KotobanomoriNo.724

言葉の森新聞

2001年8月3週号

文責 中根克明(森川林)

  8/29(水)30(木)31(金)は教室あり

 8月29日(水)〜31日(金)は、第5週目になりますが、授業はあります。

 夏休みの残り日数わずかで、宿題に追われている人も多いかもしれませんが、お休みしないようにお願いします。

  夏休みの読書感想文

 毎年の恒例の行事になっているので、多くの人が疑問を持たずに取り組んでいますが、読書感想文の宿題というものは、実は不自然なものです。

 7.2週の言葉の森新聞にも書きましたが、小学校低中学年の生徒が1200字の読書感想文を、無理せずに、かつ手際よく勉強しようとすれば、1日1時間で合計3日ぐらいかけて取り組む必要があります。それを学校の授業のなかで行なわずに、夏休みの宿題として家庭に押し付けるので、毎年全国の家庭で小さな悲劇が起こっているのです。

 私(森川林は)は、読書感想文に苦労して取り組む時間があれば、その分だけ好きな本を読んでいた方がずっとよいという考えです。もし感想文に取り組む意義があると学校で考えているのであれば、学校の授業として取り組んでくれればよいのです。学校の授業の中で感想文の指導がないのは、簡単に言えば、できないからです。

 小学校3年生以上の生徒は、言葉の森の勉強として、感想文を書く週があります。

 夏休みの宿題として感想文が出された場合、独自に本を読んで独自に感想文を書くという真面目な人が大部分だと思いますが、私は、これまでの勉強で、いい感想文が書けていれば、それをふくらませることで宿題を提出し、あまった時間を好きな読書に充てるというやり方をしてもいいと思っています。

  PHPとMySQLの解説50ページ

 8月初旬に、PHPとMySQLによる掲示板プログラムの解説を作りました。

 ほとんど予備知識がない方でもわかるように、くわしく解説したために、総数50ページの解説になりました。

 テキストは下記のページにありますが、50ページ分の文字がずらっと書いてあるだけですので、ページを開くこと自体すごく重いです。

http://www.mori7.com/saa/tebiki/itebiki3.txt

 圧縮ファイル形式でもダウンロードできるようにしています。Lhasaなどの解凍ソフトで元のテキストに戻ります。

http://www.mori7.com/saa/tebiki/itebiki3.lzh

 これをじっくり読めば、プログラムの仕組みがよくわかると思います。

  IT化の本質は何か

 現在、社会の各所でIT化が進行しています。

 これまでは、先進的な企業がIT化をリードしてきました。今は、そのIT化がごく普通の企業にも浸透し、やがて社会の基本的なインフラとして社会全体に溶け込もうとしています。

 そのIT化とは果たして何なのでしょうか。それは、表面的には、インターネットを中心とした情報技術の高度な利用です。しかし、紙で印刷していたことをウェブで見られるようにするとか、電話で連絡していたことをメールで一斉に送信するとかいう現象を見ているかぎりでは、そこには単なる量的な差異しかありません。もちろん、その量的な差異が著しく大きいことは確かですが。

 IT化の本質とは、むしろ情報の自己編成ではないか。これが今回の仮説です。

 人間が真ん中にいて、情報技術を利用することによって必要な情報を作り出すという面は、これまでの社会でも存在しました。その画期的な発明のいくつかが、「文字の発明」「紙の発明」「活版印刷技術の発明」「テレビの発明」などです。その延長に「インターネットの発明」を位置づけることができます。

 しかし、インターネットの発明が、これまでの情報技術の発明と最も異なるところは、そこにプログラムを組み込めるという点です。

 わかりやすい例が掲示板です。gooの質問掲示板、yahooの掲示板、2chの掲示板などを見ていると、その掲示板の内容を作っているのは、不特定多数の参加者です。そこでは、だれが責任を持って司会をするのでも記録をとるのでもなく、いつのまにか大きな秩序のもとに雑多な発言が統合されていきます。その統合の核となっているものがプログラムです。

 あるプログラムは、発言を種類別に分け時間順に並べるだけですが、ほかのあるプログラムはそこに検索機能をつけたり、投票評価機能をつけたり、アクセス頻度による並べ替え機能をつけたりします。現在、急速に利用者が増えている検索サイトgoogleは、世界中のサイトのリンクをウェイト付けして表示しています。このウェイト付けを行なっているのは、人間ではなくプログラムという一種の数学の式です。

 ここで話は変わりますが、もちろん、人間の役割がすべて数学の式にとってかわられると考えるべきではないでしょう。常識のある人にとってはこれは当然のことですが、科学の先端にいる人は往々にして「遺伝子が解明されれば意欲や感情も解明される」というような極端な結論を出しがちです。世界の仕組みは、何重もの入れ子構造になっています。精神が物質的に説明できるレベルは当然あるでしょうが、その物質をさらに解明しようとすると再び精神が登場します。そして、逆に今度は精神で物質を解明したつもりになっていても、やがて、その精神に物質的な背景があることがわかってきます。そのように自然は何重にも奥深く成り立っているはずです。生物の本質は、「生きる」という一種の欲望です。その欲望の擬似的な形態を物質的に作ることはできると思います。しかし、どのような物質も物質であるかぎり、欲望の最後の核心に到達することはないでしょう。逆のこともまた言えます。極端に強力な精神が物質を作り出すことができると仮定します。私は見たこともしたこともありませんが(笑)。インドのサイババのように空中から指輪を作り出すようなことを連想してもいいでしょうし、キリストや釈迦のような病気治しを連想してもいいでしょう。精神は擬似的に物質を作り出すことができます。一切れのパンを数百人の群集に分け与えたキリストの奇跡が象徴的な例です。しかし、それはあくまでも擬似的な創造に過ぎません。精神が物質のすべてを説明し尽くすこともまたないでしょう。

 さて、話は戻って。

 IT化が、これまでの情報技術の発展の延長としてだけでとらえられないのは、そこに、情報がみずから自己編成するというプログラムの要素を取り入れているからです。

 このプログラムは、現在、まだきわめて初歩的なレベルにあります。掲示板に見られるような情報の自己編成は、まだ真の自己編成の萌芽的な形態にすぎません。

 情報の自己編成の具体的なかたちは、まだ私たちの身近にはあまりありません。しかし、その窮極的な形態は、話が飛躍しすぎて、あっさり書くことがはばかられますが、遺伝子です。または、もっと目に見えるかたちで言えば、私たちの文化システムや言語体系そのものです。それほど極端なところまで行かないとすれば、それはスポーツやゲームのルールのようなものと言ってもよいでしょう。また、オープンソース運動なども、同じようなものとして考えることができるでしょう。

 こう考えると、IT化と親和性が高いのが、教育や文化の分野です。eラーニングへの注目はまだ始まったばかりで、掛け声ばかりが先行しているような印象ですが、やがて、教育の分野で従来の情報技術の利用の仕方とは質的に異なった実験が生まれてくると思います。それがどういうものになるかはまだわかりませんが、大きく期待していきたいと思います。

  夏休み……

 個人的な話で恐縮ですが。

 恐縮するぐらいなら、もっと有意義な話を書けと言われそうですが、有意義な話を書く余裕がなかったという言い訳を。(笑)

 その前に、言葉の森新聞は、今後、担当している先生も記事を執筆するようなかたちにして、内容をもっと充実させていきたいと考えています。また、父母や生徒からの投稿なども設けていく予定です。その場合、言葉の森新聞の本体はウェブ上で編集・掲載されるようになり、紙ベースの言葉の森新聞は、その一部が今のようなかたちで配布されるようになると思います。まだ少し先の話になりますが。

 さて、連続した休みの期間というのは、ふだんできない仕事をする絶好のチャンスです。幸い、私(森川林)の家庭では、子供が中学生と高校生になり、昔のように家族でお出かけというようなこともなくなったので、休みの日は文字どおり朝から晩まで仕事ができます。(なんだか、よくわからん話だが)

 そこで、現在のローカルPC主体の教室運営を、ウェブサーバー主体の運営に切り換えるという野望を持って(笑)、休みを迎えました。

 しかし、まず最初の連続休み(7/29〜8/3)は、PHP/MySQLのテキスト作りに予想以上に時間がかかり、テキスト完成で終了。これはこれで充実した過ごし方だったので満足です。

 そして、いよいよメインのお盆休み(8/11〜8/17)。まず、自宅に置いて実験していたLinuxサーバーを教室に引越しさせて、教室で稼動させようとしたら、正常に動きません。これが正常に動かないと、実験が進みません。実験が進まないと、現在、稼動している専用サーバーの設定変更もできません。

 Linuxやサーバーに関する本や雑誌をずらっと横に並べて、あっちを読んだりこっちを読んだりして、インストールし直すこと数十回(ひたすら力技です)。朝の0時ごろに起きて(朝とは言わん)、作業を開始、くたびれると寝袋を床に敷いてバタンキュー。目が覚めると(覚めなきゃ大変)ふたたび起きて作業続行。朝だか昼だか夜だかわからない生活をまる二日続けて、やっとまともに動くようになりました。原因は、ルーターが古かったせいらしい。^_^;その後、細かな設定を変えて、ソフトをインストールし直して、くたびれ果てて、ふとカレンダーを見ると、もう連休終わり……。土日は、夏祭りで焼き鳥を売らなきゃならん(T_T)。焼き鳥、嫌い。

 Linuxは今急速に利用が広がっているので、たぶん来年になれば、もっと確実なテキストが出て、ソフトもハードも洗練されて、今回過ごした時間はただ無駄な時間を過ごしたエピソードとなるだけです。でも、まあ、いろいろなことがあって、おもしろかったけど。(笑)それから、事情を知っている少数の人からは励まされたので、疲れは全然感じませんでした。でも、かなりストレスがたまったようで、歯茎ははれるし、ここ数年縁のなかった肩凝りにはなるし、さんざんな休日でした。

 次回は、正月休みに期待したい……。

  光る表現(小1−小2) 2001年8月3週号

●小犬さん(いこと/小1)の作文より(けいこ先生/7.3週)

 (いとこの)としきは、四月十七日うまれのあかちゃんで、いっしょにおとまりするのは、はじめてです。いっしょにおふろにはいるとなぜかとしきは、ねてしまいます。きっとおふろがきもちいいからだとおもいます。としきがうんちをするのにふんばると、すごいかおになります。すごいおとといっしょにうんちがでます。それではみでたこともあります。わたしは、そのおむつをかえてあげました。わたしがおしょくじをもぐもぐとしているところをとしきがみると、まるでカニさんのように、ぶくぶくよだれをだしました。としきもはやくごはんをたべたいのかしら。……としきがはやく大きくなって、おむつをかえてあげたかわりに「ジュースをかってきて!」というわたしのめいれいをきいてくれるといいです。 評:あかちゃんのようすをよくかんさつして、「どうしてかな。こうではないかな。」としっかりかんがえられたね。たとえもじょうずにつかって、あかちゃんのようすをせつめいできた。まとめもたのしいね。

●くわがたさん(いきと/小2)の作文より(ミルクティ先生/7.2週)

 『はがぬけた』つぎの日の夕がたに、おとうさんにはのことをいいました。「なんか、かわってない。」と顔をみせました。「うんと、わかんない。」と、お父さんが考えました。「せいかいは、はがぬけたことだよ。」と、ぼくは、にこにこした顔でいいました。そして、「ゆか下にぬけたはをほおって、つぎに、いいはがはえますようにって、おいのりしたよ。」と、せつめいしました。はがぬけたので、ちょっとごはんがたべにくい。けれど、はは、ほねとおなじでカルシウムからできているので、(牛にゅうをのんだり、魚のほねをたべないといけないかなあ。)と、かんがえています。<評>会話のあとを「と言いました」という言葉ではなくて、「と考えました」「と、せつめいしました」という言葉で書いたところが、うまいね。☆ カルシウムの話も、よく知っていたね。牛乳をたくさん飲んで、じょうぶな大人の歯を作ってね!

●かっぴーさん(いくす/小2)の作文より(けいこ先生/7.3週)

 火がすこししかでない花火は、ピチピチと音がしました。すごい火がでる花火は、ビュウビュウとなりました。せんこ(う)花火みたいな花火は、ピチパチピチパチとなりました。(一番下の妹の)文ちゃんは、花火をやるのがはじめてなので、「こわいこわい・と言っていました。……まるできれいなお花みたいだと思いました。 評:音のひょうげん・「まるで……」をじょうずにつかえたね。しゅるいによって、音のちがいがあるのを、しっかり書き分けられた。

●直人さん(いこさ/小2)の作文より(ゆり先生/7.3週)

 (水ぞくかんで)ワニは、きばをとがらせていました。かみつかれたらころされるかなと思いました。【評:ワニのきばを近くで見るとこわいだろうね・・・】

●みのりさん(いこの/小2)の作文より(メグ先生/7.3週)

 おかあさんが「つゆをいれるのをわすれているよ。」とうちわであおぎながら、言いました。【評】「うちわであおぎながら」というおかあさんの動作が書けたね。いかにも夏という感じですね。

●いちごさん(いすも/小2)の作文より(けいこ先生/7.3週)

 (マーライオンのまわりの)ふん水は、海のなみが二つかさなったようだったり、ダンスをしたり、ザーと音がしてうたったりおどったりしているようでした。もしわたしがふん水だったら、とってもたかく上がってシンガポールの町を見たいです。 評:ふん水を人のようにひょうげんしたり、自分自身(人)をふん水だとかんがえたりしたことで、楽しさいっぱいの文になったね。

●昂生さん(いせぬ/小2)の作文より(メグ先生/7.3週)

 「きょうはありがとう。またくるからね。バイバイ。」にっこりして言った。【評】昂生くんが、かわいいえがおで、手をふるようすが目にうかぶようです。

●慧人さん(いそゆ/小2)の作文より(きょうこ先生/7.3週)

 「24日火曜日には魚つりをします。なんの魚がつれるのか楽しみです。」ほんとだね、どんなお魚とであえるのだろうね♪ 魚つりを楽しみにしているけいと君のわくわくしている気持ちがよく伝わってきます。(^-^)/

  光る表現(小3) 2001年8月3週号

●ゆうちゃんさん(いいし/小3)の作文より(メグ先生/7.3週)

 一番むずかしかったのは、鳴子を鳴らすことです。たぶん、持ち方がむずかしいからです。鳴子の音は、トントンとまるで、たいこの音ににていました。【評】「たぶん」ということばを使って、鳴子を鳴らすのがなぜむずかしいのかを考えることができたね。

●泰児さん(いおと/小3)の作文より(ミルクティ先生/7.2週)

 きょう、「父が母国をはなれた後」をよみました。お金がない三人の兄弟と、一人のお母さんの話しです。一人目のお兄さんは、お金をなくしました。ぼくが、このお兄さんだったら、だいたい一時間ぐらい探します。十円ぐらいだったら、あきらめます。五十円以上だったら、探します。…略…びんぼうな四人家族は、みんな、おかねをおとした、お兄さんのことを怒らないで、なぐさめました。ぼくは、この感想文をよんで、この家族はやさしいな。と思いました。<評>もし、ぼくだったら…と考えるときに、お金の額が○円だったら…という条件もつけて考えたところが、具体的で感心したよ。作文のさいごは、しっかり全体の感想になる文でまとめられたね。v(^o^)

●俊吾さん(いかゆ/小3)の作文より(スピカ先生/7.3週)

 「今日は、ざんねんなお知らせがあります。くまがいりょうくんがてんこうすることになります。」と、先生がいったとたんにみんなが、「エー。」と、さけびました。 評:会話がとてもじょうずに書けています。みんなの反応を「さけびました。」にしたところがくふうしたね。その驚きと悲しさがよく伝わってきました。

●フレディさん(いせそ/小3)の作文より(ふじのみや先生/7.3週)

 (ようし、明日来てみて、なかったらあきらめよう。)と考えて、その次の日に学校へ来ると、つくえの上に、あのぼうしが!! そのしゅんかん、体じゅうにつまったいきが、フ〜〜ッと外に出たように感じました。 見つかって本当によかったです。 評:自分の気持ちを、よくかんさつして書いたね。

●アッキーさん(いそか/小3)の作文より(ももんが先生/7.2週)

 あまりにもおいしくて、おなかがすいていたのかよくわからないけど、おおもりのごはんにカレーのルーをいっぱいかけたのを、二はいもたべました。レーズンを入れなくてもおいしいけど、わたしはレーズンがはいったほうのカレーがすきです。なぜかというと、レーズンもおいしいし、カレーもおいしいので、よりいっそうおいしくなるからです。【評:大もりで二はいもおかわりした暁子ちゃんのようすが、手作りのカレーライスのおいしさをよく伝えてくれました。レーズンとカレーのあじのハーモニーを教えてくれたのもよかったですよ。おいしさが伝わってくる文しょうです(^o^)。】

●アッキーさん(いそか/小3)の作文より(ももんが先生/7.3週)

 そのあとに、川に入りました。とてもつめたくて、きもちがよかったです。ふかいところやあさいところがいっぱいあってこわそうだったので、リーダーの手をもって行きました。ふかいところがいっぱいあったけど、かた足だけいれて、あとは、石のところをあるきました。【評:「自分や周りのようす」と「思ったこと」を上手にまぜて書けました。水の気持ちよさも伝わってきますね(^o^)。】

●うさぴょんさん(いたほ/小3)の作文より(けいこ先生/7.3週)

 なんで(学校の)先生がミニ先生を作ったのでしょう? ……自分も教える立場になることが、べん強になるからだと思います。教えてもらう人も、先生よりミニ先生のほうが聞きやすいと思います。先生はこわいからしつもんがなかなかできないけれど、ミニ先生はやさしいからです。 評:テストの成績がよかった人が、ミニ先生になって、他の人に教えてあげたのね。ミニ先生の役割をしっかり考えられた。

●マーヤさん(いちこ/小3)の作文より(さかな先生/7.3週)

 もし、わたしが、ロベルトだったら、ロベルトと同じように、げんかんのドアの前で、つったっていたでしょう。なぜかと言うと、今、家族の中で、いちばたい切でした。それをなくしてしまったのです。★評:ロベルトのおかれた状況を考えて、気持ちを想像することができたね。相手の身になって考えるやさしさが感じられます。

  光る表現(小4−小5) 2001年8月3週号

●ラブリーさん(あにせ/小4)の作文より(ミルクティ先生/7.2週)

 『ランプ屋の巳之助』この話を読んで一番ちがうと思ったことは、自分の意見とは正反対だったからと言って、人をうらむということです。なぜそう思ったかと言うと、世の中自分の思いどおりにならないことはたくさんあるけれど、そんなちょっとしたことで人をうらむことは、いけないとおもうからです。<評>作文の最初に【一番…は】の文を使って、自分の感想をしっかり書いたところがいいね。強く思ったこと、強く言いたいことをはじめに書いて中心をはっきりさせることができたね。

●みゆさん(あはみ/小4)の作文より(ドラえもん先生/7.3週)

 ほとんどやっていたのは、「ジャジャーン」かたもみをしたことです。夜ぐらいになったらほとんどの日しました。お母さんは、うれしそうでした。お母さんのかたのかんじは、すごい、こうてつのようだった。【評】こうてつのようにかたくなったお母さんのかたを毎日もみほぐしてあげていたのね。お母さんのかたがこっている様子や、家族のあたたかさがよく表現されていますね。(^o^)

●ししさん(あふか/小4)の作文より(かつみ先生/7.3週)

 ぼくが叫ぶより先に女子があまりにも大きな声で叫ぶのでぼくはその勢いにのみこまれてしまいました。  評:その勢いにのみこまれてしまいました、というところがいいね。様子が手にとるようにわかるよ。

●ともっちさん(いえさ/小4)の作文より(けいこ先生/7.2週)

 ぐみの実は、つぶすととろとろのしるが出てきて、そのしるをなめると、キュッとしまったような味がします。くわの実は、すっぱい味で、くろければくろいほど、おいしくて、白ければ白いほど、スッパくなります。くわの実は、(食べると)みんな「スッパ〜。」と言います。 評:学校に実がなる木がたくさんあるのね。うらやましい! キュッとしまったような味は、天然の味なのね。すっぱいけれど、おいしそうだね。

●義明さん(いきき/小4)の作文より(きょうこ先生/7.2週)

 「ぼくがいまいちばんたべたいものは、おばあちゃんのつくるサーロイン?ステーキです。なぜかというとおいしいし、においもいいからです。・・・だから、ステーキのときだけそっこうでたべにいきます。」義明くんがステーキめがけて飛んで行くようすが目に浮かんできそうな表現だね。\(^-^)/「そっこうで!!」走っていくときは、ものすごく足が速くなった感じかな??

●みかんさん(いこい/小4)の作文より(ももんが先生/7.3週)

 「さあ、うちますよ。チクーッ。」(いったー。)【評:「きょうふのよぼうせっしゅ」という作文の書き出しです。ドキドキしますね。はりがささるしゅん間と、そのいたみがよく表れています(^^ゞ。】

●まいポンさん(いこに/小4)の作文より(ふじのみや先生/7.3週)

 でも、どうして、悪いことをしようとしても、一言でおさまるのでしょう。それは、悪い気持ちのほうが強いけど、心のすみに“それをやっちゃいけない”と思ういい心があるからだ思います。  評:みのすけさんは、ぎりぎりで、自分のいい心に気がついたんだね。

●拓樹さん(いこや/小4)の作文より(ふじのみや先生/7.2週)

 今でも三番目ぐらいだから、来年は一番つよくなりたいです。一番つよくなったら、全員ぼこぼこにあて ぜんめつさしてみたいです。 ☆思い切りよく、心の中を表現したね。これは、強くなれそうだ!

●真裕子さん(いさは/小4)の作文より(ふじのみや先生/7.2週)

 ボールがいきなり「ビューン。」と とんできて、私がよけたボールを、ほなみちゃんが、「バシッ」とうけとめました。 評:「ビューン」と、「バシッ」の音が、スピードと力をあらわしていますね。

●稜さん(いしお/小4)の作文より(スズラン先生/7.3週)

 巳之さんはランプと別れたくないから、この商売を守ってきたのだと思います。・略・巳之さんとランプは兄弟ぐらいの仲だったのだなと思いました。:評:巳之助さんとランプの関係に、上手なたとえを使っていましたね。

●きのこさん(いすこ/小4)の作文より(こあら先生/7.3週)

 今私は明るい電気の下で書いています。【評】(ランプから電灯への変化の話が課題文でした)現代から課題文の時代を考えているのを示すことで、一歩引いて、冷静にながめているのを相手に感じてもらえるね。

●YOTOさん(いせい/小4)の作文より(ミルクティ先生/7.2週)

 このムラサキツバメは、ふつう、四国、九州、おきなわと、山口県、紀い半島南ぶに分ぷしています。このムラサキツバメは、さいしゅうしたときから、ボロボロだったけど、理由はたぶん、台風かなにかでふきとばされたのだと思います。ムラサキツバメが生息しているここから一番近い紀い半島南ぶからでも、五百キロメートルぐらいはなれているので、自然に飛んできたとは、考えられないからです。<評>関東には生息しないはずのチョウが、なぜ近くの公園にいたのか? …名探偵YOTOの推理、さえていますね! 論理的な説明で説得力があります!

 

 

 

●アミーゴさん(いそと/小4)の作文より(きょうこ先生/7.2週)

 「次にバタフライの足を練習しました。バタフライの足はくねくねしていてまるで、魚だけではなく、人魚が泳いでいるみたいです。次の日は、バタフライの手を練習しました。まるで、ちょうちょや、鳥のように、パタパタ羽が働いているようにみえます。・・・そして、後25mです。『もうすぐだ!200m。がんばれ。わたし!』心の中で、自分をおうえんしました。」なるほどぉ、バタフライというのはそういう感じのする泳ぎなんだね♪ 目をつぶって想像してみたくなるね! そして、自分をいっしょうけんめい応援しながらがんばって泳ぎきったんだね☆ 水の中から亜美ちゃんの声が聞こえてきそうだね!

●圭さん(いそむ/小4)の作文より(スズラン先生/7.2週)

 (好きな遊びのおにごっこで)おにになると、ずっとおいかけていなければいけないのでさいあくです。でも、ぼくはおにごっこがすきです。:評:おにになると最悪と思いながらも、この遊びが好きだというのは、楽しいことがたくさんあるのでしょうね。「でも、、、、」ということから楽しさが伝わってきますね。

●ミニまろさん(いそれ/小4)の作文より(けいこ先生/7.3週)

 お母さんに聞いてみると、私のおじいちゃんおばあちゃんも三十年続けてきた商売がうまくいかなくなって、十年前にお店をたたんでいなかに帰っていったそうです。その理由は、近所に大きくてきれいなスーパーマーケットができてしまたからです。そのときのおじいちゃんおばあちゃんの気持ちは、くやしくてさびしかっただろうなぁと思います。そう考えると巳之さんも同じ気持ちなんだな、と思いました。私は巳之さんに「巳之さんがんばれっ! 早くいい仕事を見つけてね。」と、おうえんをしたくなりました。 評:にた話を見つけたことで、巳之さんに対する気持ちが変化していったことを、うまく感想に結びつけられたね。さて、この文の続きで巳之さんはいい仕事を見つけられるかな。先を読むのが楽しみだね。

●友葵さん(あしも/小5)の作文より(ゆり先生/7.3週)

 今になって思うと青虫を気持ち悪がって悪いと思っている。なぜなら私がご飯を食べているのを、恐竜などに気持ち悪がられたら、「人間の事、知らないくせに。」と思い、腹が立つからである。だから、たぶん、その青虫も、「人間め。青虫のことよく知らないくせに。」と怒っていただろう(笑)。【評:う〜ん、恐竜にとっては人間の食べ物なんて”おやつ”にもならないだろうね。友葵ちゃんらしい楽しい発想だ!】 

●すみすみさん(あない/小5)の作文より(かつみ先生/7.2週)

 デッキブラシで、10分間こすりつづけて、やっと取れました。その時の10分間は、ものすごく長く感じました。  評:大変だった様子が良く分かりますよ。

●すみすみさん(あない/小5)の作文より(かつみ先生/7.3週)

 1学期中は、ほとんどずっと平泳ぎの練習に専念していました。  評:専念していました、という表現がいいね。

●りんごさん(いしも/小5)の作文より(ふじのみや先生/7.2週)

 私も なんでかなと思った。でも、ねていた私ののうみそが急に起きた。 ☆ピンとひらめく瞬間を、動きのある表現であらわしたね。

●うさぎさん(いそに/小5)の作文より(スズラン先生/7.2週)

 妹から「ねー、お姉ちゃん、マンガかしてー」と言われたけれど、私はいやだったので、「いやだ」といったら、「ねー、そこをな・ん・と・か・」という具合なかんじだった。そのとき、わたしは、やっぱり貸してしまった。:評:「そこをなんとか」と言われたときの気持ちのゆれがでていますね。こう言われると弱いですね。

●さくらんぼさん(とあ/小5)の作文より(かつみ先生/7.3週)

 途中で、はりが指の辺りに突き刺さってしまったり、必要の無い所をぬってしまったりで、とてもたいへんだったけと最後までできました。  評:悪戦苦闘していた様子がよくわかります。がんばったね。

  光る表現(小6−中1) 2001年8月3週号

●ハムさん(あそみ/小6)の作文より(メグ先生/7.3週)

 いつも学校のテストを見せるけど、一学期の理科のテストが悪すぎて、見せないでファイルにはさんでおいた。そうしたら、私がお風呂に入っていた時に、お母さんに見つけられて、万事休す。お母さんが見たら、がっかりしてびっくりして、あいた口がふさがらなかった。【評】お母さんの表情の書き方がおもしろい。冷静に観察しましたね。

●雅貴さん(あめす/小6)の作文より(ももんが先生/7.3週)

 では、もしむちゃくちゃきれいだったらどうだろう。机はピカピカで、机の上には何も置いていない。引き出しの中もきちんと分類されて、部屋のどこを見ても何も必要のないものは、ないというような部屋だったらどうだろう。よごしてはダメと緊張してしまうだろう。だから自分の部屋は自分の使いやすいようにすれば良いのだ。【評:「もし〜」と想像を広げて、どんな部屋が自分にとって過ごしやすい部屋なのかをしっかり考えることができたね。(^o^)】

●早紀子さん(いおよ/小6)の作文より(ゆり先生/7.2週)

 最近の厚生省の調査でも、日本はいまだにお米中心の生活だ。それはどうしてなのか。たぶん、昔からのお米の伝統を守っているんだと思う。うけつぐ、みたいな感じで。【評:「厚生省の調査」を引用したんだね! 説得力が出るなあ。そこに、自分でその理由を考えてつけ足したのがえらい!】

●孝太さん(いくき/小6)の作文より(みち先生/7.2週)

 ぼくのばんがきて「よーしおもいきりうつぞ」といきごみをだしたらとんでうれしかったです。しかもスリーベースヒットでした。とてもうれしくて点がはいりました。(中略)人間にとってうれしいことは、生きてることがわかります。評:気持ちのもちかたが結果に現れたね。一般化の主題で上手くまとめられました。

●ひろりんさん(あしゆ/中1)の作文より(とこのん先生/7.3週)

 時代が進んで変わらないものはないが、親子の関係は人類が滅びない限りずっと変わらないのだ。評:とかく難しくなったと言われる『親子関係』。その不安をいっぺんに吹き飛ばすような力強い結びの言葉です。

●A.Lさん(あそき/中1)の作文より(かつみ先生/7.1週)

 でも、テストはあまりいいかげんではなかったようだ。  評:この表現の裏にかくされている、様々な考察がうきあがってくるようです。いいかげんではなかったようだ、ここが一番いいね。

●たごさくさん(あによ/中1)の作文より(ミルクティ先生/7.3週)

 ぼくは、昔のように親子がお互いにわかりあえる関係が一番理想的だと思う。その理由は第一に、親子関係がしっかりしていれば、児童虐待や子が親を殺すなどということは絶対にありえないと思うからである。また、よくニュースでいじめのことが話題になる。ぼくはいつも、どうして親に話さないのかと思う。親に話さないというのは結局お互いに理解していないのである。<評>親子関係のあり方について、多発する親子間の事件だけでなく、いじめの例もいれて、自分の意見をより強く主張しており、説得力がありますね。

●日本太郎さん(あねひ/中1)の作文より(クマのプーさ先生/7.3週)

 環境問題や病気などの社会の進歩が必要になることがあるからである。【評】今、環境問題はとてもタイムリーだし、医学の進歩も目覚しい・・人間が21世紀を生きる上で不可欠なこれらに着目して、理由のひとつに取り上げたのがいいいですね。

●あつしさん(あむら/中1)の作文より(きょうこ先生/7.2週)

 「外国文化に憧れつつも、日本文化をとり入れて、日常生活をしていくといいとぼくは思います。・・・まるで、サッカーの試合でドリブルをしていて相手が来たら、フェイントをかけて相手をかわすように、(字を書く場合も)色々な字で書けばいいと、ぼくは思います。」文化に対する接しかたも、こういうサッカーのプレイのように、その時々の状況に合わせて、ということだね! とてもスピード感のある表現でビックリ! こんな風に、文化というボールともうまく付き合っていければいいね!

●トトロさん(いけの/中1)の作文より(クマのプーさ先生/7.3週)

 自分の子供時代とくらべず、自分の子のいい所を発見するようにつとめ・・【評】今回のテーマの中での提言としても光っていますが、これはいろいろな場面でとても重要なことだと思います。とてもいい言葉に出会った、という感じで印象的でした。

●祐司さん(には/中1)の作文より(さかな先生/7.1週)

 でも僕はテストで好きな事がある。それはテストが終わったあとの達成感だ。それは解放感といってもいいかもしれない。(笑)これは、自分の目標があったから味わえるのだ。★評:目標を持ってテストを受けることの大切さ。集中して勉強に取り組んだ充実感が光っています。

  光る表現(中2−社) 2001年8月3週号

●SAPPHIREさん(ああす/中2)の作文より(ミルクティ先生/7.2週)

 子供中心、大人中心、どちらの育て方もよいが、一番重要なのは愛情を与えて育てることだ。どちらの育て方をされても、愛情さえもらっておけば、また次の世代にもその温かな愛情が伝わる。伝言ゲームのように、愛情というものは伝わり、大きくなっていくのである。<評>親から子へ、その子が親になって、また子供へ…と愛情がつながっていくことを「伝言ゲーム」にたとえたところがうまいね!

●惣さん(やき/中2)の作文より(クマのプーさ先生/7.3週)

 だから、僕も1人の世界じゃなくて、自分の知らない世界を知って大人になっていきたいし、そのいろいろな世界の人たちのことも知っていきたいと思う。【評】惣君の年代の人だけでなく、老若男女、みんながこんな思いをずっと大切にしていけたらすてきですね。

●駿介さん(らる/中2)の作文より(ミルクティ先生/7.2週)

 子供というものは、育つ時の環境によって性格や考え方が変わってくる。環境によっては、良くも悪くもなるということだ。これからの世の中は、それをなるべく良い方向にむかわせるのが、一つの問題点なのではないか。<評>最後の文を、読み手に問いかけるような文で書いたところが印象的です。

●横浜太郎さん(あわか/高1)の作文より(けいこ先生/7.2週)

 競争の真の目的は、表の意味は確かに利害をはっきりさせるということだが、そこに隠された真の意味は、相手との違いをはっきりさせて自己を確立し他を認め合う、こういうことだと思う。 評:「競争」の意味を深く考えられた。安易に競争を避けると、実は「認め合えない」という深刻な問題を引き起こすのだね。

●舞さん(あおき/高3)の作文より(こあら先生/7.1週)

 出来あがった言葉を使うことではなく、何かを伝えようと思う心が、今必要とされているのかもしれない。【評】どこかで聞いたことのある言葉をつなぎあわせるのではなく、自分で言葉を探したいですね。

●ノッポさん(いえは/高3)の作文より(森川林先生/7.2週)

 人はそれぞれ顔が違うように性格も異なっているのだから、一つの基準の中で争わせるのは必ずしも公平とは限らない。けれども「人は必ず一つ才能を持っています。」ある日本を代表するトライヤスロンの選手が言った言葉のとおり、一つの分野の競争で負けてしまった人は、ほかの分野で力を発揮させれば良いのである。◆評:こういう引用は、名言の効果があるね。

●恵美子さん(いすあ/社)の作文より(森川林先生/7.2週)

 今の社会では競争は好き嫌いにかかわらず避けて通れないものである。そしてその競争は評点という形でしか評価されないのが現実かもしれない。しかし本当に競争すべき相手というものは、周りにいる「誰か」ではなく自分自身であることに気付き、自分自身が厳しい評点をつけ、またすばらしい評価もできるようにいたいものである。◆評:まとめの意見で、名言のようなスタイルで書いたところがいいですね。最後の文はもっと短くしてもいいか。

 

 

 

 

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