言葉の森新聞2013年12月1週号 通算第1299号
文責 中根克明(森川林)

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■■【再掲】【重要】12月1週は作文検定試験
 これまで4.1週、9.1週、12.1週、3.1週は、それぞれの級の進級試験を行ってきました。しかし、来年から進級試験という形をやめ、作文検定試験として実施します。
 今回の12.1週は、その作文検定試験の試行試験として行います。
 試験の仕方は、これまでの進級試験とほぼ変わりませんが、下記の点に変更があります。
12.1週の試験は、時間制限はありませんが、参考のためにかかった時間を作文用紙に記録しておいてください。
 (課題を見てから書き終えるまでの時間です。来年からは時間制限も検定条件に入ります)
◆級の名称は、それぞれの課題の学年に対応して、小1=12級、小2=11級……高2=2級、高3=1級とします。
 ただし、同じ級の中でも、3ヶ月ごとに項目や字数が違ってきますので、それらの違いは、12級あ(4~6月)、12級い(7~9月)、12級う(10~12月)、12級え(1~3月)、などとして区別します。(この場合、12級えが正式の12級となります)
◆検定試験の級と授業で行う課題の級は、大体一致しますが、ずれてくる場合もあります。
 授業で行う課題の級は、担当の講師が生徒の実力や希望などを勘案し決めます。
 検定試験の級は、前に合格した級を前提に、その学年相当の級までを受検できるものとします。
◆締切
 12.1週の作文検定試験の提出締切は、12月8日ポスト投函までです。
 課題フォルダの構成・題材・表現・主題の★印と字数が全部できていることが評価の基準になります。(表現の項目などで二つ以上の項目が指定されている場合はどちらかができていればその項目は◎です)。
 キーワードと字数が採点の基準ですので、指定された字数以上で必要な項目が全部入る作文を書いてください。項目を入れたところには、項目マークを必ず書いておいてください。


■■【重要】10月以降に受講を開始された方は、作文検定試験ができなくても可
 10月以降に言葉の森の受講を開始された方は、作文検定試験の項目や字数ができなくてもかまいません。書ける範囲で書いてくだされば結構です。

■■【重要】12.1週の作文はファクスでも受付
 12.1週に限り、ファクスによる提出も受け付けます。提出期限は12月8日です。ただし、ファクスで提出をする人は、事前にメールアドレスを登録しておいてください。
 
1、ファクスが正常に送信できているかどうかは、24時間以内にメールと検索の坂で連絡をします。正しく送信できたかどうかを必ずご確認ください。
2、連絡用のメールアドレスは、検索の坂の「ペンネーム 変更」というところで登録できます。既にメールアドレスが入っている場合は、そのアドレスが登録されています。
3、ファクスで送られた作文は、作文の丘にJPGでアップロードされます。作文の返却はありませんが、作文の画像は山のたよりに表示されます。


■■【重要】来年1月から作文のファクス送信は有料に
 作文を送信する方法は、現在4通りあります。
(1)手書きの作文を郵送する。
(2)手書きの作文をスキャナで読み取りウェブからアップロードする。(デジカメでも可)
(3)パソコンで入力した作文をウェブから送信する。
(4)手書きの作文をファクスで送信する。
 このうち、(4)のファクス送信が1月から有料になります。また、添付ファイルをメールで送る形も同じく1月から有料になります。
 ただし、ほかの方法では送信できない場合にかぎり無料で受け付けます。


■■【重要】来年からの作文検定試験は

 来年からの検定試験からは次のようにやっていく予定です。
 来年から、作文検定試験の受検は任意になります。検定試験とは別に、通常の作文の授業があります。
 来年から、作文検定試験のための作文課題は、試験当日に見られるような形にします。
 来年から、作文検定試験は、中3までは手書きとし誤字のチェックも行います。高1以降はパソコン書きとし森リン点の点数も加味します。また、時間制限も試験の基準にする予定です。


■■【重要】12月4週に漢字、英語、算数数学、長文暗唱の自習検定試験(参加自由)

 12月4週の清書の週に、漢字、英語、算数数学、長文暗唱の自習検定試験を行います。これらの自習検定試験への参加は自由です。
 自習検定試験の出題範囲と教材は、12月3日(火)から下記のサイトで見られるようにします。
http://www.mori7.com/jks/
●自習検定試験の目的
 現在の子供たちの勉強の状態は、二極分化しています。一方で、学校の一斉授業では確実な実力のつかない子供たちが増えています。もう一方で、低学年から不必要に難しい問題に取り組ませることにより多忙で勉強嫌いになる子供たちが増えています。
 理想の勉強とは、次のようなものです。まず、小学校低中学年では、基礎的な実力をしっかりつける学習をすることです。そして、勉強以外の自由な遊びや親子の対話の時間を確保し、思考力や創造性を育てていくことです。そのための最も適した環境が家庭での自学自習です。
 ところが、家庭での自習は、毎日の習慣をつけて軌道に乗せるまでが大変です。そこで、言葉の森では、家庭での自習の目標を設定するために、自習検定試験を定期的に行うことにしました。
●自習検定試験の方法
 自習のための教材は、ウェブからダウンロードできるものか、市販の手に入りやすいものにします。
 毎月4週目にウェブで自習検定試験の問題を掲載し、ウェブで解答を送信できるようにします。
 問題は、4週めの清書と重なっても負担のないように短い時間で済むものにします。
 試験の形式は選択式で、満点を取ることを目標にします。
 自習検定試験の参加は自由です。
●各試験の概要
○漢字暗唱検定
 対象は小学校1年生以上です。
 漢字の読みを暗唱で覚えます。
 読みの先取り学習を行い、小学校4年生から問題集読書に取り組めるようにします。
○英語暗唱検定
 対象は、小学校4年生以上です。
 当面は、市販の英語の絵本(CD付き)の暗唱範囲を決めて、その暗唱状態をテストします。
 将来は、日本語の暗唱長文をもとにした英語の暗唱長文を作成します。
○算数数学問題検定
 対象は、小学校1年生以上です。
 市販の問題集の範囲を決めて、その学年で確実にマスターしておく必要のある問題の試験を行います。
○長文暗唱検定
 対象は、小学校1年生以上です。
 暗唱チェックで行っている暗唱長文をもとに、暗唱状態をテストします。


■■作文感想文の力をつけるには、作文で直すのではなく、音読を続けて力がつくのを待つこと

 文を書くのが苦手な子に、文章を書く力をつけるためにはどうしたらよいのでしょうか。実は、楽しく簡単にできる勉強法があるのです。
●作文を褒めて、音読を続ける
 作文が苦手な子に、その作文をいくら直しても、上手にさせることはできません。上手になるどころか、ますます作文が苦手になることが多いのです。
 では、上手な作文を手本にして書き写すというのはどうでしょうか。それは、自分の文章がだめだからほかの文章を真似しなさいということですから、やはり楽しいはずがありません。
 いい方法は、その子の書いた作文の中身をまず褒めてあげることです。しかし、その際に、「でも、もっと漢字を使わなきゃね」とか、「もう少していねいに書かないと」とか、「この表現がおかしい」とかいうことは言わないことです。誤字は直しておきますが、誤字を直すことが勉強の中心ではありません。
 そして、作文を褒めてあげる一方で、長文の音読を毎日数分続けるのです。子供が音読に飽きて、ふざけて読んでも気にしません。音読についても、読み方を注意する必要はないのです。
 音読を続けて半年もすると、子供の書く文章が違ってきます。褒めて続けているだけで、自然に褒められるような実態があとからついてくるのです。簡単(笑)。
●「漢字を使う」「ていねいに書く」は書いたあとではなく、書く前に言うこと
 書く前の心構えとして、習った漢字を使う、ていねいに書くというのはいいのです。でも、それも大体できていればいいことです。
 よくないのは、書いたあと、作文の中身よりもすぐ目につくところで、漢字を使う、ていねいに書くということを言ってしまうことです。
 普段の作文は、中身のいいところを褒めていて、清書して作文を投稿するときなどに、漢字を使うことと、ていねいに書くことを目標にしていくといいと思います。
●事前の指導があると褒めやすい
 書いた作文の中身を褒めるのもいいことですが、事前指導がそれに加われば、更に褒め方が具体的になります。
 その事前指導のひとつが構成指導です。例えば中学生だったら、意見→理由1→理由2→意見、というふうに事前に書き方を指示すると、方向が決まるので書きやすくなります。
 小学生の場合は、構成よりも表現の事前指導で、会話・たとえ・思ったことを入れて書く、というふうに事前に指示をすると書きやすくなります。
 事前指導のいいところは、その指導をもとに合理的に褒めることができる点にあります。


■■模試の点数で一喜一憂しない

 受験が間近になると、親も子も成績にかなり敏感になります。しかし、ここで大事なことは、模試などの点数に一喜一憂しないことです。模試の点数は、作文に関しては全くあてになりません。もちろん、ほかの教科も多かれ少なかれそうです。(志望校に特化した模試でないかぎり)
 しかし、子供は点数に目を奪われます。そこで、人生経験の豊富なお父さんやお母さんが、大きな心と笑顔で子供を安心させるアドバイスをしてあげるのです。
 合格は大きな目標です。しかし、それは長い人生の一コマです。子供は、受験の勉強をしているだけでなく、そこで生き方の勉強もしているのです。


■■受験作文の勉強法

 過去問をもとにして、自分で作文を書いてみます。
 言葉の森で教えるのは、全体の構成です。
 本人が、お父さんやお母さんに取材しながら、実例と表現と感想を工夫して書きます。
 誤字や誤表記は、先生がチェックします。
 返却された作文は、よりよい表現や実例に書き直します。
 こういう練習を10本ぐらい行うと、どういうテーマが出ても、自分なりのいい実例、いい表現を盛り込んで書けるようになります。だから、中心になるのは、事前の準備です。書いたあとの添削や講評よりも、事前に考えたり取材したりすることが勉強の中心になります。
 あとは、何度も同じテーマで書いてみて、スピードと字数に慣れておくことです。試験の本番になると気合いが入るので、普段の練習よりも速く長くいい作文が書けるようになります。
 作文の試験は、通常の教科の試験と異なり、課題との相性などによる当たり外れがあります。だから、受験生は不安になることが多いのですが、それまでに練習した自分なりの表現や実例のストックがあると安心です。
 自分がこれまでに書いた作文の中のいい表現や実例を当てはめられれば、実力の100%を発揮できます。


■■親は子供の前で迷わないこと

 子供がテストで悪い点数をとってきたとき、お母さんはどっしり構えて、
「大丈夫。実力があるんだから(笑)」
と、まず子供を安心させて、それからゆっくり内容を分析します。
 子供が、「なんでこんなの勉強するの」「こんなのやりたくない」「つまらない」「面白くない」などと言ったときも、親はどっしり構えて、
「これは、大事な勉強だから続けるの」
と、当然のように言って、それからゆっくりやりやすい方法を工夫します。
 大事なのは、親はいつもどっしり構えていることです。
 子供は、自分のやりたくないことがあると、すぐに、「なんで」「どうして」などと言ってきます。そのときに、同じレベルで答えようとすると、話がごちゃごちゃしてきます。大事なことほど、理屈で説明しきれるものではありません。
 子供が「なんで」と言ったら、親は迷わずに、「お母さんがよく考えて決めたことだから、『なんで』などと言わないの」と言っておしまいです。親がいったんそういうどっしりした態度を見せれば、子供はすぐに納得して自分なりにがんばるようになります。親の迷いがあると、子供はいつまでもぐずぐず言うようになるのです。
 子供の意見や自主性を尊重するというのは、もっと別の場面でやることです。肝心なことは親が決めていっていいのです。
 例えば、掛け算の九九を、子供が、「なんでこんなことやるの」「やりたくない」と言った場合、ほとんどの親は迷いません。自分自身がやってきた経験があるからです。だから、「九九を子供がやりたくないと言っているんですけど」というような相談をするお母さんはまずいません。
 ほかの勉強もすべて同じです。ときどき、「子供が本を読まないんですけど」という相談があります。それは簡単です。ただ読ませればいいのです。
 読書には子供を引きつける力があるので、読んでいるうちに必ず読書好きになります。子供にどう読ませるかを考えるよりも、何を読ませるかを考える方が大事なのです。


■■人間には誰でも天才がある

 低学年で、作文を驚くほど上手に書く子がいます。そういう子は、本をよく読んでいます。そして、その本の文章をまるごと自分のものにしています。
 しかし、小学3年生になり、自我が発達し自分の言葉で文章を書くようになると、以前ほど上手には書けなくなります。それは、成長の表れです。それを勘違いして、前のように上手に書くことを要求すると、今度は作文が苦手になります。
 作文を比較しないというのは、他人に対してもそうですが、その子の以前の作文に対してもそうです。その子が書いた今の作文のよいところだけを見てあげることが大切です。
 では、低学年で作文を上手に書ける子については、どのようにアドバイスをしたらいいのでしょうか。それは、作文に力を入れるよりも、読むこと、話すこと、体験することに力を入れることです。作文は、そういう生活の結果であって、作文の勉強そのものが目的なのではないからです。
 だから、低学年は、いくら上手に書けても、作文コンクールなどに応募しない方がいいのです。コンクールに応募するようになるのは、小学校3、4年生からです。その場合も、大人が手を加えるようなことは決してせずに、不十分でも子供の書いたものをそのまま送るようにしてください。
 小学校3、4年生の子は、どの子も、年に何回かは傑作を書きます。それは、誰もが、一生に何度かは詩人になるのと似ています。人間には、みんな隠れた天才があります。大事なことは、その天才を無理に引っぱり出そうとしないことです。温かく見守っていれば、自然にその子らしい天才は出てくるのです。(天才=天の才能という意味で)


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