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言葉の森新聞2017年9月2週号 通算第1482号 枝 0 / 節 1 / ID 印刷設定:左余白12 右余白8 上下余白8
  ■1.9月18日(月)、23日(土)は休み宿題
  ■2.森林プロジェクト問い合わせの方にお送りした「読書感想文の書き方」に多数の誤字と文字化け
  ■3.小学校低学年の日記の宿題を国語力アップに生かす
  ■4.中学生になって本を読まなくなるのは、小学校高学年のころの読書のあり方に遠因
  ■5.上達にいちばん時間のかかるのが作文――兄弟の上の子が作文が得意で、下の子が苦手な場合
 
言葉の森新聞 2017年9月2週号 通算第1482号

https://www.mori7.com/mori/

森新聞
枝 1 / 節 2 / ID
1.9月18日(月)、23日(土)は休み宿題 枝 4 / 節 3 / ID 26536
 9月18日(月)、23日(土)は、祝日のため休み宿題となります。
 先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室まで振り替えのお電話をして、説明をお聞きください。(平日9時~19時50分)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
※課題の説明の動画「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/
枝 6 / 節 4 / ID 26537
作者コード:
2.森林プロジェクト問い合わせの方にお送りした「読書感想文の書き方」に多数の誤字と文字化け 枝 4 / 節 5 / ID 26538
 今年の4月から森林プロジェクトにお問い合わせいただいた方に、「読書感想文の書き方」の小冊子をお送りしましたが、その中に多数の誤字と文字化けがあったようです。
 これは、もともとのテキスト原稿を変換する過程でそうなったものです。
 誠に申し訳ありませんでした。
枝 6 / 節 6 / ID 26539
作者コード:
3.小学校低学年の日記の宿題を国語力アップに生かす 枝 4 / 節 7 / ID 26540
小学校の低学年のころは、学校で日記の宿題が出されることがあります。
これは、文章を書くことに慣れるという意味で効果のある宿題です。
しかし、家庭ではこの日記の宿題に悩むことも多いのです。

その理由は、第一に、書くことが見つからないときは、子供が日記を書くのに苦労するということがあります。
 第二に、正しい書き方ができないので、子供が書くことを嫌がるという場合もあります。
 第三に、毎日日記を書くということに張り合いがもてないので、いい加減なやっつけ仕事になってしまうことがあるということもあります。

 日記の宿題は、書き慣れるというよい面もありますが、ただ書くだけでは国語力をつけるのにはあまり役立ちません。
これを次のように使うとよいのです。

 まず日記を書くことを、親子の対話のひとつとして行うということです。
 お父さんでもお母さんでもよいのですが、子供とその日にあったことや思ったことを話すときに、親が構想図をメモしながら聞いてあげるのです。

 そして、余裕があれば、そこに作文の表現項目である「たとえ」を入れたり「声顔動作の様子」を入れたり、「どうしてかというと」という理由を入れたり、「自分なりに考えたこと」を入れたり、
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作者コード:
 
枝 61 / 節 9 / ID 26542
「□○□○」という擬声語擬態語を入れたり、「ダジャレ」を入れたりして、その出来事の内容を深めていきます。

 この対話によって、子どもの語彙力と思考力が育ちます。
 そして、親の書いた構造図を参考に子供が日記を書けば、正しい表記の仕方も自然に身につけることができます。

 親子で構造図を書きながら対話する時間は、大体10分程度です。
 10分も話していると、A4サイズ1枚の紙が構想図のメモで埋まります。
 このような対話を、日記の宿題をきっかけに毎日行うことができれば、親も子供も楽しく宿題をこなし、しかも子供の国語力は向上するのです。
枝 6 / 節 10 / ID 26543
作者コード:
4.中学生になって本を読まなくなるのは、小学校高学年のころの読書のあり方に遠因 枝 4 / 節 11 / ID 26544
 小学生のころにたくさん本を読んでいた生徒が、中学生になるとパタリと本を読まなくなることがあります。

 これには、いろいろな理由が考えられます。
 一つは、学校で読書指導というものをしなくなるからということがあります。
 もう一つは、中学生は部活や定期テストでそれなりに忙しくなるからということもあります。
 また、ネットの情報で文章を読むことが多くなるので、その分読書から遠ざかるということもあるでしょう。

 しかし、いちばん大きい原因は、中学生になっても読み続けたくなるような魅力的な本があることを知らないからだということがあると思います。

 小学生のころに、本をよく読む子の多くは、物語の本を読んでいます。
 その物語の本も、古典的な名作から現代的な学校生活を描いたものまで幅広くあります。

 親は、子供が本をよく読んでいるからいいと思い、子供も自分は本をよく読んでいると思っていても、その本の内容が軽い物語文の本に限定されている場合も多いのです。
 すると、中学生になって学校の勉強などが忙しくなると、子供心にも、軽い物語の本を読んでいる暇があったら勉強をしたいと思うような場面も出てきます。

 中学生になっても本を読み続ける子は、もちろん物語文の本も読みます。
 しかし、それとともに、理科や社会や人生などの説明文的な本も読むようになっていることが多いのです。
 この説明文の本の面白さを知ると、勉強が忙しいときでも読書を続けたいと思うようになります。

 今、高校生の読書率が低下しています。
 小学生の読書率が上がっているのに対して、高校生の読書率が下がっているのは、小学校時代の読書が中学生、高校生の読書に結びつくようなものになっていないからではないかと思います。

 小学校高学年から中学生高校生にかけて子供の心を引きつけるような説明文の本は実はあまり多くありません。
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作者コード:
 
枝 61 / 節 13 / ID 26546
 図書館などを利用して、その子が興味が持てるような説明文の本を小学校高学年から探していけるとよいと思います。

【参考資料】第62回学校読書調査
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・不読率、高校生で深刻
 書籍の不読率(1カ月間に本を1冊も読まなかった割合)は小学生4%、中学生15%、高校生57%だった。小中学生が2015年の前回調査からほぼ横ばいだったのに対し、高校生は前回比5ポイント増。小学生では02年から1桁台が続いており、多くの小学校で導入されている朝の読書運動が奏功しているようだ。しかし、進学するにつれ「読書離れ」が深刻になっている。

 1カ月の平均読書量は小中学校で1990年代後半から増加傾向にある。今回調査では小学生11・4冊、中学生4・2冊に上り、過去の調査と並び最多だった。高校生の平均読書量は1・4冊にとどまり、68年以降、2冊未満が続いている。
(毎日新聞2016年10月27日より)

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枝 6 / 節 14 / ID 26547
作者コード:
5.上達にいちばん時間のかかるのが作文――兄弟の上の子が作文が得意で、下の子が苦手な場合 枝 4 / 節 15 / ID 26548
 兄弟で、上の子が読書や作文が得意な場合、下の子は年齢的に上手に読んだり書いたりできないせいもあり、上の子と自分を比較して苦手意識を持ってしまう場合があります。

 親は兄弟を比較するつもりがなくても、上の子を褒めるときに、「読書が得意だね」とか、「作文がよくできるね」とかいう言葉で褒めると、それを聞いていた下の子が、自分は別の路線で褒められるようになろうというふうに思ってしまうのです。

 いったん苦手意識を持つと、親がどんなに励ましたり褒めたりしても、心の中では納得できないので苦手意識が続きます。
 そこでどうしたらいいかというと、下の苦手な子だけを見て、毎日の長文の音読と読書をただ続けていくだけなのです。

 毎日の音読で同じ文章を繰り返し読むようにしていると、その文章のリズム感がその子の作文の中に出てくるようになります。
 しかし、そうなるまでには、半年ほどの時間がかかります。
 すぐの成果を求めるのではなく、ただ毎日の同じ文章の音読を褒め続けるということでやっていくとよいのです。
(この長期間の音読の継続にはいい方法がありますが、それはまたいつか書きたいと思います。)

 読書も同様です。
 毎日のページ数を決めて、ただ読んだことを褒めるというふうにしていきます。

 音読と読書という一見作文に直接の関係のないようなことが積み重なって、それがやがて作文力として現れます。
枝 6 / 節 16 / ID 26549
作者コード:
 
枝 61 / 節 17 / ID 26550
 しかし、それには長い時間がかかります。

 作文を上手にさせるために音読と読書を始めたということを、親がすっかり忘れてしまったころ、いつか気が付いてみると作文がしっかり書けるようになっていたという形の進歩なのです。

 他の教科の勉強、例えば算数数学などは、学力の差がかなりあるように見えても、夏休みなどの短期間の集中学習の結果驚くほど成績が上がるということがあります。

 それは、教科の勉強は答えもあり解き方もある勉強なので、それを身に付けようと思えば短期間で自分のものにすることができるからです。

 ところが、作文はその子のそれまでのトータルな読書量や経験量や語彙力などが総合化されたものです。
 だから、何かの練習をしたらすぐに上手になるということはないのです。
 作文は、まだ低学年のうちから息の長い勉強として進めていく必要があるのです。

 また、作文の力は、他の教科の勉強とは違って先取りをすることがなかなかできません。
 小学校3、4年生の生徒に、小学校6年生で勉強する一般化の主題を説明してもできるようになる子はいません。
 それは、例えば、「○○は人間にとって……である」というような考え方です。

「友達とは、人間にとってAではなく、Bである」
「食事とは、人間にとってAではなく、Bである」
「遊びとは、人間にとってAではなく、Bである」
 というような考え方は、大人であればいくつか思いつきます。

 しかし、小学校中学年の生徒では、そういう発想自体がわきません。
 精神年齢が上がらないと出てこない文章を書く力もあるのです。

 ですから、それぞれの学年に合った作文の勉強の目標があります。
 小学校1、2年生は、正しく書く、楽しく書く、書く習慣を身につける、というのが目標になります。
 小学校3、4年生は、表現を豊かに書く、題材を選んで書く、字数を長く書く力をつける、などが目標になります。
 小学校5、6年生は、構成を考えて書く、主題を深めて書く、抽象的なテーマについても書けるようにする、などが目標になります。

 それぞれの段階の練習を経ることによって、作文力は高校3年生まで継続的に進歩していきます。
 小学生のときに上手に書けたからといって、中学生になったら作文はやらなくてよいというのではありません。
 中学生で上手になった子が、高校生になれば更に上手に書けるようになります。
 そういう息の長い勉強しているうちに、文章を書くこと自体が好きになっていくのです。
枝 6 / 節 18 / ID 26551
作者コード:
枝 9 / 節 19 / ID 26551
 
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