僕の二分間
小3 あけいと(akeito)
2025年4月2日
朝、六時五十五分。僕はスクールバスに乗って学校へ行く。わずか二分の乗車だ。だが、この二分の間にもハプニングは起きるものだ。
僕の家は学校と目と鼻の先にある。マニラに来てすぐの頃、僕は歩いて学校に通っていた。日本の小学校のように集団登校はなく、母と弟二人と一緒に歩いて登下校した。フィリピンは日本程治安が良くなく、僕の住むフィリピンで一番安全なBGCでも拳銃強盗がある。子どもだけで外を出歩ける環境は皆無だ。母は最初、
「公園も走り回れる環境もないのだから、せめて学校くらい歩いていかないと。」
と言っていた。しかし徒歩通学を始めて二週間後には、
「登下校の時間に雷が来たらどうしよう。」
とか、
「もし弟たちが体調を崩したらどうやって送って行こう。」
とか言うようになり、その一週間後にはバス通学に変わっていた。母の行動の速さはまるで台風が来た時のようだった。
バス通学が決まった時、僕はとても嬉しかった。なぜなら暑い中重いランドセルを背負って歩かなくて済むし、何よりバス通学に特別魅力を感じたからだ。しかしそんなワクワクドキドキもすぐに消え去ってしまった。最初はバスのスライドドアが開かなくなった。次はバスが走行中にエンジンが止まって動かなくなった。たった二分の間に何度もトラブルに見舞われた。もしバスが止まってしまった時に後ろから車に突っ込まれたら?僕はバス通学が怖くなって嫌になった。
「ねぇ。歩いて学校に通おうよ。」
何度か母に訴えたが、無理と一言で片付けられた。悔しいからわざと遅刻してバスに乗り遅れてやろうかと思ったけど、本気で怒られそうで、僕にはその勇気が出なかった。とにかく二分間安全なバス通学を楽しみたい。