年生までは、楽しく書くことを重点にしているので、課題もそれほど難しくはありません。高校生になると、大学受験の小論文などで文章を書く力が必要とされるようになるので、作文の勉強もずっと実戦的なものになってきます。

 ところが、小学校の高学年になってから作文の勉強を始める生徒は、なかなか長続きしないことが多いのです。それは、ちょうど課題が難しくなる時期と、年齢的に作文が苦手になり始める時期が重なっているからです。また、高校生になってから小論文の勉強を始める生徒も、それまでの時期に年齢にふさわしい読書をしていない場合は、上達するのにかなり時間がかかります。

 今、言葉の森の高校生で、しっかりした小論文を書ける生徒のほとんどは、小学校低学年から始めて、そのときどきの学年に応じた読書をしてきた生徒です。

 文章を書く力は、大学受験ばかりでなく、社会に出てからも必要になってきます。言葉の森では、社会人の生徒もいますが、社会人になってから文章を書く勉強をするというのは、かなり強い意志力が必要です。

 年齢的にはまだそれほど文章力の必要性を感じない小学2年生のころに作文の勉強を開始するのが、勉強を長続きさせるコツです。小学2年生のころは、毎日の習慣もつきやすいので、この時期に言葉の森の自習を毎日やるように習慣づけると、読解力や表現力がつくだけでなく、高学年になったときの勉強の習慣そのものもついてきます。

 

受講される方は、曜日と時間を決めてご連絡ください

 体験学習では、評価と講評を書く先生からの電話はありませんでしたが、通常の授業では、講評担当の先生から教室にいる生徒に電話による説明があります。その電話説明の先生とは別に、教室にいる先生がその生徒に補足説明をします。(体験学習のときは、教室にいる先生の補足説明だけでした)。言葉の森では、このように一人ひとりの生徒に個別指導の時間を確保するために、複数の先生が一人の生徒を担当するというかたちをとっています。

 受講を開始される場合は、講評担当の先生の電話時間を調整する必要がありますので、ご希望の曜日とともにご希望の時間も決めてご連絡ください。時間は次の範囲の中からお選びください。

■月・火・水・木・金曜日

4:00 4:10 4:20 4:30 4:40 4:50

5:00 5:10 5:20 5:30 5:40 5:50

6:00 6:10 6:20 6:30 6:40 6:50

7:00 7:10 7:20 7:30 7:40 7:50

8:00

(教室は9:00まで開いていますが、高学年の方は作文を書くのに1時間半以上かかることが多いので、平日はできるだけ7:30ごろまでに教室に入るようにしてください)

■土曜日

1:30 1:40 1:50

2:00 2:10 2:20 2:30 2:40 2:50

3:00 3:10 3:20 3:30 3:40 3:50

4:00

(教室は5:00まで開いていますが、高学年の方は作文を書くのに1時間半以上かかることが多いので、土曜はできるだけ3:30ごろまでに教室に入るようにしてください)