数値化することと信念
中2 あかるら(akarura)
2025年4月2日
「私」という人間がこの世に存在していることは「不思議」なことだ。しかしその不思議を忘れた魂自体を忘れて生きる人がいる。その「不思議」を分からせる点で児童文学は特に優れていると考える。子供の澄んだ五感で見る魂とその世界が児童文学に込められているからだ。人生の「不思議」と心に収める物語は共に人間を支えている。このように人生を生き、死ぬときに自分そのものが他にはない「物語」であることに気付くはずだ。
確かに数値化ができるような客観的な指標は大切だ。自分の努力の結果を数値など目に見える形に変えることで相手と比べてより努力を重ねたり、自分の成長を知ることができたりとその効果は絶大だ。この客観性の高い結果の出し方は人々の味方となりやすいだろう。私も特に中学校に入学してから自分を表す様々な数値に触れる機会が増えたと思う。中間・期末試験の自分の点数や通知表で更に分類されて出されるようになった成績などがその一例だ。このような莫大な量の値を何度も目にすることで、自分の将来の目標やそのための改善点を計画し実行に移せるようになったのは確かだ。例えば一年生3学期の試験の結果を見直すと数学に弱いことが分かったため、授業の受け方を見直したり他の友人と競い合うことで相乗的に数学の力を上げたりと計画を立てている。数値化されなければ自分の現在の立ち位置も目標もあやふやになってしまい時に自分を見失う可能性も高い。そのように考えると数値での客観的な情報は便利でかつその人間自体を測る上で効果の高い方法だと言える。
しかし数値化できないものが大切な場合もある。それは夢や信念・利念などだ。これらはどのような工夫を凝らしても直接的に計測し、数値を出すことが難しい。TEDの動画の1つに成功の秘訣について話しているものがある。その中では有名企業や有名人が何故成功したのか紹介している。動画の途中にアップルについて述べられたものがある。日本でも世界でも多くの売り上げを獲得し、人気を博している会社アップルの成功には商売方法が関係しているそうだ。他のライバルメーカーと類似の機能、サイズ、そして価格でも彼らは自分達の信念を伝えることに力を投じたのだ。例えば他の会社がコマーシャルで製品の特色だけを述べたのに対して、アップルは自分達が作る機器を最終的にどのような形にしたいのかを述べ製品特色の説明に入るという形を取った。このテンプレート、つまり利念を掲げて述べる方法が多くの客を動かし成功へ繋がったと動画で説明していた。信念など人間の内面的な事柄は理解と心の揺さぶりをもたらす。これは人間にとって大切なものの1つだ。
他人から分かる自分と本人だけしか知らない自分の二つが同時に存在していることが分かる。「千日の稽古をもって鍛となし、万日の稽古をもって錬となす」という宮本武蔵の名言がある。このように最も大切なのは自分が掲げる夢に真っ直ぐに向かい成長することだ。そのために人として機械的、人間的など様々な面から努力を重ねることが大切である。