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言葉の森新聞2015年3月3週号 通算第1362号 枝 0 / 節 1 / ID 印刷設定:左余白12 右余白8 上下余白8
  ■1.3月21日(土)は休み宿題(再掲)
  ■2.4月の学力テストを3.3週の「山のたより」に同封
  ■3.小学生新聞の勉強シリーズ
   ●1.国語力――国語ができれば、算数も英語もできる
   ●2.集中力――勉強の量よりも読書と経験の時間を増やす
   ●3.読解力――国語の読解は感覚ではなく理詰めで解く
   ●4.読書力――やさしい多読と難しい精読が読書力の両輪
   ●5.思考力――考える力は、作文と親子の対話の中で育つ
   ●6.読点――読点の打ち方にもルールがある
   ●7.作文力――これからの国語は、作文と記述が中心に
   ●8.記述力――記述のコツは、対比をはっきりさせること
   ●9.段落――段落の目安は、三文百五十字と考えておく
   ●10.日本語力――英語を学ぶ前に、まず確かな日本語力を
  ■4.×がつくのはよい勉強、○がつくのはよくない勉強
  ■5.厚い問題集を1回やるよりも、薄い問題集を何度も繰り返す
  ■6.勉強はベストエフォートで
 
言葉の森新聞 2015年3月3週号 通算第1362号

https://www.mori7.com/mori/

森新聞
枝 1 / 節 2 / ID
1.3月21日(土)は休み宿題(再掲) 枝 4 / 節 3 / ID 22262
 3月21日(土)は、休み宿題です。先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日9時~19時50分)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 課題の説明の動画「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/
 オープン教育の掲示板「森の予習室」にも、学年別の予習のヒントが載っています。
枝 6 / 節 4 / ID 22263
作者コード:
2.4月の学力テストを3.3週の「山のたより」に同封 枝 4 / 節 5 / ID 22264
 4月の学力テスト(希望者のみ)を申し込まれた方には、問題と解答用紙を3.3週の山のたよりに同封しています。
 締切は4月1日消印です。同封の封筒で言葉の森事務局までお送りください。
 中学生の英語リスニングの問題は、音声をウェブにアップロードしますので、言葉の森までお問い合わせください。
 この学力テストは、学校の学力テストのように全問正解になることを目標にしたものではなく、受験に対応した偏差値を測定することを目標にしたものです。したがって、平均点が60点ぐらいになるように作られています。
 問題が難しいため途中でやる気がなくなった場合は、国語の問題だけでもお送りくださるとよいと思います。
枝 6 / 節 6 / ID 22265
作者コード:
3.小学生新聞の勉強シリーズ 枝 4 / 節 8 / ID 22267
 小学生新聞に勉強シリーズというタイトルで広告を出しています。その記事の紹介です。
枝 6 / 節 9 / ID 22268
作者コード:
1.国語力――国語ができれば、算数も英語もできる 枝 5 / 節 10 / ID 22269
 国語語の学力は、氷山のようなものです。表面に表れている部分よりも、奥に隠れている部分の方がずっと大きいのです。だから、国語力のある子は、ほかの勉強も、やればすぐにできるようになります。国語力は、すべての学力の基礎です。
 国語力は、勉強よりも生活の中で身につきます。その方法は、文章を書くことです、文章を書くことを前提にして、長文を読み家族で対話をする習慣をつけると、その豊かな言語環境が国語力になっていきます。
 大事なのは、文章を書く習慣を低学年のうちから無理なく身につけていくことです。
枝 6 / 節 11 / ID 22270
作者コード:
2.集中力――勉強の量よりも読書と経験の時間を増やす
枝 5 / 節 12 / ID 22271
 小学校低学年のころは、子供は親の言うことをよく聞きます。そのため、勉強時間も長くなりがちです。親にとってちょうどよいと思う量は、子供にとって多すぎることが多く、それが集中力を妨げる場合があるのです。 勉強の量を増やせば、誰でも成績は上がります。しかし、飽きるまでやらせると能率は低下し、かえって学力が伸びなくなります。
 集中力をつけるためには、勉強の量はほどほどにして、そのかわり読書と熱中できる経験の時間を増やすことです。
枝 6 / 節 13 / ID 22272
作者コード:
3.読解力――国語の読解は感覚ではなく理詰めで解く
枝 5 / 節 14 / ID 22273
 読解のテストがあったとき、直感を頼りに合っていそうなものを選べば合っていたというのは小学校中学年までです。 枝 6 / 節 15 / ID 22298
作者コード:
 
枝 61 / 節 16 / ID 22274
 受験の読解力は、理詰めの読解力です。合っているものではなく、間違っていないものを選ぶのです。
 選択肢が四つあれば、そのそれぞれについて間違っている理由を見つけます。その理由が見つからないものが正解です。このやり方を知るだけで、誰でも急に成績が上がります。
しかし、その上がり具合は、その人の読書力の範囲までなのです。
枝 6 / 節 17 / ID 22299
作者コード:
4.読書力――やさしい多読と難しい精読が読書力の両輪
枝 5 / 節 18 / ID 22275
 子供を読書好きにするには、親の選んだ良い本よりも、子供の選んだ好きな本を読ませることです。読書の習慣をつけるには、毎日必ず十ページ以上読むようにすること、親が読書を楽しむ後ろ姿を見せることです。
 読書力をつけるには、子供の好きな本を多読する一方、難しい文章を繰り返し音読します。多読と精読が読書力の両輪です。読書は学校で済ませるのではなく、必ず家庭でも読む時間を確保します。読書力があれば、記述力、作文力も例外なく短期間で上達します。
枝 6 / 節 19 / ID 22276
作者コード:
5.思考力――考える力は、作文と親子の対話の中で育つ
枝 5 / 節 20 / ID 22277
 小学校低中学年までの勉強は、決められた手順にそってやれば誰でもできる勉強です。しかし、高学年になると、勉強に考える面が出てきます。そのときに必要になる思考力は、親子の対話の中で作られます。
 思考力を育てるためには、できるだけ立体的な文で話すように心がけることです。ただ「面白い」と言うだけでなく、「ここがこうなっているところがこうだから面白い」というような言い方です。この考える対話の習慣を作るのが言葉の森の課題作文と長文感想文なのです。
枝 6 / 節 21 / ID 22278
作者コード:
6.読点――読点の打ち方にもルールがある
枝 5 / 節 22 / ID 22279
 読点には、おおまかなルールがあります。(1)主語のあと。「は」や「も」などのあとに打ちます。(2)接続語のあと。「そして」「しかし」などのあとに打ちます。(3)会話の前。カギカッコの前に打ちます。(4)「とと言った」の間。「と、○○が言った」という打ち方です。「と言った」と続くときは打ちません。(5)時のあと。「そのとき」「昨日」などのあとに打ちます。(6)条件を表す言葉のあと。「ので」「たら」「から」「ると」などのあとに打ちます。
 ルールどおりに打って多くなりすぎるときは、一つの文に一つか二つの読点を目安にします。
枝 6 / 節 23 / ID 22280
作者コード:
7.作文力――これからの国語は、作文と記述が中心に
枝 5 / 節 24 / ID 22281
 東大の国語の入試には、選択式の問題はほとんど出ません。すべて記述式です。選択式の問題はコツをつかめば誰でもできるからです。同じように中学入試も高校入試も、国語に力を入れている学校ほど書く力の比重が高くなります。
 書く力をつけるためには、書いたあとの添削ではなく、書く前の事前指導が必要になります。だから、一律の教材ではなく、それぞれの生徒の理解力に応じた個別の電話指導が欠かせません。
 作文教室を選ぶポイントは、事前指導に力を入れているか、小学生から高校生までを一貫指導しているかどうかです。
枝 6 / 節 25 / ID 22282
作者コード:
8.記述力――記述のコツは、対比をはっきりさせること 枝 5 / 節 26 / ID 22283
 記述力の教材は、過去の全国国語入試問題です。勉強の仕方は、字数を決めて感想を書くことです。一文を約五十字と考え、必要な字数に合わせて書く文の数を決めます。書くときには、消しゴムは使いません。
 文章は、「Aである」と書くだけでなく、「BではなくAである」というように、対比をはっきりさせて書くようにします。大事なのは練習量なので、塾に任せるのではなく、家庭で日常的に書く練習をします。内容を評価するのではなく、書かれた文章の筋道が通っていればそれでよいとします。これなら、多忙な親でも勉強を見ることができます。
枝 6 / 節 27 / ID 22292
作者コード:
9.段落――段落の目安は、三文百五十字と考えておく
枝 5 / 節 28 / ID 22288
 段落を正しくつけられない生徒は、小6で半数ぐらいいます。意味あるまとまりという内容面から段落を考えると、かえってわからなくなります。単純に、読みやすくするための段落と考え、百五十字ぐらいを目安に段落をつけていきます。
 段落のつけ方よりも大事なことは、全体の構成をしっかりさせることです。作文は、書きながら考えるのではなく、最初に大きな枠組みを決め、その中身を埋める形で書いていきます。全体の見通しがあれば、書く速さや字数もコントロールできます。更に、段落だけでなく実例と意見のバランスも取れるようになるのです。
枝 6 / 節 29 / ID 22293
作者コード:
10.日本語力――英語を学ぶ前に、まず確かな日本語力を 枝 5 / 節 30 / ID 22284
 幼児期や小学校低学年からの英語学習は、日本語力の成長を妨げることがあります。また、テレビなどの機械的な音声の聞きすぎも、子供の言語能力の正しい発達を妨げます。
 日本語は、日本で生活していれば自然に身につくように思われていますが、その子を取りまく言語環境によって大きな差がつきます。
 言語能力は、国語の勉強によってではなく、家庭での生きた言葉のやりとりによって身につきます。小学校低学年までのうちに、読書と対話によって家庭での日本語環境を豊かにしていくことが、子供の学力の最も確実な土台となるのです。
枝 6 / 節 31 / ID 22294
作者コード:
4.×がつくのはよい勉強、○がつくのはよくない勉強
枝 4 / 節 32 / ID 22289
 ○がつけば誰でもうれしいものです。だから、子供はできるだけ○になろうとします。
 しかし、自学自習で自分で採点するスタイルの勉強では、×がたくさんついた方がよい勉強なのです。
 学校や塾のテストで、子供が悪い点を取ってきたとき、ほとんどの親は顔をしかめると思います。逆に、全部○のテストを持ってきたら、にっこり笑って子供を褒めると思います。
 なぜ○がうれしく、×がうれしくないかというと、評価の基準を過去に置いているからです。その子のやったこれまでのことが正しかったから○になったと考えるからです。
 しかし、本当に大事な基準は未来にあります。これから、その子がどういう勉強をしていくべきか考えるのが未来の基準です。
 未来に基準を置けば、○は意味のない評価で、×こそが意味のある評価になります。
 だから、子供の勉強で×がついたら、親はそれを喜ばないといけないのです(難しいと思いますが(笑))。そして、
「×がついた分だけ、自分がこれから賢くなるんだから、×はたくさんついた方がいいんだよ」
と、子供に言ってあげるのです。
 こういう見方や考え方は、単に勉強のコツにとどまらず、子供の人生観にも影響を与えます。
 それは、目先の利益にこだわらず、より大きな社会的な利益を目指すという考えに結びついていくのです。
 昔、私(森川林)は、自分の子供が勉強しているときに、よく、
「わからない問題はあてずっぽうで答えを書いて○になるよりも、空欄にして×をもらった方がいいんだよ」
と教えていました。
 その子は、中学生のとき、塾にはどこも行っていなかったのですが、友達のみんなが近くの塾に行くので、どんなところか知りたいと思ったらしく、夏期講習だけ試しに塾に行くことにしました。
 ところが、そこで、塾の先生が、
「テストで時間がないときは、何でもいいから答えを書いておけば○になることもある」
と正反対のことを教えてくれたそうです。
 それで、そういう塾での勉強を見限ったのか、結局塾には行かずに自分で勉強していました。
 小さな得を求めていては、人間は成長しません。
 ○に満足するのが小さな得だとしたら、大きな得は×を出発点とするところにあるのです。
枝 6 / 節 33 / ID 22295
作者コード:
5.厚い問題集を1回やるよりも、薄い問題集を何度も繰り返す
枝 4 / 節 34 / ID 22285
 勉強の鉄則は、できないところが一つもなくなるまで、何度も同じことを繰り返すことです。
 しかし、現在のような教材の豊富な時代は、この繰り返すということができない子が多いのです。
 読書も同じです。同じ本を何度も繰り返して読む子は、その本から多くのものを吸収します。逆に、一度読んだからもう読まないという読み方で、新しい本を次々に読む子は、あまり読書力がつきません。
 昔は、本が少なかったので、自然に同じ本を何度も繰り返し読む習慣がつきました。今は本が多すぎるので、同じ本を繰り返し読むための環境がなくなっているのです。
 繰り返しの勉強を当然のように思わせるには、低学年のころから繰り返しの勉強に慣れておく必要があります。
 低学年のころから、次々に新しい問題集を解かせるような勉強をしていると、学年が上がってから同じ問題集繰り返し解くという勉強がしにくくなります。
 人間は、飽きる動物なので、子供も大人も、同じことを何度も繰り返すよりも、新しいことを次々とやりたがるものです。
 しかし、何かを身につけるとき、この新しいことを次々とというやり方は最も効果の出ない方法なのです。
 市販の問題集や通信教育の教材には、共通する弱点があります。それは、例えばその問題集を解くときに、問題集のページにそのまま答えを形になっているものが多いことです。
 低学年のまだ間違いがほとんどない次期ならそれでいいかもしれません。しかし、学年が上がってくると、何度やっても間違えるとか、解法を読んでも理解できないとかいう問題が出てきます。
 このとき、1冊の問題集を何度も繰り返すという勉強が生きてくるのです。
 家庭学習で、1冊の問題集を何度も繰り返すという勉強がなかなかできないのは、新しいものを次々と与えた方が、子供が楽しんでやるからです。
 しかし、新しいものを次々とやるのは、結局できることを次々とやることですから、勉強ではなくただの作業になることが多いのです。
 そういう作業的な勉強法を克服するために行っているのが、言葉の森の寺子屋オンエア教育です。
枝 6 / 節 35 / ID 22296
作者コード:
6.勉強はベストエフォートで
枝 4 / 節 36 / ID 22290
 ベストエフォートとは、「最大限の努力はするができないこともある」という意味で使われます。重点は、「最大限の努力」の方ではなく、「できないこともある」の方にあります。
 インターネットの世界では、通信速度や通信の品質でベストエフォートという言葉がよく使われました。
 しかし、A型気質の日本人には、なかなかそういう発想ができません。電車が定刻どおりに発着するのは、日本の社会では当然のように思われています。これが、「○時○分に着くように最大限の努力をするが、着かないこともある」というのでは、ほとんどの人が納得しないでしょう。
 そういう律儀な性格が、日本社会の発展の基礎になったのは確かです。
 しかし、このベストエフォート型の発想が必要になる分野は、インターネット以外にもあるのです。それが、教育の世界です。
 子供の教育は、工業製品のように、これとこれを組み合わせたら必ずこれになる、というものではありません。さまざまな個性や例外や逆説があるのが人間です。
 しかし、全くランダムというわけではなく、こういうことをすれば確率的に大体こうなるだろうということは予測がつきます。
 そこで大事になるのが、ベストエフォート型の発想です。
 子供の勉強の姿の理想的なイメージは、まず時間が来たら勉強に集中して取り組み、その勉強によって分からなかったことがすぐに分かるようになる、というものでしょう。
 しかし、そういう理想の姿は、現実にはほとんどありません。
 時間が来てもなかなかやらず、人に言われてやっと取り組み、だんだん熱心にやってきたかと思っても、結局昨日できなかったことが今日もできない、という状態が普通なのです。
 ここで、多くの真面目なお母さんは、切れてしまいます(笑)。その結果、「それなら、もう塾に行きなさい」となることも多いのです。
 別に、塾に行くのがよくないのではありません。勉強の自覚がまだできない小中学生のころは、受験期の1年間は、やはり塾で受験型の勉強をした方がいいのです。それは、長時間の勉強時間が確保できるからです。
 しかし、差し迫った受験がない時期は、できるだけ家庭で自分のペースで勉強していく方がいいのです。
 その家庭での勉強に必要な発想がベストエフォートです。「集中力と理解力の伴った理想的な勉強をするように最大限の努力はするが、できないこともある」という勉強の仕方です。重点は、「最大限の努力」ではなく、「できないこともある」の方です。
 なぜ、そういう勉強hの仕方が大事なのかというと、このベストエフォート型の勉強であれば、毎日できるからなのです。
 勉強の本質は、毎日の気長な繰り返しです。毎日やっているうちに、たまに集中して理想的な勉強をするときはあるかもしれませんが、毎回それを求めていたら息切れして、結局毎日やることができなくなります。
 週に数回集中して理想的な勉強をして、あとは遊んでいるよりも、土日曜も含めて毎日同じような勉強をあまり面白くもなさそうに勉強している方が、ずっと実力がつきます。
 毎日続けるための心の姿勢が、ベストエフォートなのです。
枝 6 / 節 37 / ID 22297
作者コード:
枝 9 / 節 38 / ID 22297
 
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