KotobanomoriNo.690

言葉の森新聞

2000年12月1週号

文責 中根克明(森川林)

  和やかな雰囲気で勉強を

 子供たちは学校でどういう先生を好きになっているでしょう。ひとことで言うと「おもしろい先生」、つまり和やかな雰囲気をかもし出している先生です。

 こういう先生のいるクラスでは、その和やかな雰囲気が生徒にも伝わるので、いじめなども自然になくなります。ほかの人をからかうようなタイプの子はどの世界にもいますが、そういうからかう子が出ても、そのときだけの一過性の出来事で、それ以上の定着したいじめというかたちにまで発展しません。

 比嘉照夫さんの「甦(よみがえ)る未来」にEMの仕組みがわかりやすく説明されています。微生物の中には、発酵などの還元型の働きをするものと腐敗などの酸化型の働きをするものとがあります。還元型の働きをするビフィズス菌などをよい微生物、酸化型の働きをするウェルシュ菌などを悪い微生物とすると、よい微生物にも悪い微生物にもボス的な役割をするパワーのある種類があり、どういう種類の微生物がボス的な地位にいるかということで、そこにいるそのほかの大半の種類の微生物の性格が決まってくるということです。

 人間を微生物と一緒にするなという声が聞こえてきそうですが(笑)、クラスでも、ボスの役割を果たす先生の雰囲気がクラスの雰囲気を決めると言っていいでしょう。

 子供たちはみんな、明るく楽しく学校生活を送りたいと思っています。そういう学校作りをするのは、先生のいちばん大事な仕事です。勉強を教えるということは、実はそのあとに来るもののように思います。

 今世の中では暗い話題が多いようですが、社会のそれぞれの場で活躍している大人たちが、まず自分の身の回りから明るくするという気持ちを持てば、世の中全体がもっと明るく居心地のいいものになると思います。

  11.4週の字数ランキングの補足説明

 11.4週に字数ランキングの一覧表を載せました。これは、自分が今どういう位置にいるかをつかむためのものです。このランキングでこれまでの「山のたより」の集計と多少違っているところがありましたので、その補足説明をします。

 まず、「前学期の字数」となっているところは、正確には「前学期と前前学期の字数」つまり「4〜9月」の間の字数平均でした。また、この4〜9月の字数のうち、4月の1、2週と7月の1、2週は、学期の初めで表現項目などの説明がまだ十分でないため賞状などの点数に入れていませんが、同じ理由でこれらの週を全員一律に0字として集計しました。このため表示の字数が実際の字数よりも低く出てしまいました。なお、清書の週はこの集計の中には入れていませんので、清書と同じように1、2週をはじめから集計に入れない方がより正確に表示できたと思います。

 次回同じようなランキングを出す際に改善したいと思います。

  ヒントの絵を別紙に

 ホームページには毎週その週のヒントとなる絵と音声を載せていますが、12月1週からその絵をプリントして新聞と一緒に送ることにしました。(メール版の言葉の森新聞には載せていませんので、メールで言葉の森新聞だけを受け取っている方はホームページの「ヒントの池」をごらんください)

 ホームページの「ヒントの池」には、同学年の生徒の作文も毎週掲載されています。インターネットの利用できる家庭では、子供が自分の手でインターネットに接続して必要な情報を見られるようにしておいてくださるといいと思います。

 子供たちに話を聞くと、パソコンはあるがインターネットに接続できないとか、インターネットにはつなげられるが親がいないと勝手につなげられないといった状態が多くの家庭であるようです。電話料の問題や、危険なサイトの問題や、勉強をせずにインターネットで遊んでばかりいる問題など、多くの問題は予想されますが、親があらかじめある程度のルールを作り、基本的には子供が自由にインターネットを利用できる状態を作っておくことがこれからは必要になると思います。

  増える推薦入試。

  入試は易しくなるが自分自身の向上のために勉強を

 今年の秋は大学の推薦入試が例年に比べて急増したという印象です。これは少子化によるもので、大学自体が募集定員を確保できなくなる可能性があるので、実際の入試よりも早めの11月ごろに推薦で生徒を確保するところが増えたためです。

 大学入試は年々易しくなっています。近い将来、今の高校並みに大学全入が実現すると言われています。難関大学と言われるところでも入試は年々易しくなり、一部では高校の補習授業のようなことをせざるを得ない教科が出ているそうです。

 これは日本以外の先進国の大学でも多かれ少なかれ同じ状況のようです。また、大学だけでなく、高校でも中学でも小学校でも全体の学力は年々低下しているようです。ということは、たぶん、児童生徒だけでなく大人も含めた社会全体の学力が低下しつつあるのではないかと思われます。更に言えば、学力を低下させる大きな傾向のようなものが現代の社会に生まれつつあるのではないかということさえ予想されます。

 高校で習う理科はほとんど19世紀までの知識で構成されています。このことは、人類が蓄積した知識の量がもう既に学校教育では19世紀までの範囲までしかカバーできなくなっているということを示しています。しかも必要とされる知識は20世紀以降も年々爆発的に増え続けており、現在では大学の教授ですら、専攻が違う分野については理解できないという状況が生まれています。

 現在の学力低下に対処するためには、学力の中身そのものを根本的に再検討しなければならないように思います。知識偏重教育は再検討するひとつの問題ですが、人間がものごとを考える際には、辞典や資料を利用できるだけでは不十分で、ある程度自己に血肉化した知識が必要であることを考えると、記憶すべき知識の大幅に範囲を精選するということも必要になってくると思います。

 いずれにしろ大学入試は、今急速に易しくなっています。大学入試を目的にして中学生・高校生と勉強するのではなく、自分自身の向上という観点から勉強していくことが生徒にも親にも求められてくると思います。

  読書好きにするには

 スポーツでも芸術でも、そこに面白さを感じるようになるまでは、ある程度の試行錯誤の助走期間が必要です。

 教室で長文を読んでいる子どもたちを見ていると、国語が苦手な子は最初から読むのを面倒くさがります。逆に最後まで読み切る子は既に読む力のある子です。

 苦手なものを得意にするコツはなんでも同じです。それはひとことで言えば、何しろやらせて絶えずほめるということです。読書でも、「何しろ○ページは読みなさい」と言って読ませて、読んだあとに必ず「よく読んだね」と心からほめてあげればいいのです。

 しかし、この単純なことがなかなかできません。ひとつは「何しろ読みなさい」ということを言えないケースです。民主的な考えを持っている人ほど、強制はいけないと考えてしまいがちですが、子供の小さいころの教育はほとんど強制です。中には、自分自身が親から強制されるわけではなく本を読んだということを言う人もいますが、今は昔のようなモノ不足の時代ではありません。読書以外に楽しいことが山のようにある時代です。こういう豊かな時代には、いちばん身近な親が読書の方向づけをしてあげる必要があります。

 もうひとつは、ほめることがなかなかできないということです。中にはせっかく子供が本を読んだあとに、「このぐらい読んで当然。ほかの人はもっと読んでいる」などと叱ってしまう人もいます。長文音読でも同じです。子供が苦労しながらつっかえつっかえやっと読み終えたときに「もっと上手に読まなきゃね」などと言う人もいます。人生はいろいろ困難なことがありますから、時には親自身、心に余裕を持てないときがあります。しかし、それを自覚してなおかつ子供に対しては常にほめる姿勢で臨むということが大事です。

 また、「やらせること」「ほめること」の二つに関連して、より重要なことは、それを毎日同じように「やりつづける」ということです。中には気まぐれに突然無理矢理に読書をさせたかと思うと次の日には読書の「ど」の字も言わないとか、昨日は何でもほめたのに今日は何でも叱るというような人もいます。

 大人になれば、今日は集中して仕事をしたから明日は一日休みというような生活でいいのですが、子供の生活は毎日の犬の散歩や植木の水やりと同じです。昨日集中して二日分散歩したから今日の散歩はなしというわけにはいきません。子供の生活は、大人の生活とはある程度独立したものとして考えていく必要があります。平日でも日曜日でも、雨の日でも晴れの日でも、できるだけ同じように同じ時間に同じ勉強をするという習慣をつけておいた方が子供の成長にとってはプラスになります。

 子供が中学生や高校生になると、ただ読書好きだけでは十分でなくなります。よく読書は好きだが国語の成績はあまりよくないという生徒が中学生や高校生でいますが、それは読んでいる本が小学生時代の延長で易しすぎることが主な原因になっています。読書は趣味という一面もありますから、易しい本を読むことも悪いことではありませんが、易しい本しか読めないというのはやはり問題です。このときにやはり親が「その本もいいけど、この本も読んだら」とアドバイスできることが重要になってきます。しかし、たいていの中高生の親は「この本も読んだら……」「わかった、わかった。またいつか暇ができたらね」と軽くあしらわれてしまうことも多いようです。

 

 

  光る表現(小1−小2) 2000年12月1週号

●樹里杏さん(あろも/小1)の作文より(メグ先生/11.2週)

 いちばんたいへんだったのは、おいもをほるときでした。なぜかというと、きずをつけないようにするためです。評:おいもほりで、いちばん苦労したことと、その理由がしっかり書けたね。

●隆大さん(いえみ/小1)の作文より(ゆり先生/11.3週)

 次におもしろかったのは、ロックンローリーでした。はじめは、すごいスピードで、「グルグル」と中心をまん中にして、まわっていたけど、今度は、「グルクルグルングルングルンクルクルグルン。」とすごい早さで、乗り物じたいが、うごきだしたから、心ぞうがとび出してきそうでしが。<評>ゆう園ちでのった乗り物のこと、どんなふうにうごいたのか、とってもよくわかるように書けたね。あんまりはげしくて、隆大くんがびっくりしたこともつたわってくるね。

●カヤさん(ありそ/小2)の作文より(ももんが先生/11.2週)

 きんちょうして、おしっこがでそうになりました。だって、なかよしコンサートで一番さいしょだったからです。【評:出番を待っているときが、いちばんきんちょうするんだよね。そのようすが、とてもよくつたわってきます。特にカヤくんたちは、トップバッター(一番さいしょにはっぴょうする人)だったから、なおさらドキドキだったね(^o^)。】

●ヤマユーさん(ありは/小2)の作文より(けいこ先生/11.2週)

 (たまごやきを作るとき)なぜホットプレートをつかったのかと言うと、ガスレンジだとぼくはせがひくいからフライパンをま上から見れないからです。……しおとさとうをボールに入れて、あわだてきでしおとさとうがまざるまでまぜます。そのときおかあさんがトイレに行きました。その間に人さしゆびで「ペロリ」となめました。おかあさんがきても、ないしょにしておきました。 評:ホットプレートだと、あんしんして作ることができそう。りゆうのせつめいが上手にできた。ないしょのあじ見、おいしかったかな?

●あやこさん(ありろ/小2)の作文より(洋子先生/11.3週)

 けっかはっぴょうは、十対四で日本は、負けてしまいました。まるでプロみたいじゃなく負けてしまいました。評:日本対アメリカの野球試合でかんたに日本チ−ムが負けてしまったのですね。日本がまるでプロみたいじゃなく負けてしまいましたというところにあなたのくやしい気持ちがこめられていましたね。

●稔さん(あわき/小2)の作文より(ももんが先生/11.2週)

 ぼくのデラウエアの食べ方は、口の中にちゅちゅちゅとふくんでたべるという、りすのようなたべかたです。【評:りすのようにという表現がぴったりですね。ちゅちゅちゅと、ぶどうをたくさん口にふくんで食べるのは、本当においしそう。あまくてかおりのよいぶどうのあじが、お口いっぱいにひろがるね! 】

●りゃりゃさん(いいに/小2)の作文より(洋子先生/11.3週)

 「わたしは、(本番は、)明日なのに、今から胸がどきどきします。まちがえないように心からいのっています。」(とちゅうのおもったこと)、「明日は、どっちにしてもがんばって成功させます。みんなでがんばります」(むすびの思ったこと。)評:学芸会の今日は、予行えんしゅうだったそうですね。あなたは、、ナレイタ—にえらばれたそうですね。すごいね!きっと落ち着いてしっかりとおはなしができるからえらばれたのでしょうね。先生にも上手にできたねとはげまされたくらいですから明日の本番もバッチリですね!あなたのねがいと決意がとてもしっかりと書けていて先生にも伝わってきました。本番が見てみたくなりました。成功を祈っています。(^o^)

●綾さん(いえよ/小2)の作文より(ふじのみや先生/11.3週)

 おいもサラダ、かたぬきいも、スイートポテト、いももち、さつまいものココアがけをたべました。とてもおいしかったです。そのあと、ビンゴ、ボーリング、すごろく、クイズなどをしました。わたしがやったのは、ボーリングだけでした。でもたのしかったです。まるでおまつりのようでした。 ☆いろんなことをして、楽しかったきもち。ひとことでいうと、「おまつりのよう」ですね!

●佳奈さん(いおせ/小2)の作文より(けいこ先生/11.2週)

 (ドッチボールでひとりだけのこって)わたしは、心の中では、「もうだめだ、たすけて。」と言っています。けどわたしははんのためだからがんばりました。 評:「だめだ」と「がんばる」というふたつのきもちを、しっかりせつめいできた。「言っていました。」ではなく、「言っています。」としたのもいいね。

●じゅりさん(いおに/小2)の作文より(ミルクティ先生/11.2週)

 校ていで、私は、らんちゃんに、「なわとびできょうそうしようよ。」と、言いました。らんちゃんは「いいよ、じゃあ二回だけやろう。」と、言いました。きょうそうは、一回私がかって一回は、らんちゃんがかったから、どう点でした。帰りの時、私はすごくあつくて、いっぱいあせがながれました。<評>お友だちとあそんだことを会話を入れてじょうずに書けたね。「〜あせがながれました」という文から、ビュンビュンなわをまわして、たくさんとんでいるじゅりちゃんのすがたが目にうかんだよ。(=^^=)

●まいまいさん(いかす/小2)の作文より(さかな先生/11.2週)

 (お誕生会の後で、友達が)「ねぇ、おはロック歌ってたときね、水そうのカメ、おどってたよ。」と言っていたので、わたしはびっくりして、「えー、カメも一しょに、おどってたんだ。」と言いました。先生も、「カメさんも、一しょにおいわいしてくれてたんだね。」と言っていたので、何だかうれしくなってきました。もしかしたら、水そうの、金魚も、おどってたかもしれないなー・・・★評:とても楽しい会話が書けました。教室のみんなにおたんじょう日をおいわいしてもらったうれしさが伝わってくるようです。

 

  光る表現(小3) 2000年12月1週号

●麻維さん(あつわ/小3)の作文より(ドラえもん先生/10.1週)

 「たとえば、落ちばになりかけのものや、もう落ちてきたものなどがいっぱいで、きんもくせいの木に、花がさいてきれいなどたくさんです。」【評】たくさん秋を見つけることができましたね。今にもきんもくせいの香りがしてきそうですね。先生はきんもくせいの香りが好きだけど、まいちゃんはどうかな?

●麻維さん(あつわ/小3)の作文より(ドラえもん先生/11.2週)

 「そこで、なんていうなまえの花をかったっていうのは覚えていなかったけど、とにかくすごくかわいい花です。」【評】まいちゃんは、お花が好きなんだということがよく伝わってきます。お花はどんなお花でもきれいですね。こんど、お花屋さんに行ったときに、名前をわすれたのと同じお花を探してお店の人に聞いてみるのもいいかもしれないね。

●ビーバーさん(あにい/小3)の作文より(めもま先生/11.3週)

 感想文を考えているとき、「打席に立つ前に、ねぐせを直したりとか、化しょうしてから、打席に立つ人がいる?」とお母さんがいいました。ぼくは、「いるわけないよ。」と答えました。あまりにおもしろい話なので、弟が、笑いだしてしまいました。評:お母さんが長文に似ている話でとても面白い例を話してくださって、兄弟で笑ってしまうという、とても自然で和やかでステキな場面をうまく表現できていますね。

●ちび豆さん(あのわ/小3)の作文より(けいこ先生/11.2週)

 (たんにんの下山先生を、以前はこわいと思っていたけれど)でもいま思うと「あのころたんにんにもなっていないのに、なんというまちがいをしていたんだろう」と思います。 評:「何だかこわそう。」と思っていた下山先生がたんにんになったとき、びくびくしたかもしれないね。じっさいは、とても楽しくてすてきな先生だったんだね。

●アーサーさん(あひわ/小3)の作文より(みち先生/11.1週)

 ひ口さんのラケットが回転してボールがジェットキのようにとんで行きました。(中略)なみさんはとくいのバンドでまるでマジックのようにかとうさんのうしろへとびました。評:〜のようにのたとえを使って書く書き方が身につきましたね。感じが良く伝わってきます。

●ししさん(あふか/小3)の作文より(はるな先生/11.3週)

 ぼくは、いつも、「早く前みたいに、7時ちょうどにおきたいよー」と、心の中でおもっています。ぼくは、たった1週間でおきるのが、おそくなったような気がします。(講評);「たった1週間でおきるのが、おそくなったような気がします。」という表現で、最近、急激に寒くなって、朝、あなたが、起きづらくなったことが、よくわかりました。寒い朝の、起床は、本当に、つらいものですよね。

●KOKIさん(あもほ/小3)の作文より(けいこ先生/11.2週)

 今日だってきのうだって、かこ(妹)はいたずらします。かこはまだ四才の子どもですが、わるぢえがはたらくのです。実は今そのわるぢえがはたらいてきたのです。勉強のジャマをします。「遊ぼうよ。」といって話しかけてきます。とくにわるいのは、お母さんが出かけてから「いってらっしゃーい。がんばってー。」と言ったら、「じゃあこうき遊ぼ。」とつくえの上にのって、かこはあばれました。お母さんが目をはなしたスキに、手の平をかえしたようにわるガキになるのです。 評:妹のわるガキぶりが、とてもイキイキと書けている。実況中継(じっきょうちゅうけい)のように説明しているのがおもしろいね。「手の平をかえしたように」がピッタリ。

●秀雄さん(あろう/小3)の作文より(ももんが先生/11.1週)

 たまごやきを食べたお父さんは、「やわらかくて、あまみがあっておいしかったです。」と言いました。たまごやきを食べたお母さんは、「ふわふわして、おいしかった。はじめてしたのにじょうずだったね。」と、言いました。たまごやきを食べたお姉ちゃんは、「わたしのたまごやきよりも、さとうが少なかったけど、おいしかった。」と、言いました。【評:上手にみんなから聞いた話が書けました。「おいしさ」にもいろいろあるんだね。「どんな風に」おいしいのかを書けたので、ひでおくんの作ったたまごやきがどんなものかがよくわかります。うーん、おいしそう!】

 

  光る表現(小4) 2000年12月1週号

●さるきちさん(あある/小4)の作文より(ゆり先生/11.2週)

 電車に乗っていると、都会だなあと思うところや、すごくいなかだなあと、思うところもあります。例えば、八木駅の近くは、開発が進んでいて、マンションや、家がいっぱい建った団地になっていました。反対に、結崎や、石見などの辺りは、ところどころに家がかたまっていて、ほとんどは田ばかりと、いう所もあります。<評>電車から見たふうけいをとってもくわしく書けていますね。都会に見えるところといなかに見えるところを、家の建ち方をくらべて説明したのもうまい!

●友葵さん(あしも/小4)の作文より(ゆり先生/11.2週)

 「懐かしい!!あれ?教室、こんなに狭かったっけ?もっと、広いかと思ってた!」と、思いました。机も何だかとっても小さい気がしました。それはまるで、私がゴジラになった気分でした。ちょっと考えた後、やっと答えがわかりました。「私が大きくなった」ということです。<評>久しぶりに幼稚園に行って、教室や机が小さくなったように感じたんだね。でも、それは自分自身が大きくなったから・・・。小さな発見をゴジラというおもしろいたとえをつかってうまく書けたね!

●しょうたさん(あたの/小4)の作文より(きょうこ先生/11.3週)

 「見ただけで他の班よりおいしそうだなと思いました。見た目はぼくたちじゃなくて、料理の達人が作ったように見えました。」そのカレーからは、おいしそ〜なゆげが立っていそうだね。コックさんの帽子をかぶった捷太くんたちの姿が、目に浮かんできそうなじょうずな表現でした☆

●えりさん(あなふ/小4)の作文より(ももんが先生/11.1週)

 「ジュー、ジュー」「いただきまーす!」ぱくぱく、はぐっ、あつーいっ。【評:できたてほやほやのあったかいたまごやきを食べているようすが、よくわかりますね。うーん、おいしそう!(^o^) 】

●えがすきさん(あひめ/小4)の作文より(スピカ先生/11.2週)

 「どうしてわたしはきめるのにとってーーーも長く時間がかかるのかな。」と思います。たぶん人にはいろいろなタイプがあってわたしはきめるのに時間がかかるタイプなんだと思います。わたしはまるで目の前にあるほうせきを見て一つだけえらんでいるようです。 評:「どうして、たぶん」を使って、考えたことがよく書けたね。たとえも、まるで宝石のように(笑)光っているよ。

●Yutaさん(あみひ/小4)の作文より(洋子先生/11.3週)

 まず、しゃけだけで食べるとあまりおいしくありません。しかし、ごはんといっしょに食べると魔法をかけてかのようにおいしくなるのです。ばくは、なぜだろうと不思議に思っています。評:君が不思議に思ったことが「たとえ」をいれてすごくよく書けていたね。先生もほんとうにそう思うもの!日本人にうまれてよかったともね!(^o^)

●真亮さん(あむこ/小4)の作文より(洋子先生/11.2週)

 「真亮!」「ん、なあに」「ちょっと買い物行ってきてよ」「うん、いいよ」「あっ、そうだ何かゼリ−みたいの買ってきてもいいよ。」「やった−」といつも買い物に行くときは、ぼくは、はしゃぎます。評:真亮君の買い物は、お母さんにとっては、すごく大助かりで喜ばれるし、真亮君は、おいしいおだちんがついて、一石二鳥というところですね (^o^) お買い物が楽しくてしかたがないという気持ちが、「いつも買い物に行くときぼくは、はしゃぎます。」という表現にすごくよく現われていましたね。「ます」をうまく使えました。

●茜さん(あろさ/小4)の作文より(ももんが先生/11.1週)

 グベは、さいしょはさつまいもそっくりだったけど、かわをむいたら、まっ白のなしになりました。雪のようにきれいな白でした。雪のようにきれいな白でした。それを半分に切ってみました。そうしたら、大きなキウイになりました。たねもキウイのようにいっぱいありました。たねを出すのが、めんどうくさいほどです。でも、たねのまわりには、かきのたねのように、やわらかいものがありました。それに、みの方の味は、かきのような味でした。【評:「ぐべ」というのは、ふしぎなくだものですね。形と色と味を、楽しく表現できました。知っている食べ物と上手にくらべて、たとえをたくさん使えました。とてもいいですね(^o^)。】

●かずとさん(いうの/小4)の作文より(けいこ先生/11.1週)

 お母さんのいとこは、とてもデブだけど、花よめはきれいだった。どうしてあんなデブがよかったのかなあ。ぼくは不思議に思った。これ以上ふとってほしくないと花よめは思っていると思います。 評:ふふふ。きっと、花よめさんにしかわからない、とってもステキなところがあるんだよ。でも、あんまりふとってしまうと、からだにはよくないだろうね。

●將さん(いうや/小4)の作文より(ふじのみや先生/11.2週)

 一番つらかったのは熱が39度3分も出た時です。なぜかというと、暑くて体中がマヒしていて、声もでませんでした。まるでのろいにかけられたかのように…。 ◆評:かぜの熱は、本当につらいですね。「声も出ない強力なのろい」にかかるという感じ、わかるなぁ。

●しのぴーさん(いきつ/小4)の作文より(スピカ先生/11.2週)

 コンピューターの先生が「はい、まずコンピューターにはってあるシールにAと書かれている人コンピューターのスイッチをおして下さい。」と言ったのでわたしは、「さゆみちゃんここのスイッチおすんだよ。」といいました。なるでさゆみちゃんは、あわててスイッチをおしました。「次にBと書かれている人おして。」と言ったのでわたしは、スイッチをおしました。そして画面がつきわたしは、「わあ、うつった。」と心の中で言いました。 評:楽しみなコンピューターの授業がどんなふうに始まったのか、しのちゃんのワクワクした気持ちとともにとてもよく伝わってきたよ。

●キティさん(とあ/小4)の作文より(かつみ先生/11.3週)

 「日本のおかずには日本のお米が一番あう。」  評:お母さんの言ったことばですね。この会話文がじつにいいところに書いてあります。全体のクライマックスのところにこのせりふがくる、きっと意識せずに書いたのだと思いますが、すばらしい勘をしているんだな、と先生は感心しました。全体のバランスや構成の組み立て方なども文章力の一つになります。よくかけていますよ。

 

  光る表現(小5−小6) 2000年12月1週号

●クリリンさん(あかの/小5)の作文より(とこのん先生/11.1週)

 私が今まで本を読んだ中で感じたことは、最近出た本でも楽しいのはあるけれど昔から読みつがれているような古典的なものの方が感動や楽しみが増すということです。これからも楽しい本でたくさんの世界に行ってみたいです。評:現代から古典まで、幅広く本を読んでいるからこそ、その面白さや違いが実感できるのでしょう。本の中は、未知の世界。これからも、もっともっと楽しんでいって下さいね!

●雅貴さん(あめす/小5)の作文より(ももんが先生/11.3週)

 お味は、納豆のねばねばとパンのサクサクとしたのともっちりがまじっていておいしかった。【評:何でも試してみることは大切だね。科学的態度(?)をもって、よかったね。納豆トーストの触感がよく表現されています。】

●早紀子さん(いおよ/小5)の作文より(ゆり先生/11.3週)

 今のプリクラ機は、プリクラの中に字をかきこめます。とてもプリクラがかわいくなるけれど、400円もします。「パシャッ、モジモジ、ぽんぽん、ジー」やっとでてきました。うんうん、かわいくとれています。<評>プリクラをとっているようすがテンポよく書けていますね。プリクラが出てくるまでの音も、おもしろく表せています。かわいくとれてよかったね!

●大典さん(せと/小5)の作文より(めもま先生/11.2週)

 「このときの気もちは、まるで、なかなかあたらないレアカードをあてたきぶんです。」(評)社会の問題をきちんと解いたそのご褒美にお小遣いが値上げされて、ものすごくうれしい様子が伝わってきます。

●イフリートさん(らよ/小5)の作文より(ミルクティ先生/11.1週)

 『高い所』(木に)のぼって、その友達がちょうしにのっていろいろ変なことをやっていたのだ。そしたら不運なことに、となりの中学校のこわい先生にみつかって、こうおこられたのだ。「バカヤロー。おれはなー、中学の先生なんだよー。もし下に一年とかがいたらあぶねえじゃねーかよ。」といわれて、もうそれいらい木にはのぼっていないのだ。<評>先生の言葉が大迫力! W(`0`)W ガオォー!! 怒った声が聞こえてきそうだね。思わず首をすくめたよ。

●なりあきさん(あそき/小6)の作文より(森川林先生/11.3週)

 森林伐採は、やめろと言えばやめられるかもしれないが、焼畑のほうは、やめろと言ってもやめられない。これは、焼畑をやめると養分がなくなり農業ができなくなるからだ。◆評:学校での勉強の成果を実例として使ったところがいいね。

●SIGNALさん(あつえ/小6)の作文より(かつみ先生/11.2週)

 「日本という風土の中に置かれたときが最もふさわしく、また性能も発揮する。」わたしはこの文が一番、心に残った。なぜかと言うと過去にこの文章にぴったりの経験をしたからだ。   評:ぴったりの経験、という言葉がとても印象的で、読む人の読みたい、という気持ちを起こさせてくれる表現でもあります。

●あつしさん(あむら/小6)の作文より(きょうこ先生/11.3週)

  「ぼくがいままでに体験して一番寒かった日は、半ズボンを長ズボンに変えた日です。朝学校に行く時、半ズボンにして学校に行こうとしたけれども、とっても寒かったので、長ズボンにして学校に行きました。」半ズボンが長ズボンに変身してしまったんだね。うんうん、どれくらい寒い日だったかが伝わってくるね☆

●晃章さん(あらか/小6)の作文より(メグ先生/11.3週)

 もし、人々の心に自然を救いたいという気持ちがないのなら、人間は自らの手で滅んでしまうだろう。これは自然や地球からの大きな仕返しだと思う。評:この感想文の題名にもなっている「地球からの仕返し」という言葉が読む人の心にズシンと響きますね。

●佐保さん(あるま/小6)の作文より(ふじのみや先生/11.1週)

 古くなってしまった物でも、思い出がつまった物を持てる人は幸せだと思う。今は、どこででも、簡単に新しい物は手に入れることができるけれど、思い出のつまった古い物はそう簡単には手に入れることはできない。それなのに、私は、古い物の思い出をふり返ろうともせず、新しいものを買ってばかりいる。 評:古い物を大切にしたいという理想を述べながら、現実の自分たちの行いを見直していますね。

●キティさん(さあ/小6)の作文より(ゆり先生/11.3週)

 せっかく昔の人たちが残してくれた里山なのに、まるでパズルをこわすようにかんたんにこわしてしまっていいのだろうか?(略)里山は、人間にとって自然のめぐみである。空気もきれいにしてくれるし、わらびなどもあたえてくれる。<評>「パズル」のたとえは、らんぼうに”かりとり”してしまう様子にピッタリだね。「人間にとって」という”主題”もうまくまとめられています。

 

  光る表現(中1−社) 2000年12月1週号

●たば星人さん(あころ/中1)の作文より(はるな先生/11.2週)

 光る表現このように意味のないことを言っても、意味があることもある。草野心平の「かっぱと蛙」という詩を見ても、るんるんるるんぶるるんぶるるん/つんつんつるんぶつるんぶつるん/という意味のないところがある。 このように、言葉はよく考えて使えばいろんな表現ができる。「雑草とは、まだ、その美点が発見されていない植物のことである」という言葉があるが、言葉も、それと同じようにほとんどの人が、二つの働きがあることを知らないと思う。 僕は、そのことを知ったのでその働きを、活用したいと思う。 (講評);一見して、意味のないような言葉が、じつは、詩的表現で有効な働きをしている実例として、草野心平の「かっぱと蛙」という詩を引用したのが、たいへんよかったです。名言も、すごく上手に使いこなせましたね。

●達也さん(あむか/中1)の作文より(けいこ先生/11.1週)

 このまま人間が生物を絶滅させて地球をめちゃくちゃにしていくと、やがて人間自身も絶滅してしまうと思います。いや、自滅すると言った方が正しいでしょう。 評:前半だけだとややありきたりな内容だけど、「いや、自滅する……」が入ったことで、ピリッと文が締まったね。

●陽一さん(あわつ/中2)の作文より(きりこ先生/11.3週)

 僕はなんとなく古典のものは梅雨時の雨のように少しずつしかし長く、流行のものは台風のように強く短く人気があるのだと思う。(趣のある例えができたね。)

●拓馬さん(ねき/中3)の作文より(スピカ先生/11.3週)

 人間は、「人」の「間」とかく。違う人、違う意見のものがたくさんいてそしてその間で、人は生きているのである。だから、私は確固とした己の意見をもち、そして、他の意見の見方を考えていきたいと思う。 評:すばらしい自作名言に続けて「生き方の主題」を明確に宣言した。立派です。

●GTOさん(えま/高1)の作文より(森川林先生/11.3週)

 イルカやシャチは嫌なことでもプラスに考えている。しかし人間は嫌な事があるといつもマイナスの方向に考えてしまう。それは人間の悪い癖だ! ◆評:人間の攻撃的知性ということを象徴的に表わしているね。いい発見。

●藤巻寿子さん(かえ/高2)の作文より(メグ先生/11.1週)

 大多数をしめる人間や考えだけでなく、ごく少数の人間や意見に目を向ける姿勢が、生活のゆとりにつながる第一歩だと思う。評:大多数の人のための幸せではなく、一人一人の幸せを考える社会であってほしいですね。

●正博さん(いえわ/高3)の作文より(森川林先生/11.3週)

 私がまだ小さかった頃は、祖父は柴刈りにではないが山へ行き、祖母は川で洗濯をしていた。今は川の水が少なったので川で洗濯はしていないが、私がまだ小学校に入る前、川で遊びながら、桃が流れてこないか、などと言って家族に笑われたのをおぼえている。◆評:おお、すごい。桃太郎の世界がまだあったんだね。"☆"

 

 

 

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