美点を見つける
中3 蜩(aeriya)
2025年4月1日
普通、ゴミをみつけたらまずどうするだろうか。基本は放っておかれるか捨てられるかの二択だ。しかしゴミはそれだけが選択肢とは限らない。例えばペットボトルゴミはリサイクルすれば様々な種類の製品になる。また近年は、生ごみを燃料にする技術が注目されている。このように一見、何にも役に立たないように見えるものが他の視点から見てみると驚きの一面を持っている事がある。私も見ただけでは価値がわからないものでもその良さに気づいて生かしていけるような人間になりたい。
第一の方法としては、良い面にも注目して物事を見ていく事である。私が所属している吹奏楽部では合奏練習の前に一つやらなければいけない事がある。それは一度音楽室から机を出して椅子を合奏体系に並べるという作業だ。これをやらなければ合奏ができないため片付けを含めると週に六回はこの作業をしている。これはほとんど肉体労働に近いため、きつい部分がある。そのため一部の男子は全くやろうとしない。やらせようとしても言い訳ばかり言って一向に動いてくれないのだ。しかし、その代わりなのか分からないが、練習はしっかりやってくれる。また演奏会直前に楽器を音楽室のある四階から一階に下す作業がある。これは管楽器は一人二台ほど持って降りる事ができるため比較的楽なのだが、打楽器はそうはいかない。打楽器パートは総勢五人しかいないため、沢山ある打楽器を全て運ぶことは不可能だ。なので自分の楽器を下ろした部員から打楽器下ろしに駆り出される。これこそまさに一番きつい肉体労働なのだが、男子にこの作業を頼むと「軽いのを運ばせてくれ」などと言いながらも手伝ってくれる(ちなみに男子は基本肉体労働をやらせるので薬な楽器はほぼやらせない)。ここぞというときにちゃんと手伝ってくれるのが彼らのいいところなのかもしれない。しかし、普段から部員全員で参加すべきことにはちゃんと参加して欲しいものだ。このようになんでも悪い面が少し目立ってしまうものでも良いところはあるのである。
第二の方法としては物事を一方的な見方で見るのではなく多角的に見ていくことである。とても良いものは、今まであまり良い価値をつけられなかったものから生まれて来る事が多い。オワンクラゲというクラゲは、水中で発光する特徴を持ったクラゲだ。このクラゲは少し前までほとんど知られていなかった。しかし、オワンクラゲがなぜ発光するかについて研究すると、それらは発光するタンパク質を持っている事がわかった。その物質を細胞に注入することで体内から細胞を発光させ観察することができるようになるそうだ。それらは、がん細胞の挙動の観察などに使用されているそうだ。今、医学や生物方面など様々な分野で使われている。このように、違う視点からものを見ると思わぬ発見や利点が見えてくるものだ。私はどんなものでも一つの視点だけで「良いもの」、「悪いもの」と価値をつけてはいけないと思った。
確かに物事の欠点を直すことも重要だ。また欠点を見ずに利点だけを見て利用したりしてしまうと大きな落とし穴にはまってしまうこともあるだろう。しかし、欠点ばかり見てその先入観に囚われてしまうより、物事のを多角的に見て良い面にも目を向けていくことも大切なのである。「雑草とは、まだ、その美点が発展されていない植物のことである。」という名言があるように、一見ゴミに見えるものでも違う視点から見て良いところを見つけていけるような人間になりたい。