国語はすべての教科の基礎

 小学校低学年のころは計算力があれば算数の成績はよくなりますが、学年があがってくると文章題の意味をよみとる力がないと算数の成績があがらなくなります。

 中学生で勉強する英語も、はじめのうちは英単語をおぼえたり文法をおぼえることで成績がよくなりますが、高校生になると英文の内容をよみとる国語力のある生徒の成績がよくなってきます。

 中学での保健体育など技能教科の成績は国語の成績との相関がたかいといわれています。どの教科の勉強もすべて文章をよみとる力を基礎にしています。

国語力の中心は読解力

 国語の勉強というと、すぐに漢字の書き取りを連想する人もおおいとおもいますが、漢字力は国語力のほんの一部です。どの国でも、国語はもっとも重要な教科と位置づけられていますが、国語で漢字の勉強を中心にしているのは日本や中国など一部の国だけです。そのほかの国の国語の勉強の中心はあくまでも読解力です。

 小学生のころは、漢字のよくかける子が国語の成績もいいように見えますが、高校生になると漢字力よりも読解力のある生徒の方がのびてきます。大学入試でも、難関大学になれば漢字の問題はほとんどでません。

 漢字の勉強を中心にしている子は、小学校のころは国語の成績がよくても中学高校と学年があがるにつれてだんだん成績がさがってきます。読解の勉強を中心にしている子は、小学校のころは国語の成績が普通でも中学高校と学年があがるにつれて国語の成績もあがってきます

大学入試では表現力も重要に

 大学入試では読解力にくわえて表現力も重要になってきます。入試で小論文を課す大学は年々ふえています。早稲田大・慶応大・上智大などは、ほとんどの学部で小論文があります。東大・京大なども後期の入試科目は小論文だけです。

 高3の秋に推薦入試をおこなう大学がふえていますが、この推薦入試の科目はほとんどが小論文と面接です。極端にいえば、小論文に自信があれば大学入試は心配ないともいえるのです。

 しかし、小論文は、小学校のころの作文とはまったく違います。小学校のころ作文が得意だったかどうかということは、小論文の実力には関係がありません。小論文では、作文とは質的にことなる表現力や思考力が要求されるのです。

塾で国語の成績はあがるか

 学習塾で国語の成績があがるのは、小学校の低中学年までです。高学年になって読解の勉強が中心になると学習塾での勉強と国語の成績は関係がなくなります。学習塾での勉強は、漢字の書き取りをしたり国語の問題をとかせたりすることがせいぜいです。こういう勉強では、国語の得意な子は塾で勉強をしなくてもいい成績のままですし、逆に国語の苦手な子は塾でいくら勉強をしても苦手なままです。

 学習塾によっては、国語の教科だけ料金をやすくしたり、サービス的な講座としておこなっているところがありますが、それは学習塾自身が国語の成績をあげることに自信がもてないからです。これは、予備校でもおなじです。予備校の国語の先生の中には、「現代文と小論文は授業をうけたからといって成績があがるわけではない」と明言している人もいます。

言葉の森なら国語力がつく

 言葉の森の「作文・読解」の勉強は、長文をよんでそれに対して感想文をかくというかたちですすめています。小学校低中学年のころは、こういうかたちでの勉強はあまり成果が実感できませんが、学年があがるにつれて国語力がついていることがわかってきます

 中学受験でいうと、ほとんどの生徒は、小6の夏休みをすぎてから目にみえて国語の成績がよくなってきます

 また小学校のころ、国語が一番の苦手だった生徒が高校生になるころには国語が一番の得意になっているというケースもよくあります。

 言葉の森の勉強は、漢字の書き取りをしたり問題集をとかせたりするような小手先の勉強ではありません。実際にむずかしい長文を読んで、自分でかんがえて感想文をかくという勉強です。国語の力をあげるのは、こういう地に足のついた本物の勉強だけです