「お母さんは、結ちゃんの気持ちもわかるけど、ここまで継ぎはぎだらけだと、おかあさんもどうやって修理したらいいのかわからないのよ」 あれから二年経ちます。 （77字）

　

　ごろたは、私が生まれる前からいるネコのぬいぐるみです。色は生成りで耳がベージュです。ごろたの表情は、まるでわたがしのようにふぁ～としていて、みていると私までねむくなります。ごろたの本名は、ねむねむごろたといいます。ごろたはアメリカでテレビ枕と呼ばれヒットしたようです。どうしてかというと、ごろたの生地はオーガニックコットンといって、農薬をつかわない栽培方法で育てられた綿をつかっているからです。
　アメリカ南部では、綿の農家さんが多いのですが、綿をつくるためにたくさんの農薬を使うため、農家さんの調子がわるくなったりするそうです。オーガニックコットンは、農家さんの身体も元気になり、畑も元気になります。それに畑には、沢山の昆虫や鳥が来るそうです。だから綿になる前に虫に食われることも多く、農家さんも仕事は増えます。そのせいか、普通の綿よりオーガニックコットンの方が高いそうです。でもオーガニックンでつくられたごろたをさわると、なんだかとっても気持ちよく家族みんなごろたを枕やクッションにしています。
　だから、ごろたはボロボロになってしまい、お母さんが何度もつぎはぎをしています。ある日、お母さんは
「もうあまりにもボロボロになったかた捨てようか」
といいました。私はとても悲しくなり
「捨てないで」
といいました。
「だったもうボロボロじゃない」
私の目は、涙であふれそうでした。
「お母さんは、結ちゃんの気持ちもわかるけど、ここまで継ぎはぎだらけだと、おかあさんもどうやって修理したらいいのかわからないのよ」
　あれから二年経ちます。ごろたはいつもリビングにあるハンモックチェアーにいます。私はごろたをクッションにして座って読むのが好きです。今日、私がごろたのことを作文に書いていたら、となりでお母さんが、ごろたを縫ってくれたから、またねむねむごろたに戻りました。ごろたはボロボロだけど、お母さんは時々古くなった洋服の生地で継ぎはぎをしてくれるので、これから先もずっとねむねむごろたでいると思います。