「クラシック音楽」という題材から時間の使い方へ話を展開した構成はとても巧みで、読みごたえのある作文でした。現代社会の課題を多角的にとらえ、身近な実例とともに説得力ある主張に仕上げています。
【全体的な総評】
この意見文は、「時間に追われる生活から時には解放されるべき」という当為の主題を軸に、二つの対策を具体的かつ説得力のある実例と共に提示してくれました。比喩表現、自作名言の活用など、読み手の心に残る工夫が随所に見られます。特に最終段落では、自身の意見をしっかりまとめながらも、余韻を持たせる語り口で好印象を残しています。
【段落ごとの講評】
◆一段落目(当為の主題)
クラシック音楽と現代の情報化社会を対比させた見事な導入です。「細部が全体に位置づけられることで意味を持つ」という視点が深く、問題提起として非常に秀逸です。
◆二段落目(方法一:心理的アプローチ)
「隙間時間」の活用という身近な方法を、ことわざを使って論理的に説いている点が素晴らしいです。隙間時間の活用が時間の余裕を生むという視点がおもしろいですね。自身の体験を交えて説得力を高めている点も評価できます。
◆三段落目(方法二:社会的アプローチ)
オンライン化や学校での事例を挙げて、無駄な時間の削減と効率化の必要性を丁寧に展開しています。「急いでの効率化では本旨に反する」と、論理の筋を明確に守っているのも良い姿勢です。
◆四段落目(まとめと名言)
「時間は生まれるものではなく、生み出すものである」という名言が文章全体の締めにふさわしく、読者に強い印象を残します。「空いた時間を好きなことに使う」という前向きな視点も好感が持てます。
【この作文で特に優れていた点】
✅クラシック音楽を象徴として使った印象的な導入
✅ことわざと自作名言を効果的に活用
✅抽象的な主題を日常的な具体例と結びつけた論理性
✅構成のバランスと段落ごとの焦点の明確さ
【考えを深めるための質問】
あなたにとって「時間をかけて向き合いたいこと」は何ですか? それはなぜ、今の時代においても大切だと思いますか?
■思考語彙 20種 25個 (種類率80%) 77点
確か, 第,、いわゆる,。しかし,。つまり,。もちろん,が可能,しまえば,せざる,だろう,つぶせば,と思う,なければ,などにより,みると,やるべき,れるべき,三によって,変わるため,積もれば,
■知識語彙 61種 100個 (種類率61%) 80点
世界,今度,以上,休日,会議,体験,余裕,余計,作業,傾聴,充実,先生,全体,効率,勉強,勤務,単純,合間,在宅,大切,存在,学校,学生,家事,宿題,導入,工夫,平日,年生,徹底的,必要,意味,指導,文章,方法,時間,有効,本旨,業務,毎日,比例,活用,無駄,生活,発掘,真面目,程度,細部,職場,自分,解放,言葉,課題,通勤,週間,運動会,重複,隙間,音楽,騎馬,高校,
■表現語彙 125種 218個 (種類率57%) 85点
確か,いろいろ,うち,かたち,が可能,こと,しょうが,すべて,それ,それら,たくさん,たち,もの,ゆとり,よう,わけ,インターネット,オンライン,クラシック,コマーシャル,コミュニケーション,サラリーマン,システム,パソコン,ビデオ,一,一つ,三,上,世界,中,事,二,五,今,今度,以上,休日,会議,体験,何,余裕,余計,作業,例,傾聴,充実,先生,全て,全体,分,効率,勉強,勤務,化,十,単純,合間,回,在宅,塵,塾,変わるため,大切,好き,姿,存在,学校,学生,家事,宿題,導入,山,工夫,平日,年生,後々,徹底的,心,必要,性,意味,戦,指導,数,文章,方,方法,時間,曲,有効,本旨,業務,毎日,比例,気,活用,無駄,父,生活,発掘,真面目,私,秒,程度,細部,羽,習い事,職場,自分,解放,言葉,話,課,課題,通勤,週間,運動会,重複,隙間,面々,音楽,騎馬,高,高校,
■経験語彙 48種 67個 (種類率72%) 91点
かかる,しまう,せる,つぎ込む,つぶす,できる,と思う,やる,やれる,られる,れる,介す,伸ばす,位置づける,切り抜く,切り捨てる,削る,劣る,反する,嘆く,図る,埋まる,増える,変える,変わる,急ぐ,持つ,振り返る,浮かせる,減らす,減る,潜む,生まれる,生み出す,積もる,空く,終わる,行う,見せる,費やす,起こる,返る,迫る,追う,送る,過ぎる,集める,食う,
■総合点 88点
■均衡点 5点
時間に追われない
高1 あうては(auteha)
2025年4月3日
あらゆるものがカジュアルになっていき、様々な機器の圧倒的な便利さと引き換えに、「傾聴」したり、「注視」する面倒な手続きがどんどん失われていっている時代である。そのなかで「真面目」で「傾聴を迫る」クラシック音楽は姿かたちを変えている。しかし、クラシック音楽はコマーシャルとしてわずか十五秒に切り抜かれてしまっている。もちろん細部が全体に劣るわけではない。だが、曲全体という世界の中に位置づけられることで細部はそれで課で存在するより以上の意味を持つことができる。しかし、実際のコマーシャルの十五秒のクラシック音楽はそういう体験には程遠い。私たちは、時間に追われる生活から時には解放されるべきだと思う。
第一の方法は、隙間時間をうまく活用することだ。私たち、一例としての学生は、学校や塾、習い事、家事、勉強などで毎日が忙しく過ぎていく。しかし、よくよく振り返ってみると、それらの合間合間には数分から十数分程度の何もしない時間、いわゆる「隙間時間」が意外とたくさん埋まっている。そういった時間を発掘し、有効活用することで、後々塵も積もれば山となるで、それまでに削ってきた小さな隙間時間が大きな時間となって返ってくる。つまり、隙間時間一つ一つではたいした事はできなくても、それらを集めてしまえばいろいろなことができるようになるというわけだ。私も、宿題や課題は平日中の時間があるうちに終わらせてしまい、休日は勉強のことなど気にせずに思いっきり好きなことに時間を費やし、羽を伸ばしたい。
第二の方法は、必要でないことは切り捨てて、効率化を図ることだ。といっても時間に追われながら徹底的に急いでの効率化ではこの文章の本旨に反する。それよりも、そもそもやるべきことを減らす、または単純化するという作業の方が大切だ。現に、今でもオンライン会議の導入や、パソコン上での新システムなどにより、サラリーマンが実際に職場に行く必要性が減りつつある。つまり、業務やコミュニケーションをすべてインターネットを介して行うことが可能になり、通勤時間を浮かせられるようになったのだ。実際に、私の父は一週間に一、二回は在宅勤務である。また、今度の高校の運動会で私たち一年生は騎馬戦をやるのだが、その指導は先生ではなく全て高三によって行われている。そこで、ある意味嘆いてもしょうがない話だが、指導する高三の面々が時々変わるため、話や見せるビデオが重複することが結構起こって、余計な時間を食っている。このように、私たちの生活には意外と無駄な時間が潜んでいる。それらをつぶせば時間にゆとりができ、ひいては心にも余裕が生まれるだろう。
確かに、時間とやれることは概ね比例する。たくさんのことをやるには時間もそれだけかかってしまう。しかし、「時間は生まれるものではなく生み出すものである」という言葉があるように、うまく工夫しなければ空いている時間というものは増えるどころかどんどん減っていってしまう。時間を有効活用し、空いた時間を自分の好きなことにつぎ込んで、充実した生活を送っていきたい。