KotobanomoriNo.712

言葉の森新聞

2001年5月3週号

文責 中根克明(森川林)

  PHPとMySQLのホームページ

 4月と5月の連休を使って、PHPとMySQLペースのホームページを作る準備をしました。

 プログラムの上では大体のことができたので、近い将来、主なページを作り変える予定です。

 このことによって、さらにインタラクティブなページができるようになります。例えば、ホームページで友達の作文を読んでそれに投票をすると、グラフが1票分伸びるというようなページです。こういうページはCGIでももちろんできますが、もとになるデータをファイルとして保存するのではなく、ウェブデータベースのレコードとして直接保存するので、ほかのページからも自由に利用することができます。また、これまではページのデザインをひとつ変更するにしても、関連する何百ものファイルを書き換えなければなりませんでしたが、これからはプログラムをいくつか書き換えるだけで済むので、生産性がかなり高まります。

 現在、「山のたより」の点数やランキングで、表示方法を改善したい箇所がいくつかあります。また、図書の情報交換をもっと活発にし、漢字集、ことわざ集、名言集、長文集、データ集などをもっと充実したものにしたいと思っています。これらを、今後ウェブ上のデータベースを編集するかたちで取り組んでいく予定です。

 PHPとMySQLは、日本ではまだ普及していないので、出来合いのものを利用することができず、かなりの部分をオリジナルに作らなければなりません。そのために取り組みが遅れ気味ですが、実際の効果が出るまで今しばらくお待ちください。

  3月のアンケートより(その3)

   小4父母

●父母より 2月から新5年生の学習が塾で始まり、また組分けで選抜クラスに入室したので、宿題の量・質ともかなりなもので大変です。週3回の平日教室と毎週日曜のテストは必ず通うようにということで、塾のない月曜・木曜は勉強漬けです。(土曜日は午後から半日、学校のサッカークラブです。)

 が、そんな中でも言葉の森の取り組みは全く嫌がらず、かなりな手抜きも感じますが、約1時間弱ほど一生懸命やっているようです。

 私に似て不器用なので、新しい塾の勉強を含む毎日のペースに慣れるまで大変かもしれませんが、塾でも国語の単元などは全て要約をさせる、要約がテーマとなっていて、書くことの大切さも痛感していますので、頑張って言葉の森の取り組みは続けてほしいと思っています。

 読解問題は、あまり得意ではないようなので、何かおすすめ問題集などありましたら、お教えください。

 毎日の勉強は厳しいものがありますが、心身とも大きく成長してくれるようにと祈っています。(小4父母)

▼教室より 勉強でもスポーツでも、かけた時間に比例して成果が上がるという面があります。受験勉強は特に勉強の仕方がすみずみまで研究されているので、楽にできるユニークな勉強法というものが生まれる余地はあまりありません。成績を上げるためには長時間勉強することが必要になってきます。

 塾での勉強が忙しくなると、作文を書くのに1時間も2時間もかけることに負担を感じるようになるということは、どの子にもあるようです。しかし、この1〜2時間は、読解・記述の勉強プラス考える力をつける勉強だと思って、前向きに取り組んでいってください。これまでの経験では、一般に、時間をかけて作文を書く子ほど、受験の後半になるにつれて成績が上がるという傾向があります。

 もちろん、受験学年の後半に、塾の勉強と作文の勉強が時間的にどうしても両立できなくなる場面も出てきます。そのときは、「受験の終わる○月まで作文はお休み。しかし○月になったら再開する」とはっきり明言して休むようにするといいと思います。休むときと始めるときをはっきりとさせると、再開するときにもすぐに意欲的に取り組めます。

   小5父母

●父母より 受験学年ということで、この作文の時間も受験に対応したかたちでやっていただき感謝しております。本人は真面目にとりくんでいるのですが、やはり見当違いの読解をしていることが多いのがとても気になっています。

 長文については、もともと読むスピードが遅いことも不安材料の一つです。読むスピードを速めるにはどうしたらいいでしょうか。(小5父母)

▼教室より 読むスピードのおおまかな目安は小学生の場合学年の百倍程度と考えておくとよいと思います。小1=分速100字、小2=分速200字、……、小6〜社会人=分速600字です。大人が普通に読む本は大体1ページ600字程度ですから、おおまかに1ページを1分で読めればよいということになります。

 スピードを速めるためのコツは共通しています。「何しろ前へ」です。(笑)

 モトクロスなどのレースでも、速い人は、でこぼこを避けようとか、ころばないようにしようとかいうことは考えずに、何しろ前へ前へと全力で飛ばすのだそうです。

 読みの遅い人は、少し読んでから「あれ、前に書いてあったこと何だっけ」と数行戻って読み返すということがよくあります。これが読みを遅くする大きな原因です。受験用の国語の問題には、一度読んだだけでは意味がすぐにはつかめないような文章がよく使われます。いわゆる悪文です。これは中学受験に限らず大学受験の国語の問題でも小論文の問題でも同様です。

 特に大学受験の小論文の問題では、課題文全体の8割ぐらいまで読み進んでも全体の意味がよくつかめないという文章がしばしばあります。しかし、それでも読み進めていくと、最後の数行まで読んで初めて全体の内容が理解できるということがよくあります。このへんの事情がわかっている生徒は、途中で意味不明の箇所があっても気にせずにどんどん読み進んでいきますから、読むのが速くなるのです。

 書くことにもこれは当てはまります。書くことが遅い人は、書いている途中で、「前の文とのつながりはどうかなあ」と数行戻って読み返すことがよくあります。これが書くスピードを遅らせるいちばんの原因です。受験用の小論文では、制限時間がありますから、受験生の指導の場合は、生徒に「途中で消しゴムを使わない、途中で読み返さない、途中で考えない」と教えています。途中で書く方向がわからなくなったらメモを見てすぐ元に戻って書きつづけます。全体の4分の3ぐらいまではノンストップで飛ばして、結びの段落まで来たら初めて、読み返したり考えたりするようにします。

 読むスピードの速さと理解の深さは実は深い関連があります。一般に読むのが遅い人ほど理解が浅いという傾向があります。逆ではありません。ゆっくりじっくり一度だけ読むというのがいちばんよくない読み方です。実は自然にまかせていると、ほとんどの人がそういう読み方になります。よい読み方とは、鉛筆などで、自分がピンと来た箇所に傍線を引きながらすばやく最後まで読み、次にその傍線を引いた箇所を中心に何度も繰り返し読むという読み方です。「ピンと来た箇所」とは、自分なりに「おもしろいと思ったところ」「よくわかったところ」です。傍線を引く指導をするときに、先生によっては「大事だと思ったところに線を引きなさい」という説明をすることがありますが、もともと子供は何が大事かわからないで読んでいるのですから、こういう指導が有効なのはかなりレベルの高い子の場合だけです。塾によっては「『つまり』『だから』『要するに』などの接続語をカラーのペンで囲むとよい」などという指導をしているところもあります。これもわかりやすく有効な方法ですが、やや複雑で時間がかかります。

 一般に、ある文章が理解できるとは、その文章を構成している個々の文ABCDEが理解できて、その積み重ねが理解できるということではありません。まず全体が丸ごと理解できるというのが大事です。例えば、AとCとEの文がわかって全体が大体理解できたので、その間にあるBとDも理解できて、結局全体がよく理解できたということになります。ですから、傍線を引くのは、大事なところである必要はありません。自分の心にピンと来た箇所に線を引いておけばいいのです。だんだん慣れてくると、最初から大事な箇所に傍線を引くこともできるようになりますが、それはずっとあとの段階です。

 話は変わって、算数・数学の場合は、発想がやや異なります。AとCとEがわかったから全体がわかり、間のBとDがわかるというような分かり方ではありません。AがわかるからBがわかり、BがわかるからCがわかるというふうに進んでいきます。国語が得意で算数・数学が苦手な生徒は、この理詰めに考えるということが苦手で、文章を読むときのようにまず全体をイメージとしてとらえようとする傾向があります。だから、「4分の3個のリンゴを、3分の2人で分けると一人あたりいくつになるか」などという問題にぶつかると、3分の2人の人間が、4分の3個のリンゴを包丁で切り分けることをイメージしようとして何がなんだかわからなくなるのです。

●父母より 今は作文用紙に書いていますが、パソコンから入力した方がいいのでしょうか?(小5父母)

▼教室より 今年、大学生になった生徒からのメールで、大学(経済学部)でのパソコンの授業の様子を教えてもらいましたが、最初の数回はワードをキーボードで打つ練習だったそうです。

 港南台の教室での様子を見ていると、小学校の低学年の子がパソコンにいちばん慣れていて、学年が上がるにつれてパソコン操作が苦手になってきます。キーボードで文字を入力するという作業は始めは時間のかかるものですから、高校生ぐらいになり普段の勉強が忙しくなると、わざわざパソコンで打つよりも慣れている手書きで書いた方が速いということになり、かえってパソコンの習得がしにくくなってきます。

 ですから、パソコンのキーボード入力は、ローマ字がわかるようになったらできるだけ早く取り組むようにするとよいと思います。小学生のころは、中学生や高校生のころよりも時間的な余裕があります。パソコンで打ち始めた最初のころは、どの子も100字から200字がやっとです。しかし、それでもくじけずにがんばれるのは、小学生ならではです。

 パソコンで書くことについて次のような誤解があります。(1)漢字を覚えない、(2)字が下手になる。いずれもそういうことはありません。手書きで書いていても、書ける漢字しか使いませんから漢字を覚えるわけではありません。漢字の勉強は作文の勉強の中で行うのではなく、漢字の書き取りの勉強として独自に取り組む必要があります。また、字の上手下手は、作文を書く量とは関係がありません。

 ただし、うっかり間違えた漢字を覚えているという場合は、手書きでなければその間違いを発見することができません。例えば「友達」という字のしんにょうの中を「幸」と書いていたり、「暖かい」のへんを「目」と書いていたり、「完璧」を「壁」と書いていたりするという間違いは大人でもよくあります。パソコンで書いていると、このうっかり間違えて覚えている漢字を自覚できません。

 そのために、小論文などの受験が間近に迫った生徒は手書きで書くようにしています。しかし、それでも3ヵ月か半年で十分です。ふだんの練習はパソコン書きで能率よくやって、受験が迫ったら手書きにするというようにしていくといいでしょう。

 

  光る表現(小1−小3) 2001年5月3週号

●クリリンさん(いあし/小1)の作文より(けいこ先生/4.3週)

 子どもたちは、(やかたぶねにのっていた)ニじかんおあいだでなかよくなれて、ニコニコがおでした。おとなたちのかおは、おさけでま赤でした。 評:子どもとおとなのかおのちがいを、しっかりかんさつできたね。「ニコニコかお」と「ま赤」というちがいはあっても、みんながたのしかったことも、よくわかるね。

●小犬さん(いこと/小1)の作文より(けいこ先生/4.3週)

 4月13日にうえ木やさんがきました。ぼさぼさだったかきねをきってくれました。1日じゅう、うえきやさんは「チョキン」とか「パッチン」とおとをたてて、木をきってました。そうしたらすっきりしました。うえ木やさんは、木のとこやさんみたいです。うえ木やさんが「きったえだを土にうえると、めがでるよ。」とおしえてくれました。だから、わたしは土にうえました。わたしが小がっこうにはいったきねんじゅです。 評:「木のとこやさん」というたとえがピッタリだね。「ぼさぼさ」「チョキン」「パッチン」などのひょうげんも、じょうずにつかえた。

●りゃりゃさん(いいに/小3)の作文より(洋子先生/4.3週)

 私は、花も旅をするということがはじめてわかりました。でも花は、うごかなくても綿毛が旅をするなんてすご〜いと思いました。評:花そのものは、重くて飛べませんから花がかれて綿毛という飛びやすいかたちになってどこまでもふわふわと飛んでいくことができるのです。植物のうまいしくみには、おどろかされますね!じぶんたちの子孫を残すためにいろいろな方法でがんばっているのですね!

●崇さん(いえの/小3)の作文より(洋子先生/4.3週)

 花をだん見たら、見たこともない小さな花がさいています。ぼくが、「買ってきた?」と聞いたら、お母さんは、「買ってないよ。」と答えました。ぼくは、たぶん風にのって花だんにきたのかなと思います。評:よくそういうことがありますね。先生のところでも植えたはずもない「はぜ」のかわいい木が庭にはえてきていて、秋に真っ赤に紅葉して初めて気がついたことがあります。「・・ます」「たぶん…」が上手に使えましたね。

●ラーメンさん(いおら/小3)の作文より(にこにこ先生/4.3週)

 それはまるで「お母さんとはなれたくないよー」といっているみたいでした。★★★たんぽぽの気持ちを、そうぞうして書いている部分。将和くんのやさしさがつたわってきました。

●まいまいさん(いかす/小3)の作文より(さかな先生/4.2週)

 「あ・・そう・・ありがとう。」先生は、びっくりしたようなほっとしたような声を出しました。★評:まいまいちゃんは、先生の様子をよく見ていたんだね。その事件に心を痛めていた先生の気持ちが伝わってくるよ。

●まいまいさん(いかす/小3)の作文より(さかな先生/4.3週)

 手と足があれば、犬かきや平およぎみたいな動作をして、なんとかうごけるとはおもいますが、手も足もないのです。どこにいくかは、まるで宝くじです。★評:運が良ければ花を咲かせられるけれど、ハズレに終わってしまうことも多いことでしょう。とってもおもしろいたとえだね。

●ゆきちゃんさん(いそて/小3)の作文より(にこにこ先生/4.3週)

 市場の入り口に、黒くて、早くて、ジェットコースターのようなものが、ビューンととんでいきました。★★★心にのこる書き出しだね。はじめからツバメだとわからないのが、読んでいてドキドキしておもしろい。「ジェットコースター」「ビューンと」というところに、ツバメのはやいかんじがよく出ているね。 

  光る表現(小4) 2001年5月3週号

●わかさん(あにほ/小4)の作文より(森川林先生/5.1週)

 そうじを始めた。「おーすいとるすいとる。」私がいった。「あれ。すいとっているけど、まえにすいとったごみが、出てる。」父がいった。「まあいいじゃあん。」父がいった。◆評:うーん。ユニークな掃除機だなあ。

●ルフィーさん(あるる/小4)の作文より(ミルクティ先生/4.3週)

 『ミイラ取りがミイラになるを読んで』お母さんの話では、しっていた人がクロレラをのむとなんでもなおったそうです。なんでなおるのかふしぎだったそうです。この長文を読んで思ったことは、ミイラを薬としてのんでいたなんて<人間ておもしろいな>ということです。<評>クロレラを飲むのは平気だけれど、ミイラのかけらを飲むのは、ちょっと勇気がいりそうだね。(^^; さいごの感想に「人間て…」という言葉を使って、大きな意見を書いたところが見事です!

●みいきんさん(いきゆ/小4)の作文より(ももんが先生/4.3週)

 「うわああああっ、えーんっ。」と、妹のたまきがいいました。わたしは、かおりという友だちと、あそんでいて、おばけやしきをしていただけなのです。それなのに、妹のたまきは、弱虫で、「おばばやしき〜。」と言っただけで、「ウエーンッ」となきだしてしまうんですもの。たまったもんじゃありません。【評:作文の書き出しです。大きな泣き声で、読んでいる人のきょうみを「ぐいっ」と引きつけましたね。「おばけやしき〜」ではなく「おばばやしき〜」と小さな妹をびっくりさせている、みいきんさんのようすも楽しいなあ(^o^)

●YOTOさん(いせい/小4)の作文より(ミルクティ先生/5.1週)

 ぼくは、手がぬまのきしを歩いていると、コブハクチョウを見つけました。ぼくは、コブハクチョウにゆっくり近づいて行くと、コブハクチョウも近づいて来ました。ぼくが、花を投げるとコブハクチョウは、しらんかおしていました。次に、草を投げると、またしらんかおしました。そのあと、ちょっとしてからぼくのくつにコブハクチョウがかみついてきました。ぼくは、すごくびっくりしました。ぼくは、そのあとも見つづけたけど、ぼくが帰ろうとすると上がってくるので、ぼくはコブハクチョウが泳いで行ったすきに、にげました。<評>これは、きょうふの体験だったね。(^^; コブハクチョウとYOTOくんの動きがていねいに書いてあるのがいいね。その場にいるような気分になったよ。★ コブハクチョウは、えさがほしかったのかなぁ?

  光る表現(小5) 2001年5月3週号

●友葵さん(あしも/小5)の作文より(ゆり先生/5.1週)

 ラザニアは豪快に四段重ねだ。どうやって食べようかとちょっと食べ始めるのが遅くなった。食べたらめちゃくちゃおいしくってほっぺが落ちそうだった。魚介類だから以外に食べやすかった。すごくおいしくって食べ終えた頃にはほっぺたが落ちガリガリになっていたと思う(笑)。【評:ほっぺたが落ちそう→すごくおいしくてガリガリにっていうのがおもしろい発想だね。】

●しょうたさん(あたの/小5)の作文より(きょうこ先生/5.1週)

 「ぼくはこわくて、声も出ませんでした。イーグルと言う乗り物は回りながらどんどん上にあがる乗り物です。とても高く上がるので、まるで人が虫くらいの大きさでした。周りの景色はこわくて見られませんでした。また、『ビューン。』と、音がして、下がりました。降りたらへとへとでした。」声も出なくなってしまうし、景色も見られないし、降りた後はへとへと...、と、本当にこわかったというようすがよく伝わってくるね。(^-^;) でも、そのこわさを味わいたくて、きっとまた行きたくなってしまうのかもしれないね☆ 楽しい遊園地、よかったね♪

●すみすみさん(あない/小5)の作文より(洋子先生/5.1週)

  「手を縫うなよ。」 私は昨日、生まれて初めて電動ミシンで布を縫いました。なぜ縫うのかというと、友達の、誕生日だからです。ハンカチで、簡単な巾着袋を作りました。評:初めて電動ミシンに挑戦する不安な気持ちとユ−モア心が文の出だしの会話文から読み取れました。そのあとに なぜ使うのかの理由がしっか書かれていたのもよかったです。 

●えりさん(あなふ/小5)の作文より(ももんが先生/4.3週)

 私の家の水そうは、またにぎやかになりそうです。「メダカの学校」を作らないといけないかもしれません。【評:春は、新しい命の誕生する季節。たくさんのたまごが生まれて、にぎやかになりそうな水そうのようすを、楽しくたとえで表現できましたね(^o^)。】

●勇之さん(あよか/小5)の作文より(ミルクティ先生/4.2週)

 『プラス思考とマイナス思考』ある時、テストが返って来て、その時の点数がいつもより二十点も低かったため、これは先生の採点が間違っていると考えて、先生を口説いて丸にしてもらったというわけです。…略…最近は色々なことのせいでマイナス思考気味になりがちですが、自分に自信を持ち、前向きに考えれば、僕の例のように成功することも少なくはないはずです。あまりプラス思考になりすぎるのもよくありませんが、プラス思考の考え方をある程度は取り入れるべきだと思います。<評>逆境のときこそ、前向きに考えていこう…という意見に、身近な例としてテストの採点ミスを指摘した話を使ってみたんだね。小学生の日常生活から見つけた実例を少し大人っぽい堂々とした意見に結びつけることが、うまくできています。

●あんみさん(いけみ/小5)の作文より(にこにこ先生/5.1週)

 私は、リレーの選手に選ばれました。その結果を発表された時は、むねがはじけて、はれつしそうなくらい大喜びしました。★★★綾美ちゃんのうれしい気持ちがいちばんよく出ているところ。本当にものすっごくうれしいときって、胸がドキドキして苦しくなるもんね。よくわかります。

●りんごさん(いしも/小5)の作文より(ふじのみや先生/4.2週)

 私はせの順が二番で、(ダンスの)当日は二列に分けたので私は一番前だ。わからなくて私の頭からのうみそが全部とんでいったような気分だった。 評:あせるほど、頭の中が空っぽになる気持ち。印象的な言葉であらわしています。

●護さん(いそき/小5)の作文より(ももんが先生/4.4週)

 食べた感じは、見た目はかたそうだったけれど、ゼリーのように、やわらかかったです。味は、とても苦かったけど、味わって食べてみるとうまかったです。【評:タイの目玉を食べたという護くん。「見た目」と「口に入れたとき」の感触の違いが、たとえも使ってうまく書けています。味の変化もいいですね(^o^)。】

●真以子さん(いそね/小5)の作文より(にこにこ先生/4.4週)

 私には、こういう経験はないから、このことわざを使って、なにか、文章を作ってみたいと思った。★★★がんばって、自分の言葉で書いていこうという姿勢はとても立派!!自分で例を考える力は、たとえなどを考えるときにも役立つから、大事にしていこうね。

●さくらんぼさん(とあ/小5)の作文より(かつみ先生/5.1週)

 早くもってこい!というかんじでお父さんがよんでいます。   評:こういう言い方もいいね。たいていは、怒ったように、とか、あわてふためきながら、とか早くもってきてほしい形容詞や○○のように、という形で表していくことが求められているけれども、ダイレクトに早くもってこい!というかんじで、というのも、悪くないよね。

  光る表現(小6) 2001年5月3週号

●クリリンさん(あかの/小6)の作文より(こあら先生/5.1週)

 1日中色々なお店をまわって歩いたのですごく充実感が味わえました。評)『充実感を味わう』という表現がとてもいいです。買い物にとても満足できたのが伝わってきます。

●けろっぴさん(あちえ/小6)の作文より(ミルクティ先生/4.4週)

 『自然と人間と動物』自然はまだある。メダカだって少なくなったけれど、それでもまだいる。自然は人間にとって必要なものである。音楽のような効果もあるし、おいしい空気もあるし、第一自然は人間の元なのだ。そういえばだれかが言っていた。「昔は毒が流れても川の土がそれを吸いこんでいた。」自然を人間自らがダメにしようとしているのだ。その姿勢を一八〇度転換させなければならない。自然と人間と動物が共存していかなければ、きっと二十二世紀や二十三世紀はないだろう。自然と人間と動物、それは深く結びついているのだ。<評>自然は大切だ…と簡単にまとめてしまわずに、自分の意見をいろいろな文章でくり返し語っているところに力強さを感じさせます。他の人の言葉を引用したところも効果ありですね。

●雅貴さん(あめす/小6)の作文より(ももんが先生/4.3週)

 僕達にとって映像的なものも活字的なものも両方とも大切なものである。字だけ読むのは、想像力を与えてくれる。映像は自分の想像したものは、どのような物なのか真実を教えてくれる。もうすぐ「映像+活字」というものが出てくるかもしれない。【評:活字と映像、それぞれの良さをしっかり考え、自分の意見を述べることができました。電子ブックなどのように、互いの長所を生かしたものが、これからどんどん誕生してくるのでしょうね。】

(前に掲載したものの文章が途中から切れていたために再度掲載しました。言葉の森)

●雅貴さん(あめす/小6)の作文より(ももんが先生/5.1週)

 人というのはいろいろ物を集めている。求めているというのもある。子供なら、流行のもの。親から独立する人は、家具などを集める。外国で手術を受けなければいけない人は、募金を集める。総理になりたい人は、一票を集める。何かのマニアだという人は、それに関する物をできるだけたくさん集める。先生は生徒の宿題を。(あっ、やベー)【評:「集める」というキーワードで、いろいろなところから、たくさんの例を「集めて」きたね(^o^)。最後の心の声もユーモラス。】

●俊輔さん(あやゆ/小6)の作文より(かつみ先生/5.1週)

 あははははは。」 「いひひはは。」と、僕は、まるで怪人二十面相のように笑い方がたくさんある。もう数え切れないほどに。だから、僕の笑いにつられて、クラスのみんなも笑い出すということも珍しくない。   評:読んでいるだけで幸せになる文章です。    

●真太郎さん(いかせ/小6)の作文より(さかな先生/4.3週)

 榛名山では、木が生い茂り空気もきれいでとても良い所でした。中でも、頂上から見る景色はなんともいえない素晴らしさです。上には太陽がひかり、下には雲がじゅうたんみたいに広がっていました。★評:広大な景色が目に浮かぶようです。

●丈史さん(すふ/小6)の作文より(けいこ先生/5.2週)

 言葉では、表せないものがある。人間は、あまりにも感動あまりにも美しいときに言葉を失う。 評:言葉では言い尽くせない思いというものは、確かにあるね。

●ピカチュさん(とや/小6)の作文より(ふじのみや先生/4.3週)

 …時間がなくても一行でも読んでいけば そのうちに一さつの本がよめてしまう。少しの時間を読書に使えばいいのだ。ちりもつもれば山となる。一行たまれば本になる。玉もみがかないと光らない。それは読書にもあてはまる。何回か読み直さないと意味がわからない。 評:ことわざの引用に加えて、自分の意見に合わせたアレンジができています。おもしろいね!

●イフリートさん(らよ/小6)の作文より(ミルクティ先生/4.4週)

 僕の目標は二つある。一つ目はまずけがをしないことだ。…略…二つ目は本をたくさん読むことだ。…略…目標をもっていろんなことをやってみると目標をもたないよりものびるといわれているから、これからは目標をもって目標をたっせいできるようにできればいいと思った。<評>目標を立てて終わり…ではなく、それを実行することが大事なんだね。二つの目標が達成できるようにがんばってね!

  光る表現(中1〜中3) 2001年5月3週号

●ミュウさん(あおゆ/中1)の作文より(ももんが先生/4.3週)

 他に、意味不明な、まさしく矛盾だ!というものがある。それは戦争についてだ。昔の人は、「日本の平和のために戦おう!」と言っていたらしいが、そんなのは絶対おかしいと思う。平和と、争いは、正反対の意味をもたらす言葉だというのに、「平和のために戦う」と言っていて、戦争に勝ったとしても、ちっとも平和とは言えないとおもう。平和のことと正反対のことをしていて、「平和になった」なんていったら嘘になる。【評:まさしく「戦争の論理」は、相殺する矛盾の典型例。よいところに気付き、自分の意見をしっかりと書けました(^o^)。】

●A.Lさん(あそき/中1)の作文より(森川林先生/5.1週)

  明治時代の選挙制度では、選挙権をもつためには、お金の力が必要だった。直接国税を15円以上納める満25歳以上の男子(別の条件も必要だが)に限られていたのだから。この制度だとお金がある人ばっかりで、政治家に向いてない人が政治家になったりする。逆に政治家に向いている人が、政治家になれないことがあるかもしれない。◆評:データ実例に、得意の社会の知識を入れたところがいいね。

●エビふるず。さん(あにわ/中1)の作文より(スズラン先生/4.2週)

 (数学の問題の解き方に悩んだ例を挙げて)「木をみて森を見ず」その問題を私は一つの角度から見ていたのだ。「森」というたくさんの木も見なくてはならない。:評:一つの考え方から答えが出てこないときには、あらゆる角度から考えてみる余裕がほしいですね。

●竜太さん(いせゆ/中1)の作文より(ミルクティ先生/4.3週)

 『友達との本』六年のころ、うちのクラスではやっている本があった。その本とは、「ハリー・ポッター」という本だ。クラスの人たちが読み終わりそうな時に、本を買った。白石君という人が二日で読み終わったと聞いた時には、僕の心に火がつき、電車の中でもバスの中でも、読んで、読んで、読みまくり、二日で読み終えた。読み終えた時は、自分でもびっくりした。<評>読書そのものは一人でするものだけれど、友達からすすめられた本を読んで気に入ったり、張り合って読んでみたり、いい意味でのライバル意識で読書の世界も広がるものだね。☆「読んで読んで読みまくり〜」という表現にユーモアがあふれています。(^o^)

●たぬきさん(のと/中1)の作文より(ゆり先生/5.1週)

 第一の理由に、お金以外の事を考えると人の事を考えられる。もし、きれいな森林があって、動物もたくさんいる。そんな森がある。この木を売るともうかる。しかし他の事を考えると。、動物がいなくなる・・自然がなくなる。そういうふうにいろいろな事を考えられる。【評:具体的で分かりやすい例をあげられたね。】 

●SAPPHIREさん(ああす/中2)の作文より(ミルクティ先生/4.3週)

 『下り坂を転げる日本語』中一になって国語の文法で、このら抜き言葉を習った。…略…文法の先生に言わせると、「あなたたちは“日本語を正しく使う会”のメンバーなのよ。日常生活でもちゃんとした日本語を話しなさい。勝手に脱退なんかしてはダメよ。」ということだ。だから、無理矢理入会させられたこの会のおきて(?)を守るよう努めていきたい。<評>ユニークな先生だね。「無理矢理入会させられた」というところにユーモアがにじんでいます。「受け身」の「られる」も、うまく入ったね! (^-')

●ムッちんさん(との/中2)の作文より(クマのプーさ先生/4.3週)

 親に<れる>と<られる>どっちが使うかと聞くと「日本語では正確に<られる>がただしいからなるべくは<られる>を使ってる」と答えた。では、どちらが使いやすいかと聞くと「やっぱり<れる>の方がいい」【評】古いものと新しいものを対比させる工夫として、身近にいる親御さんとの会話形式にして、実感のこもったれる・られるの対比ができました。

  光る表現(高1〜社) 2001年5月3週号

●惇平さん(あはえ/高1)の作文より(さかな先生/5.1週)

 ぱっと見無駄で、どこに行きつくかわからないような事をやっているような気がするかもしれない。だがその無駄が、「これやってみ」と渡された時にいきてくる。その場で与えられた状況で苦労せずに理解できる適応力とはそういう事なのだ。★評:脱線して回り道をするという方法が「適応力」へとつながる瞬間を見事にとらえたね。

●横浜太郎さん(あわか/高1)の作文より(けいこ先生/5.1週)

 フランスの思想家、ジャン・ジャック・ルソーの数ある名言のうちの一つに、こんな名言がある。「教育の目的は、機械をつくることではなく、人間をつくることにある」。確かに、教育をそっくりそのまま処理していたのでは、人間は単なる機械になりさがってしまうと思う。しかし、自分の興味と結合したとき、教育は、計り知れないエネルギーになると思う。これこそ、教育への適応、いや、適応への教育と言っても良いのではないだろうか。 評:ルソーの名言をうまく使って、教育のあるべき方向性を示せたね。

●YESさん(せし/高1)の作文より(スピカ先生/5.2週)

 人間はすぐに諦める。ましてや初めから諦めているものもいる。やってもいないのにどうせ無理とか言う。そんなことではいけないのだ。無理でもやれるところまでやろう。そういう気持ちがあればきっと願いはかなうと思う。そういう思いがあれば常に活気を帯びていられると思う。しかし人間だれでも強い信念が持てるわけではない。(略)やりたくないけれどやらなくてはいけない。といったようなことはいつもだ。しかしそんな時に夢を目指しているものどうし励ましあって生きていけば裏切る行為などないと思う。そうなればいいと思う。 評:組織が停滞してくると活気を保つために裏切り者を出す悪循環を断ち切るために、諦めず強い気持ちを持ち続けることの大切さを力強く主張したね。

●UZI.SMGさん(そお/高2)の作文より(ミルクティ先生/5.1週)

 名前が表すイメージや実体は一方的な偏見によって決められるべきではない。そして現在、噂やマスコミの情報だけで固有名詞に対する虚像を作り上げている人が多いのではないか。第一に、自分で情報を集める努力をしなくなった。人に関しては、実際に会話をして接することをしなくなった。真実を確かめようとする努力を払拭して、噂話を信じるという楽な方へと流されている。…略…第二に、自分の都合のいいように解釈したがっていることだ。たとえば金を貸してくれる人やおごってくれる人は「いい人」で、逆に忠告したり諌めたりする人は「偽善者」として認識する人は、結構多いのではないか。このような思考の単純な人が増えていくことは社会全体のモラルだとか教養レベルが下がることであり、やはりこのことは重要な原因だろう。<評>まず、現代社会の問題点を明らかにし、次にその原因を二点挙げるという構成がしっかりできていますね。特に原因についての言及が簡潔明瞭でわかりやすさプラス力強さを感じさせます。

 

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