【7】吹く風を心の友と
口笛に心まぎらわし
私がげんげ田を歩いていた十五の春は
煙のように、野羊のように、パルプのように、
とんで行って、もう今頃は、
どこか遠い別の世界で花咲いているであろうか
【8】耳を澄ますと
げんげの色のようにはじらいながら遠くに聞こえる
あれは、十五の春の遠い音信なのだろうか
滲むように、日が暮れても空のどこかに
あの日の昼のままに
あの時が、あの時の物音が経過しつつあるように思われる
【9】それが何処か?――とにかく僕に其処へゆけたらなあ……
心一杯に懺悔して、
恕されたという気持の中に、再び生きて、
僕は努力家になろうと思うんだ――