かずまさん、今回の作文について、非常に興味深い視点から物との関わり方について述べられていて、読み応えがありました。
まず、日常的な物の価値を理解することの重要性について、具体例を用いて効果的に説明されています。特に、家事や料理を例に挙げた部分では、物の価値を実感する体験がどのように子供たちの認識に
影響を
与えるかがよく表現されています。また、物に対するアプローチとして、「強要ではなく伝承すべき」という提案は、非常に
柔軟で
実践的なアプローチとして印象的です。
さらに、社会全体で子供たちに物の価値を教えるための仕組みを作ることの提案は、具体的で実用的なアイデアが
随所に見られ、非常に有効だと感じました。社会がどのようにして子供たちに実体験の機会を提供し、それによって物の価値を学べるかの具体的な方法がしっかりと述べられています。
この作文では、データを用いて現代の子供たちの読書習慣について
触れており、その
分析が説得力を持っていました。「中学生や高校生になると、六割から七割の生徒が月に一冊も本を読んでいない」という部分は、現状を明確に示しており、◎データがよく書けています。
提案された方法についても、「物の楽しさを伝えること」「物にかかわれるチャンスをきちんと作ること」という二つのアプローチが具体的であり、◎複数の方法がよく書けています。また、社会が子供たちに機会を提供すべきであるという
当為の主題が、「国や地域行政、学校などが、子供のために、何かを体験できるチャンスを作るべきだ」という形でしっかりと表現されており、◎
当為の主題がよく書けています。
森リン評価 チャンス wape 03月1週 かずま字数/基準字数: 2119字/1200字 思考点:80点 知識点:88点 表現点:89点 文化点:87点 総合点:86点 | ●語彙学年表
| 小1 | 小2 | 小3 | 小4 | 小5 | 小6 | 中1 | 中2 | 中3 | 高1 | 高2 | 高3 | |
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思考点 | | | | | | | | | | | | | | 知識点 | | | | | | | | | | | | | | 表現点 | | | | | | | | | | | | | | 文化点 | | | | | | | | | | | | | | 総合点 | | | | | | | | | | | | | |
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●語彙の説明語彙 | 種類 | 個数 | 種類率 | 点数 | 説明 |
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思考語彙 | | 31個 | | 80点 | 考える言葉です。 理由、方法、原因などの説明の語彙。 多すぎると、説明の多い硬い文章になる可能性があります。
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知識語彙 | 67種 | 95個 | 71% | 88点 | 難しい言葉です。 社会的な例や調べた例の語彙。 多すぎると、難しい言葉の多い重い文章になる可能性があります。
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表現語彙 | 125種 | 197個 | 63% | 89点 | 豊かな言葉です。 話題の幅が広い語彙。 多すぎると、散漫な文章になる可能性があります。
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文化語彙 | 42種 | 54個 | 78% | 87点 | 詳しい言葉です。 身近な例や経験した例の語彙。 多すぎると、身近な話の多い狭い文章になる可能性があります。
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種類率は、60%以上が目標。70%以上の場合は多様な語彙が使われています。 |
2119字
 | | 80点
 | | 88点
 | | 89点
 | | 87点
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字数 | | 思考語彙 | | 知識語彙 | | 表現語彙 | | 文化語彙 |
■思考語彙 31種
語れば,、きっと,だろう,仕向ければ,なる可能,だろう,そのため,として第,。しかし,もし仮に,。しかし,な場合,だと,しよう,だろう,のため,作るべき,だろう,与えるべき, 確か,と考える,、おそらく,だろう,、むしろ,。しかし,と思う,だろう,与えるべき,広げるべき,だと,は思う,
■知識語彙 67種
不適合,主人公,主体,人生,人間,会話,体験,価値,保証,利用,効率,反吐,反応,可能,品質,問題,困難,国家,地域,場合,場所,場面,外食,大人,大勢,子供,存分,学校,完全,実践,家具,対象,専用,強制,強力,強大,強要,必要,手紙,拒否,挫折,整備,料理,方法,普通,木工,材料,機能,段階,火打石,煙草,特殊,現代,理由,理解,生活,社会,興味,行政,規模,購入,通販,道具,重要,関心,雇用,顕著,
■表現語彙 125種
おこし,こっち,こと,これら,さ,しり込み,そのもの,それ,それら,ぞんざい,ため,ところ,はるか,ほか,もの,やつ,よう,わけ,チャレンジ,チャンス,ネット,フィクション,ライン,一つ,不適合,世の中,主人公,主体,二,人,人生,人間,仕組み,会話,体験,何,例,価値,保証,先,利用,効率,化,反吐,反応,可能,品質,問題,困難,国,国家,地域,場合,場所,場面,外食,多く,大げさ,大人,大勢,嫌い,子供,存分,学校,完全,実践,家具,対象,専用,強制,強力,強大,強要,後ろ,後押し,必要,性,我々,手紙,扱い,拒否,挫折,整備,料理,方,方法,普通,木,木工,材料,枠組み,棒,楽,機能,段階,火,火打石,煙草,物,特殊,現代,理由,理解,生き物,生活,的,目,確か,社会,私,者,興味,行政,規模,視,購入,通販,道,道具,重要,関心,限り,雇用,面,顕著,
■経験語彙 42種
いける,かかわれる,かねる,かみ合う,くれる,こたえる,しまう,そろえる,つける,できる,なびく,やる,よる,れる,与える,仕向ける,作る,使う,出す,出る,劣る,合う,向く,味わう,広げる,得る,望む,楽しめる,気づく,生まれる,示す,考える,行う,補う,見つける,見出す,語る,貶める,買う,起こす,関わる,限る,
チャンス
高1 かずま(auyoto)
2025年3月1日
物との出会いの経験が、子供達は著しく貧困である。商品としての物が氾濫する一方で、自然と連なる物の世界は、ますます子供の世界から消滅しつつある・その端的な表れが道具の使用の経験の未熟さに挙げられる。ものと出会いものを道具によって操作する体験や文化が欠落しているのである。言葉という道具に応用の事情がある。「文字離れ」「活字離れ」は、今や決定的といってよいだろう。小学校の低学年では、読書は召還化しているが、高校生になると活字離れが進行し、中学生や高校生になると、六割から七割の生徒が月に一冊も本を読んでいない。私は、このようなものに接する機会を作るべきだと思う。
そのための方法として第一に、物の価値をしっかりと子供に伝えていくことだ。最近、子供に対していろいろな経験をさせるということに強い関心があるように思える。身近なところでは、子供に家の手伝いをさせて、家事や、場合によっては育児の大変さを身にしみて感じさせる。逆に、学校の野外学習などで、火おこしや自然と触れ合う機会を設けている。それで確かに子供たちから見た物の価値が大きくなっていくのは間違いないと思う。しかし、ただ単に強要するように子供たちになにかしらの物の価値を押し付けるようにはなってならない。子供たちは、自分たちに何かしらの物が強要されることへの拒否感が大きく、また、強要されていることに気づく能力もとても強い。子供たちにいくら楽しいことだとしても、それを強要してしまっても、強要されているその一点で、子供たちの楽しむチャンスをかえって奪ってしまうことになりかねない。それは、おそらく大人としても望ましいものではないだろう。子供たちに物の価値、物の楽しさを教えるためにはどうすればいいか。それは、物の楽しさを伝えることだ。強要するのではなく、伝承していくべきなのだと思う。子供は、わざわざ自分から物の楽しさを味わうのを億劫に感じてしまうかもしれない。しかし、物語なら別だろう。例えば料理だったら、材料を繊維に沿ってサクッと切る感触、鍋に放り込んだ材料を混ぜるときの箸の重さ、それらを終えた時の、解放感と達成感が入り混じった一時のいいがたい喜び。これらを順序だて、時に面白く、時に大げさに語れば、きっと子供もそれにこたえてくれるだろう。子供は決して世の中に無関心になったわけではない。目が向かなくなっただけで、その目をこっちに来るよう仕向ければ、大人が望むようになる可能性もあるだろう。
そのための方法として第二に、物にかかわれるチャンスをきちんと作ることだ。子供というのは、強制されたところでなびきづらい。しかし、もし仮に子供が主体的に物に関わることに興味を得たら、必ずそれを後ろから後押しし、その先の道を整備する社会が必要だ。物の価値というのは、実践してみない限り完全には理解しがたい。しかし、物の価値は、対象にもよるが、なかなか実践してみることが困難な例がある。それが顕著なのは火おこしや、木工など、専用の場所や道具、材料が必要な場合だ。なかなか現代の社会で、火を起こして問題視されない場所は少ないし、特殊な道具、材料が必要だと、それらをそろえる段階でしり込みしてしまっても何もおかしくない。実際、何かにチャレンジしようとしても、これらの理由で挫折してしまった人も大勢いるだろう。それを補うことができるのは、社会という大きな枠組みで行うのが最も手っ取り早いし、やりやすい。国や地域行政、学校などが、子供のために、何かを体験できるチャンスを作るべきだ。それは、決して強制されるものではあってはいけないのは言うまでもないだろう。強制しては、かえってそのものへ拒否反応を示しかねない。あくまで、与えるべきはチャンスなのだ。
確かに、現代社会で火おこしや木工が重要視されることはまずないと考えていい。それらは、現代の効率化された生活とはもはやかみ合わないのだ。フィクションで、普通の場面なのにいちいち煙草の火をつけるのに、火打石や木の棒を使う主人公を見たいという人は、おそらくそうそういないだろう。わざわざ材料を買って、家具をDIYするよりも、ネット通販で購入した方が、はるかに楽で品質も保証されている。ほかにも、手紙をいちいち出すより、ラインで会話する方が安くて速いし、料理をいちいちするより、それを買って来たり外食する方が、むしろ雇用も生まれる。しかし、機能の面で劣っていても、それが楽しくないとは限らない。人間は、いや、生き物は、楽しさを見つけないとやっていけないと思う。その楽しさの一つに、物の価値を見出す、物の価値を味わうこともあるだろう。当然だが、それが性に合わない子供もいる。そのような子供を、社会不適合者かのようなぞんざいな扱いをし、貶めるようなやつははっきり言って嫌いだ。反吐が出る。我々は、子供に楽しさを強要するのではなく、チャンスを与えるべきなのだ。国家という、大規模な枠組みがせっかくあるのだ。この強大かつ強力な仕組みを利用し、存分に人生を楽しめるように、物の価値に気づくチャンスを、より多くの子供に広げるべきだと、私は思う。