KotobanomoriNo.739

言葉の森新聞

2001年12月2週号

文責 中根克明(森川林)

  兄弟で読書力に差があるとき

 読書の好きなお姉さん(小3)と読書のあまり好きでない妹さん(小1)の二人の姉妹をお持ちのお母様から次のようなお便りをいただきました。

 下の娘が本を読むようになりました。2週間前ころからあれよあれよという間に1冊読み終えてそれが楽しかったようで自分でも満足しています。先生がおっしゃるように上の子と比べて「読まない子」と決めてしまっていたのがいけなかったようです。「たくさん読めたねえ」とほめるとますます喜んで本を読みます。今夜は二冊読み上げて「おもしろかったあ」と言ってねました。まさか、こんな短期間に読むようになるとは……とびっくりです。長文読みなどが役に立っているのだと思います。読書時間も家庭学習の一つとして、親が「あてがう」ということも大切なことなのだなあと思いました。本嫌いにさせることをおそれるあまり、かえって「読みなさいよ」と今まで強制しなかったのもいけなかったように思います。

 兄弟がいると、上の子の得意なものほど、下の子の苦手なものになってしまう傾向があります。

 しかし、これは親の接し方によっても違ってきます。よくある例は、下の子に向かって「お兄ちゃん(お姉ちゃん)は○○が得意だったのに、あなたは苦手なのね」という言い方をしてしまうことです。このときの親の心理は、「だから、そう言われないようにあなたもがんばってほしい」ということなのですが、子供はそうは受け取りません。単純に、「私は○○では認められないから、○○以外のところでがんばろう」と思うようになります。

 これがもし、親が「お兄ちゃん(お姉ちゃん)は○○が得意だったから、あなたも得意なのね」という言い方をすれば、子供の受け取り方も自ずから違ってきます。「ぼく(私)も早くお兄ちゃん(お姉ちゃん)のようになろう」と思うはずです。

 このときに必要なのは、親の工夫です。親の方が大人なのですから、ひと工夫もふた工夫もして、子供がよりよい方向に行くような接し方を考えていく必要があります。

 しかし、その工夫はそれほど難しいものではありません。親がつい「まだだめだねえ」と言いたくなったときに、気持ちを入れ換えて「だんだんよくなったねえ」と言ってあげることなのです。すると、不思議なことに、その言葉に合わせて、子供はどんどんよくなっていきます。

 長文音読のときなどに、この効果はてきめんです。長文はどの学年も、学年相応よりも難しいものを載せています。最初は間違って読んだりつっかえながら読んだりしていて当然です。そのときに、からかったり叱ったりしていては、決して長文音読は上手にはなりません。大切なことは「習うより慣れろ」です。慣れるためには、子供が楽しく読み続けることがいちばんです。子供が長文を読み終えたら、それがどんなにたどたどしくても、「じょうずに読めるようになったね」「難しいのをよく読んでいるね」と肯定的な言葉かけをしてあげてください。

 兄弟で得意な分野と不得意な分野が違うというのは、自然なことですが、こと読書に関しては、どちらか一方が得意でどちらか一方が不得意だという状態を作ってはならないと思います。

 上の子と下の子の読書力の差が明らかな場合でも、それを子供の前では比較せずに、どちらの子もその子だけを独自にほめるという接し方をしていくことが、読書好きの子を育てるために必要です。

  読書を歯磨きのように

 「どうしたら本を読むようにさせられますか」という相談をよく受けます。

 そういう相談をするお母さんほど、自分が子供時代によく本を読んでいるので、どうして自分の子供が本を読まないのかわからないという悩みを共通にかかえています。

 ひとことで言うと、読書の環境は昔も今もそれほど変わりません。むしろ今の方が恵まれているでしょう。しかし、読書以外の環境がこの十数年で激変しているのです。漫画、テレビ、ビデオ、ゲーム、携帯電話、インターネット、メール、学習塾と、親の世代が経験しなかったような環境が次々と現れています。それらがすべて、読書の時間とぶつかるかたちで登場しているのです。

 読書というものは、毎日読む習慣がないと、自然に消滅していきます。テレビも同様で、連続ドラマなどを見出すと、つい毎日気になって見るようになりますが、いったん見ることをやめると、あらためて見たいという気が起きなくなります。

 読書は毎日読んでこそ読み続けられるものです。週に2、3日読むという読書生活はすぐに週に0冊の生活に変わります。週に7日読むときに初めて読書生活が成り立つのです。

 と考えると、読書をさせるためのコツは簡単です。毎日本を読む時間を作ればいいのです。

 ここで問題なのは、自分が本好きのお母さんほど、「読書は強制してまで読ませるものではない」という考えを持っていることです。しかし、昔と今とでは読書以外の環境がまったく違います。最初は半強制的に、「1日○ページ読むこと」というふうに決めなければ読み始められません。「たまには本でも読んだらどう?」という控えめなアドバイスの仕方では、子供が本を読むようにはなりません。「読みなさい」と言って初めて読むことができるのです。

 半強制的に読ませることによって読書嫌いになったという子はいません。逆に、半強制的に読ませることによって読む力がつき、どの子も本好きになっていくのです。

 ですから、親は子供に読書を勧めるときに、子供に歯磨きをさせるぐらいの断固とした確信を持ってさせる必要があります。子供に歯磨きをさせるときに、「歯磨きを無理にさせて、嫌いになったら困る」と心配する親はいません。逆に歯磨きをさせ続けることによって次第に、子供は食後に歯を磨くと気持ちがいいということを実感していくのです。

 また、読書の内容も、子供の興味に合わせて低くする必要はありません。ときどき、「漫画や雑誌のようなものでも読んでいるうちに、もっとちゃんとした読書に進んでいくのでは」と期待するお母さんがいますが、漫画を読んでいるうちに読書も好きになったという子はいません。漫画の好きな子は、そのままずっと漫画しか読みません。それぐらい現代の社会では、魅力的な漫画がふんだんに発行されているのです。しかし逆に、読書の好きな子が漫画も好きだということは自然にあります。だから漫画そのものが悪いというのではありません。漫画が発展して読書につながるという考えが甘いということなのです。

 小学4年生のころまでは、いい本がたくさんあります。このころは読書選びにあれこれ考える必要はありません。、図書館や書店にある本をどんどん与えていけばいいのです。確かに、どの子もおもしろがって読むような本はありますが、親がそういう甘い味付けのある本をわざわざ探してあげなければ読めないということではありません。本として発行されているほどの本であれば、どの本も読み出せばそれなりにおもしろくなるものです。

 家庭での毎日の勉強が終わったら、子供に向かって、「はい、勉強のしめくくりは読書50ページね。それが終わったら遊びなさい」と言うだけです。それを歯磨きと同じように毎日続けていけば、どの子も例外なく読書好きになっていきます。読書50ページは、小学校高学年の子が普通に読んで約1時間ほどかかる長さです。低中学年の子は、その子の読む力に合わせて、ページ数を少なくしていけばいいと思います。また、低中学年のころは、読み聞かせも読書と同じ効果があります。読み聞かせは幼稚園までと思わずに、小学校4年生ぐらいの子でも、寝る前の本読みをときどきしてあげるといいと思います。ただし、コツは「優しく楽しく面白く」ですから、読んだあとに問題を出すようなことはしないで、にっこり笑って寝るだけにしてあげてください。

  読み書き計算の力

 文部科学省の進めるゆとり教育の中で、子供たちの基礎学力は確実に低下しているようです。

 公立小学校では多すぎる行事によって、公立中学校では過度のクラブ活動によって、子供たちの学習時間は、年々少なくなっています。子供たちの学力を保証していくためには、家庭での学習が欠かせません。その家庭学習の中心は、読み書き計算です。今回はその中で計算の話を。

 「続見える学力、見えない学力(岸本裕史著 大月書店)」によると、小学生時代の基礎計算力の中で難関となるのは四つあるそうです。

(1)一位数どうしのくり上がり足し算(7+4のような例です)

(2)その逆の引き算

(3)かけ算九九

(4)くり下がりのあるあまりづきのわり算(下にその例を100題載せています)

 この岸本氏の提案を具体化して実践している兵庫県の山口小学校の例が、「週刊ダイヤモンド2001年2月10日号」に掲載されています。(http://www.yoshiko-sakurai.net/works/works_diamond_010210.html)

 この記事を読むと、子どもたちの学力を保証するのは、長時間の塾通いや特別の教材ではなく、ごく平凡な毎日の学習の積み重ねであることがわかります。

 中学生で数学の計算ミスの多い子がいます。知的能力は十分にあるのに、小学校時代の計算練習を学校にまかせていたために基礎計算力が十分に身についていない子です。

 基礎計算力があるかどうかをチェックするために、次のわり算100題が5分以内でできるかどうか試してみましょう。この間違えやすい100題のわり算は、岸本氏の友人の三木俊一氏が発見したものです。

 試しに、私(森川林)がやってみたら、50題までやったところでもう4分30秒になっていました。(^^ゞ

51÷8= 26÷9= 21÷6= 51÷9= 71÷9= 21÷8= 13÷9= 54÷7= 30÷4= 60÷9= 

62÷7= 20÷9= 71÷8= 11÷3= 13÷8= 11÷6= 31÷4= 32÷9= 10÷3= 20÷8= 

32÷7= 10÷8= 41÷6= 15÷9= 22÷9= 40÷9= 52÷8= 60÷7= 52÷7= 30÷8= 

20÷7= 44÷9= 12÷8= 23÷6= 80÷9= 11÷7= 33÷9= 10÷4= 41÷9= 61÷8= 

60÷8= 55÷8= 31÷7= 52÷9= 31÷9= 20÷6= 54÷8= 13÷7= 10÷6= 43÷9= 

21÷9= 62÷8= 41÷7= 55÷7= 22÷8= 17÷9= 62÷9= 14÷9= 30÷7= 50÷7= 

15÷8= 51÷7= 35÷9= 16÷9= 11÷4= 61÷9= 14÷8= 34÷7= 24÷9= 12÷7= 

53÷9= 63÷8= 11÷8= 50÷6= 70÷8= 11÷9= 22÷6= 52÷6= 25÷9= 31÷8= 

33÷7= 10÷9= 40÷6= 50÷9= 34÷9= 53÷8= 61÷7= 51÷6= 20÷3= 23÷9= 

70÷9= 50÷8= 23÷8= 53÷7= 53÷6= 42÷9= 30÷9= 12÷9= 10÷7= 40÷7= 

 「確かな学力を育てるポイント」にくわしい説明が載っています。

(http://www2.nkansai.ne.jp/sch/hpkage/kyousi/education/gakuup/keisan.htm)

  光る表現(小1−小4) 2001年12月2週号

●みのちゃんさん(いぬほ/小1)の作文より(森川林先生/11.3週)

 (ハムスターのクリンのはなしで)このあいだ、おみせのだきまくらのぬいぐるみみたいなことがありました。トイレットペーパーのしんのなかから、かおをだしてねていました。わたしは、「とってもにているな」とおもいました。◆評:見てみたかった(笑) 先生のうちのハムスターも、このまえ、まわし車とケージの間にはさまってじたばたしているようすがおもしろかった。

●樹里杏さん(あろも/小2)の作文より(ゆうこ先生/11.3週)

 でもいまむずかしいきりんざもおぼえようとするところです。がんばってやってみます。【講評】大好きな星のかんさつ、これからもがんばってくださいね☆

●かっぴーさん(いくす/小2)の作文より(けいこ先生/11.3週)

 わたしがふしぎに思ったことは、バスの天じょうにも「ボタン」がついていたことです。どうしてふしぎに思ったかというと、天じょうにあるボタンをどうやっておすのか、わかんなかった(の)です。わたしだったら台にのってジャンプをしておすかもしれません。 評:生活かのじゅぎょうで、バスにのってかいものに行ったときの話。あんな高いところにあるボタンをおせるのは、すごく背が高い人だろうね。先生もとどかないなぁ。

●充さん(いさせ/小2)の作文より(スズラン先生/11.3週)

 ぼくがいちばんとくいなのは、ゴールキーパーです。しあいのときに、コーチが「パス、パス」と、大きな声で言ってくれます。:評:コーチの大きな声が聞こえそうですね。

●さくらんぼさん(いそら/小2)の作文より(スズラン先生/11.3週)

 (お友達がいそらさんのくつをふんでしまい、べつのお友達から「あやまりなさいよ」と言われた場面)「あやまりなさいよ、はやく。」と、田代さんにおこっていました。田代さんは、すぐないてしまいました。ないてしまったら、わたしがわるくなってしまったと思ったので、田代さんをなぐさめました。「田代さん、これは古いし、ちょっとだけぼろなんだよ。田代さんも人のくつをふむのを気をつけてね。」と言いました。:評:くつのそこが半分とれかかったほどだったのに、ふんだ人をなぐさめていたのは、お友達を思いやっていたのですね。こういうやさしい気持ちはうれしいですね。

●ミニリュウさん(いにと/小2)の作文より(ぴのこ先生/11.4週)

 でもぼくには、最きょうのベイが残っている。かてるはずだ。これにまけたらだれにもかてない。だから、がんばる。)それで、次は星じゅうがついているトライホンにきめました。(このベイは、山ちゃんにしかまけたことがないから、ぜったいかてるはずだ。大羽くん、ごめんね。全ぶたおすけどよういはいいかい。ぼくがかつからね。)と考えていました。【評】しんけんしょうぶの前におもったこと、うまくかけたね。読んでるほうもドキドキします。

●崇さん(いえの/小3)の作文より(クマのプーさん先生/11.1週)

 友達と遊べなかったけれど、僕にとっては、おばあちゃんに会いに行くことの方が大切だったと思います。【評】振り返って語る、このしみじみとした言葉には、やさしさや思いやりがあふれていますね。

●泰児さん(いおと/小3)の作文より(ぴのこ先生/10.4週)

 さてとうとう最後の一けたです。・・・・・・・赤が・・・・・・・・・0、そして白が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そして一分たちました。まだ発表されません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・とうとう発表されました。(その時ぼくははらはらしていました。)ジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャン!!白が四!!!!そのしゅんかん白のスタンドで「イエーーーイ、やったーーーー、白が勝ったー。」と言う大声がばくはつしました。【評】ハラハラドキドキ。うまく書けたね!

●瑞幾さん(いおね/小3)の作文より(ドラえもん先生/11.3週)

 なぜかというとかみをきらないんだったらかみはながいしあたまはぼさぼさなアインシュタインをそうぞうするとわらってしまうからです。(「ぷっ」とふきでるくらい。)【評】「ぷっ」とふきでるくらいという表現がおもしろいね。ボサボサ頭のアインシュタインを写真か何かで見たことがあるかな?なければ、見てみるといいね。(^o^)

●ラーメンさん(いおら/小3)の作文より(ふじのみや先生/11.2週)

 お父さんが「ビールを取ってちょうだいな。」と言ったので、冷蔵庫からビールを取りだしお父さんに渡しました。渡す前に、心の中に悪魔がめばえました。ビールのかんをかくしながら、さりげなく、ビールのかんを振りました。いよいよお父さんがビールのかんをあける時が、やって来ました。お父さんがかんをあけると、ブハッとビールのあわが出てきて、お父さんの手をあわでうめつくしました。 家族のみんなが大ばく笑してくれました。 評:心の中に出てきた悪魔がいたずらをして、最後にブハッ! だんだんもりあがる様子をいきいきと表現したね。

●まいまいさん(いかす/小3)の作文より(さかな先生/11.3週)

 「ほら!早く集まりなさい!!」 それまでワイワイがやがやしていたみんなが、いきなりシーンとなりました。まるで、音楽の指揮がいきなり止まったみたいでした。「学芸会まであと五日しかないんだよ!練習できる期間は短いんだからしっかりやんなさい!!」★評:先生の迫力(はくりょく)ある言葉で、みんなが急に真剣(真剣)になった場面が目に浮かびます。そのいっしゅんをとらえたたとえがうまいね。

 

●くろくるくんさん(いかゆ/小3)の作文より(さかな先生/11.3週)

 クイズでなやんでれて、やっと答えをだしてくれたしゅう(ん)かん、なぜかとてもうれしい気持ちになりました。★評:心のこもった交流ができて良かったね。自分の気持ちの動きをていねいに見つめることができました。。

●りんちょさん(いしろ/小3)の作文より(スズラン先生/11.2週)

 (初めてのおつかいで)お金をはらうときは、レジを見ます。そしてお金をわたして、おつりがいくらになるか計算します。おつりをなくさないようにしながら家に帰りました。:評:初めて一人でお買い物に行っても、ちゃんとおつりの計算をしたり、たのもしいですね。すごいなぁ(^○^)

●ちーさん(いぬえ/小3)の作文より(森川林先生/11.4週)

 みのりは朝なかなかおきません。フライパンをおもいっきり木べらで、十回い上たたいてもぜんぜんおきません。けれど、テレビの番組で、うらないがはじまると、まるで、とう牛がとっ進してくるように、ドドドドドーとパジャマのまま走ってきます。◆評:すごいたとえ!! テレビにぶつからないようにね。

●YOTOさん(いせい/小4)の作文より(ぴのこ先生/11.4週)

 ふつうトンボは幼虫でえっ冬するけど、ホソミオツネントンボとオツネントンボは、成虫でえっ冬します。この二種には、もう一つおもしろいとくちょうがあります。それはえっ冬するときは茶色でほご色なのに、春がくるときれいな青にかわります。【評】とくちょうのところ、とてもふしぎだね。実際に写真なんかで見てみると、びっくりするくらい違うんだろうなぁ。

●アミーゴさん(いそと/小4)の作文より(ゆうこ先生/11.3週)

 わたしは、この長文を読んで、お米を大切にすることを知りました。私達人間は、必ずなにかを食べなければ死んでしまいます。お米(ごはん)だけではなくて、ほかの野菜や、くだ物も、人間の体に必要なのかもしれません。(ビタミンAやBなど)食べ物が食べられない人達のためにも、きらいな食べ物を残さずに食べたいです。【講評】アミーゴさんの心がけはすばらしい!!長文を読み、「お米」以外の食べ物にも触れて書いてくれましたね。

●PINPAさん(いなに/小4)の作文より(みのり先生/11.4週)

 わたしは目がまわるほどあるお店のチョコレートがふくろに入っていくのに見とれてしまいました。(評)大好きなチョコレートが目の前でどんどん袋(ふくろ)の中に入っていくながめはまさに「うっとり」って感じだね。ちょっとおとなっぽいきれいな表現で良かったです。

●れもんさん(ふれ/小4)の作文より(さかな先生/11.2週)

 「ねえ、お母さん。朝何時に出ればいいの。」朝、学校へ行くために、自分から進んで、あんなに早起きをしたのは、最初で最後でした。 それは待ちにまった入学式の日のことでした。★評:会話からの書き出し、面白い読み物の始まりのようだね。

  光る表現(小5−社) 2001年12月2週号

●DD51さん(あある/小5)の作文より(ゆり先生/11.3週)

 人間は、一度こうだと確信したことは、自分がそうではないと思うまで、ちがうことをあっていると思ってしまうのだろうか? けれども、この実際とはちがうじょうしきがないと、絵の水はもちろん、太陽などもえがきにくくなる。【評:実際のホントのこととはちがっても、”じょうしき”の通りの方がわかりやすいこともあるものね。いいところに気がついたね。】

●すみすみさん(あない/小5)の作文より(えみ先生/11.3週)

 そして、ケーキのろうそくをふーーっと吹き消す。この瞬間に、 「本当に〇〇歳になったんだな・・・。」 と言う実感が湧く。私は、毎年毎年ケーキのろうそくが、一本ずつ増えていくのを見て、とても嬉しい。【評】誕生日をむかえる喜びがとても素直に表現できています。(先生も年の数だけろうそくをたてるのだけど、ケーキがハリネズミのようです・・)

●あずささん(ありな/小5)の作文より(スズラン先生/11.2週)

 「読書は人生を豊かにしてくれる」と母はよく私に言う。好きなことがひとつでも多いと、それだけで人生は楽しくなる、とも言っている。:評:お母さんの言葉どおりですね。本は、特に悲しい気持ちのときなど味方になってくれそうです。

●あずささん(ありな/小5)の作文より(スズラン先生/11.3週)

 なんでもただそれだと思いこんでみていたら何の効果もない。不思議に思わなくても調べてみるとより良くわかる。日常生活において、ものをよく見ていると、疑問を持つことができる。:評:普段の生活のなかで、こういうものの見方をしておくことが大切ですね。大切なものを見過ごしてしまわないようにしたいですね。

●うさぎさん(いそに/小5)の作文より(スズラン先生/10.1週)

 母は、養護学校の先生になったのだが、やっぱりこの仕事をするのはすごく大変だと思う。少し母を尊敬しようと思う。:評:いそにさんも障害がある人に実際に接して、お母さんがしていることの大変さが分かり、今では応援している気持ちが出ていましたね。

●うさぎさん(いそに/小5)の作文より(スズラン先生/11.3週)

 私の見たもみじは、どす黒い赤や、黄色とオレンジとみどりのマーブルだった。ちゃんとした赤や黄色もあったが、ほとんど、どす黒い赤だった。私は、最初、もみじを見たとき、ほかの木かと思ったぐらいだ。そう、私はずっと思いこみをしていたのだ。:評:紅葉狩りに行って良く見た結果、いろいろな色があることを発見、思い込みで考えていてはいけないことを体験しましたね。(-_-)講評が遅くなってすみませんでした。

●たこ焼きさん(いとつ/小5)の作文より(ぴのこ先生/11.4週)

 現在日本の約7分の4の若い人達はやわらかいもの、薬をたくさん使っているもの、あまいものばっかし、また辛いものばかり食べていると思う。そんな体に悪いものばかしたべて、体に良い野菜などを食べない日本人がおかしいと思う。外国からの輸入品も、どんなものをつかっているのかもわからないで食べるのはとても不安だ。今若い人にも、冷凍物などではなく、自分で作ってそして、そのおいしさを味わって欲しいし、また地球の味を味わって欲しいと思う。そんな気持ちがいつまでも。【評】地球の味、そうだね、大切にしたいね。

●真太郎さん(いかせ/小6)の作文より(さかな先生/11.2週)

 コンクリートの建物は丈夫で、火にも強いです。コンクリートにはコンクリートの良さがありますが、人間は木に囲まれた方が安心できるのではないかと思いました。(中略)。人間は昔から木と共に暮らして来ました。しかし、人間はむやみに伐採したり、焼いたりして木々を少なくしています。人間は、木の良さを再認識し緑を大切にするべきだと思いました。★評:反対意見を取り入れながらも、木の良さについて丁寧に綴ることができました。静かな語り口だけれど、力強さを感じたよ。

●史子さん(いぬは/小6)の作文より(こあら先生/11.3週)

 (八景島シーパラダイスに行って)エスカレーターの横や上に魚が泳いでいることです。初めて見たのでとてもおどろきましたが、かわいくて、ぼーっとしてしまいました。【評】あまり考えたことなかったけど、魚って案外かわいいのかも…目なんてまんまるだしね(笑)

●あつしさん(あむら/中1)の作文より(ゆうこ先生/11.3週)

 まるでボランティア活動に参加したようにすばらしいことだと思います。そのプレゼントが渡せなくてもきっと心のプレゼントは渡せたのではないかと思います。【講評】あつし君のやさしい気持ち、温かい心が文章に表れていますね☆

●晃章さん(あらか/中1)の作文より(ゆうこ先生/11.2週)

 すると数学や社会が好きだった方が多かったです。残念なことに、ぼくの好きな理科が挙げられませんでした。ぼくは今までお年寄の方と接する機会があまりありませんでしたが、いっしょに給食を食べながらお話をうかがってみて、心が通じたような気がします。とてもいい経験になりました。【講評】正しく敬語がつかわれていて、好印象です!日本語は難しいですね・・・・・・。

 

●祐司さん(には/中1)の作文より(さかな先生/11.2週)

 しかし「雑草とは、まだ、美点が発見されていない植物のことである」という名言があるように、創造的なことばの大切さはあまり認識されていないが、その特徴を理解して効果的に使っていくべきだと思う。 ★評:名言がまとめにぴったりと合っています。一見、言葉とは関係のなさそうな雑草の話と結びつけて表現するのも、創造的な言葉の一例と言えそうだね。

●ナッキーさん(あうく/中2)の作文より(さかな先生/11.3週)

 本当に人々の心に焼きつけられるようなものならば、それは何年たっても色あせることなく人々の心に残っているのだろう。★評:そのように価値ある本との出会いを大切にしたいものですね。

●クラシックさん(しふ/中2)の作文より(けいこ先生/11.3週)

 流行という荒川は、流れにいろいろな漂流物を乗せてこうこうと流れ行く。その漂流物を、人々は、わくわくしながら眺めているのだ。だが、荒川が新しいものを岸からさらい、古い漂流物を岸へと押し出した時、誰一人その今の今まで漂流していたものを見ようとはしない。古典とは? それは、荒川に逆らいながら、くるくると回る葉っぱである。いつまでたっても回り続け、いつまでたっても人々を惹きつけ続ける、一枚の葉っぱである。 評:流行を川に見立てたことで、移ろいゆくさまをうまく表現できた。

●TERUさん(ふり/中3)の作文より(ゆうこ先生/12.1週)

 かなり長文から話しが反れてしまったが(笑)、名前というのはただ人を呼ぶための便利なものなだけではない。自分たちの親が懸命に考えてくれた素晴らしいものだ。それぞれの親の「こんな子になってほしい」という願いが込められており、またその親につけられた子は、それを将来誇りに思えるようなものになっていくのだ。そんな名前を人間は大切にしていかなくてはいけないと思う。私もこのような珍しい名前をつけてくれた親に感謝し、もっとこの名前にこめられている意味をわかっていきたいなと思っている。【講評】TERUさんのお名前はとても素敵です!

●稔央さん(いつや/社)の作文より(森川林先生/11.3週)

 つまり、商品に関して言えば基本的に消費者にはいいものか悪いものかを本当に正しく決める権利はないのである。風評だとか雰囲気だとか、何かはっきりしないものに頼らざるを得なかった。 Oリングが画期的なのは答えが自分の体の中にあることを発見したことである。◆評:最後の一文は名言になっている。自分の体の中に答えがあるという商品がこれからいろいろな分野で出てきそうだね。

 

 

 

 

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