言葉の森新聞2004年2月1週号 通算第825号
文責 中根克明(森川林)

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■■来週2.2週に作文のテスト
 来週2.2週に、作文進級テストを行います。課題フォルダの項目表の●印が全部できることが合格の条件になります。キーワードと字数が採点の基準ですので、指定された字数以上で必要な項目が全部入る作文を書いていってください。中学生以上の時間制限については、今回は採点の基準にしませんが、できるだけ時間内に書き上げる力をつけていきましょう。
 キーワードは、カッコ書きで書いてもいいようになっています。作文を書き終えたあとに読み返して、抜けているキーワードがあったら入れておきましょう。キーワードを書くかわりに作文シールをはっておいてもいいです。
(小学2年生までの生徒は、試験は行いますが、全員進級扱いで先の級に進みます。項目やキーワードの意味がまだよく理解できないときは無理に項目に合わせて書かなくても結構です)
※1月に入会した生徒は、進級試験の結果にかかわらず、4月からの課題は全員進級扱いとなります。


■■1月の学級新聞から すぎ先生
【子供たちのすばらしい感性】
「ただいま! お母さん、図工で作った『ものおき』、玄関においておくよ!」
「えっ? 何を作ったって?」
「だから『ものおき』だってば。」
「はっ? 『ものおき』って……。そんなもの図工でつくったの?」
台所仕事で手が離せない母の頭の中には、『さすが○○。百人乗っても大丈夫。』のイメージが浮かんでいます。学校でそんな巨大なものを作るとは!?
 驚いて玄関に行ってみると、かわいらしいピンクのウサギがちょこんと置いてありました。一瞬の沈黙のあと、プッと吹き出しました。
「何笑ってるの?」
と娘はふくれっ面でしたが。
 『物置』と『置きもの』とは、全く違うものだと思っていましたが(当たり前ですね)、言葉はそっくりだったのですね。おかげで新しい発見をしました。
 前置きが長くなりましたが、子供たちの作文を読んでいると、大人が思いもよらないような面白い感性に出会えることがよくあります。(上の例は感性とはちょっと違いますが。)大人と比べて語彙は少ないけれど、その時代にしか書けない貴重な記念品です。お父様、お母様も、そんな今だけの感性をどんどん楽しんでみてください。そして、書きあがった作文は写真のアルバムと同じように、ずっと大切にしてくださいね。
<<えg2003/1226103548み>>


■■1月の学級新聞から なおこ先生
 音読って、なんだか国語の成績が良くなりそうだけれど、どうしてだろう。この疑問に少し答えてくれる本に出会いました。その名も「『音読』すれば頭がよくなる」です。(東北大学の医学関係の川島教授の本です。)
 言葉には、耳から入って口から出す「音韻(おんいん)言語」と、目から入って書いて出す「文字言語」があるそうです。音読は、目から入って口から出して、もう一度耳から入るという複雑な作業なので、脳が右脳も左脳も活発化され、血流が増えるのです。文章を読むと脳のあらゆる部分が活性化されるのですが、音読ではこの働きがさらに強くなる、そして結果として頭の神経回路が増えて、頭がよくなるということです。(もちろん、国語力もアップです!)
 音読の実行方法としては、朝10分、朝食後が脳に栄養が行って効果的なのだそうです。頭をかなり使うので、集中できる時間は10分が目安ということでした。言葉の森の長文音読はこの方法でやってみるとよいでしょう。
 また、長文が難しすぎるのでは、という心配はご無用。意味がわかって読んでいる時は語彙を蓄積する場所が活性化され、意味がわからない時は意味を理解しようとして左脳の言語中枢が活性化されるそうです。何回も読んでいるうちに段々意味がわかってきたなんていうのは、いろいろ活性化されて良さそうです。(笑)
 脳活性化という点では、今はやりの百ます計算を上回るそうなので、まず長文音読を日課にしましょう。そんなに頭にいいならもっと音読がしたいという人は、時間をあけて飽きないように(脳は飽きやすいので)成績アップしたい教科の教科書や塾のテキストにも挑戦してください。
<<え436み>>


■■1月の学級新聞から あお先生
<<え3247み>>★絵は大事★

 みなさんの項目表には“絵をかく”というのがありますね。●ではないので、なじみのない人もいるかと思いますが、この絵を描くという作業、実は作文の大きなヒントとなります。(12月に発行したのでまだ●でなかった
 たとえば、こんなふうです。まず作文を書く前に、今日いちばん書きたい場面の絵を描いてみます。お友達のA君とジャングルジムで遊んでいる絵を描くとします。それだけでまず“いちばん(中心を決める)”が使えますね。

→今日、A君と公園に行きました。いちばん楽しかったのはジャングルジムです。

という具合です。
 次にジャングルジムの説明をしてみましょう。えんぴつでちゃっちゃと描いてあるいいかげんな絵(笑)をもっとうまく伝えるために、“たとえ”を使うといいと思います。

→ジャングルジムはまるで何かの骨のようです。僕はジャングルジムを見ると、前に図鑑で見た恐竜の骨を思い出します。

とすれば、“前の話”が入りますね。さらに……

→僕は恐竜が大好きです。なぜかとういと恐竜は大きくてかっこいいからです。

と“なぜかというと”も入れます。
 ここでネタが尽きたなあと思うとまた絵を見ます。絵からネタ探しをするのです。すると、気付くのです。あ、A君のこと、まだ何にも書いていない!って。

→僕はA君に聞きました。
「ねえねえ、ジャングルジムって恐竜の骨格みたいじゃない?」
するとA君は
「うん。僕もずっとそう思っていたんだ。ここのジャングルジムはプロトケラトプスの骨格みたいだね。第一公園のはトリケラトプスみたいだよ」
と得意げに語りだしました。たぶんA君は恐竜が大好きなのだと思います。今度いっしょに恐竜の図鑑を見たいです。

“会話”“いろいろな言った”“たぶん”“思ったこと”が次々入りました。
 他にも絵を見ているうちに、“天気はどうだったかな?”とか“時間はいつ頃だっけ?”とか“そうそうジャングルジムから落ちてこの辺に
すり傷を作ったっけ”とかいろいろなネタを思い出します。使っていない項目があったら付け足します。たとえば“色音感じ”が抜けていたら、

→初めは白くてふわふわだった雲も、だんだん今にも雨が降ってきそうな重たい灰色になってきたので家に帰ることにしました。

と付け加えます。付け加えは文の途中にふきだしの形になっても構いません。ついでに言うと、付け加えは少しも格好悪くありません。ワープロを使う大人は付け加えを繰り返しながら文章を作ります。きれいな作文は月一回の清書のときだけでじゅうぶんなのです。
 さあ、絵を使うとスムーズに作文が書けそうな気がしてきましたか? 絵からはじめるネタ探し、試してみてくださいね(^o^)丿


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