言葉の森新聞2004年11月4週号 通算第864号
文責 中根克明(森川林)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇創造性を育てる作文・読解・国語◇◆◇◆◇
                              
    毎週担当の先生から電話の指導がある続けやすい通信講座
    自宅で無料体験学習を受けられます
    お申し込みはこちらからどうぞ
    https://www.mori7.com/

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■■1月作文検定で、団体受検校の募集始まる

 9月に、日本語作文小論文検定協会を設立しました。これは、言葉の森とは独立した組織で、全国の小中高生を対象に作文検定を実施することを目的としています。独立しているとは言っても、メンバーは言葉の森と重なっているところが多く、一種の姉妹組織のような関係です。
 日本語作文小論文検定協会では、1月の作文検定実施に向けて、団体受検校を募集しています。父母の皆様で、学校や学習塾などに関係される方がいらっしゃいましたら、「作文検定ガイド」をお送りします。郵送をご希望の方は、お電話かインターネットでお申し込みください。
電話:0120-31-3987(045-830-0383)
インターネット:


■■11月23日(火)は休み宿題
 11月23日(火)は、休み宿題です。先生からの電話はありません。その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日午前8時半〜午後8時。電話0120-22-3987)

■■11.4週は清書
 毎月第4週は清書です。担当の先生の説明を参考にして、返却された作文の中から自分でいちばんよいと思うものを選び、作文用紙に清書してください。(一度清書したものは、清書しないように注意してください。また、ほかの人の作文を写して清書にすることのないようにしてください)
 なお、今月から、清書提出の際の注意事項が何点が変わっていますので、注意事項をよく読んで提出してください。

 清書は、次の月の4週の「山のたより」に掲載されます。
 清書の意義は、次のとおりです。
(1)これまでに書いた作品をよりよいものに仕上げること(小学生の場合は字数を増やす、表現を更に工夫するなど、中学生以上の場合は字数を短くまとめるなど)
(2)他の生徒の清書を読む機会を持つこと(自分の清書を他の生徒に読んでもらう機会を持つこと)
(3)新聞社に投稿する機会を作ること
 このほかに、(4)パソコンで入力する練習をする、(5)他の生徒の前月の清書に対して感想を書く、などに取り組むこともできます。
【注意事項】
●清書は、黒いペンで書いてください。
(鉛筆だと薄すぎたり、濃すぎたりして、うまく読み取れない場合があります)
●左上に、バーコードシールをはってください。
●バーコードシールは、その月のものを、ページ順に、まっすぐにはってください。
●絵や感想だけの用紙にも、バーコードシールをはってください。
●1枚の用紙の裏表を同時に使わないでください。
●独自の用紙を使う場合は、作文用紙と同じサイズにコピーを取り直してください。
(バーコードシールのないものや間違ってはられているものは、印刷日程の関係で翌々月のプリントなりますのでご了承ください)

 新しく教室に入ったばかりの人は、返却されている作文がない場合もあります。また、返却されている作文の中に清書するものがない場合もあります。そのときは、自由な題名で作文を書いて送ってください。
 清書は、2〜5人のグループ(広場のグループ)ごとにプリントして、翌月の4週に、「山のたより」と一緒にお渡しします。この清書は、インターネットの山のたよりでも見ることができます。
 用紙の空いているところには、絵などを書いて楽しい清書にしてください。色はプリントには出ません。
 感想文を清書する場合は、最初の「三文抜き書き」や「要約」はカットするか、簡単な説明に変えておく方が作品としてまとまりがよくなります。
 中学生以上の人が清書を新聞社に送る際の字数の目安は、500字程度です。長すぎる場合は、新聞社の方でカットされて掲載されることがあります。字数を縮めるときは、いろいろなところを少しずつ縮めるのではなく、段落単位でまとめて削るようにしていきましょう。第一段落の要約と第三段落の社会実例は削除し、名言や書き出しの結びなどの表現の工夫も削除し、第二段落の体験実例と第四段落の意見だけでまとめるようにするといいと思います。
 清書は、ホームページから送ることもできます。作文をホームページから送るときと同じように送ってください。

 よく書けた清書は、自分で新聞などに投稿してください。二重投稿になる可能性があるので、教室の方からの投稿はしません。(港南台の通学生徒の場合は、教室から投稿します)
 手書きで清書を書いている人は、その清書をコピーして、原本を投稿用に、コピーを提出用にしてください。
 パソコンで清書を送信している人は、その清書をワードなどにコピーして投稿用にしてください。
 新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(ペンネームで書いている場合は本名に訂正しておいてください)
(2)学年
(3)自宅の住所
(4)自宅の電話番号
(5)学校名とふりがな
(6)学校所在地(町村名までで可)
●朝日小学生新聞の住所
104−8433 東京都中央区築地3−5−4 朝日小学生新聞 「ぼくとわたしの作品」係 御中
●毎日小学生新聞の住所
100−8051 東京都千代田区一ツ橋1−1 毎日小学生新聞 さくひん係 御中


■■父母の広場より

中学生のお勧めの本(中1父母)
 中1向けのお勧めの著書がありましたら、紹介してくださると助かります。よろしくお願いいたします。

勉強として読むとともに、楽しみとしても読む(教室より)
 小学生対象の本の充実度に比べると、中学生の本は探すのにかなり苦労します。
 言葉の森の図書一覧表も参考になりますが、絶版になっているものもあると思います。
http://www.mori7.com/tosyo/
 説明文的な本では、ちくま少年図書館のシリーズや岩波ジュニア新書のシリーズがおすすめです。いずれも、中学生から高校生向けに書かれているので、中学1年生では難しいものもあるかもしれません。
 読書の時間があまり取れないときは、高校入試の国語の問題集の問題文を読書がわりに読んでおくといいと思います。
 読書は勉強の一つという位置づけで読む必要がありますが、勉強という点からだけ読んでいると読書量がはかどりません。楽しみのために読むという本も必要ですから、文庫本で出ている軽い読み物なども入れて幅広く読んでいくといいと思います。


夏休み・冬休み(小1父母)
 夏休みや冬休みなどは、例年どのようになっていますか。

夏休みも冬休みもほぼ通常どおり(教室より)
 くわしい予定は、森のカレンダーに載せています。
http://www.mori7.com/cal/
 夏休みも冬休みも、ほぼ通常どおりの授業です。
 夏休みは、塾の夏期講習や合宿や帰省などがあるので、授業時間に電話に出られないことも多いと思います。その場合は、ふりかえの授業や、帰省先への電話の転送などで対処してください。8月にできなかった分を、7月や9月にふりかえることもできます。


生徒数について(小4父母)
 教室の生徒さん、通信生の方、それぞれ何人ぐらい在籍されているのでしょうか。差し支えなければお知らせください。

「生徒グラフ」のページに (教室より)
 生徒数は、「生徒グラフ」のページに掲載されています。
http://www.mori7.com/graph/
 学年別の内訳では、小学3〜4年生が最も多く、その後なだらかに少なくなり、高校3年生でまた多くなります。
 これは、現在の受験勉強の様子を反映していると思います。
 今後、作検(作文検定)などで、中学生や高校生で作文の授業が増えると、中高生の生徒がもっと増えてくると思われます。


言葉の森の勉強が生活の中に定着(小5父母)
 言葉の森を始めてまる2年が経ち、週一の作文がすっかり生活の中に定着しました。あんなに奇妙に聞こえた音読も、日本語らしくなってきました。読書も毎日とは言えませんが、日平均50ページクリアしているようです。国語に関しては、これを勉強の主な軸としております。


国語の勉強は家庭学習が中心(教室より)
 5年生から長文音読の習慣をつけるのは、かなり難しいので、親の強力なバックアップが必要です。読書50ページの方は、読書自体が楽しいので、習慣として定着するのは比較的早いと思います。
 国語の勉強は、「難読の復読」と「多読の速読」に尽きます。それ以外の国語の勉強は、ほとんど意味がありません。
 国語の成績を上げるには、このほかに解き方のコツのようなものがありますが、これは、読書で実力をつけた生徒であればすぐに身につくものです。
 国語に関しては家庭学習を中心にということでこれからもやっていかれるとよいと思います。


のびのびと書いている(小2父母)
 のびのびの作文を書いています。母は、一緒に作文に関わるという感じではなく、聞かれたことだけ答えているという感じで、とても楽をしています。先生からいただいた注意点をよく覚えていて、清書のとき、気をつけているようです。ご指導に感謝いたします。

褒めることと、実力をつけることを中心に(教室より)
 低学年の作文に対する親の接し方としては理想的な姿だと思います。
 子供はもともと書くことが好きですから、書いたものを褒めて励ましてあげれば、どんどん書いていきます。
 その一方で、長文音読や読書の自習を地道に続けて実力をつけていけば、やがて、親が褒めなくても子供が自分の自信に裏打ちされて書いていくようになります。
 作文指導というと、つい書いた作文そのものを直すことを考えがちですが、直すことは、直す側の自己満足に終わりがちで、直される子供のためになっていないのがほとんどです。直す指導を続けていると、直す側はますます大変になり、直される側はますます書くことが嫌いになっていきます。直すのではなく自習で実力をつけることを中心にして、これからも勉強を続けていってください。


■■読書週間(さば/たけ先生)
<<え92み>>
 さて、10月27日から11月9日までは「読書週間」です。調べてみてびっくりしたのですが、この「読書週間」の歴史は古く、昭和22年に第1回が開催されたそうです。戦後まもない混乱の時代、そんな中でも読書の大切さを呼びかける人たちがいたのですね。あるいは大変な時代だったからこそ、大切にしたいものだったのかもしれません。そうして21世紀の今まで、「読書週間」の歴史は続いているのです。
<<え599み>>
 私は、今でこそ趣味は「読書!」と大きな声で言えるようになりましたが、本格的に本にのめりこんでいったのは、はずかしながら高校生のころです。小学生のころは少〜し読んでいました。お気に入りだったのは那須正幹さんの「ズッコケ」シリーズや宗田理さんの「ぼくら」シリーズです。今でも人気がありますね。でも中学に入ると部活に夢中で読書どころではありませんでした。
 それがどうして本を読むようになったかというと、ある1冊の本と出会ったことがきっかけでした。人との出会いと同じように、本との出会いが人生を変えることも、大げさではなくあるのですね。その本にはたくさんのことが書いてありました。絵や音楽など芸術の話、外国の本やむかしの本など文学の話、歴史や医学についてのこと。本当にたくさんです。そして、その本を読み終わったとき、これらのことを「もっと知りたーい!」と思ったのです。それからが私の読書人生の始まりでした。
 これが良い本に出会うということなのではないでしょうか。1冊の本から「もっと知りたい」(つまり興味、ですね)をたくさん引き出し、その興味が次の本に手を伸ばすきっかけとなる。それがどんどん輪のように広がって、見える世界もまるでジグソーパズルを組むようにみるみる広がっていく。その輪の中心にあるのがその人にとっての良書というわけです。どの本が良書になるかは人それぞれです。たとえば「ハリーポッター」を読んでイギリスや魔法に興味を持ち、自分で調べてみた人は「ハリーポッター」がその人にとっての良書と言えるでしょう。
<<え1678み>>
 私がその本に出会えたのは高校生のときですから、「もっと早く読み始めていたらなあ」と今でもときどき思います。みなさんにはこれからまだまだたっぷりと時間がある! まずは読書週間の期間中に1冊本を読んでみましょう。すてきな本との出会いがあればいいですね。


■■「考える」こと(うさぎ/きら先生)
 そのまんまの「たとえの表現」ですが、言葉の森の教材は森のように深くひろがっています。難解なものも多いです。高校生の長文ともなれば、科学や経済、哲学、人類学、多方面にわたっており、読み応えじゅうぶんです。私も、勉強させていただいています。 「この長文の感想文には、どんな体験を用意することができるかな。」「どういった問題を提示し、方法を挙げていけばいいかな。」じつは、これは「正解」となるものがたったひとつというテストのようなものではなく、いくつもの発想や、アプローチや、組み合わせがあってよいという、つかみどころのない世界でもあります。同じ物語を読んでも、いろんな感想があってよいのと同じです。ですから、いっそうアドバイスに困ってしまうことがあります。
 そういったときは、じつはかなり考えた末にようやく文章の骨組みを見つけています。うんうん、悩んでうなっています。(周りから見るとかなりあやしい感じです)パソコンの前でも、お料理しながらも、洗濯干しながらもずっと考えていて、すると、とつぜん意見や問題点がふっとひらめいて、あとは結論に向かっていっきに流れます。けっこう、うれしい体験です。やれやれ、これで安心して生徒さんへの電話の時間を迎えられる、というわけです。

 ここからは、少し生徒さん向けにお話します。(小さいお子さんにはお母様からおつたえください)

 「今日はあれをやり、明日はこれ、というように、あまり気が散ると、結局どれもものにならないですね。同じことを、根気よくああでもない、こうでもない、とひねくりまわしているうちに、ハッと気がつく。これは学問に限らず、どの方面についてもいえることだろうと思います。」
 これは日本ではじめてノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士の言葉です。根気強く考えてみることや、ものを見る方向を変えていくことが、発見につながるとおっしゃっているのでしょう。「ああでもない、こうでもないとひねくりまわす」などと言われると、私たちにも出来そうな近しい感覚ですよね。みなさんも、感想文を考えることで、ぜひやってみましょう。「ハッと気がつく」なんともいえないよろこびを体験しましょう。
 そのためには、まず、長文を読み込むこと。そうして大事だなあと思うところを書き抜いてみること。書き抜いた文を順番にながめたら、どんな難解な文章だってすうっとわかってくる気がします。(気だけでも、いいのです)ここまで出来たらちょっと自信がもてます。
 ゆとりがあればさらに、自分の意見を文にして書いてみることです。長文の内容に賛成なのか、反対なのかと考えてみます。また、自分なりの第三の意見があってもいいね。あらっぽいメモでいいと思います。
 そこまでいったら続きは作文の構想メモになっていきます。課題フォルダの「項目表」にある●の内容を考えてメモを付け足していきましょう。小学生のみなさんは、「にたような自分の体験。」や「お父さんお母さんから聞いた話」。中学生は、「理由や方法」。高校生は「原因や対策」といったものを見つけていきます。ここで「ああでもない、こうでもない」が効いてくるんだね。
 小学3年生くらいまでのみなさんは、作文で先生やお友だちに「何をいちばんお話したいか」「いちばんうれしかったのはなんだったかな」と、いっぱい考えておいてください。そのとき、お父さんやお母さんと「ああでもないこうでもない」とお話しておくと、もっといいね。
 先生の毎回の電話は、この「メモ書き」の「先生が考えた例」をお話しているようなものです。(うなりながら作ったやつです。笑)できれば、みなさんも電話の前にオリジナルメモをつくっておいてくれるといいなあ。毎回は無理という人も、気に入った文章が出てきた時でいいよ。そうすればきっと、電話の時間も、その後の作文を書く時間も、自分が主役になったようなうれしさを感じます。
 考えること「ああでもない、こうでもない」は持続させて、メモや書くことには時間をかけない。これがポイントです。
 あ、そうそう。思いつきは本当にいつやってくるかわからないので、先生は紙とボールペンをいつもそばに持っています。書いておけば、もう忘れる心配はない。メモがたまっていけば、すてきなアイデア集にもなります。(でも、私はそのメモがどこにあるのか忘れてしまって、よくあわてています。)
 「考える」ことはすばらしいことです。悩むのとは一味ちがいます。読書の秋といいますが、読むことといっしょに、いつも考えている自分を感じてみることもおすすめです。
           <<え103み>>   きら(木村絵美)


----------------------------------------------------

■MagMagからのメールマガジンの登録と削除は下記のページで
(▼ダイジェスト版 マガジンID:0000000226)
https://tinyurl.com/ybkrlw5b
(▼完全版 マガジンID:0000132951)
https://tinyurl.com/yakxr3w3
■これまでの言葉の森新聞は下記のページで
https://www.mori7.com/mori/
■ホームページ
https://www.mori7.com/
■メール
mori@mori7.com
【事務局用】 ユーザー: パス: