科学文明
   中3 あうえあ(auea)  2025年4月2日

 科学文明の発達は、人間の日常から手間をどんどん省く。お店の入口に立てばドアは自動的に開き、階段のそばには必ずエスカレーターがある。ボタンを押せばテレビがつき、クーラーが動きだし、音楽が流れはじめる。電気製品のなかでも、特にAV機器においては、リモコンのないものは商品になりえないような世の中である。  こうした世の中の進化現象は、あげればきりがない。そして、なぜこうしたことが進化と形容されるかというと、これらはすべて、それまでの人間が必ず経験しなければならなかった数々の手間を、片っ端から省いていったからである。しかし、私は、人間はある程度の手間を自分でこなしてこそ成長するものだと思っている。

しかし、人間本来の感性や心の成長は、そうした便利な技術だけでは育たないと私は思う。やはり、自分の手や足を使って実際に体験することが大切だ。自然の中で風のにおいを感じたり、土の感触に触れたり、誰かと一緒に何かをつくり上げたりする中でこそ、本当の意味での喜びや感動が生まれる。自分の力で何かをやりとげた経験は、自信となり、心の中に深く残るだろう。うまくいかなくて悩んだり、時間がかかったりすることもあるが、その分だけ得られる学びや達成感は大きい。

 一方で、科学文明の発達によって私たちの生活が大きく支えられていることも事実である。忙しい現代社会の中では、時間や体力を節約できる技術が多くの人にとって欠かせないものになっている。たとえば、電子レンジや掃除機などの家電製品によって、家事の手間を減らすことができ、その分を勉強や仕事など有効な時間に使うことができる。また、高齢者や体の不自由な人にとっては、自動ドアやエレベーター、音声操作の機器などが、安全で快適な生活を実現する手助けになっているだろう。人間の欲も出ている科学文明だが自分たちが暮らしやすくなるような工夫もたくさんしてあり今の世界には欠かせないものなのだ。

科学の力は私たちの生活を豊かにしてくれる。しかし、「体験は最良の教師である」というような名言があるように、人間本来の感性や心の成長は、やはり自分自身が動いて、体験してこそ育つものだと私は思う。私はこれからも、便利なものに頼りすぎず、自分の手でやってみることを大切にしていきたい。そうすることで、自然の大きさや人とのつながり、そして自分自身の新たな一面にも気づくことができるはずだ。