昔のものも新しいものも、どちらも深い愛情をもって見つめている姿勢がとても伝わってきました。「どちらが良いか」ではなく、「どう生かすか」という視点を持っているのが素晴らしいですね。文章の構成も整っていて、大人顔負けの説得力を感じました。

【全体的な総評】
 この作文は、「古いもの」と「新しいもの」の両方の価値を丁寧(ていねい)に整理しながら、それぞれの立場に具体例を交えて説得力のある意見を展開しています。さらに、両者を対立させるのではなく「どう生かすか」という次元にまとめた点がとても優れています。論理的な流れと心のこもった言葉選びが、読む人の心にしっかりと届く内容でした。

【段落ごとの講評】

◆一段落目(要約・状況(じょうきょう)説明)
 言語の保守性に触れ(ふれ)冒頭(ぼうとう)は少し難解ですが、「変わらないものに意味がある」という主題が明確に伝わっており、しっかりとした出だしになっています。

◆二段落目(意見A・実例)
 お正月をはじめとする日本の伝統行事に自分の家庭の実体験を重ねている点がとても良いです。「絆を深めてくれる」など、心を動かす表現が効果的でした。また、ことわざを挙げて古い知恵(ちえ)の価値を示した点も説得力があります。

◆三段落目(意見B・実例)
 マリー・キュリーの例を取り上げたのは意外性があり、知的な印象を与える(あたえる)良い選択(せんたく)でした。AIや翻訳(ほんやく)アプリなど現代の例も的確で、未来への期待がよく表現されています。

◆四段落目(総合化・主題)
 古いか新しいかではなく「どう生かすか」が大切というまとめ方は、単なる折衷(せっちゅう)案ではなく高い次元の意見に昇華(しょうか)されています。紙の本とタブレットの使い分けを例に挙げた点も、読者が共感しやすく、とてもよく書けていました。

【この作文で特に優れていた点】
✅四段落構成が明確で、内容に深みがある
✅実体験を交えた伝統文化の描写(びょうしゃ)が心に残る
✅科学的事例(キュリー夫人)を上手く取り入れた知的な視点
✅「どう生かすか」という総合的なまとめが非常に高レベル

【考えを深めるための質問】
 あなたが大切にしている「昔ながらのもの」と「最近の便利なもの」があるとしたら、それをどう組み合わせて生活に生かせそうですか? 自分の体験も交えて考えてみましょう。

△うんと→
△風習じゃなく→
 


■思考語彙 22種 28個 (種類率79%) 82点
 しかし, 確か,。しかし,。だからこそ,。つまり,。一方,。例えば,。第,いうと,いるから,からこそ,が可能,そのため,だろう,と思う,と言える,は思う,は考える,アプリによって,再生可能,自分にとって,限らざる,

■知識語彙 82種 103個 (種類率80%) 94点
一団,世界,世紀,両方,交互,人生,仏教,伝来,便利,再生,再生可能,初詣,利点,前線,効果,化学,医学,医療,受賞,古典,場面,変化,外国,大切,大戦,夫妻,女性,存在,学校,学習,学賞,実現,家族,常識,年賀状,影響,必要,情報,意味,手段,技術,授業,放射線,放射能,文学,料理,日本,時代,時間,未来,検索,概念,治療,物理,状況,現代,理解,生活,発明,発見,登場,知恵,確立,社会,科学,移動,簡単,経験,結果,習慣,翻訳,自分,自然,行事,視点,貢献,選択,鉱石,開発,関連,集中,風習,

■表現語彙 155種 227個 (種類率68%) 98点
 確か,お正月,が可能,こと,ことわざ,これら,さ,さまざま,そのため,それ,それぞれ,たくさん,ただ,たち,つながり,ぬくもり,みんな,もの,よう,インターネット,ウラン,エネルギー,オンライン,キュリー,タブレット,ノーベル,ヒント,ピエール,ポロニウム,マリー,ラジウム,レントゲン,一,一つ,一団,三,上,世界,世紀,両方,中,交互,人,人生,今,仏教,他,伝来,何,使い方,例,便利,再生,再生可能,初詣,利点,前,前線,力,効果,化学,医学,医療,半ば,受賞,古典,命,地,場面,変化,外国,大切,大戦,夫,夫妻,女性,存在,学校,学習,学賞,実現,家族,密か,常識,年,年賀状,影響,心,必要,情報,意味,手段,技術,授業,放射線,放射能,文学,料理,新た,方,日々,日本,昔,時代,時間,書き込み,未来,本,検索,概念,様々,次,治療,物,物理,状況,現代,理解,生活,発明,発見,登場,知恵,石,確立,社会,私,科学,移動,簡単,紙,絆,経験,結果,習慣,翻訳,考え方,者,自分,自然,行事,視点,話,語,豊か,貢献,賞,車,選択,鉱石,開発,関連,集中,雨,風習,

■経験語彙 42種 53個 (種類率79%) 82点
あげる,おせる,おる,くれる,せる,ちる,できる,と思う,と言える,は思う,は考える,ひらく,られる,れる,与える,使い分ける,切る,動かす,取る,受け継ぐ,合う,固まる,変わる,学ぶ,守る,応じる,感じる,持つ,支える,救う,残る,求める,深まる,深める,生かす,生まれる,用いる,見きわめる,過ごす,選ぶ,降る,限る,

■総合点 92点

■均衡点 3点
 

ラレルは四つの仕事を
   中2 あえもま(aemoma)  2025年4月3日

 言葉は効率の良さを求めて歴史と共に変わっていく。しかし、言語というものはその本質においてうんと保守的なものである。そこで、そう簡単には新たな変化を受け入れれない。いや、受け入れられないのである。

 昔から変わらず受け継がれてきたものには、それだけの価値と意味がある。日本には行事、伝統工芸品、言葉など古くから受け継がれてきた、たくさんのものがある。行事としては、お正月などがあげられる。お正月は、6世紀半ばの仏教伝来よりも前に存在していたとされている。例えば、おせち料理や初詣、年賀状などは、古くからの習慣だが、家族や人とのつながりを感じられる大切な時間になっている。実際に私の家族は、みんなが一団となって過ごすことが少ない。しかし、このような昔からの習慣は自然と家族を一つとさせ、絆を深めてくれる。そのため、ただの昔の風習じゃなく、人との絆を守る手段として今も意味があると言える。さらに、ことわざや古典文学も私たちを密かに支えてくれていると思う。例えば、「石の上にも三年」「雨降って地固まる」などのことわざは、昔の人の経験から生まれており、今でも人生のヒントになる。つまり、昔の知恵が、現代でも心を支えてくれると言えるだろう。このように、日本には他にも様々な物が受け継がれ、今でも人の心を動かす力やぬくもりを持っているからこそ残っているのだと私は思う。

 しかし、変化していく時代において、便利さや新たな発見も大切である。新たな発見、というとマリー・キュリーの話があげられる。マリー・キュリーは、夫のピエール・キュリーと共に、ポロニウムとラジウムを発見し、ノーベル物理学賞とノーベル化学賞を受賞した女性科学者である。キュリー夫妻は、ウラン鉱石からラジウムとポロニウムを発見し、放射能という概念を確立した。そして、放射線治療などを通じて、医学と科学の両方に大きな影響を与えた。第一次世界大戦中には、放射線を用いた移動レントゲン車を開発し、前線での医療に貢献した。このように、新たな発見は人の命を救うことにも関連している。また、現代社会では、インターネットやAI、再生可能エネルギーなど、時代とともに登場する新しい発明が私たちの生活をより便利で豊かにしている。例えば、学校ではオンライン授業が可能になり、翻訳アプリによって外国語も簡単に理解できるようになった。その結果、世界とのつながりが深まり、今までの常識では考えられなかったことが次々と実現している。つまり、新しい発見や技術は、私たちの未来を切りひらく大きな力となるのだ。

 確かに、古い考え方や、新しい考え方にもそれぞれ良さがある。しかし、最も大切なことは、古いか新しいかではなく、それをどう生かすかという視点である。例えば、紙の本は、集中しやすく、書き込みもしやすいという良さがある。一方、タブレットなどは、軽くて情報検索が簡単という利点がある。これらのように、昔のものと今のものを交互に使い分け、自分の学び方に合った使い方を選ぶことで、学習効果は大きく変わる。この例に限らず私たちは日々の生活や社会の中で、さまざまな場面で選択を求められている。だからこそ、自分にとって本当に必要なものを見きわめ、状況に応じて選び取る力が何よりも大切なのだ。