●総合 91 点 

字  数 1257 字 思考語彙 71 点  (27 個)
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-0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0-
00-02-04-06-08-10-12-14-16-18-20-22-24-26-28-30-
知識語彙 102 点  (117 種)
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-0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--0--1--1--1--1--1-
00-09-18-27-36-45-54-63-72-81-90-99-08-17-26-35-44-
 表現語彙 106 点  (207 種)
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-0--0--0--0--0--0--0--1--1--1--1--1--1--1--2--2--2--2-
00-15-30-45-60-75-90-05-20-35-50-65-80-95-10-25-40-55-

点数はほかの人の点数との関連で毎日少しずつ変わります。
棒グラフは全作品の分布で、濃い部分は当作品の位置です。 をクリックすると、最新のデータをもとに再計算されます。

【総評】 点数はそれぞれの級の合格ラインの目安です。 20080901 改訂
12級11級10級9級8級7級6級5級4級3級準2級2級準1級1級
総合52点~59点~62点~64点~69点~72点~74点~78点~81点~86点~88点~90点~91点~92点~
相当学年小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3大社大社
合格率95%95%90%90%85%85%80%70%60%50%40%30%20%10%
思考語彙34点~35点~36点~37点~40点~43点~50点~52点~55点~62点~65点~67点~70点~73点~
知識語彙40点~41点~42点~43点~47点~49点~52点~56点~60点~65点~70点~78点~85点~90点~
表現語彙46点~48点~50点~52点~56点~57点~58点~62点~65点~71点~73点~80点~86点~91点~
思考語彙:意見や説明を書く力/知識語彙:難しい言葉や漢字を使う力/表現語彙:多様な実例や表現を書く力
 
  
思考語彙71






































































106
知識語彙102
△上の三角形の高さは思考語彙
▽下の三角形の深さは知識語彙
三角形の横の長さは表現語彙
○円の大きさは字数
(円はひし型の後ろに隠れている場合があります)。
【文体】
 ○文の流れが自然です。
 ○文章の中心がよくしぼられています。
 △中間の長さの文がやや少なめです。
 百字を超える文1ヶ所(-1点)
 ▲104字 オーギュスト・シャルティエが幸福論まで書き上げるようになったのは、自身が考えることを職とし、それを極めたからこそ生まれた究極がそこに詰まっているからだとすれば、それを読んでどう動き、どう考えるかが真価となる。
【語彙バランス】
 説明に比べて、素材がやや多い文章です。(-0点)

△三角形の高さは思考語彙、▽逆三角形の深さは知識語彙、
△▽の底辺は表現語彙、○円の幅は字数。

【文リズム】  (一文中の文節的語彙群の数) ~6個 7~10個 11~14個 15~18個 19個~

02061412110408071014100407050920090916102212121810080310070303


【文の長さのグラフ】 -20字短い文 21-40字やや短い文 41-50字中ぐらいの文 51-70字やや長い文 71字-長い文
6 める。
20 わる。
53 んだ。
42 いく。
43 いる。
13 える。
38 ある。
29 ある。
40 いる。
70 せる。
46 ない。
17 よい。
26 まう。
14 ある。
48 ない。
92 ある。
34 りだ。
32 ある。
79 ない。
39 きる。
104 なる。
64 うか。
45 ある。
81 のだ。
42 きる。
40 ある。
14 いた。
36 える。
24 った。
12 くる。
10 吸う。
104
92
81
79
70
64
53
48
46
45
43
42
42
40
40
39
38
36
34
32
29
26
24
20
17
14
14
13
12
10
6

【最長の文】 (最長の文は、文章全体の特徴を表しています)
オーギュスト・シャルティエが幸福論まで書き上げるようになったのは、自身が考えることを職とし、それを極めたからこそ生まれた究極がそこに詰まっているからだとすれば、それを読んでどう動き、どう考えるかが真価となる。 (104字)
 

【本文】
1200字以上の本文は後半1200字のみ表示しています。>> 全文表示にする
息を吸い込んだ。息は吐き出される機会を見失うと、目の前の文章と混ざって身体の深部まで満ち渡っていく。車内のアナウンスが消え、周りの乗客が消え、いつしか私は一対一の世界へと沈みこんでいる。これが私の幸福だと考える。よって、幸福を求めるのであるならば、日々を無心で生きて積み上げるべきである。
 第一の方法としては、幸福を自分自身で掴み取ることである。私たちは日々、誰かに対して特定の期待を抱き、その希望を裏切られながら生きている。それは冷蔵庫のドアを閉めなかったとか、電車でリュックサックを前に抱えてくれなかったとか、些細なことでも現れ、私たちの心を少しずつ波立たせる。しかし、そのために自分が幸せでいられない、などはとても安直な話であって、正しいとは思えない。ただ、自分自身を変えていけばよい。例えば、妹は私の部屋にいつも本を置いていってしまう。この時私には二つの道がある。一つ目は、怒って妹に片づけるように命令することで、これは比較的簡単であり、間違ったことではない。二つ目は、私がその本を手にとって、何か楽しいことを考えることで、それは例えば置きっぱなしの本を読んでしまうだとか、妹の成長を感じながら本棚にしまってあげるだとかそういう類のことである。後者は私に幸福に近い感情を与えるが、前者では不満を募らせるばかりだ。
 第二の方法は、幸福という価値定義を求めて彷徨わないことである。今の世の中では俗に啓発本と呼ばれるようなものがごまんとあるが、それらが出版され続けていることからもわかるように、幸福とは脳から得た情報で成り立つものではない。もちろん、幸福になるための考え方や、賢人の示唆を得ることで近づく努力はできる。オーギュスト・シャルティエが幸福論まで書き上げるようになったのは、自身が考えることを職とし、それを極めたからこそ生まれた究極がそこに詰まっているからだとすれば、それを読んでどう動き、どう考えるかが真価となる。つまり、最終的には自分で考えた結論こそが自分を幸福にするか決めるのであり、本などはあくまで素材にしかすぎないのではないだろうか。
 確かに、人間は、人間の営為の過程、またはそれによる生産物に大きな幸せを見出すことがある。しかし、幸福とは歯を見せて笑うことではなく、内実から溢れるものである、という名言のあるように、幸福とは可視範囲に存在せず、その人の内面によって生み出されるものだ。決して一朝一夕で得られるものではなく、事後に段々と浸透して初めて幸福だと自覚できる。だからこそ、幸福を求めるのであるならば、日々を無心で生きて積み上げるべきである。いつしか最寄駅に着いていた。私の視界に入る人混みと、改札を交差していく人々がどことなく異質に見える。その陶酔から醒めるのに、私は余計な時間を使った。段々と歩幅が合ってくる。思いっきり息を吸う。

原文   森リン ベスト5