言葉の森新聞2010年11月3週号 通算第1151号
文責 中根克明(森川林)

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■■【重要】12.1週作文進級テスト。先取りも可

 12.1週に、作文進級テストを行います。
 提出が遅れた場合は進級できません。(12月8日ポスト投函まで)
 課題フォルダの字数・構成・題材・表現・主題の●印が全部できていることが合格の条件になります。(表現の項目などで「たとえ」と「ダジャレ」など二つ以上の項目が指定されている場合はどちらかができていればその項目は◎です)。キーワードと字数が採点の基準ですので、指定された字数以上で必要な項目が全部入る作文を書いていってください。中学生以上の時間制限については、今回は採点の基準にしませんが、できるだけ時間内に書き上げる力をつけていきましょう。
 手書きで作文を書く人は、項目ができたところにシールをはっておいてください。
 パソコンで作文を書く人は、キーワードを入れておいてください。
 小学生の場合は、提出する前に、おうちの方が字数と項目シールをチェックしてあげてくださるとよいと思います。
 小学2年生までの生徒は、試験は行いますが、全員進級扱いで先の級に進みます。10月以降に受講を開始した生徒も、試験は行いますが、全員進級扱いで先の級に進みます。ただし、いずれの場合も、賞状は出ますので、できるだけ字数と項目ができるように書いていってください。
 12月8日ポスト投函が締め切りですので、12月1週に作文が書けない人は、11月中に12.1週の作文試験を先取りして行ってください。
 なお、進級テストは、10月と11月のいずれの月も最低1回は作文を出していることが条件になります。10月又は11月の作文で、どちらかの月で1回も書いていない場合は、12月8日までの間に作文を提出してください。


■■作文小論文試験の受験の心構え(過去の記事の再掲)
(1)これまでの作文をファイルしておきましょう。
(2)上手に書けていると思ったところに赤ペンで線を引いておきましょう。
(3)線を引いたところを何度も繰り返し読んで、覚えましょう。
(4)これまでに書いた作文の中で、自分らしい体験実例が書かれているところを二つ選び、その実例をいつでも書けるようにしておきましょう。
(5)試験の始まる直前まで、作文のファイルを読みましょう。
(6)課題が出されたら、頭の中にあるこれまでのいい実例、いい表現であてはまりそうなものを思い出して、問題用紙の横などにメモしましょう。
(7)全体の構成は、第一段落「説明と意見」、第二段落「理由・方法・実例」、第三段落「理由2・方法2・実例2」、第四段落「第一段落と同じ意見」という形を基本にしましょう。それぞれの段落の長さは150字ぐらいが目安です。
(8)構成メモを考えたら、字数配分で8割ぐらいまでのところは、できるだけ速く書き、最後の2割はじっくり書くようにしましょう。
(9)結びの第四段落には、できるだけ「確かに……」という言葉で反対意見に対する理解を入れましょう。
(10)書き出しと結びの意見は必ず対応させましょう。
(11)課題文の中にあるキーワードは、できるだけ結びの5行の中に入れましょう。
(12)習った漢字は全部使いましょう。書こうとする漢字に自信がないときは、別の表現の仕方を考えましょう。
(13)できるだけ指定の字数ぎりぎりまで書きましょう。


■■受験作文小論文の決め手自作名言(過去の記事の再掲)
 受験で作文小論文を書く人は、結びに自作名言を入れる練習をしていきましょう。
 これは、小学生の場合は子供の力ではなかなかできないので、お父さんやお母さんが手助けをしてあげてください。教室で先生が指導してしまうと、複数の生徒が同じ表現を使う可能性が出てくるので、教室では大きな方向だけを説明します。
 自作名言とは、「○○とはAでなく、Bである。」という形の文です。Aの部分は世間の常識、Bの部分は逆説の真理という位置づけになります。
 例えば、「私の家族」という題名の作文でしたら、主題となる家族という言葉について、「家族とは、子供たちを社会の荒波から守る場所ではなく、子供たちがその中で社会の荒波に備えて練習をする場である。」というような名言が作れます。
 「戦争」という題名でしたら、「戦争は、問題を解決する手段ではなく、問題の解決を遅らせる原因になっている。」というような自作名言が作れます。
 「自然」でしたら、「自然とは、保護するものではなく、人間がその中で暮らす家なのである。」というような自作名言が作れます。
 こういう自作名言を、これまでに書いた作文のそれぞれについて、結びの5行に入れられるようにしておきましょう。その名言を全部覚え、自信のある二つの体験実例をいつでも書けるようにして、試験に臨みましょう。
 これまでの経験では、作文の結びの5行に名言が一つ入ると、印象点が2割近くアップします。ボーダーラインに並んだ場合は、名言の有無が決定的な役割を果たします。
 作った自作名言が効果的なものかどうかわかりにくいという場合は、教室までお電話でご相談ください。(0120-22-3987午前9:00〜午後7:50)


■■受験直前の作文小論文(過去の記事の再掲)
 今回は、受験直前の取り組みの説明です。
 まず、作文小論文の試験では、どういう課題が出るかわかりません。ここがいちばん不安なところです。この不安をなくすには、次のように考えることが大切です。「運がよければ、いい課題が出るだろう(笑)」。
 書きやすい課題が出れば自分の普段の心がけがよかったからだと考えます。しかし、書きにくい課題が出たときは、「こんなに書きにくいのだから、ほかの人もみんな苦労しているだろう。だから自分は自分のベストを尽くせばいいのだ。ラッキー」と思えばいいのです。
 さて、直前までの勉強の中心は、これまでに書いた自分の文章です。どんな参考書よりも自分の書いた文章がいちばんの財産です。書いたものを何度も読み直し、自分なりによく書けているところに赤ペンで線を引いていきます。それを試験の直前まで続けていってください。よく書けているところとは、切れ味のいい表現、感動のあるエピソード、味のある会話などのあるところです。
 試験の当日には、自分の書いた文章のファイルと1冊の本を持って出かけます。本は、空いている時間などに読みましょう。小説よりもノンフィクションの方がいいでしょうが、自分の好きなものでかまいません。これは、面接のときも同じです。何気なく手に持っていった本が、作文試験や面接のときに意外と使えることがあります。
 試験の会場でも、時間があれば、これまで自分が書いた文章のいいところだけを読んでおきましょう。
 試験が始まったら、課題を見て、これまでに書いた文章の使えそうなところを簡単にメモします。作文に、その使えそうなところが三つも入れば大成功です。もちろん、使えそうなところが何もなくても大丈夫です。これまでに書いたものが頭に入っているので、書いている間に自然に続きが出てきます。
 書いたあとは、もちろん読み返し。1、2文字の訂正なら消しゴムで、それ以上の長い訂正は消しゴムを使うと汚くなるのでなるべく訂正をしないように工夫していきましょう。原則として消しゴムは使わないつもりで書いていきます。これは普段の練習のときも同じです。
 試験までにまだ時間があり、もう少し書く練習をしたいという場合は、自分がこれまでに書いたものと同じテーマで同じ内容を時間内に書く練習をしていってください。新しい課題に取り組む必要はありません。書く時間が取れないときは、頭の中で構成を考えるだけでも練習になります。
 それでは、試験まで、これまでに書いたものを何度も読み返してがんばってください。


■■受験作文の家庭での練習(過去の記事の再掲)
 言葉の森で入試作文の練習をしている人は、家庭でも勉強の続きをしていきましょう。
 それは、教室で書いた作文と同じテーマで、自分の書いた作文を思い出しながら短時間で書き上げる練習です。
 毎日1回、そのように自分が書いたものを思い出して作文を書いていると、作文を書く感覚に慣れてきます。新しいテーマでなく、既に書いたことのある作文を思い出して書くのですから、勉強の負担はあまり大きくありません。
 同じテーマの作文を書くときは、できるだけ消しゴムを使わずに短時間で書いていきます。初めて書くテーマのときは、実例や意見をいろいろ考えるので時間がかかってもかまいませんが、仕上げの練習として同じテーマで書くときは、短時間で書き上げることが大切です。
 入試に合格する作文の条件は、(1)時間内に書くスピード、(2)字数いっぱいまで書いてあるボリューム、(3)光る表現(と主題)、(4)味のある実例、の4つです。
 このうち、スピードとボリュームは、家庭で力をつけていくことができます。スピードは、途中で読み返したり考えたりせずに、最後まで一挙に書き上げる練習で身につきます。これを、同じテーマで書く練習をするときに心がけていくとよいでしょう。
 ボリュームは、何が何でも目標の字数まで埋めるという練習でつけていくことができます。これも、同じテーマで書く練習をするときに心がけていきます。
 芸がないようですが、スピードとボリュームは、テクニックではなく、本人のがんばろうとする意識と慣れで力がついていくものです。
 光る表現は、作文を書く中で偶然生み出される面があります。一生懸命に書いていると、自然にいい表現が出てくることがありますから、それをたくさんストックしておきます。
 光る表現を意識的に書くには、小学生の場合は一般化の主題で「○○は(人間にとって)……である」というスタイルで考えてみます。中学生や高校生は、「○○はAではなくBである」というスタイルで、自分なりの名言を作っていくことができます。この自作名言は、小学生の場合ももちろん使えます。
 味のある実例は、作文に書く実例ををお父さんやお母さんがアドバイスをしてあげることでついていきます。子供が自分で思い出せないようなことでも、親が「この話なら、昔こういうことがあったじゃない」と示唆してあげることができます。また、お父さんやお母さんに聞いた話ということで、両親の実例を書いていくこともできます。親に聞いた話というのは、意外といい実例になるものです。
 作文試験がだんだん広がっていくと、受験生がみんな作文試験の対策を立てくるので、試験の問題もそれに対応して異常に難しい問題になっていきます。なぜこういう難しい試験をするかというと、書くことに自信のある子は、到底書けないような課題が出ても何とか書いてしまうので、そこで差がつくのです。そういう自信をつけるには、書く回数を増やすことです。言葉の森の指導は週に1回ですから、その間の6日間は、これまでに書いたものと同じテーマで同じように書く練習をしていってください。


■■実力をつけるためのわかりやすい自習(その4)―難読で考えの核を作る
 読書は、自分の好きなものを読むのがいちばんと書きました。それは、毎日読むことが大事だからです。読み続けているうちに、必ず自分なりの読書の仕方が身についてきます。
 その意味で、漫画も悪いものではありません。読書が好きな子は、例外なく漫画も好きです。逆に、読書の嫌いな子は、漫画も読まないことが多いものです。
 しかし、同時に、読書の本当の意味は難しい本を読むことにあります。難しい本を読むことを、ここでは難読と呼びます。(「難読」の辞書的な意味とは少し違いますが)
 やさしい本を十冊読むよりも、難しい本を一冊読む方が価値のあることが多いものです。
 だから、バランスよく言えば、自分の好きな本を多読でバリバリ読み、その中でも、特に気に入った本は復読で何度も繰り返して読み、その一方で、難しくて歯が立たないような本も難読でコツコツ読む、というのが読書の理想の姿だと思います。
 そして、この中でいちばん欠けがちなのが難読です。なぜなら、読んでいてもわからないことが多いのでつまらないからです。
 ちなみに、私がこれまで読んだ中でいちばん難しい本だと思ったのがヘーゲルの「精神現象学」です。何しろ、全ページ、どの文章を読んでも意味がつかめません(笑)。日本語に訳している人も、ドイツ語を日本語に置き換えているだけですから、たぶん内容を理解しているわけではなかったと思います。
 それでも、こういう本を読み終えると、必ず自分の中に残るものがあります。それが自分の考え方の核になります。
 この考え方の核というものは、やさしい本をいくら読んでも身につきません。
 それは、ちょうど人間の経験についても、やさしい経験をいくら積んでも一人前にならないが、死ぬか生きるかという瀬戸際の経験をすると、ひと回り成長するようなことと似ていると思います。
 さて、そんなにオーバー話ではなく(笑)、子供も小学校5、6年生から中学生ごろ年齢が上がると、難しいものや困難なものに挑戦したいという気持ちが自然に生まれてくるようです。
 楽しくやさしく楽にできるものを喜ぶのは、小学校4年生ごろまでです。小学校5年生ごろからは徐々に、難しくて苦労するものや挑戦するものに喜びが移っていきます。
 そのころの時期にちょうどふさわしい読書として、言葉の森では問題集読書をすすめています。


■■実力をつけるためのわかりやすい自習(その5)―問題集読書と四行詩
 問題集読書は、入試問題集の問題文だけを毎日数ページずつ読書がわりに読むものです。読む力のある子には、こういう文章を読むのは楽しいものです。しかも、問題を解く必要はないので気楽に読めます。
 しかし、よくできる子であっても、小学校5年生ごろでは年齢的にまだ少し難しい面があるようです。難しさのなかにも面白さを感じることのできる学年は、平均すると小学校6年生以上になるようです。
 問題集読書の読み方で大事なことの一つは、線を引きながら読むことです。線を引く箇所は、自分なりによくわかったところ、面白いと思ったところです。決してその文章の大事なところに線を引くというのではありません。勉強として読むのではなく、自分の興味の赴くままに読むということです。
 問題集ででもう一つ大事なことは、その線を引いたところを中心に四行詩を書くことです。四行詩は、4行で書く詩です。ですから、長くてもせいぜい100字、短ければ20字程度の詩です。
 四行詩は、読んだ文章の一部の引用でも構いませんし、自分の感想を書くかたちでも構いません。
 四行詩の外見上の条件は四行で書かれていることですが、内容上の条件は、光る表現があること、自分なりの創造や発見があることです。これは、条件というよりも、四行詩を書くときの心構えのようなものです。
 小学校6年生や中学生、高校生の子供が書いた四行詩を読んでみると、どの子の詩にも必ず何ヶ所かは、光る表現やその子なりの創造や発見があります。だから、この四行詩はその子にとって、宝物となる可能性があります。
 しかし、そのためには、やはりしっかりしたノートに手書きで書く形にしたいと思います。作文用紙にバラバラに書いて先生に提出する形だと、せっかくの四行詩が散逸してしまう可能性があります。
 そこで、現在考えているのは次のような方法です。
 まず、四行詩はノートに手書きで書きます。そして、その週に書いた四行詩を携帯のカメラで撮ってウェブの自分の記録用のページにアップロードします。そうすれば、担当の先生もその手書きの四行詩を見ることができます。(もちろん、わざわざそういうことはせず、自分で四行詩を書いているだけでもかまいませんが)
 更に、四行詩の投稿ページを作り、よくできたものはパソコンから書き込めるようにしておきます。ちょうど、今ある「ダジャレの広場」のような投稿ページです。
 アナログ的な手書きのよい面を残しつつ、デジタルの世界での共有を図るということを、手書きのノートと携帯のカメラというツールを使って実現していきたいと思っています。
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 「実力をつけるためのわかりやすい自習(その1、2、3)」は、スペースの関係で言葉の森新聞に載せられませんでした。言葉の森のホームページでお読みください。


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