KotobanomoriNo.681

■言葉の森新聞

2000年9月4週号

文責中根克明(森川林)

  9/23(土)は休み宿題、9/29(金)30(土)は休み

 9月23日(土)9.4週は休みで宿題です。先生からの電話はありません。教室も休みです。この週の課題は宿題として自宅で書いてください。先生の説明を聞きたい人は別の日の午後4時〜8時に教室にお電話をするか、ほかの曜日に直接教室においでください。

  9.4週は清書です

 9.4週は、清書です。

 清書は、担当の先生の説明を参考にして、返却された作文の中から自分でいちばんよいと思うものを選び、作文用紙ではなく清書用紙に清書してください。

 新しく教室に入ったばかりの人は、返却されている作文がない場合もあります。また、返却されている作文の中に清書するようなものがない場合もあります。そのときは、清書用紙に直接自由な題名で作文を書いて送ってください。

 清書の書き方は、「学習の手引」にくわしく載っていますのでごらんください。

  新学期は10月2日(月)スタート

 10月1日(月)から新しい学期が始まります。

 新学期の教材は、9月末にお送りします。

  アンケート葉書より(その1)

 アンケート葉書の質問と回答をホームページの「父母の広場」に掲載しています。

 言葉の森新聞には全部掲載しきれないので、少しずつ掲載していきます。今週は、その中の一部を紹介します。

000914:ファクス送信でないと返却が遅れるのでは。(小4父母)

 9月よりファクス受信の中止ということで郵送になりますと、また日数がかかり、作文の返却と言葉の森新聞が到着が更に遅れるのではないかと心配です。

 今の段階ではインターネットで送れません。リアルタイムで送れるということでファクス送信をしてきましたので、ファクスを希望します。

ファクス受信廃止の事情。郵送の遅れは当面インターネットで対応。(事務局)

 ファクスで受信した作文は、そのあと、受信先の事務局から郵送でそれぞれの先生に送るかたちにしていましたので、日数的には、生徒の自宅から直接先生に郵送したほうが早くなることが多いという事情がありました。

 また、ファクスは送信する機種によって性能に差があり、印字が薄かったり、紙面が曲がって入ったりすることがありました。更に、清書に送信元の電話番号が入ってしまったり、逆に名前も電話番号もないためにだれの作文かわからないものが送られてきたりということもありました。

 ファクスの利用はこの1年ほどの間に急に増えましたので、今後のファクスの普及を考えると、事務局で対応しきれなくなると考え、9月からファクス受信を廃止しました。

 ただ送信される側としては、わざわざ翌日郵便ポストに投函しなければならないという手間が増えたわけですから、この点は大変申し訳なく思っています。

 インターネットの利用はまだあまり一般的ではありませんが、ローマ字入力とインターネット送信は小3ぐらいからはそれほど無理なくできるようになります。(小学校では現在小4からローマ字を勉強するようになっています)

 パソコン利用はだんだん低年齢化しているようで、言葉の森でも5年ほど前は、パソコンは中学生からとしていましたが、それがやがて小6から小5からとだんだん学年が下がり、今は、特に決めているわけではありませんが、小3の生徒の半数以上、小4の生徒のほとんどがパソコンで書いています。

 手書きとパソコンではそれぞれ長所短所がありますが、将来的には、パソコン利用でインターネット送信というかたちが一般的になると思います。もちろん、手書きのよさはありますから、手書きのときは郵送で、パソコン書きのときはインターネットでというかたちになると思います。

 言葉の森新聞の郵送と作文の返却は、授業のある日の2日前の午後1時集配までに行なっています(月曜の生徒の場合は間に日曜に入るので3日前の金曜日)。大体はこれで授業の当日までに郵便が到着するのですが、ときどきもう1日余計にかかるときがあるようで、生徒のみなさんにご迷惑をおかけしています。

 郵便事情はまだすぐには改善されないと思いますので、現在ご希望の方には、言葉の森新聞のメール版と山のたよりのメール版をお送りしています。

 ご希望がありましたら事務局までご連絡ください。

000904:新聞などに載った作品を紹介してほしい(小4父母)

 作文が上達したとは実感できないけれど、自分で今日は作文の日と理解し書き始めることができるようになったのは進歩だなと思います。

 子供の心を読むようなテーマがあり自分自身考えさせられることあります。

 朝日新聞等の公の新聞に載ることもあると伺いますが、実際に載ったを紹介してくださるとありがたいです。

表現の工夫で上手になるが、長文音読で長期的な実力を。入選作品は「入選の滝」に。(事務局)

 小学生のころは、表現の工夫がうまくできると、時にすごく上手な作文を書くことがあります。例えば、「書き出しの工夫」「たとえ」「その人らしい会話」「結びの工夫」などです。

 しかし、これは実は表現の上だけでできる根の浅いもので、本当の実力は中学3年生ごろになってから安定したかたちで出てきます。その実力の支えになるのが、長文音読や読書などの「読む練習」の蓄積です。

 小学生のころは、「表現の工夫を理解できること」と「書き慣れる」ことを目標にして作文を書き、その一方で長文音読などの自習をこつこつと続けていくとよいと思います。

 新聞に掲載された作品は、ホームページの「入選の滝」http://www.mori7.com/taki/kotaki/itaki.htmlに載せています。

 言葉の森で書く作文の課題は、1時間で800字程度の文章が書けることを前提にしているので、清書もそれくらいの字数のものが多くなります。このため1200字程度を掲載の基準にしている新聞(朝小)には載りにくい面があります。600字程度を掲載の基準にしている新聞(毎小)にはよく載ります。

 中学生以上は、投稿する新聞が限られているので、地域によって載りやすいところと載りにくいところがあります。中学生以上は、自分で投稿するということはまずないので、教室のほうでもう少し工夫していきたいと思います。

 新聞に投稿する基準は、「誤字がない」「雑に書いていない」「本人が投稿に同意している」「実例が個性的」「表現に工夫がある」「感想文のスタイルになっていない」「適当な字数である」などです。

 誤字については、明らかにうっかりミスとわかるような誤字が一つだけあるというような場合はこちらで直してから投稿することもありますが、そういう誤字が複数ある場合は投稿しません。

 内容のいい作文であっても、なぐり書きに近いものは投稿しません。しかしそういう例はあまりありません。

 投稿の可否はアンケート葉書で集計しています。

 感想文のスタイルになっているもの、例えば「私はこの長文を読んで・・・」などと書いてあるものは、いい内容であっても投稿しません。作品としての完結性がないからです。言葉の森以外の人にもわかるように書き方になっているものは投稿します。

 字数があまりに短いもの(300字程度)や、中学生以上で字数があまりに長いものは投稿しません。

 普通に書ける子ですと、3ヶ月に1〜2回は新聞に掲載されるようないい作文を書きます。題材もよく表現もうまく感想もしっかりまとまっているというような作文です。しかし、新聞に掲載される人数は限られているので、これからは、言葉の森で独自に表彰するような仕組みを作りたいと考えています。

 ほかの人の入選作文などを読むときの注意ですが、子供に「この人上手ね。あなたもこういうふうに書いてごらんなさい」という励まし方はしないようにしてください(笑)。親は励ましているつもりでも、子供は自分がけなされているように感じます。また、ほかの人をほめるというのはあまり勉強の役に立ちません。子供自身その作文が上手なことがわかっていても、どうしたら自分もそのように書けるようになるかはわからないからです。

   ●指導

  常体で書くか敬体で書くか

 「ですます」体(敬体)と「である」体(常体)は、よく混ぜて使う人がいます。

 人によっては意識的に混ぜて書く人もいますから、これを一概に間違いとは言うことはできませんが、小中学生で常体と敬体を混ぜて書いている場合は無自覚であることが多いので、言葉の森では、どちらかに統一して書くように指導しています。

 小学校の教科書の場合、低学年は敬体が多く、高学年は常体が多くなっています。この敬体と常体の比率が逆転するのは、小5からです。

 敬体は話しかける感じの文体で、常体で自分の内部に思考を向けるような文体です。ですから、考える作文は自然に常体になりやすいという傾向があります。

 低学年でも、読書の好きな子は自然に常体で書いてしまうことが多く、高学年でもあまり本を読まない子は敬体で書きがちです。

 ですから、高校生の人が体験学習で初めて書いた作文を見ると、敬体か常体かで大体の実力が推測できます。一般に敬体で書く人は、あまり本を読んでいません。常体で書くのはよく本を読んでいる人です。そして、敬体で書く人のほうが圧倒的に多いです。

 しかし、これはあくまで一般論で、敬体で立派な論文を書く人ももちろんいます。

 言葉の森では、小4までは敬体で、小5からは常体でと指導しています。これは小5から考える感想文が課題の中心になるからです。

■光る表現(小1−小3)2000年9月4週号

●アトラさん(あたそ/小3)の作文より(けいこ先生/9.1週)

 (てつぼうで)回るときの気もちは、かべがギューというかんじでした。評:回るしゅん間の体がおしつけられる感じを、うまく表現できたね。

●麻維さん(あつわ/小3)の作文より(まさみ先生/9.1週)

 (なしが好きな理由は)そのすい分がすごくあまくておいしいからです。評:「なしがあまくてすき」ではなくて、「すい分があまい」と表現(ひょうげん)しているところがいいですね。なしをかんだしゅんかんに出てくるあのすい分は、たまらないですね。

●ピッチーさん(あねあ/小3)の作文より(けいこ先生/9.1週)

 私がママのおなかにいる時、ビタミンKをとるために、ママはネバネバ食品をいっぱい食べたそうです。そのせいか、ほかの赤ちゃんよりずっと、ビタミンKが多かったそうです。ネバネバは、私の元気のもとです。評:ネバネバパワーで、元気いっぱい!お母さんの努力が、ちゃんと引き継がれているんだね。

●カービーさん(あねみ/小3)の作文より(はるな先生/9.1週)

 ・・・・・と、先生が言うと、みんなで、「おはようございます」と、大きな声でいいました。それで、先生の長話がはじまりました。ここで、早送りをします。「みなさんの家から小さな小学校に子供たちがかえってきました。」といって、つぎはいよいよ組にかえります。・・・・・・・「ああ。あつかった!」(講評);始業式当日の、校長先生の話を中心に、新学期の一日目のできごとを、大変ユーモラスに表現できました。先生の朝の挨拶に呼応(こおう)して、みんなが元気よく、いっせいに「おはようございます」と言い返したようすが、目に浮かんできます。式での長話を、早送りしたことと、教室に帰ったあと、下校、帰宅したら、暑さと疲れがどっとでたことが、むすびのひとことに、うまく、こめられていて、思わず、笑ってしまいました。先ずは、さいさきの良い2学期のスタートがきれて、なによりでしたね。

●くくりさん(あひた/小3)の作文より(ふじのみや先生/9.2週)

 …ゴディバのフレーバーコーヒーで、チョコレート味がお気に入りです。休みの日にのんでいる幸せそうな顔をみていると、なんだかコーヒーで幸せになれるなんて、平和だね、と思います。「ハーゲンダッツ」のバニラアイスに、入れたてのあついコーヒーをかけ、(かける量は少々すくなめ)すぐのむと、なかなかいけます。」と、うれしそうに言っています。☆読んでいると、「おいしそうな香り!」…がしてきました(^。^)

●ししさん(あふか/小3)の作文より(はるな先生/9.2週)

 そして、きょう、しぎょうしきの朝、ぼくは、早くめがさめました。ぼくはでかける7時40分まで、何回とけいをみたか、わかりません。ぼくは、学校まで、早歩きで行きました。教室にいくと、まっくろに日焼けした友達がいました。ぼくは、うれしくなりました。(講評);やっと、二学期になったぞ!という、うれしさをこめて、たいへんうまく、作文を書くことができましたね。長い夏休みが終わって、登校する朝の、緊張と不安と期待の入りまじった、自分の気持ちを、淡々と、しかも、素直にかきあらわせました。

●KOKIさん(あもほ/小3)の作文より(けいこ先生/9.1週)

 ぼくの自ゆう工作ができ上がった時アルフレッドの作ったばくやくであじわったさわやかで力のみなぎる感じがぼくにもしました。……しかし一つ気づいたことがあったのです。ノーベルたちは五十回もしっぱいしてもあきらめないですごいと思いました。それにぼくだったら三回から五回までであきらめています。そしてぼくは(もしかしたらだだのどりょくじゃないよ、それはノーベルのそこ力なんだよ。)と思いました。評:長文と自分じしんをくらべてみて、にているところ・ちがうところをしっかりまとめられたね。

●諒さん(あろつ/小3)の作文より(森川林先生/9.1週)

 ぼくの家族はみんなおすしが大好きです。お母さんが、「おすし食べる?」と聞いてくれたら、まるで犬のようにはーはーしながら、「食べる!!!!!!」と言います。評:漫画的な表現で、場面が絵のように思いうかぶね。(^o^)

■光る表現(小4−小5)2000年9月4週号

●しょうたさん(あたの/小4)の作文より(きょうこ先生/9.1週)

 「家族みんなが大好きな食べ物は焼肉です。家やお店で食べる焼肉もおいしいけど、前に、近所の人たちとバーベキューをしたときの焼肉はとてもおいしかったです。外で食べるほうがずっとおいしいと思いました。たくさんの人と食べるのは楽しいし、なんだかおいしく感じます。」外でたくさんの人たちたちと楽しくたべて、いつもおいしい焼き肉が、もっともっとおいしく変身してしまったみたいだね☆最高の焼き肉のお話をじょうずに説明できたね!

●Yutaさん(あみひ/小4)の作文より(洋子先生/9.1週)

 そこから帰る時、おどろいたことにクワガタのメスがいるのです。ぼくは、思わず「あ!クワガタのメスだ。みんなきて」とあわただしく言いました。それは、クワガタのメスが逃げてしまわないようにと思っていたからです。すると、すぐにお父さんがきてつかまえてくれました。おとうさんは、油断していたせいか指をはさまれてしまいました。そのクワガタは、すぐにはなしてくれない頑固者でした。お父さんは、「いた−い」と悲鳴をあげていました。ぼくは、もうにげてもいいからお父さんの指はなせ、このクワガタめという気持ちでした。評:キャンプ場でクワガタをお父さんが捕まえた時の様子が順序良くしっかり思いだしてかけていました。指を挟まれていたがっているお父さんの様子とそれを見ていた君のおとうさんへの気持ちがすごく素直にうまく表現できていてよかったですよ。その後、お父さんの指は、どうなったかな?ちゃんとクワガタの種類を後で図鑑で調べたそうで、えらかったね。クワガタは、今も元気ですか?

●ゆりさん(あゆほ/小4)の作文より(さかな先生/9.1週)

 ちょっとじかんがたってからも、カマキリはうごかないでカチンとしていました。そのカマキリはちゃいろで小さくてこっちをにらんでいるかんじで見ていました。★評:カマキリとにらみ合った時の緊張感(きんちょうかん)が伝わります。

●大輔さん(あよむ/小4)の作文より(ももんが先生/8.3週)

 老人は、話を聞いているとき、(海蔵さん、あなたはそんなにわしのことを心配してくれたのか。)と、思っていたにちがいありません。(中略…)自分のよくばかりを考えていた地主さんは、さいしょはぼくは(やだなー。)と思っていましたが、死ぬ前によい心になったのはうれしいです。【評:登場人物の気持ちをしっかり考えて思ったことが書けました。特に、自分の気持ちの変化を表現できたのがよかったよ。(^o^)】

●めいさん(ありか/小4)の作文より(さかな先生/9.1週)

 それからさなぎにへんかが。ちょっと茶色くなって、どんどんとうめいになって中が見えるようになってから、ちょうが、さなぎから、ゆっくりゆっくり出てきて飛べるようになって家のベランダでにがしてあげました。するとひらひらと、とんでいきました。★評:アゲハのサナギからチョウが出てくる場面。一心に見つめている様子が伝わってきます。色の変化をくわしく書いたね!

●キティさん(とあ/小4)の作文より(かつみ先生/9.1週)

 「リーンリ−ン」夜にはいろいろな虫の合唱が聞こえます評:合唱という表現と、鳴き声がまず始めにきているところがとてもいいね。

●紗由美さん(ああも/小5)の作文より(ふじのみや先生/9.1週)

 ところが、男の子たちは、いつまでも遊んでムカデをしようとしません。いくら女の子たちが「いいかげんにやらないと、一番になれないよ。もしなれなかったら、男の子たちのせいにするからね。」と言っても、「別に一番になれなくたっていいもん。練習なら晴れの日にする。雨の日は、パソコンができるから。」と言うことで練習は晴れの日にすることになりました。そして、晴れの日は晴れの日で、今日は体育館で遊ぶとか、今日は外で野球するだとか……。でも、さすがに一週間ぐらい前になると、先生からも「そろそろいいかげんにやらんと、女の子がいくらがんばっても勝てんよー…(略)」と言われて、男の子たちもやると言い始めました。そして、女の子は最後の仕上げ、男の子は必死でそれぞれがんばりました。評:みんなの気持ちが、だんだん一つになっていくのですね。そして、運命の運動会本番。光る表現のスペースにはおさまらないのが残念!感動的でした。

●クリリンさん(あかの/小5)の作文より(とこのん先生/9.1週)

 算数には大きな達成感と楽しみとおもしろみがつまっています。評:算数の性質を深く理解して、本当に楽しんで学んでいるんだね。こんなふうに学べるって、本当にすばらしいことだと思います。拍手!

●けろっぴさん(あちえ/小5)の作文より(ミルクティ先生/9.1週)

 『ダッシュ』「やったぁ。」ぼくは、心の中でそうさけびながら、一息ついた。そして、みんながいるほうへ走っていった。…略…四人が並んだ。ぼく、サッカー部の小川君・坪内君・岡田君。なんとぼく以外全員サッカー部なのである。「せいっ。」かけ声をあげスタートした。どんどん走る。どんどん走る。ゴールは目の前だ。よゆうだ。…略…ぼくの足は、二学期のダッシュを待っている。<評>書き出しと最後の情景描写が見事ですね。ダッシュの場面では、「どんどん走る。どんどん走る。」と繰り返し書いたところが効果あり。躍動感(やくどうかん)がありますよ。(^o^)

●れいさん(あよも/小5)の作文より(けいこ先生/9.1週)

 水泳記録回で一位になったことは、あまりうれしくなかったけれど、塾の社会のテストで一番になったことは、とてもうれしかった。それはなぜだろう。私はそのぎ問を考えてみた。評:自分自身に対する疑問(問題提起)だね。何に対して価値を置くか、その自己分析のスタートだ。

●藍子さん(あるわ/小5)の作文より(まさみ先生/9.1週)

 (徒競争で自分が走っている様子を表現して)直線にきた。ゴールはあと少しだ。ぐっと手と足に力を入れ走った。ゴール!私は一番だった。評:その時の状況、気持ち、動作を次々にならべて書いてあるので、もうすぐゴールという緊張感がすごく伝わってきますね。

●美佳さん(いうわ/小5)の作文より(森川林先生/9.1週)

 ◆「美佳が、小学生になるまで、ずっと甘口やってん。だから、お父さんが、早く辛いカレー食べたいな、って言っていつもソースかけて食べてはってん。」と言いました。評:お母さんの言葉に実感がこもっているね。そっかあ。お父さんはみかさんに合わせて甘いカレーを食べていたのか。同情。(T_T)◆「うんとねー?大きいエビフライ食べてたら、お金持ちになった気分になるから。それも、自分の家で作ったあげたてのやつ。」評:わかるなあ。

■光る表現(小6−中3)2000年9月4週号

●コナンさん(あえた/小6)の作文より(洋子先生/週)

 わたしは、「笑う門には、福来る」というからいつも笑顔でいられる人間になりたい。そして、ユ−モアの感覚を磨いていこうと思う。ユ−モアとは、生活を楽しくしてくれて人間がいきるために大切で欠かせないものである。評:機智に富んだユ−モアは、会話を数倍楽しくしてくれる潤滑油みたいなものですね。品性のあるユ−モアが使えるよう努力したいものです。わたしは、「笑う門には、福来る」というからいつも笑顔でいられる人間になりたい。そして、ユ−モアの感覚を磨いていこうと思う。ユ−モアとは、生活を楽しくしてくれて人間がいきるために大切で欠かせないものである。評:機智に富んだユ−モアは、会話を数倍楽しくしてくれる潤滑油みたいなものですね。品性のあるユ−モアが使えるよう努力したいものです。

●友紀さん(あおる/小6)の作文より(メグ先生/9.1週)

 サブはとにかく元気いっぱいで、いきなりとびかかってきた。そして、ちぎれてどこかへふっとばしてしまうのではないかというくらいにしっぽをふっていた。評:サブは、友紀さんに会えたのが本当に嬉しかったのでしょうね。サブの喜ぶようすを生き生きと表現できました。

●まなピーさん(あやた/小6)の作文より(ふじのみや先生/9.1週)

 初めての一番で、後にも先にもなさそうなうれしさだった。評:おどりあがりたいような最高の気持ち。うまくたとえたね。

●ルフィさん(あわせ/小6)の作文より(さかな先生/9.1週)

 「明るいのはいいけれど、ねたら忘れるのはよしてね。」ぼくはお母さんとかによくこう言われる。なぜなら前の日におこられても次の日には忘れて明るくふるまっているからだ。長所は短所でもあり、逆に言えば短所は長所でもある。★評:書き出しに選んだ会話がまさにこのテーマにピッタリだね。まとまりのある作品に仕上がりました。

●龍太郎さん(いあせ/小6)の作文より(とこのん先生/9.1週)

 人間にとって大変なこととは、後で「よかった」と思えることも多いはずです。「大変」なことはいやなことばかりじゃないんです。評:自分自身の体験から得られた、実感のこもった言葉。とても説得力がありま

●キティさん(さあ/小6)の作文より(ゆり先生/9.1週)

 私が一番楽しいのは、走り終わって一番にみごとなれたときである。「今年も一番だった。」と、いう満足感があるとどうじに、「ぬかされなくてよかったな。」と、いう安心感もある。<評>一番になったときのうれしい気持ちと、ホッした気持ちを”満足感””安心感”という言葉でうまく表せていますね。

●たぬきさん(のと/小6)の作文より(ゆり先生/9.2週)

 でも無駄でも役に立つこともあるのだ。サッカーでも無駄な動きをすることでチャンスになったりする。<評>そうだよね。ボールのないところでも、あっちに走ったり、こっちに相手を寄せつけておいたり、そんな無駄に見える動きが、実は大事なんだよね。いい例を見つけられました。

●佑紀子さん(あるろ/中1)の作文より(森川林先生/9.1週)

 ◆そろわない足音が、運動場中に鳴りひびいた。まるで、戦争しに行く軍団の足音のようだった。評:マラソンのスタートのようすをうまくたとえで表わした。◆こんなに離れていて、追いつけるかな。いろいろなことが頭の中をかけめぐっている。そのうちに半週が過ぎた。評:現在形の使い方がうまいね。◆しんどいけど一番にならんな。男子は女子をいつも体育で馬鹿にするから、私が一番になって女子の力を見せつけてやんねん。評:実感がこもっている。

●潤之介さん(かな/中1)の作文より(けいこ先生/9.2週)

 共通のものを見るという事は、身分の差があまり関係ないと言う事だからだ。偉い人が見る桜と普通の人が見る桜では見え方が違うわけでもない。それに偉い人だけに見られたいという桜があったとしたら、そんな桜は誰も見たくないだろう。「人生に意味はない。あるのは欲望だけだ。欲望があるからこそバラはバラらしく咲いていられる。」これは、ある喜劇俳優が言っていた言葉だが、そのままの事を桜にも言える。桜にあるのは欲望だけだ。生きたいと言う欲望があるからこそ、桜はあんなきれいな花を咲かせている。それを偉い人だけが見るというのはなにかずるい。普通の人にだってみる権利はあるはずである。評:名言の取り入れ方がうまい。「見るという行為に身分差はない。」という断言も潔いね。

■光る表現(高1−社)2000年9月4週号

●Folderさん(あすの/高1)の作文より(森川林先生/9.1週)

 「問題とは、そこにあるものではなく、自分が作るものである。」という名言があるように隣人問題の原因は自分たちにあるのだという考え方を持つべきだろう。評:さらりと入れたね。こういう考え方は、これからも使えると思うよ。

●眠雨さん(うき/高1)の作文より(ミルクティ先生/8.3週)

 弱点のない人間などいないのだから、ある人物が顕著にその弱さが見えるからと言ってその存在を卑しめることは非常にナンセンスである。それに欠点に見えることでもそれが実は長所に結びついていることはままある。身近な例として、扇風機を見て欲しい。(略)あの扇風機の欠点とは何だろうか。それは、後ろに風がいかないということである。(略)しかし、この「後ろに風がいかない」というのは実は非常に画期的な特徴である。つまり風を送る範囲を限定することによって一方向における風の力をより強くし、涼をとりやすくしているのだ。エアコンも結構だが、個人運用においてはこの扇風機の有用性や無害さには太刀打ちできないだろう。<評>差別についての意見文で、弱点云々のくだりで、まさか扇風機とエアコンを比喩に使うとは思ってみませんでした。(^^;意表を突いた例えがユニークで印象に残ります。

●UZI.SMGさん(そお/高1)の作文より(ミルクティ先生/7.4週)

 『いじめ理論的解釈』まとめると、対策としてはまず「学校再定義」を行い、目的を明らかにすべきだ。つまり学校では個性をある範囲内に制限してしっかりと社会性を身につけさせて、家では我が儘=個性をいかんなく発揮させればよい。「学校=社会性を学ぶ場所」「家庭=我が儘の通る場所」としてその二者のバランスをうまく保つようにすべきだ。<評>いじめの問題については、いろいろな対策が論じられていますが、簡潔明瞭に言い切ったところに、自信が感じられます。

●さやかさん(あおべ/高2)の作文より(けいこ先生/9.1週)

 日本のものが悪いとか、外国の物が良いとか、そういう事は一概には決められない。「やはり野におけ蓮花草」という言葉がある。日本には日本人に適したものがある。評:文化や習慣は、それぞれの国の風土や歴史に関わるものだから、上下・善悪という考え方はふさわしくないんだね。

●あやのさん(あしわ/高3)の作文より(森川林先生/9.1週)

 そのため我々は加工された情報からその核たるものにより近いものを取り出して理解したいならば、各々にそこに既に混入されている主観の要素を察知した上で読み取る技術が必要となる。そこで私は自らが書く、情報発信する主体に成ってみることを勧める。評:新しい視点で提案したところがいいね。

●MAIさん(いお/高3)の作文より(きょうこ先生/8.2週)

 最近問題になっているイジメは根本的にはこのような集団的な教育によって引き起こされているのではないかと思う。イジメの対象になるのは人とは違う意見や考えを持っている子が多い。そういう子達は“集団”という枠からはじき出されてしまう。そして“生意気だ”と皆の反感を買い、イジメへと発展してしまうのだ。他の人と違う意見を持っていても、イジメられるのではないかと恐くて言えないという子達も沢山いるのではないだろうか。そして人と本音で話せなくなり、壁を作ってしまう子もいるだろう。」長文で出てきた集団主義をイジメの根本的原因としてとらえて書いてみたんだね。とても適格な指摘だったね☆

●アツコさん(とれ/社)の作文より(森川林先生/8.2週)

 ◆以前,ある料理家が「子供は親の料理を食べながら、親の愛情を食べている」のだと言っているのを聞いた。評:こういう引用も光る表現になるよね。◆食がショックな事件を引き起こすかもしれないのだから。評:(^○^)

 

 

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