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言葉の森新聞2013年8月3週号 通算第1285号 枝 0 / 節 1 / ID 印刷設定:左余白12 右余白8 上下余白8
  ■1.地震、噴火、津波の情報への対処法。国語の勉強法
  ■2.勉強は、リビングや図書室でみんながいるところでやる方がはかどる
  ■3.この世で最も高価なものは人間―これからは教育と文化の時代
  ■4.教科書は捨てずにとっておこう
  ■5.若い人たちへ。面白い仕事などはないが、いつか今の蓄積が役に立つ
  ■6.音読は、褒めているうちに読み方が上手になる
  ■7.お父さんお母さんとの対話によって伸びる国語の思考力
  ■8.漢字の書き取りは、すぐにはできるようにはならないと思って気長に取り組む仕組みを
  ■9.フリーの画像編集ソフトのリンク先を「学習の手引」に追加しました
 
言葉の森新聞 2013年8月3週号 通算第1285号

https://www.mori7.com/mori/

森新聞
枝 1 / 節 2 / ID
1.地震、噴火、津波の情報への対処法。国語の勉強法
枝 4 / 節 3 / ID 19639
 タイトルにちょっとギャップがありますが、深いところでは関連しています。

 いろいろなところから、地震、噴火、津波の予測情報が流れてきます。それらの中には確実なデータの裏づけのあるものもあります。心の準備をしておくのに越したことはありません。
 しかし、世の中は今、大きくよい方向に向かっています。こういうよい方向に向かい始めたとき、好転反応として悪いビジョンが出ることも多いのです。悪いビジョンが出ることが、本格的によい方向に進むための条件です。
 人間は、よいものよりも悪いものの方に関心を向けがちです。それは、生存本能として、悪いものにより多くの注意を向ける必要があったからです。
 しかし、それは同時に人間がこれまで自分を弱い存在だと見なしていたからです。自分の手で未来を作ることができるという自覚を持てれば、悪いものに大きく気をとられる必要はありません。そして、その自覚につれて、悪いビジョンも自然に解消していくのです。

 ここで一転、身近な子育てに関しても同じことが言えます。子供が成績をもらってくると、まず悪い成績のところに目が行きます。そして、よいところはそっちのけで、悪いところを直すことに気をとられます。
 しかし悪いところは、特定の原因があったからそうなったのではなく、これまでの生活で自然にそうなっていったものです。例えば、国語の成績が悪かった場合、それは国語の勉強をしなかったからではなく、日常の生活が国語的でなかったからです。例えば、読書よりもテレビ、対話よりもゲームというように、言葉を使わない時間が多かったから国語が苦手になったのです。
 だから、大事なことは国語の問題集をやることではなく、生活を国語的にしていくことです。そのためには、国語の勉強の目的を考えることです。
 まず、自分の得意なところ、優れているところに目を向けます。国語の成績が悪いと受験に困るから国語の勉強をするのではなく、将来自分の得意分野を伸ばしていくために国語的な力が必要になるから国語の勉強をするのです。そのために、生活を国語的にしていこうと自覚することによって、国語の苦手は解消していくのです。

▽「国語的な生活」の参考記事
「国語の力は、低学年からの国語的な生活の中で」
http://www.mori7.com/as/772.html
「国語の勉強は生活の中から―本当の国語力は作文の中に表れる」
http://www.mori7.com/as/1555.html
「新学年は、家庭学習を新しく始めるチャンス」
http://www.mori7.com/as/1491.html
「勉強の仕方総まとめ 1 小学校の早めの時期に作文を勉強する意味」
http://www.mori7.com/as/1617.html
枝 6 / 節 4 / ID 19640
作者コード:
2.勉強は、リビングや図書室でみんながいるところでやる方がはかどる
枝 4 / 節 5 / ID 19641
 先日、子犬と遊んでいて、犬は遊びが好きなのではなく、コミュニケーションが好きなのだと気づきました。ボールを投げてやると喜んで取りに行きますが、ひとりで黙々とボールで遊ぶようなことはありません。例えば、ボールリフティングとか。(やるかい)つまり、ボール遊びが好きなのではなく、人間がボールで遊んでくれることが好きなのです。
枝 6 / 節 6 / ID 19667
作者コード:
 
枝 61 / 節 7 / ID 19642
 同じことは、子供たちの勉強にもあてはまりますた。子供たちは、勉強して自分が向上することが嬉しいというよりも、勉強を介してみんなとコミュニケーションが取れることが嬉しいのです。だから、お喋りをするわけではなくても、誰かが隣にいる方が勉強がはかどります。
 自分の部屋でひとりで勉強できるのは、その勉強に燃えているときだけです。普通は、リビングで、又は図書室で、又は教室で、又は自習室で、誰かがいるところでやる方が勉強は順調に進むのです。
枝 6 / 節 8 / ID 19668
作者コード:
3.この世で最も高価なものは人間―これからは教育と文化の時代
枝 4 / 節 9 / ID 19643
 この世でいちばん高価なものは人間です。試みに、今話題になっている映画「風たちぬ」のモデル、零戦を作った堀越二郎の創造性を金額で評価したら何億円どころか何兆円にもなるでしょう。そういう創造性をすべての人が自分の仕事の場で持っているのです。
 だから、日本のこれからの産業は人間です。家電製品のような物作りは、次第に振興国に取って変わられます。それは歴史の流れです。その物作りの先にあるのが人作りの世界です。
 よく文化や教育は、金額に換算しても大した額にならないという人がいます。それよりも、百万円単位で売れる自動車産業のような物作りが日本の産業を支えるという人がいます。
 今のところはまだそうなのです。しかし、いずれ人間に投資した額の方が、機械や設備に投資した額よりも大きな収益を上げるような時代が来るでしょう。
 日本には、米百俵の精神を育んだ文化があります。その文化がこれから生きてくるのです。

「創造的な新「米百俵」政策で将来の果実をもたらすバブルを」
http://www.mori7.com/as/975.html
枝 6 / 節 10 / ID 19644
作者コード:
4.教科書は捨てずにとっておこう
枝 4 / 節 11 / ID 19645
 私(森川林)が仕事をしているとき、結構役に立ったのが、高校時代の数学や理科の教科書でした。高校時代にやったことがあるので、どのへんに何が書いてあったか大体分かるのです。
 教科書を捨てていなくてよかった、と思ったものでした。
 何に使ったかというと、確率の計算の仕方、円や楕円や放物線のグラフを書くための式、漸近線の求め方、数字どうしの相関などです。
 いろいろと計算をしているときに、学生時代に習った因数分解のようなものは、テストに使うためだけの面白いクイズで、実際にはほとんど役に立たないようだということもわかりました。では、何が役に立つかというと、解の公式(根の公式)のように、どんな場合でも確実に計算できるものでした。(しかし、ゆとり教育の時期の中学生は、学校でこの解の公式を習わなかったようです)
 また、昔は、Σのように同じ計算を何度も繰り返すということが実感としてよくわかりませんでしたが、プログラムで実際に繰り返し計算をしてみると、役に立つ場面があることがよくわかりました。
 いずれも、知っている人には初歩的なことだと思いますが、社会人になってからこういうことを新しく本を読んで勉強するということはかなり難しいはずです。高校の教科書の土台があったから、あまり苦労せずにできたのだと思います。
 実は、中学時代の教科書も、捨てずにとっておく方がいいのです。それが役に立つのは、就職試験などのために一般教養の勉強をし直すときです。
 それぐらい、教科書は、必要な知識がコンパクトに整理されています。だから、日本の高校の教科書を全部マスターしたら、立派な知識人としてどこでも通用すると言われているのです。
 もちろん、教科書には、その時代に制約された偏向もありますから、社会に出てからも読書などで勉強を続けていく必要はあります。しかし、その勉強の土台になっているのは、学校時代の教科書なのです。
枝 6 / 節 12 / ID 19646
作者コード:
5.若い人たちへ。面白い仕事などはないが、いつか今の蓄積が役に立つ
枝 4 / 節 13 / ID 19647
 言葉の森の通学教室で、昔、私が教えていた生徒たちの中で、コンピュータのプログラミングの方面に進んだ人がかなりいます。それは、言葉の森が、いつもインターネットの新しい技術を取り入れて、面白いことをいろいろしてきたからです。
 しかし、システム・エンジニアの仕事は、実はかなり大変です。私も、何時間もバグと格闘する不毛な時間を過ごし、「これが、人に頼まれた仕事だったら絶対にやらないだろうなあ」と思ったものです。
 そして、実際のシステム関係の仕事は、もうあまり創造的なことはなく、メンテナンスに追われるような仕事ばかりになっていると思います。
 しかし、プログラミングのような技術を身につけていることは、決して無駄ではありません。それが役に立つのは、いざ自分が何か新しい仕事を始めようというときです。
 新しいことを始めるときは、お金も、時間も、知識も、協力者もすべて不足しています。そのときに、自分のプログラミングの技術が役に立つのです。
 若い人たちの携わる仕事は、つまらないものが多いと思います。やりがいのある仕事で、自分も成長できて、給料もよくて、休暇も多くてという仕事に就いている人は、私の身近に知っているかぎり一人もいません。
 でも、その無駄に見えるような時間で何かを学んでいるのだと思って、決して腐らずにやっていくことです。未来は、もっと自由に自分のしたいことができる社会になるでしょう。そのときに、今の準備が生きてくるのです。
枝 6 / 節 14 / ID 19648
作者コード:
6.音読は、褒めているうちに読み方が上手になる
枝 4 / 節 15 / ID 19649
 手を上げようと思えば、手が上がります。足を上げようと思えば、足が上がります。
 それは、脳から運動神経が手や足に走っているからではなくて、もともと人間が手足と一体の存在だからです。その一体を媒介するものとして、あとから感覚神経や運動神経が生まれたのです。
 同じように、世界がもともと一体だったから、それを媒介するものとしてインターネットが生まれました。
 同じように、もともと人間は世界の知識と一体だったから、それを媒介するものとして教育が生まれたのです。
 「読書百遍意自ずから通ず」という言葉があります。難しい文章でも繰り返し読んでいると、いつの間にか頭に入るのは、もともと人間が本を理解できるようにできているからです。
 読書も作文も、無理に書かせたり、無理に読ませたり、直したり注意したりすることを極力避けて、いいところを認めてあげていると、自然に上手になっていくのです。
 そのわかりやすい例が音読です。子供に長文を読ませると、大体最初はいろいろな欠点があります。息継ぎが下手だったり、はっきり読まなかったり、声が小さかったり、読み間違えたりと、気になるところがたくさん出てきます。
 しかし、それを注意していると、読み方が上手になるどころか、お母さんやお父さんの前で読むことを嫌がるようになります。反対に、いつも、「上手に読めるようになったねえ」と褒めていると、本当に上手に読めるようになっていきます。それは、もともと人間が上手に読めるようにできているからなのです。
枝 6 / 節 16 / ID 19650
作者コード:
7.お父さんお母さんとの対話によって伸びる国語の思考力
枝 4 / 節 17 / ID 19651
 ある教育相談サイトに、「国語の教科書の文章なら読めるが、抽象的な文章だと意味を読み取れない」という相談がありました。
 回答は、「わからない言葉が出てきたら、こまめに辞書で引いて調べるとよい」ということでした。
 しかし、なかなかそういう習慣はできません。
 辞書で調べるのももちろんいいのですが、基本は、近くにいるお父さんやお母さんがアドリブで説明してあげることです。そして、もっといいのは、その抽象的な文章を何度も音読して、意味がわかないながらも、全体像をつかむようにすることです。その上で、その文章をもとにして親子で雑談をするのです。
 文章の意味は、辞書を通して理解するよりも、身近な人との話の中でより深く把握できるようになります。そして、そういう勉強なら、ひとりで辞書を引く勉強よりもずっと楽しく続けられます。
 更にいいのは、お父さんやお母さんが、子供と抽象的な話題を共有できることです。特に、お父さんが子供と話題を共有できると、子供の思考力が伸びることが多いのです。お父さんは、理屈で喋ることが多いからです。
 国語の勉強は、机に向かってするようなものよりも、日常生活の中でしていくものなのです。
▽関連ページ
「記述式問題の解き方のコツ」
http://www.mori7.com/as/1852.html
「帰国子女の日本語教育に関する記事をアップ」
http://www.mori7.com/as/1826.html
「国語力、作文力のつけ方、低学年から国語力をつける意義の記事」
http://www.mori7.com/as/1825.html
「書けない子でもすぐに書ける、対話によって作文力をつける構成図の書き方」
http://www.mori7.com/as/1785.html

 今の日本では、残念ながら、親子で対話をする習慣があまりありません。しかし、ここでいったん対話の習慣を作っておけば、今度は今の子供が親になったときも、同じように親子で対話をするようになります。対話は、新しい勉強の文化なのです。
枝 6 / 節 18 / ID 19652
作者コード:
8.漢字の書き取りは、すぐにはできるようにはならないと思って気長に取り組む仕組みを
枝 4 / 節 19 / ID 19653
 先日、あるお母さんから、「漢字が苦手だったんですけど」と、相談がありました。漢字が苦手というとき、多くの場合は、書き取りが苦手ということです。
 書き取りは、勉強の量に比例します。読みがよくできるのに、書き取りが苦手という子は、よく本を読んでいるのに、あまり勉強をしていない子で、そういう子は、実は大きな可能性があります。つまり、まだ余力がたっぷりあるのです。
 反対に、書き取りはよくできるのに、読みがそれほどでもないという子は、勉強のしすぎです。勉強はほどほどにして、もっと本を読まなければなりません。
 ところで、書き取りは勉強の量に比例するとは言っても、その量は実はかなりあります。大人は、自分が既にできているので、子供の漢字もやればすぐにできると思いがちですが、そういうことはありません。ちょっと漢字の問題集をやったからといって、すぐにできるようにはならないのです。
 漢字の書き取りは、気長に勉強する姿勢で取り組む必要があります。気長にやるためのコツは、毎日の生活習慣としてやっていくことです。
 毎日の生活習慣で、私がいちばんいいと思うのは、朝起きたらすぐにやることです。勉強は食事の前にやるのがコツです。
 よく、朝食後に勉強したり、夕食後すぐに勉強したりする子がいますが、それは能率の悪いやり方です。勉強は空腹のときにやるとき、最も能率が上がるのです。
▽参考までに、言葉の森の漢字集。
http://www.mori7.com/kg/koku/kk.php
(google chromeでも、縦書き表示ができるようになりました。まだブラウザによって揺れがありますが。)

 江戸時代の書き取りの練習は、1枚の半紙が真っ黒になるまで筆でひとつの文字をなぞり書きするという方法でした。だから、書き取りの練習は、手で覚えたのです。
 部首の意味で覚えたり、形から覚えたり、熟語として覚えたりという方法は、補助的なものです。練習の基本は、繰り返し同じ文字を書くという単純な方法なのです。
枝 6 / 節 20 / ID 19654
作者コード:
9.フリーの画像編集ソフトのリンク先を「学習の手引」に追加しました
枝 4 / 節 21 / ID 19655
 スキャナで読み取ったりデジカメで撮ったりした作文を「作文の丘」から送るとき、画像を回転させたり、サイズを縮小したりする必要がある場合があります。
 最近のスキャナやデジカメは高性能なので、ファイルのサイズが巨大になり、画像を送るのに時間がかる場合があります。
 回転やリサイズのできるフリーソフトは、いろいろありますので、ベクターなどで探してご利用ください。
 フリーのソフトに、以下のようなものがあります。
【Photoscape】
http://www.vector.co.jp/soft/dl/winnt/art/se492136.html
【そのほかのグラフィックスエディタ(Windows)】
http://www.vector.co.jp/vpack/filearea/win/art/graphics/edit/
【そのほかのグラフィックスエディタ(Mac)】
http://www.vector.co.jp/vpack/filearea/osx/art/graphics/edit/
枝 6 / 節 22 / ID 19656
作者コード:
枝 6 / 節 23 / ID 19657
作者コード:
枝 6 / 節 24 / ID 19658
作者コード:
枝 6 / 節 25 / ID 19659
作者コード:
枝 6 / 節 26 / ID 19660
作者コード:
枝 6 / 節 27 / ID 19661
作者コード:
枝 6 / 節 28 / ID 19662
作者コード:
枝 6 / 節 29 / ID 19663
作者コード:
枝 9 / 節 30 / ID 19663
 
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