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   中3 あえとく(aetoku)  2025年4月3日

 人びとが時間に追われるようになったのは、時計の発明とともに始まった。昔は太陽や星の運行を目安に、明け方や夕方といったおおまかな時間感覚で生活していた。農業が中心だった時代には、柱時計が一家に一つある程度で、時間を意識せずに自然とともに行動していた。しかし、誰もが時計を持つようになると、つねに時間を気にするようになり、「時のたつのも忘れて」何かをするということが少なくなった。また、テレビ画面に分単位で時刻が表示されるようになったことも、時間に追われる感覚を強めた。今では、テレビが時計そのものになり、多くの人が時刻を確認しながら行動している。さらに、時間を効率的・能率的に使うことが重視され、空いた時間にも仕事を入れる人が多い。こうして、日本人は時間にとらわれ、時間貧乏な毎日を送っている。南の島で時計のない生活を夢見ながらも、実際には日々に追われているのが現実なのである。

第一に「物事に熱中すること」が挙げられる。好きなことや夢中になれる趣味に没頭しているとき、人は自然と時間を忘れるものだ。子どものころ、遊びに夢中になって気がつけば夕方だった、という経験は誰しもあるだろう。僕も小学生の時に友達と遊んでいて気づけばもう帰るいかんになっていたのでがっかりした覚えがある。それは、一つのことに集中して取り組むことができている証拠であり、時間に支配されていない状態とも言える。現代人は何かを得るために何かを捨てすぎていると思う。本当に大切なものを失っている気がする。もっと時間を忘れて好きなことをたくさんして良いと思う。

第二の方法は、「ゆとりを持って生活すること」である。予定を詰め込みすぎず、あえて何も予定を入れない「余白の時間」を持つことが、心の豊かさにつながる。忙しさの中で見失いがちな小さな楽しみや幸せは、ゆっくりとした時間の中でこそ見つけられるものだ。人生を急いで過ごすよりも、立ち止まって深呼吸するような時間が、私たちの生活に彩りを加えてくれる。人生は一度きりなので楽しまなければ意味がない。死ぬその瞬間まで楽しく生きていきたい。人生に一番必要なのはお金や地位ではなく趣味だと思う。自分が楽しいと考える人生にしていくことが大事だと考える。

もちろん、時間通りに規則正しく生きることの大切さも否定はできない。社会で生きていく上では、時間を守ることは信頼の基礎であり、秩序のためにも必要なことである。しかし同時に、時間にすべてを支配されてしまっては、自分らしい生き方を見失ってしまうこともある。『自分が考えるとおりに生きなければならない。そうでないと、ついには自分が生きたとおりに考えるようになってしまう。』という名言がある。私はこの言葉を大切にしながら、時間に縛られすぎず、自分のペースで人生を歩んでいきたいと思う。時計の針に追われる毎日ではなく、時には針を止めて心の声に耳を傾ける。そんな主体的な生き方こそが、真の豊かさにつながるのではないだろうか。