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言葉の森新聞2021年4月3週号 通算第1655号 枝 0 / 節 1 / ID 印刷設定:左余白12 右余白8 上下余白8
  ■1.オンライン教育関連記事をまとめました――GIGAスクール構想をオンライン学童などで活用する案
  ■2.作文検定の企画――作文力の水準がわかり努力の方向がわかる客観的な検定試験
  ■3.オンライン教育の二つの形態と、それを超える新しい超少人数クラスのオンライン教育(1)
 
言葉の森新聞
2021年4月3週号 通算第1655号

https://www.mori7.com/mori

森新聞
枝 1 / 節 2 / ID
1.オンライン教育関連記事をまとめました――GIGAスクール構想をオンライン学童などで活用する案
枝 4 / 節 3 / ID 30976
 オンライン教育に関する言葉の森の記事がいろいろなところに分散していたので、まとめて見られるようにしました。
https://www.mori7.com/mori/on_kyou.php

 GIGAスクール構想が前倒しされて、この4月から実施され、生徒1人ひとりに端末が渡されるようになりました。
 せっかく子供専用の端末が利用できるようになるのですから、今後これを利用しない手はありません。

 私が考える最も建設的な使い方は、オンライン学童のようなところに参加することです。
 そのひとつの例が、言葉の森のオンラインクラスです。
(私の知っているかぎり、言葉の森のほかには、オンライン学童のような場を提供しているところはまだないと思います。)

 学校から帰ってきたら端末を開き、言葉の森のオンラインクラスの中から面白そうな講座に参加します。
 言葉の森のオンライン教育は、ビデオ授業のような無味乾燥なものではなく、5人以内の少人数のクラスでアットホームに勉強する形です。
 ですから、子供も、近所のよく知っている友達のいる教室に通うような感覚で参加できます。

 オンラインクラスでは、担当の先生が一人ひとりの個別指導も行い、また、参加した生徒どうしで読書紹介などの交流の機会もあります。
 授業時間は、45分程度ですが、そのあとブレークアウトルームにずっと残って勉強を続けることも、友達と交流することもできます。
 子供がどんな勉強をしているのか見たい場合は、保護者が勤め先からスマホで教室に入って授業参観のようなこともできます(笑)。

 オンラインクラスには、国語、算数数学、英語のような勉強型の講座もありますが、そのほかに、作文、創造発表、プログラミング、暗唱、読書など発表創造型の講座もあります。
 オンライン学童には、この発表創造型の講座の方が向いていると思いますが、高学年の生徒は勉強型の方を選ぶかもしれません。
 勉強型の講座であっても、友達と一緒に勉強できる自主学習方式の授業なので、「やらされている」という負担感はまずありません。どの子も、楽しそうに勉強に参加しています。

 言葉の森のオンラインクラスは、どの講座も2回の無料体験ができますから、関心のある方は、オンラインクラス一覧からお申込みください。
 希望する時間帯に希望する講座がまだない場合は、言葉の森事務局までご希望をお知らせください。
枝 6 / 節 4 / ID 30977
作者コード:
2.作文検定の企画――作文力の水準がわかり努力の方向がわかる客観的な検定試験 枝 4 / 節 5 / ID 30978
▼動画
https://youtu.be/WzZXx8pqN_A

 世間には、文章検定とか文章力検定とかいうものがありますが、あまりあてになりません。
 それは、評価の基準に客観的なものがないからです。
 試みに、ある一つの作文を日をおいて採点するとしたら、採点者が同じ人であっても異なる点数が出るはずです。

 言葉の森の作文検定は違います。
 そもそも言葉の森が作文指導を始めたのは、作文教育というものを客観的な基礎の上に作り上げたいという動機があったからです。
 言葉の森が考えた作文の評価は、項目指導と呼ばれるものです。
 これは、小学生では、「たとえを入れる」「会話を入れる」「書き出しと結びを工夫する」などという項目で、中学生高校生になると、「複数の理由を考える」「原因と対策を考える」「社会的な実例を入れる」などという項目になります。

 しかし、項目指導だけでは、作文力のある生徒は大体いつでも満点を取れるようになってしまいます。
 そこで考えたのが、自動採点ソフトで、その作文に使われている語彙を分析することでした。
 その自動採点ソフト「森リン」は、それなりに人間の直感的な評価と高い相関を持っていたので、2013年に特許を取得しました。

 今回企画する作文検定は、項目評価とこの語彙力評価を組み合わせたものです。
 そのためには、作文はテキスト入力していただく形になります。
 小学校低学年の生徒の場合は、生徒が手書きで書いたものを保護者がテキスト化し、高学年や中高生の生徒の場合は、自分がテキスト化するか、最初からパソコン入力で書いていただくようになります。

 現在、中学入試から大学入試まで行われている作文試験のほとんどは、誤字があったらマイナス何点というように、鉛筆と消しゴムだけで手書きで書くことを前提にしています。
 しかし、これは時代遅れの試験であって、近い将来の試験は辞書持ち込み可になるでしょうし、更に将来は直接パソコンで入力する試験になるでしょう。

 作文力の本質は、作文を通して考える力であって、誤字があるかどうかとか、字がていねいかどうかとかいうことは、作文力の本質からはずれた二義的なことなのです。
 もちろん、誤字がないとか、字が上手だということは高く評価されていいことですが、実は、作文の上手さと字の上手さは全く相関がありません。どちらかと言えば、逆の相関を感じるぐらいです(笑)。

 今、文章力検定などと称して行われている試験が、そこまで視野に入れた試験になっているとは思えません。
 採点者の主観がかなり入った、昔ながらのおおまかな試験になっているはずです。
 だから、試験の結果を受けても、それからどうしたらしいかということはわかりません。

 子供の作文力を正しく評価し、その作文力を伸ばすためには、言葉の森の作文検定を基準にするといいのです。
 その作文検定を近いうちに行えるように現在企画中です。
 初回は、無料の作文検定にする予定です。
 対象学年は小1から高3までですが、保護者の方も希望の学年で試験を受けることができるようにします。
 今後のお知らせをお待ちください。
枝 6 / 節 6 / ID 30979
作者コード:
3.オンライン教育の二つの形態と、それを超える新しい超少人数クラスのオンライン教育(1) 枝 4 / 節 7 / ID 30980
 オンライン教育には、二つの形態があると言われています。
 一つは動画を配信するオンライン教育で、これは個人がいつでもどこからでも自由に受講することのできるオンライン教育です。
 Moocやスタディサプリなどがこれに該当します。

 もう一つは双方向で行われるオンライン教育で、ひとつの教室ぐらいの人数のサイズで、先生と生徒が双方向で授業を交わすオンライン教育です。
 この具体的な例としては、N高校の例などが挙げられますが、今オンライン教育として行われているもののほとんどは、この教室サイズの双方向オンライン教育です。

 オンライン教育が登場する以前のリアルな教育は、もっぱら教室単位で行われていました。
 現在の学校や塾や予備校でも、リアルな教育はこの教室単位の授業が中心になっています。

 この1教室の人数をどれぐらいにするかということが、少人数学級としてよく論議になるところです。
 少人数学級に関する調査によると、1学級の人数と子供の学力の間には高い相関関係があり、人数が少ないほど子供の学力は高まるという結果が出ています。
 しかし、実際には少人数クラスの設置は難しく、現在の学校では30人程度の人数が1クラスの標準になっています。
 学習塾などで少人数教育をうたっているところでは、10人程度の少人数クラスもあります。

 しかし、言葉の森の行っている少人数クラスはもっと少人数で、5人以内の少人数クラスです。
 なぜ5人以内かというと、7人以上のクラスでは、全員の発表や、先生の個別指導ができなくなるからです。
 ところが、3人以下のクラスでは、人数が少ないために交流があまり活発になりません。
 言葉の森が考える少人数クラスの理想は、4人から6人までの範囲なのです。

 ですから、この5人程度の少人数クラスを、一般の「少人数」クラスという言葉から区別して、極少人数クラスと呼ぶことにします。
 ちなみに、現在,全国の公立小学校には,児童数が7名以下の特別支援学級を含まない学級が4000ほど存在すると言われており(文部科学省2018年)、これは極少人数学級と呼ばれているようです。

 この言葉の森の極少人数クラスのオンライン教育が、動画配信オンライン教育と双方向オンライン教育の二つを超える新しいオンライン教育なのです。
 この極少人数クラスのオンライン教育のどこが優れているかということを、これから5点にわたって説明していきます。

 第一の長所は、子供たちの自主学習ができるということです。
 多人数の双方向オンライン教育では、自主学習という学習スタイルはとれません。
 なぜなら、多人数では、子供たちの自主学習は、多くの場合やりっぱなしになってしまうからです。
 ほとんどの生徒は、できることだけをして、できないことはわからないまま放っておくような勉強の仕方をします。
 多人数のクラスでは、この自主学習の勉強に対して、先生が一人ひとりに対応することはできません。
 1クラスの生徒数が20人、30人の場合はもちろんですが、たとえ7、8人であっても先生1人がその7、8人を教えるとなると、個別の指導までは手が回らないのです。
 すると、自主学習は子供たちのやり方に任せる形になってしまうので、結局てできない問題は分からないまま済ませるという形になります。

 これは、リアルな学級の教育でも同じです。
 リアルな学級では、先生からの一斉授業があり、それを生徒が受け身で受講します。
 たまに何人かの生徒が質問をすることもありますが、それは授業の中の例外で、ほとんどの時間はただ先生の授業を聞くだけになります。
 すると、それぞれの生徒の理解度や定着度が分かりません。
 そこでテストによる評価が行われるという形になるのです。
 しかし、テストの結果が悪い場合も、多人数のクラスではもともと個別の対応はできませんから、せいぜい「もっと頑張れ」という程度のアドバイスしかできません。

 一斉授業型の双方向オンライン教育も同様で、できる子は退屈し、できない子はできないまま終わるという一斉授業になっていることが多いのです。

 ところが、極少人数クラスのオンライン教育であれば、子供たちの自主学習の中身を先生が個々にチェックすることができます。
 チェックの時間は5分から10分ですが、それだけの時間があれば生徒が1時間でやった勉強の弱点や、難しい問題がどこまで理解できたかということを確認することができ、その確認したことを更に次の時間に再確認することができます。

 一斉授業では、生徒は先生の授業のペースに合わせて勉強しなければなりませんが、自主学習という形の勉強の場合は、生徒は自分がよくわかってるところは飛ばして、自分がよくできなかったところは何度も繰り返して学習できます。
 だから、自主学習は、極めて能率のよい、進度の速い学習方法になります。
 この自主学習をカバーできるというのが、5人以内の極少人数クラスのオンライン教育の特徴のひとつです。

 では、具体的に、自主学習方式のオンライン授業がどのように進むか説明してみましょう。
 まず、生徒は、その日にやる学習内容(問題集のページなど)を学習記録のページに記録します。
 先生は、その生徒の前回までの学習記録を見て、どういうところをチェックするか準備しておきます。
 授業が始まると、生徒は自分の計画に沿ってその日の自主学習を始めます。
 先生は、勉強の途中でその生徒を別の部屋(ブレークアウトルームやメインルーム)に呼びます。
 別の部屋に呼ぶのは、ほかの人の勉強の妨げにならないようにするためです。

先生:「じゃあ、この前やったところで質問するよ。○ページの問題文にはどんなことが書いてあった?(国語などの場合)」
   「○ページの○番の問題はどうやって解くのか説明して(算数数学などの場合)」
生徒は、それに応じて説明します。説明がうまくできた場合は、よく理解できていることですから、それを高く評価します。しかし、説明がうまくできないときは、まだよく理解できていないことですから、先生はそれに応じた対応をします。
先生:「それじゃあ、○ページの○番の問題は、解法をもう一度見て、この授業の終わりまでに(あるは次の授業までに)先生に説明できるようにしておいてね」

 ここで大事なことは、先生がすぐには教えないことです。
 わかりやすく教えられたことは忘れるのも早く、生徒の本当の理解にはつながりません。
 その反対に、生徒が自分で理解し直したことは、確実に生徒の理解として定着します。
 そして、小学生から高校生までの勉強は、詳しい解法があれば誰でもわかるようにできているものなのです。

 この自主学習方式の勉強は、能率がよく、進度も早く、子供にとって負担の少ない勉強法で、しかも最も成績が上がる勉強法です。
 しかし、自主学習を生徒が家庭でひとりでやることはなかなかできません。
 ひとりで勉強をするのは小中学生の場合は張り合いがないからで、それ以上に、わからないところを質問する人がいないからです。
 また、多人数のクラスでは、そもそも自主学習はできず、一斉授業を聞いてテストを受ける形の勉強法しかできません。
 能率のよい自主学習方式の勉強ができることが、極少人数クラスのオンライン教育の特徴なのです。
(つづく)
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