Kotobanomori No.669

■言葉の森新聞 2000年6月4週号

   文責 中根 克明(森川 林)<nane@mori7.com>

  ■7.1週の新聞は、教材と一緒に渡します

 7.1週の「言葉の森新聞」(裏面は「山のたより」)は、新学期の教材と一緒に渡します。

 新学期の教材が届いたら、これまでの古い教材は、新しい教材とまざらないようにかたづけておきましょう。

  ■価格体系を変更する予定です

   インターネット利用は引き下げ、ファクス利用は引き上げ。

 現在、価格体系システムを変更中です。詳細は後日ご連絡しますが、次の点を変更していく予定です。

(1)言葉の森新聞を郵送ではなくメールで受け取る生徒は、受講料を引き下げる予定です(マイナス350円程度)。

(2)逆に、ファクスによる作文送信は、新たに手数料をいただくようにする予定です(プラス350円程度)。

 これは、ファクスが教室に到着したあと担当の先生に郵送するという手数がかかることと、ファクスの送信先が違っているために通常の電話にファクスがかかってきたり、ファクスの送信がうまくいかずに再度送信していただいたりすることが多くなってきたためです。

 以上、新しいく価格体系が決まった時点で、またあらためてアンケート葉書などのかたちでご連絡を差し上げます。

  ■子供を本好きにするには(メーリングリストの記事から)

 よく保護者の方から、「子供を本好きにするにはどうしたらいいですか」という質問を受けます。

 本を読む習慣は、小学校1、2年生のうちにつけておくものです。子供が3、4年生ごろになるまでに本を読む習慣がまだできていないと、このあと本好きにするにはかなり苦労します。

 本好きというのは、ひとつの習慣ですから、本をあまり読まない子を本好きにするには、子供の生活習慣を変えるのだという強い決心がお母さんに必要になります。

 私(森川林)の子供の例ですが、玄関で靴をそろえる、朝起きたら挨拶をする、字を右手で書く(左ききだった)などの習慣を、たぶん小学1、2年生のころに教えましたが、同じことを何十回も叱ったりおだてたりして、やっと少しずつ身についていきました。

 本好きにするコツは、何しろ毎日本を読むことです。読む力がついてくれば、それにつれて本好きになっていきます。本が好きになってくると、自然におもしろい本に出合うようになります。そして、ますます本好きになる、という循環が始まります。

 これまでテレビやゲームや漫画ばかりだった子に、毎日本を読む習慣をつけるというのは、お母さんの強い決心次第です。家庭学習として、長文音読と読書○ページを毎日続けていくというのが、ありきたりのようですが、いちばん確実な方法です。

  ■課題の解説は解説集とホームページで

 7月の課題フォルダには、新しく解説集が入っています。これは、3ヶ月間の課題のうち主なもののヒントをあらかじめ解説したものです。したがって、これまでのように言葉の森新聞にヒントを載せる割合は少なくなります。

 また、これと並行して、ホームページ上で漫画と音声を使って課題を解説するページ、「ヒントの池」と「放送の谷」を更に充実させていきます。

 NTTではこの7月から制令指定都市で常時接続サービスを開始します。また、ケーブル(CATV)やADSLも今年から来年にかけて全国各地で常時接続サービスを開始する予定です。一方、米国のリアル社では、インターネットを使ってVHS品質並みのフルスクリーン画面を放送する技術が可能になりつつあります。

 これらのことを総合すると、これまで、新聞・テレビ・電話・郵便などのアナログメディアがになってきた多くの情報が、今後インターネットに統合されていくことが考えられます。技術の変化が速いので、インターネットを利用するシステムもさまざまな試行錯誤と紆余曲折を経過せざるをえないと思いますが、大きな流れとしてはインターネットを中核にした運営に進むのは時代の要請だと言えるでしょう。

 

  ■光る表現 2000年6月4週号

●カヤさん(ありそ/小2)の作文より(ももんが先生/6.2週)

 ぼくは、雨が、どうしてきらいなのかというと、かみなりがおちることもあるし、そとであそべなくなるし、うるさいからです。もしも、かみなりがいえにおちたら、もう、雨なんかふるなと、おもってしまうかとおもいます。でも、そんなことは、いちどもなったことは、ありません。【評:雨の日がきらいなわけを、じっくりかんがえて書くことができましたね。「もしも…」のつかいかたも、とてもじょうず! それにしても、かみなりがおちなくって、よかったよかった。(;^_^A 】

●雄太さん(いあさ/小3)の作文より(かつみ先生/6.2週)

 「じゃあね。」と二人は言ってわかれました。   評:会話文をうまく利用していますね。こういう書き方、他にもたくさん作れそうです。いろいろかんがえてみてね。

●瑛世さん(いいこ/小3)の作文より(ゆり先生/6.1週)

 (たんにんの先生は)ふだんは、みんなを笑わせたりするのに、おこったら、すごくこわくて六年生の人でもないてしまうほどこわいそうです。評:六年生がなくくらいだから、ものすごくこわいんだろうね。おこるところは見たくないかな!?

●友葵さん(あしも/小4)の作文より(ゆり先生/6.2週)

 私は雨の日はあまり好きではありません。(略)でも、雨上がりは大好きです。なぜなら、葉っぱに水てきがあってキラキラ光っているからです。 評:すっきりしない雨の日だけど、ステキな雨上がりのことに注目したんだね。友葵ちゃんらしくていいよ。

●すみすみさん(あない/小4)の作文より(はるな先生/6.2週)

 少し髪の毛が長くて、前髪をなぜかちょんまげみたいにして、こわいような、しんけんなのかよくわからないような変な顔で、走ってくるのです。そしたら、となりにすわっていた友達が、めちゃくちゃにわらって、(笑ったら、わるいよなあ)と思っていた私もわらって、みんなの声があわさって、「イヒウフクハヒヒヒ・・・・」という変な笑い声になってしまいました。あとで、「なんで、あんなことしてたの? ばくしょうしちゃったんだけど」といって聞いてみると、「ああ。あれまら、ウケねらいで、やったんだよ」といっていました。なので、わたしは、「わらうのがまんして、そんしたなあ」と思いました。  (講評);髪の長い友達がちょんまげみたいに結って、必死で走るようすを、笑い声を交えて、大変ユーモラスに表現できました。

●ゆうさん(あまさ/小4)の作文より(ふじのみや先生/6.1週)

 たまご焼きを作っている時ぼくは、お母さんに「そんなにうまく作れるの」と言ったら お母さんは「しらん」と言っていました。そしてぼくは、いっしゅんどういうだろう と きたいしていたけどしらんといったので、いっしゅん なんやしらんのかと思いました。☆質問した時と答えがかえってきた時の、自分の気持ちの変化をかざらずにとらえていますね。

●真亮さん(あむこ/小4)の作文より(洋子先生/6.2週)

 「ねえトランプやろう」「ねえ、ウノやんない?」「ねえ、トランプ入れて」「いいよ」「トランプやる?」と雨の日の休み時間には、いろいろな声が聞こえてきます。ぼくのクラスでは、「トランプ」と「ウノ」をもってきていいのです。今日は、ぼくが持っていって六人ぐらいでトランプをやりました。評:文の出だしがおともだちのいろいろな会話で飾られ、次にいつどこでなにをがしっかりとかけていました。雨の日の楽しい休み時間のはじまりが予感されますね!

●大輔さん(あよむ/小4)の作文より(ももんが先生/6.1週)

 そんなお父さんのくせは、いびきです。いっしょにねると、「ぐぉー。」と、いびきが聞こえてきて、ねむれません。けってやっても、いびきをかいています。その次の朝、ぼくがむく、と起きたら、お父さんが、半分目をあけて、「おまえゆうべけったな。」と言って、すぐねます。(お父さんがうるさいからだよ。)と思うのが、ほとんどです。【評:「ぐぉー」といういびきの音や、むくっと起き上がる表現がいいですね。そして、ねぼけながらもしっかりけられたことを覚えている(そしてまた寝てしまう(^^ゞ)お父さんの楽しい姿が、とても上手に書けました!】

●茜さん(あろさ/小4)の作文より(ももんが先生/6.2週)

 「あっ、ちかちゃん。早くー。雨がふりそうだよ。わたしカサをもって来てないんだからー。」まちあわせの場所に友だちが来ました。そのときに、「ポツンポツン、ザーーー。」と言ったかと思うと、雨がふりだしたのです!【評:作文の書き出しです。待ち合せ場所でのことばから、すてきな雨音の表現に、とても上手にうつっていますね。】

●クリリンさん(あかの/小5)の作文より(とこのん先生/6.1週)

 また図書館もたくさん利用して(司書の)先生のように色々な本をたくさん読んで想像力豊かな人になりたいです。  評:先生がとても魅力的な人であること、そしてクリリンちゃんが先生の子とをとても尊敬していることが素直に表現されています。

●快斗さん(あちね/小5)の作文より(スピカ先生/6.2週)

 おきにいりの人形の服を作るために、私が前、着ていたズボンの足を切ってそこを、アームカバーにし、上を人形の服にした。のこさずに、全部使った。私が着ていたときの、思い出がいつまでもそばにあるから、とてもうれしいなぁとよく思う。 評:うまくリフォームしたんだね。思い出がつづいていく・・・と考えたのが、とてもすてきだよ。

 

●愉美さん(あはせ/小5)の作文より(はるな先生/6.1週)

 わたしの先生はおもしろい先生で、クラスの人が「男子に足をけられたー」というと、先生は耳をふさいで「はいはいわかりました」と言います。ふつうは男子にすごくおこられるけれど、おこられたあと、「はい、授業をはじめます」と、女の人の声みたいに、やさしく言ったのが、おもしろくて、生徒たちもわらってしまいました。あと、もうひとつ「・・・・・ちゃうねん」というところが、おもしろかったです。どこのしゅっしんなのだろうと思います。たぶん大阪出身かもしれません。 (講評);いつも、おもしろいことを言って、みんなをわらわせたり、男と女の声色(こわいろ)をつかいわけされたり、しかるときは、きびしいけれど、後、やさしい言葉かけをきちんとなさたりることなど、とても、具体的にわかりやすく、先生の人柄について、説明できました。そして、あなたが、そんな担任の先生のことが大好きなのだ、ということが、充分に理解できました。ほんとうに、すばらしい先生ですね。

●ゼニガメさん(あひろ/小5)の作文より(ももんが先生/6.2週)

 雨は、まるで空からジョーロで水をまいているようでした。はじめは、ポツ…ポツ…ポツというふうでしたが、ポツポツ…ザーになりました。【評:雨音の表現、たとえを使って上手に書けています。ポツポツというリズムの変化が伝わってきそうですよ。こんな風に、自然の音に耳をかたむけられるのはとてもいいですね。】

●大典さん(せと/小5)の作文より(さかな先生/6.2週)

 「なぜ日本人は、自転車でもなんでも少しこわれたたすててしまうのだろう。インドはほんとうにとことん使ってる。もしインドの子どもがだれかが公園に自転車をおきざりにしているのを見るといったいどんなこと思うだろうか。 限りある地球のしげんそれをどうしてむだにしていい物か……。」★評:長文の著者の意見に共感して要約すると、こんなに気持ちのこもった表現になるんですね!素晴らしいです!

●コナンさん(あえた/小6)の作文より(洋子先生/6.2週)

 だから、私たちには、なるべく自由にさせてくれる。習い事は、私たちがやりたいというものはやらせてくれ、やめたいものは、やめさせてくれた。他のおかあさんと違って強制的ではない。(言葉の森だけは、強制です。)ちょっとした水たまりでも弟は、服からなにからなにまでビジョビジョになるほど遊んでしまう。だけど母は、「小さい時は、遊ぶのが仕事だからね。」といって、「きたないからやめなさい。」とは、いわない。私も弟と一緒になって遊んでいるとさすがに年を考えてみなさいと注意される。ガッツがあってがんばり過ぎても、逆に遊び過ぎても「過ぎたるは、及ばざるがごとし」でどちらもよくない。つまり何事も「ほどほど」が大事なのである。評:お母さんは、親の敷いたレ−ルの上を走るような育ち方をしたようですね、(でも結婚の時は、自分の意志を通された。)その結果、学校の勉強以外の人生の勉強の大切さを感じて、コナンちゃんたちを自由にさせて下さり、自らの意欲の芽生えを大切に考え根気よく見守って下さっているのですね。コナンちゃんの明い、おおらかさは、お母さんの教育方針の賜物だったことがこの作文を読んで納得しました。

●ミュウさん(あおゆ/小6)の作文より(ももんが先生/6.2週)

 人は、時間があるから今の電気や車などの機械がつくられたのである。(中略)もしもこの世に余裕な時間がなければ、みんな忙しくてそんなものを考えるひまのひとかけらもないであろう。【評:「ひとかけらもない」という表現、とてもいいですね。ミュウちゃんの言う通り、新しいアイデアというのは、気持ちにゆとりがないとなかなか生まれてきませんね。良いことを発見したね。】

●SAPPHIREさん(ああす/中1)の作文より(ミルクティ先生/6.1週)

 私は、学習が楽しいと思っている。第一の理由は、学習をすると、ものを探す楽しみや見つける喜びがあるからだ。(略)何これ、と思ったものは発音記号であった。(略)最初は何を意味していて、どういう発音になるのかがわからなかった。でも、わかって発音できて、アメリカ風に言えるようになった時は嬉しかった。そのように、言えたとき、わかったときなどは嬉しいものだ。つまりものを学ぶとは、きついことだけではないということだ。<評>学習の楽しさを、中学になって新しく学び始めた英語を例に書いてみたんだね。身近な例なので共感できる中学生も多いのでは…。こういうように、「あぁ、そういうことってあるなぁ」と感じさせる例を選んだところが、うまいよ。

●サイコロさん(あつと/中2)の作文より(洋子先生/6.1週)

 逆にノンフィクションは、————略———自分の想像力でその事実の細部を想像して楽しむことができる。評:ノンフィクションのうまみをよく捉えていますね。「存在するものものには、よいとか悪いとかを言う前のすべてそれなりの理由がある」と言うように、長持ちさせるものか、使い捨てるものかは、ものや、場合によって区別する必要があるのだ。評:結局、ものを見極める力を養っていくことがこれからは重要なことですね。シンプル・ライフですっきりと生きたいものですね。

●武志さん(あひは/中3)の作文より(みきこ先生/6.1週)

 未来をよくするためには、今をよくしなければいけない。(評):はっとさせられる言葉ですね。地球の発展も人間の成長も、まずは今できる一歩から始めなくてはいけないなあ、と思いました。

●ひまわりさん(あなつ/高1)の作文より(とこのん先生/6.1週)

 自然美はたくさんある。空、海、木々、花・・・。これらは本当の「美」を持っている証拠に、私たちを幸せな気分にしてくれる。 評:主題の根底である「自然美の本質」を示す意見。きちんと主題を読み取って、自分の中に問題点としてとりこんでいます。

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