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言葉の森新聞2015年5月1週号 通算第1368号 枝 0 / 節 1 / ID 印刷設定:左余白12 右余白8 上下余白8
  ■1.プレゼン作文発表会の参加者募集中
  ■2.夏の自然寺子屋合宿7月29~31の2泊3日
  ■3.作文検定試験6月28日(日)
  ■4.寺子屋オンエア、5月から時間数を増やします
  ■5.森リン大賞の作品の紹介
  ■6.3月の森リン大賞から(中3の部)
  ■7.3月の森リン大賞から(高校生社会人の部)
  ■8.考える力をつける「楽しい説明文の本
  ■9.創造性を育てる作文指導と、本質的な学力を育てる寺子屋オンエア指導(再掲)
 
言葉の森新聞 2015年5月1週号 通算第1368号

https://www.mori7.com/mori/

森新聞
枝 1 / 節 2 / ID
1.プレゼン作文発表会の参加者募集中 枝 4 / 節 3 / ID 22462
 6月7日(日)にプレゼン作文発表会を行います。
 これは、自分の書いた作文を、絵や写真や実物を見せながら、必要に応じてバックグラウンド・ミュージックなどを流しながら発表するものです。
 発表した作品は、youtubeにアップロードしていただきます。youtubeには、そのURLを教えてもらわなければ見られないという限定公開機能があります。その限定公開機能で、しかも顔などが映らないような形で発表していただけるとよいと思います。
 発表会の当日は、その発表を順に流しますので、それを家庭でごらんいただくようになります。
 参加者全員に豪華な参加賞が出ます。ぜひ多くの方が参加してくださるようお願いいたします。
 参加を希望される方は、言葉の森事務局、又は、担当講師までご連絡ください。
枝 6 / 節 4 / ID 22463
作者コード:
2.夏の自然寺子屋合宿7月29~31の2泊3日 枝 4 / 節 5 / ID 22464
 現在、詳細を決めているところです。
 ホームページと言葉の森新聞でお知らせしますので、もうしばらくお待ち下さい。
枝 6 / 節 6 / ID 22465
作者コード:
3.作文検定試験6月28日(日) 枝 4 / 節 7 / ID 22466
 ネットで参加できる作文検定試験を6月28日(日)に行います。
 合格した人には、賞状と証明書が贈られます。
 詳細は、ホームページと言葉の森新聞に掲載しますので、もうしばらくお待ちください。
枝 6 / 節 8 / ID 22467
作者コード:
4.寺子屋オンエア、5月から時間数を増やします 枝 4 / 節 9 / ID 22468
 寺子屋オンエアは、家庭で行う勉強を、googleハングアウトで先生がモニターしながら指導する新しい教育システムです。
 参加に必要な機材と教材は無償貸与します。また、接続の仕方などは言葉の森でサポートします。
 ご家庭でご用意いただくものは、ネットに接続できるパソコンだけです。
 現在、主に行っている勉強内容は、国語の問題集読書、算数の問題集、英語の問題集、読書などです。勉強の内容は自分で自由に決めていただいて結構です。
 勉強時間は、1時間が平均ですが、45分~2時間の範囲で自由に選択することができます。勉強の時間帯は、月曜から金曜の16:30~20:30です。将来は、時間帯をもっと増やす予定です。
 1か月の無料体験学習ができます。案内をご希望の方は、事務局までご連絡ください。
枝 6 / 節 10 / ID 22469
作者コード:
5.森リン大賞の作品の紹介
枝 4 / 節 11 / ID 22470
 今回は、学年の上の人の作品を二つ紹介します。
 「自分の考えを」は、ベニバナの課題で書いた作文です。森リン点は88点でした。総合化の主題のところがやや折衷案に近くなっていますが、全体によく考えて書いています。何よりも、自分の問題として考えているところがいいと思います。
 「現代の火」は、レンギョウの課題の作文です。森リン点は90点でした。内容も表現も安定した文章です。幅広い題材を複数の方法という構成の中にしっかりと入れています。実力を感じさせる作品です。
枝 6 / 節 12 / ID 22488
作者コード:
 
枝 61 / 節 13 / ID 22471
 森リン点は、1200字以上の論説文の評価を基準に作られているので、中学生以上の課題にならないとなかなか高得点にはなりません。
 森リン点の得点を上げるためには、多様な実例と多様な表現が必要です。それらは、難しい文章の読書によって身につきます。作文の書き方で点数を上げると考えるのではなく、読書によって豊富な語彙力を身につけて自然に点数が上がるようにしていってください。
枝 6 / 節 14 / ID 22489
作者コード:
6.3月の森リン大賞から(中3の部) 枝 4 / 節 15 / ID 22472
自分の考えをくるる

「外国人って思いこみ激しいよね。」
 私の友達が言った。私の学校には、外国籍を持つ子が約三分の一在籍している。友達がこういった理由は彼らに腹を立てたのかもしくは前々から思っていたのかは分からなかった。
しかし、それは先入観から来る悪口である。人は、先入観や噂に耳を向け。自分の中で勝手に処理してしまうときがある。だが、視野を広く持ち身の回りを見直すことも大切ではないだろうか。
 確かに、自分の考えや思い込みを常識だと考えずに視野を広く持つことは大切だという意見がある。視野を広く持つことが重要視されるのは人を観察する時だろう。人に対しては、色眼鏡をかけることが多い。悪い面ばかり目にしているとその人に対して苦手意識を持ったりしてしまう。又は、逆の場合もある。例えば、私も何度か色眼鏡をかけて人を見てしまったことがある。昨年違うクラスだった子で、その子は一年生の時に「目立ちたがり屋」だという話を聞いていた。なぜなら、普段の授業はもちろん、学年・学校全体で集まる時似たような質問ばかりぶつけていたからだ。だから、一年生の時私は友達に聞いた話だけで勝手に苦手意識を持ってしまっていた。しかし、今年その子と同じクラスになって、その子は明るく陽気な性格だと知った。何でも質問してしまうことは、自分の中で決着がつかないことが嫌いだからだそうだ。このように、人は視野を広げて色々な面から覗かなければその人と気が合うのかということは分からない。色眼鏡をかけずに、たくさんの人と会話することは大切だと私は思う。
 しかし、他人に振り回されずに自分の関心のある世界を掘り下げていくことも大切だという意見もある。自分の好きなものや大切なものは周りに振り回されずに、自分の意見を通すことが大切である。世の中にはオタクと呼ばれる人がいる。漫画・アニメ・雑誌・鉄道・ゲーム・写真・アイドルなど。掘り下げると食品メーカー・文豪・消しゴム・ハンドクリームなど興味を湧かせさせる物も多々ある。オタクといえばリュックサックにチェックのシャツを着た人がが、良く言えば自分の趣味をこよなく愛する人である。そんな人達は、大抵オタクであることに何の恥じらいもない。むしろ誇りとしている人も多い。流されずに、自分の好きなものを守る。この考えは、人間に大切なものではないかと私は思う。「三匹の子豚」という昔話があるように、末っ子は兄二匹にやじられても自分の意志を貫き通しレンガの家を建て、じぶんを含む三匹をオオカミから守った。このように、頑固になってでも自分の意志を貫き通せば良いことが起こるのだ。
 視野を広く持つことは大切だ。関心のある世界や物事を深く掘り下げることも大切だ。しかし、一番大事なのはその両方を尊重して生きるような自分になることだ。「自国に対する賞賛が他国に対する軽蔑によって支えられるようであってはならない。」という名言があるように自分の所属以外を排他的気味に扱うのは自分の価値観を狭くしてしまうのだ。これから私は、色眼鏡をかけることなく視野を広くし、自分の価値観を広く持てるようにしたい。
枝 6 / 節 16 / ID 22473
作者コード:
7.3月の森リン大賞から(高校生社会人の部) 枝 4 / 節 17 / ID 22474
現代の火Qちゃん

 私が年に一度行く習い事のキャンプでは、毎回最終日の前日の夜にキャンプファイアーをする。おなじグループだった人以外も一緒に囲む火は、私たちに一体感を与える。全く見ず知らずの人でも、ずっと知っていた人のように思えてくるのだ。囲炉裏や暖炉が生活から消え、家族で火を囲むことの無くなった現代で、人間関係はどうなっていくのであろうか。わたしは家族への愛や友達との友情という非合理的な気持ちも大切にして生きていきたい。
 その第一の方法として、どんなものにも愛着を持つことが大切だと思う。愛着を持つというのは、つまり大切に思っているという意味なので、人や自分の持ち物すべてに愛着を持っていれば、毎日それらに接するときに丁寧に対応、もしくは扱うことができると思う。わたしは服やアクセサリーなどを買う時にあまり迷わない方である。もちろん、選んだあとで高すぎたり、素材が悪すぎたりすると断念することもあるけれど、たいていは即決で買ってしまう。お店に入ってひと通りざっと商品を見ると、何故か一瞬でそのものを気に入ってしまうのだ。もちろん、すぐに気に入るものがないときもあるのでそういう時は他のお店を回る。そして、買った商品を着てみて、ますます気に入って家族に自慢したりする。私の姉はそれとは対照的で、ずっと迷い続け、ついには買わないと言い出したり、最終的には私が姉に似合うものを見つけて買ったりする。そして、後日使った商品を箪笥からひっぱり出してきて、買ったことを後悔している。私はこれを非常に惜しいことだと思う。既に自分の物なのだから何らかの良い点を見つけて気に入ってしまえばその商品にとっても自分にとっても幸せではないかと思うからだ。
 第二の方法として、社会的にも人と人の関係をもっと重視するようにすべきだ。例えば、学校の授業参観はもっと回数を増やして、増やした分の参観は親が授業を一方的に見るだけでなく、その中に混ざってみるということもできると思う。『ヘンゼルとグレーテル』や『赤ずきんちゃん」などの『グリム童話』で知られているグリム兄弟は、非常に家族思いの家族に育てられ、四十三冊の本を記した。彼らが兄弟思いの素晴らしい作家となった背景の一部にはこの家族愛があるのではないかと思う。今、中学生の周りには部活や塾が忙しくて、家族と一緒に夕食が食べられないという人がたくさんいる。もちろん、学生は勉学が本分ではあるけれども、家族愛というのも大切である。社会でもっと家族を大切にできるような仕組みを整えていくべきだと思う。
 確かに合理性を重視することもある。しかし、「今日という日は明日という日の二日分ある」という名言があるように、非合理的であるけれど、経験や現状から納得できるものはたくさんあると思う。現代はイロリに代わる暖かい火が必要だ。それは別に目に見える形でなくても構わないのではないかと思う。私はこれからも身の回りの物に多くの時間がかかって非合理的であっても、愛情を持って接していきたいと思う。
枝 6 / 節 18 / ID 22475
作者コード:
8.考える力をつける「楽しい説明文の本 枝 4 / 節 19 / ID 22476
 学力の中で最も大事なものは、実は成績には表れにくいものです。それは、思考力や創造力といったもので、成績にはすぐには表れませんが、受験期の伸びや社会に出てからの成長に結びつくものです。
 その考える力をつけるための方法は、一つは難しい本を読むことです。もう一つは難しい対話をすることです。しかし、ただ難しいだけでは子供は飽きてしまいます。大事なことは、難しいが楽しいという読書や対話の工夫をすることです。
 ところが、難しいが楽しい本、つまり「楽しい説明文」の本というものは、あまりありません。そういう本は、書店に並べてもあまり売れないからだと思います。
 そして、説明的な内容だが、絵や図の多い学習漫画のような本や、同じく説明的な内容だが、因果関係のわかる構造的な話よりも、知識の列挙が中心になる時事ニュースのような本が多くなってしまうのです。
 そこで、言葉の森では、オープン長文という企画で、主に言葉の森の講師が中心になって、低中学年向けの楽しい説明文の文章を作っています。これは、今後、一般の方の参加もお願いして広げていきたいと思っています。
http://www.mori7.com/marason/marason_sample.php
 また、言葉の森のfacebookグループ「読書の好きになる子の庭」では、説明文の本に限りませんが、参加者がそれぞれ読んでよかった本を紹介しています。
https://www.facebook.com/groups/dokusho/
 一般に、最も豊富に「楽しい説明文」の本が手に入るのは、図書館の子供向けのノンフィクションコーナーです。ここには、科学の本、社会の本、伝記、人生論など、読みやすい説明文の本が豊富にそろっています。
 説明文の本は、ジャンルによって子供の好き嫌いがあります。恐竜の好きな子は、かなり難しい本でも、ルビが振ってあれば恐竜の本を読みます。電車の好きな子、料理の好きな子、昆虫の好きな子など、子供の好みはさまざまです。親が一緒に図書館に行って、子供の好みを考えながら、気に入った本を選べるようにしてあげるとよいと思います。
 私(森川林)が昔読んで、低中学年向けの説明文の良書だと思ったのは、「世界ふしぎめぐり」の小学1年生から3年生までのシリーズです。しかし、これは内容が古くなったこともあり、もう絶版になってしまいました。
 その後、同じような傾向の本として、「なぜだろう、なぜかしら」、「科学なぜどうして」などが出ましたが、文章が易しすぎたり、正しい知識を伝えるということに重点が置かれすぎて知識中心の本になってしまった感がありました。
 今はもっと多くの説明文の本が出ていますが、書名を紹介しても絶版になってしまうことなどがあるので、図書館のノンフィクションコーナーで探すというようにするとよいと思います。
枝 6 / 節 20 / ID 22477
作者コード:
 
枝 61 / 節 21 / ID 22490
9.創造性を育てる作文指導と、本質的な学力を育てる寺子屋オンエア指導(再掲) 枝 4 / 節 22 / ID 22478
 言葉の森では、これまで学校の勉強とはあまり関係のない作文指導に30年間取り組んできました。それは、学校の勉強は、受験勉強も含めて、既に答えのある勉強だから独学でも十分にできると考えていたからです。
 そういうスタンスでありながら、その言葉の森の考え方に賛同して作文の勉強を続けてくれた人がたくさんいました。(うちの子2人も、小1から高3まで続けましたが。)
 ところが、言葉の森の生徒には、全体に優秀な子が多いのですが、中に少数ですが学力的に問題のある子もいるということに前から気がついていました。
 また、最近、小学校低中学年で、かえって頭が悪くなるような勉強の仕方をしている生徒が増えていることに気がつきはじめました。例えば、無意味な難問をやらせたり、勉強優先で読書が後回しだったり、低学年から英語の勉強をやらせていたり、という勉強の仕方です。
 更に、中学生で、塾には通っているが、勉強の仕方がよくわかっていない生徒が結構いるということにも気がつくようになりました。
 学校の教育力が低下していることは前から言われていましたが、最近では、学力の格差が大きくなり、できない子は更にできなくなるという傾向が表れています。
 これまでの日本の教育の特徴は、格差の少ないことでしたが、2003年ごろから、PISAの成績で上位と下位の差が大きくなり、下位の子の成績は途上国並みに低いという状態が生まれるようになりました。
 そこで、言葉の森が創造性を育てる作文の指導をこれからも進めていくには、その創造性の土台となる本質的な学力を日本中の子供たちを対象に育てていく必要があると考えたのです。
 幸い、日本には、寺子屋教育という江戸時代の優れた自学自習法がありました。
 また、勉強に必要な教材は、日本では既に多種多様に出ているので、それらの中から良いものを自由に選べるようになっていました。
 更に、近年のインターネット・テクノロジーによって、オンラインで自宅にいながらにして学べる仕組みが作れるようになっていました。
 そこで、寺子屋オンエアで、子供たちの本質的な学力を育てながら、そのオンエアシステムを将来の作文指導にも生かしていくという方向を考えました。
 作文指導に生かすというのは、電話指導の代わりにオンエア指導をするとか、個別指導ではなくグループで交流できる指導をするとか、発表会をオンエアで行うとか、父母懇談会を行うとかいうようなことですが、可能性はほかにもいろいろあると思います。
 本質的な学力について言えば、小中学生の勉強は、お金をかけたり人手をかけたりしなくても、勉強の仕方次第で短期間で誰でもできるようになるのです。
 ところで、このICT(Information and Comunicaion Technology)教育の今の動向を見ると、ビジュアルでわかりやすい教材、ゲーム的な感覚を取り入れた楽しい学習、人気講師の優れた授業、限りなく無料に近いシステムで、資本力のあるところがその資本をバックに無人化したシステムを作る方向に進んでいます。そして、最終的には、世界で数社の寡占的な教育企業が生き残るような形になると思われます。今はまだそのずっと手前の段階なので、ICT教育の可能性だけが論じられている状態ですが。
 ICT教育の普及の結果、教育の格差はなくなるかというと、確かに、格差は多少是正されると思いますが、企業化された教育の第一の目標は、優秀な子をよい大学やよい企業に紹介することになりますから、すべての生徒が本質的な教育を受けるという方向には進みにくいのです。
 この一斉指導と、競争と、賞罰による意欲付けによって、能率よく指導し、優秀な子を優秀に育てることを第一の目標とするという教育観は、言葉の広い意味で西洋的な教育観です。日本の教育も今は、すっかりこの西洋的な教育観のもとで行われています。
 そして、ICT教育における一斉指導は、個別化された一斉指導なので、同じ教材システムでできる子とできない子がいた場合、できない子は更にスモールステップの教材に取り組むような形になります。その結果、できないのは本人の意欲や努力の問題となり、勉強の仕方の問題として捉えられることはなくなるのです。
 言葉の森がこれから行おうとしている寺子屋オンエアと、そのオンエアシステムを利用した作文教育は、世間で今言われているICT教育とは正反対のものとなると思います。それは、教材という物を中心とした教育ではなく、勉強の仕方という事を中心とした教育だからです。
 また、人手はかけないものの、機械に依拠した教育ではなく、先生と生徒と親の触れ合いに基づいた教育になるからです。
 教育全般のオンエアによる指導と、作文指導自体のオンエア化が、これからの方向です。

枝 6 / 節 23 / ID 22479
作者コード:
枝 9 / 節 24 / ID 22479
 
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