【総評】
この作文は、長文の内容をしっかりととらえ、自分の体験や家族の話とつなげながら「困難な時でもあきらめずに、落ち着いて行動することの大切さ」について深く考えられている、とてもよく書けた感想文です。ピアノの発表会での経験や、お母さんの部活の話が自然につながっており、「人に励まされることで前向きになれる」という学びが読み手にも伝わってきます。文の流れもスムーズで、心の動きが丁寧に表現されています。
【第一段落】(長文の要約)
渡良瀬川の体験をもとに、筆者が「動かない体から教えられながら生活しよう」と思うようになったという、大切な気づきをしっかりとつかんで要約できています。川の流れの様子や、そこから学んだ考えがはっきりと伝えられており、文章の中心となるテーマがよくつかめていました。
【第二段落】(自分らしい体験実例)
ピアノの発表会での失敗と、その後お母さんにかけてもらった言葉で前向きな気持ちになれたという体験が、自分の言葉で素直に書かれていてとても良いです。「まるで、雨から晴れに変わるように感じた」というたとえも印象的で、感情の変化がよく伝わってきました。また、これから挑戦するピアノのコンクールについても触れ、自分の成長と希望を未来につなげているところがすばらしいです。
【第三段落】(聞いた話・話題を広げる)
お母さんの中学時代の話を紹介しながら、自分も将来「優しい友達がほしい」と思っていることを書いていて、とてもあたたかい内容になっています。また、「勇気をもらうだけでなく、あげられる人になりたい」という考えにたどりついている点がとても立派です。自分の内面の成長が感じられる深い段落でした。
【第四段落】(「わかったこと」でまとめる)
最後は「困難な試練があっても、焦らず落ち着いて最後まで対処すれば、自分で自分を守れる」という形で、学んだことをしっかりまとめています。内容だけでなく、言葉の選び方にも力強さがあり、読み手にも安心と勇気をくれるような結びになっていました。
【この作文で特に優れていた点】
長文の中心的な学びをしっかりとつかんで要約できていた
自分の体験を生き生きとした表現で紹介していた
たとえ(まるで雨から晴れに変わるよう)を自然に取り入れられていた
家族の話を取り入れながら、話題を広げ、自分の考えに結びつけていた
最後に「わかったこと」をはっきりと書き、自分の成長を表現できていた
【考えを深めるための質問】
これから先、もっと大きな「ピンチ」が来たときに、自分を落ち着かせたり前向きな気持ちに切りかえたりするには、どんな「言葉」や「考え方」が自分の力になると思いますか? 一つ考えてみましょう。
■思考語彙 15種 20個 (種類率75%) 64点
。しかし,あるので,いけば,がんばろう,しよう,すれば,せざる,と思う,なくむしろ,は思う,やめよう,挑もう,焦らざる,行くはず,間違えざる,
■知識語彙 33種 46個 (種類率72%) 60点
一緒,丁寧,七月,中央,中学生,中心,今年,共通,勇気,友達,困難,増水,失敗,学生,審査,対処,後日,意識,時代,最後,毎日,渡良瀬川,生活,発表,相談,経験,緊張,練習,自分,試練,部活,長所,電話,
■表現語彙 74種 121個 (種類率61%) 62点
あと,お母さん,こと,さ,そう,そこ,それ,はずみ,まま,もの,よう,コンクール,ピアノ,一,一つ,一緒,丁寧,七月,中央,中学生,中心,事,二,人,今年,他,会,体,何,共通,勇気,友達,困難,増水,失敗,学生,家,審査,対処,年,度,後日,意識,所,日,時,時代,晴れ,最後,歯,母,毎日,気持ち,流れ,渡良瀬川,点,生活,発表,相談,私,経験,緊張,練習,背,自分,行くはず,試練,話,足,達,部活,長所,雨,電話,
■経験語彙 43種 57個 (種類率75%) 83点
あげる,いきすぎる,かかる,がんばる,くれる,しまう,できる,と思う,は思う,ひく,ひらめく,もらう,やめる,られる,れる,分かる,励ます,勇気づける,動く,向かう,向き合う,変わる,守れる,引き返す,感じる,戻る,挑む,教える,歩ける,気づく,泳ぐ,流す,焦る,眺める,立て直す,続ける,落ち着く,落ち込む,見つける,送る,遊ぶ,間違える,食いしばる,
■総合点 68点
■均衡点 1点
気持ちを立て直す時
小5 ゆい(akakiyu)
2025年4月2日
気持ちを立て直す時
ある日、渡良瀬川に行くと増水して流れもはやかった。そしてときどき流れの速い中心に向かって少し泳いでは、引き返して遊んでいた。しかし、どうしたはずみか中央にいきすぎ、気づいた時には速い流れに流されていたのである。だが、そこでひらめいたものが、あった。流されている所は私の背よりも深いが、このまま流されていけば、必ず浅い所に行くはずなのだ。すると毎日眺めている渡良瀬川に戻ってしまったのである。そしてこの経験から私は思った。歩けない足と動かないてと向き合って、歯を食いしばりながら一日一日を送るのではなくむしろ、動かない体から教えられながら生活しようという気持ちになったのだ。
私もピアノの発表会で少し失敗した経験が何度もあり、その度に落ち込んだ。だが、母が
「そういう時もあるよ。」
と、言ってくれて、私はまるで、雨から晴れに変わるように感じた。この経験から、私はあまり緊張せずに、間違えず、丁寧にひくことを意識できるようになってきていると思う。今年の七月にはじめてのピアノのコンクールがある。審査があるので、いつもよりも緊張すると思うが、暗い気持ちのままコンクールに挑むのではなく、長所も見つけながら、明るい気持ちで挑もうと思う。
お母さんは学生時代、部活の練習がつらく、「もうやめようかな」と思い、友達に相談した。後日、家に電話がかかってきて、
「やめないで。辛いけど、一緒にがんばろうよ。」
と励まされ、部活を続ける事にしたそうだ。私も、あと二年で中学生になる。中学生になったら、母の友達のような優しい友達が私も欲しいと思う。母と私の話では一つ共通点がある。それは、母の友達や、私の母は、自分達を勇気づけてくれている人だ。私も、他の人から、勇気をもらうのではなく、自分から他の人に優しさや勇気をあげたいと思った。
どんな困難な試練があっても、焦らず落ち着いて最後まで対処すれば、自分で自分を守れるのだなということが分かった。