日本のルール
中1 すみひな(sumihina)
2025年12月4日
行列は、民主主義社会の平等性に特有の現象である。身分制社会では性差や人種差がある場合、どんな場合でも先着順が基本となってしまう。しかし、日本人はきちんと並んで物事を進める。行列は用件を一つずつ片付けるという近代的事務処理の発想に根ざしているのだ。行列についての海外の例としてギリシャを挙げてみよう。ギリシャの役所や事務所では先客にかまわず、処理しやすいものから答えていくというやり方をとることが多いそうだ。アラブ社会も同様だそうだ。このような社会に行列がなじむはずがない。もし並んだとしても、割り込みを防ぐため、お互いを監視しているのだそうだ。まるで、スーパーヒーローのように周りを見張り続ける役目を果たすわけだ。私は、行列を守ることが社会的秩序を保つために不可欠であると考え、賛成する。
1つ目の理由は、行列などのルールを守ることによって物事がより早く、スムーズに進むからだ。高速道路などの大きい道路などには信号がいくつもある。左に曲がったり右に曲がったりするたびに青信号を待つ車はどんどん増えていく。これがもし、信号がなかったらどうなるだろう。秩序が大きく乱れてしまう。事故のせいで火災が起こったり死亡者が出たりしてしまったりしたら大変だ。だからこそ、赤信号をしっかり守ろう、というポスターが立ててあったりするのだ。人気のレストランや話題になっている水族館のチケットを買う場合もそうだろう。しかし、細い道路で周囲に誰もいない状況で赤信号の場合、必ずしも日本人全員が、そこで止まるとは限らない。
2つ目の理由は、ルールを守らない人がいると混乱してしまうからだ。富士山を挙げてみると秩序の大切さがよくわかる。富士山の2024年の登山者数は約21万人なのだがその中で、途中でルールを守らなかったことが原因でトラブルが発生した割合は、30%に上った。登山は行列ではないが、ルールを守る例として秩序の大切さがわかるだろう。また、ディズニーランドの2024年の入場者数は1510万人だ。これも、行列がなければ混乱を招き、これほどの人数をさばくことは不可能だっただろう。
確かに、待つときに並ばなくていい時もあるかもしれない。しかし、行列は単に目的もなく並んでいるわけではなく、自分の目的を達成するために並んでいるのである。つまり、行列とは自分と同じ目的の人が大勢集まっているところともいえる。例えば、ダイマルは午前10時から開店するのだが長蛇の列があろうと、1分前であっても、秒針がそろって時刻が来るまでドアを開けない。腕時計をじっと見ていないで少しくらい早めでもいいのではないかと思ってしまうが、秩序を守るのが好きな人がいるからこのような現象が起こるのだと思う。また、現代のデジタル社会においては、例えばオンラインでのチケット購入や商品の注文も一種の行列として捉えられることがある。この場合、物理的な場所で並ぶのではなく、時間やアクセスの順番が重視される。これにより、場所に縛られることなく、デジタル上でも秩序が保たれているのだ。