里山を歩いていると
　それぞれの目的を気持ちよく、楽しく達成させてくれるのが里山の景観であり、それを構成する野生生物を中心とした自然だ。今、美しく維持されている里山は必要なてひまをすべて山里の人々の善意に負っている。しかし、里山を私有財産という枠組みのなかだけで考えていたのでは守れないと思う。都市に住む人々が、人手の不足している里山でボランティア活動を行うのも良いと思う。野生生物にとって一番いいのはコリドーだ。緑のコリドーは人間が立ち入らないことにする。



　私の家の周りには低い山や、遊びやすい川がたくさんある。その中でも家族とよく行くのは、不動明王が祀られている小さな滝があり、地元の人が整備してくれているハイキングコースもある、ほたるの里という場所だ。そこは地元の人しか知らないような、あまり有名ではない里山だ。一月ごろに、そこへ行ったときのことだ。駐車場からしばらく進むと、車のヘッドライトが捨てられていた。その他にも軍手やペットボトル、ビニール袋などが捨てられていた。人があまり来ていない場所なのに、ゴミが多いのはなぜだろうか。私は、人気（にんき）がないからだと思う。また、学校の行事でも登った、猿投山という山がある。遠くに住んでいる人のなかにも、知っている人が比較的多い有名な山だ。そこに訪れると、来ている人が多いのに、ゴミがほんの少ししかなかった。評判が良い山は、山好きの人が綺麗な山を維持しようとしてくれているのかもしれない。それに加えて、地元のボランティアの方々が、清掃をし続けているからこそ綺麗になるのだと思う。



　最近、熊が人里に降りてきたことがニュースになっていた。なぜ、熊がわざわざ人里まで降りてきたのか、不思議に思って調べてみた。すると、ツキノワグマの場合は、餌の不足が原因だと出てきた。なぜ、餌が不足するのかと言うと、大まかに言って山が荒れてしまっているからだ。山は木を切ることによって日の光が差し込み良い状態が保たれる。しかし、最近では薪を必要とする人が少なくなってきて、木を切ることがあまりなくなってきてしまい、日光が差し込まなくなって山が荒れてしまう。そうすると、餌が手に入りづらくなってしまうので、少ない餌を探しに広い範囲で歩いているうちに人里まで出てきてしまうのだ。野生動物と程良い距離を保つためにも山の整備をするのは必要だと思った。



　人間にとって里山とは、資源があって助かる場所でもあり、手入れをしてきれいにすることも一手間も必要なところである。だからこれからは、山へ行くときにゴミ袋を持っていき、ゴミを拾いたい。