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言葉の森新聞2015年9月3週号 通算第1386号 枝 0 / 節 1 / ID 印刷設定:左余白12 右余白8 上下余白8
  ■1.9月21日(月)22日(火)23日(水)は休み宿題(再掲)
  ■2.子育ての原則は、ルールを守ること、やらせすぎないこと2  
  ■3.ネット教育の新しいスタイル、寺子屋オンエア1
  ■4.国語力の二つの段階――第一段階は理屈で理解、第二段階は音読で難読に慣れる
  ■5.寺子屋オンエアの家庭学習は凡事徹底の勉強
  ■6.2020年の教育改革に向けて勉強の方向を考える1
 
言葉の森新聞 2015年9月3週号 通算第1386号

https://www.mori7.com/mori/

森新聞
枝 1 / 節 2 / ID
1.9月21日(月)22日(火)23日(水)は休み宿題(再掲)
枝 4 / 節 3 / ID 23088
 9月21日(月)、22日(火)、23日(水)は、休み宿題です。先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日9時~19時50分)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 課題の説明の動画「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/
 オープン教育の掲示板「森の予習室」にも、学年別の予習のヒントが載っています。
枝 6 / 節 4 / ID 23089
作者コード:
2.子育ての原則は、ルールを守ること、やらせすぎないこと2   枝 4 / 節 5 / ID 23090
 もう一つの原則である「やらせすぎない」は、特に初めて何かをするときに気をつけなければならないことです。
 また、子犬の例になりますが、ボール遊びなどをすると、どの子犬もみんな喜びます。しかし、喜んでいるからといって、たっぷり遊ばせすぎると、やがてその遊びに対する興味を失ってしまいます。
 だから、楽しく遊ばせ続けたいと思えば、どんなに喜んでいるときでも、腹八分で止めておかなければなりません。

 これは、勉強もそうなのです。
 勉強の場合でも、初めてやることは、誰でも熱中します。しかし、その意欲を続けさせたいと思ったら、その熱中している勉強も、腹八分で止めておかなければならないのです。

 地面の中から大きな岩を掘り起こすときは、てこの原理を利用して、一日にほんのわずかずつ動かし、何日もかけてその岩を掘り出すのだそうです。
 ほんの少しずつ、しかし毎日続けて、何日もかける。これが大きな岩を動かす秘訣です。

 勉強の教科の中で、いちばん大きな岩は国語です。
 ほかの教科は、短期間に集中して成果を上げることができます。しかし、国語は、勉強として見えているのは、地表に出ている部分だけで、その下の地面には日常の日本語生活という大きな岩の根が残っています。
 だから、週に2回ぐらいどこかの塾に行って国語の勉強をしたからといって力はつきません。国語の成績を上げるコツはあるので、成績だけはすぐに上がりますが、しかしその上がる度合いは、その子の国語力の上限までなのです。
 国語力をつけるには、ほんのわずかな勉強を、毎日繰り返し、それを半年以上続けることです。

 ところが、こういう単純なことが、単純だからこそ続けにくいのです。
 そこで、今、国語の問題集読書の音読と感想を、寺子屋オンエアの勉強の中でやっているのです。
枝 6 / 節 6 / ID 23091
作者コード:
 
枝 61 / 節 7 / ID 23142
3.ネット教育の新しいスタイル、寺子屋オンエア1 枝 4 / 節 8 / ID 23092
 従来の、そして現在も広まっているICT教育、ネット教育は、もっぱら大量のリッチコンテンツと低コストの配信という仕組みで成り立っています。これは、これで教育の素材面でのインフラになるので、大きな意義があります。
 しかし、そのインフラを生かせるかどうかは、生きた主体である子供たちの取り組み方にかかっています。

 子供たちは友達と遊んだり、本を読んだり、スポーツに熱中したり、お喋りを楽しんだり、食べたり、休んだりという全体としての生活をしています。
 そういう生活の中に、教育の素材だけがどさっと置かれたとき、その素材を生活全体の中にどう位置づけ取り組むかは、子供たちの主体的な実行の有無にかかっています。

 インスタントラーメンであれば、お湯を注げば例外なく3分間でできあがりますが(3分も待たずに食べる人もいますが)、人間はいくら材料を与えられても、それを主体的に生かそうと思わなければ、その材料が自動的に何かを生み出すわけにはいきません。
 今のネット教育に対する多くの人の疑問は、「確かにいいものがそろっているが、うちの子に続けられるかどうか」ということです。
 そして、多くのネット教育は、続けやすくするために、教育の中身とはあまり関係のない外見の面白さやゲーム性や賞品リストなどに力を入れるようになっているのです。

 中学生や高校生の中には、塾などの自習室で勉強する子がよくいます。
 カラフルでインタラクティブなネット教育よりも、殺風景な自習室の方が勉強がはかどるのは当然です。そこには、勉強する雰囲気があるからです。
 自習室での勉強の場合、教材は自分持ちで、教えてくれる先生はいません。ゲームも賞品もありません。しかし、同学年の子供たちがそれぞれに自習しているのを見ると、そこで自分も自然に勉強しようという気になるのです。
 その自習室に、いつでも質問したり相談したりできる先生役の人がいて、勉強の方向などのアドバイスを受けられれば、それが理想的な勉強の場です。

 しかし、こういうサービスは、人口密度の高い都会でしか成り立ちません。また、そういうサービスを提供できる自習室があったとしても、自宅から教材を持参して、歩いたり自転車に乗ったりして時間をかけて通わなければなりません。
 それなら、自宅で勉強した方がいいと思っても、自宅でひとりで勉強するには、そういう雰囲気になるきっかけが必要です。また、自宅では、わからないところが出てきたときに質問できる人がいません。

 こういう問題を解決するのがインターネットを使った新しい教育システムである寺子屋オンエアです。

 しかし、寺子屋オンエアのような新しいコンセプトの勉強は、なかなか理解しにくいと思います。
 そこで、言葉の森では、現在、言葉の森の生徒には機材も教材も無償の寺子屋オンエア無料体験学習キャンペーンを行っています。(つづく)
枝 6 / 節 9 / ID 23093
作者コード:
4.国語力の二つの段階――第一段階は理屈で理解、第二段階は音読で難読に慣れる 枝 4 / 節 10 / ID 23094
 国語の成績は、結構簡単に上がります。それは、読解の勉強の仕方にある一定のコツがあるからです。
 ところが、そういう読解の仕方を、なぜか学校でも塾でも教えません。だから、国語は難しいと思ってしまう人が多いのです。

 もちろん、簡単に上がると言っても、それなりに時間はかかります。しかし、理屈どおりにやっていけば、誰でも必ず国語の成績は上がるのです。

 ところで、成績の上がり方には、二つの段階があります。今述べたのは「すぐ上がる」というのは、第一の段階の方です。
 第一段階で上がるのは、解き方のコツを理解するからで、どちらかと言えば知識的な理解ですから成績が上がるのも早いのです。

 しかし、第二の段階はそうではありません。第二段階の理解とは、知識的な理解ではなく思考的な理解だからです。
 だから、難しい文章の内容を読み取ることができなければ、第二段階の国語の成績は上がりません。

 受験というのは、差をつけるための試験です。そのため、解き方を知らないと解けないような問題を出すのです。
 そして、それでもなお差をつけにくいときは、読み取りにくい難しい文章を出すのです。(悪文であることが多い)
 どのくらい読み取りにくいかというと、誰が読んでも理解できないような文章です。それが、立派な私立大の国語の問題として出てくるのです。国立大では、そういうことはまずないようですが。

 しかし、このような読み取りにくいというか読み取れない文章であっても、思考力のある生徒は、大きく自分なりに読み取ってしまいます。その差は、難しい語彙に慣れているかどうかです。

 だから、もちろん第二段階の国語力にも、力の付け方というものがあります。それは、難しい文章を読み慣れることです。
 しかし、これがまた大部分の生徒にとっては難しいことなのです。なぜ難しいかというと、苦しいわりにあてのない気がする勉強だからです。

 そこで、言葉の森では、寺子屋オンエアの勉強の一環として、国語問題集読書の音読をビデオメッセージで先生に送ってもらうことにしました。
 難しい文章を繰り返し読むために最もいい方法が音読だからです。

 黙読では、理解できない文章は理解できないままです。だから、頭に入りません。
 しかし、音読で読むと、理解できない文章が理解できないままであっても、頭に入るのです。そして、何度も繰り返し頭に入っていると、理解できるようになってきます。

 音読は、必ずしもていねいに読む必要はありません。聞いてわかるぐらいであれば、早口でも小声でもかまいません。また、時間も問題集2ページ分ぐらいであれば3分で読めます。そんな短い時間でいいのです。
 そのかわり大事なことは、毎日続けていくことです。
 国語力の第二段階は、勉強としてというよりも、生活習慣としてやっていくことなのです。
枝 6 / 節 11 / ID 23095
作者コード:
5.寺子屋オンエアの家庭学習は凡事徹底の勉強
枝 4 / 節 12 / ID 23096
 江戸時代の日本の各地で広がっていた寺子屋は、自学自習のシステムでした。
 共通の場で勉強するので、自然に勉強する雰囲気ができますが、先生は一斉指導で教えるわけではありません。
 勉強の方向性はありますが、何を勉強するかは生徒一人ひとりに対応して、先生がアドバイスする形でした。

 寺子屋オンエア(以下寺オン)は、この寺子屋方式の自学自習を家庭にいながらにして、先生のコントロールのもとで、インターネットを利用して自由な時間できるようにしたものです。
 寺オンを始めるようになった生徒の中に、すぐに驚くような成果が現れることがあります。
 ひとつには、家庭で勉強をしたり読書をしたりする習慣がほとんどなかった子が、毎日勉強や読書をするようになることです。
 またもうひとつには、既に家庭学習の習慣のあった子は、それまでひとりで又は親子で勉強していたときに比べて、より集中度の高い勉強をするようになることです。
 しかも、寺オンの勉強法は、よくありがちな家庭学習の次々と新しいプリントをやる形ではなく、1冊を徹底反復する形ですから、確実に実力がつくのです。

 例えば、中学生のある生徒は、小学6年生から寺オンを始め、塾には行かずに家庭だけで勉強しています。中学生になってからの成績は全教科ほとんど5を維持しています。
 小学3年生のある生徒は、それまで家庭で勉強したり読書をしたりする習慣がほとんどありませんでした。しかし、寺オンを始めるようになってからすぐに、毎日の勉強と読書の習慣がつくようになっています。

 しかし、このような例がある一方、寺オンのコンセプトが新しいこともあって、時々勘違いした受け止め方で勉強している人もいます。
 例えば、勉強する習慣のなかった子が、寺オンで勉強するようになったから、もっと勉強させるために塾に行かせるというようなことがありました。
 寺オンを週4日やっていたのを、週2回にして、残りの2回は塾に行かせるというような形です。
 そのようなことをすれば、塾に行っている2回分は家庭学習ができなくなります。そして、結局勉強の方向が定まらなくなるので、どちらも中途半端にしかできなくなってしまうのです。

 子供が家庭で勉強するのを見ていると、時どき飽きたり、遊んだり、ふざけたりすることがあります。
 それが気になると、つい塾に行かせてもっと集中して勉強させるようにしようなどと思いがちですが、子供は塾でも同じように、飽きたり遊んだりふざけたりしています。塾に行かせると、それが親の目から見えなくなるだけなのです。
 だから、家庭で、時どき飽きたり遊んだりするのを許容しながら、毎日の習慣として勉強を続けさせていくというのが最もよいやり方なのです。

 寺オンを、週に1回か2回見てくれる家庭教師のようなものを考えてしまう人もいます。
 勉強は、毎日同じことを同じようにやるのが大切なのですが、寺オンのときだけ、せっかく先生が見てくれているのだからと、普段できない勉強をするという人もいました。
 これは、寺オンも、その特別の勉強も、どちらもやりたがらなくなる最悪のやり方です(笑)。
 特別の勉強をさせるのであれば、それは、その特別の勉強を専門とする特別の先生に頼んで、より高い月謝で本格的に取り組むべきです。
 寺オンは、低価格で日常の勉強の習慣をつけ、実力をつけるという、言わば「凡事徹底」の勉強ですから、そういう特別の勉強をする場ではないのです。

 勉強は、平凡なことを継続するということが大事ですから、寺オンの回数が、週に1回や2回の場合でも、同じ勉強の仕方を寺オンのない日もやっていく必要があります。
 ほかの曜日はそれぞれほかの習い事をして、寺オンのある日は国語の勉強というやり方では、国語もほかの勉強も力がつきません。
 寺オンのある日の国語・算数数学・英語・読書の勉強の仕方を基準にして、寺オンのない日も、土曜日曜も含めて毎日同じような家庭学習を続けていくというのが、最も能率よく実力をつける道なのです。
枝 6 / 節 13 / ID 23097
作者コード:
6.2020年の教育改革に向けて勉強の方向を考える1 枝 4 / 節 14 / ID 23098
 今の小学生が大学入試に向かうころには、入試のあり方が大きく変わってきます。その前に、高校の勉強のあり方も大きく変わってきます。更に、社会のあり方も大きく変わってきます。

 昔は、いい大学に入りさえすればあとは何とかなる、という考えがありました。
 今はもう、もちろんそういう時代ではありません。逆に、受験勉強のために余分なことをしないという生活をしていると、かえってのびしろの少ない人生になってしまいます。
 その結果、大学入試の直前が学力のピークで、入学したらあとはずっと下り坂となってしまう人も多いのです。

 勉強は、正しい方法とかけた時間によって結果が出てきます。だから、つい見える結果だけを目指してしまいがちですが、本当は、将来社会に出て活躍するための全人間的な力をつけることを第一に考えていくべきなのです。(つづく)

枝 6 / 節 15 / ID 23099
作者コード:
枝 9 / 節 16 / ID 23099
 
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