【4】我他人を敬えば、他人また我を敬う。
己人の親を敬えば、人また己が親を敬う。
【5】己が身を達せんと欲する者は、先ず他人を達せしめよ。
他人の愁いを見ては、即ち自ら共に患うべし。
他人の喜びを聞いては、即ち自ら共に悦ぶべし。
【6】善を見ては速やかに行え。悪を見てはたちまち避けよ。
悪を好む者は禍を招く。たとえば響の音に応ずるが如し。
善を修する者は福を蒙る。あたかも身に影の随うが如し。
【7】富むといえども貧しきを忘るることなかれ。あるいは始めは冨みて終り貧しく。
貴しをいえども賤しきを忘るることなかれ。あるいは先に貴くして後に賤し。
【8】それ習い難く忘れ易きは、音声の浮才。
また学び易く忘れ難きは、書筆の博芸。
ただし食有れば法有り。また身在れば命有り。
【9】なお農業を忘れず。必ず学文を廃することなかれ。
かるが故に末代の学者、先ずこの書を案ずべし。
これ学問の始め、身終るまで忘失することなかれ。
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(実語教)