「ミイラ」について中心を決めて書くことができましたね。上手な書き方ですよ。

【全体(てき)総評(そうひょう)
 ミイラについての長文を読んだ感想として、「怖い(こわい)」「不気味(ぶきみ)」といった率直(そっちょく)な気持ちを丁寧(ていねい)に書けていて、とても心に残る(のこる)作文でした。ミイラを薬にするという考えへの驚き(おどろき)や、自分がミイラになったらどう思うかなど、文章全体に「自分だけの視点(してん)」がしっかりと出ていてすばらしかったです。また、実際(じっさい)にミイラを見たときの様子や、お母さんから聞いた体験(たいけん)を取り入れて、内容(ないよう)がとても広がっていました。読み手に強く印象(いんしょう)与える(あたえる)作文になっていました。

段落(だんらく)ごとの講評(こうひょう)

一段落(いちだんらく)目(長文の要約(ようやく))
 ミイラが薬として使われたことを正確(せいかく)にまとめ、「怖い(こわい)」という気持ちを自分の言葉でしっかり表現(ひょうげん)できています。「人間を商品にするお店の店員(←定員)みたい」というたとえもおもしろくて印象(いんしょう)(てき)です。

◆二段落(だんらく)目(体験(たいけん)実例(じつれい))
 本物のミイラを見たときの自分の反応(はんのう)がとてもよく伝わっ(つたわっ)てきました。「体がぶるぶる震え(ふるえ)た」「視線(しせん)を感じた」など、動作や感覚(かんかく)表現(ひょうげん)しているところがとても良い(よい)ですね。想像(そうぞう)ではなく実際(じっさい)経験(けいけん)をもとに書けているのが高く評価(ひょうか)できます。

◆三段落(だんらく)目(聞いた話・話題を広げる)
 お母さんの体験(たいけん)を取り入れたことで、話に深みが出ました。「何千年も前の人が同じ空間にいるのが不思議(ふしぎ)」という言葉も心に残り(のこり)ます。自分の気持ちと重ねながら広げているのがよくできています。

◆四段落(だんらく)目(まとめ・心の声)
 「自分がミイラになりたくない」という結び(むすび)がとても個性(こせい)(てき)でおもしろく、自分の考えがしっかりまとまっています。「今の時代に生まれてきてよかった」とまとめることで、読後感も明るくなっています。

【この作文で特に(とくに)優れ(すぐれ)ていた点】
✅長文の内容(ないよう)正確(せいかく)にまとめ、自分の気持ちを添え(そえ)て書けていた
✅自分の体験(たいけん)を入れて、感情(かんじょう)表現(ひょうげん)する力が高い
✅お母さんの話を上手に取り入れて話題を広げていた
✅心の中のつぶやきでまとめられていた

【考えを深めるための質問(しつもん)
 もし未来(みらい)の人が、今の(わたし)たちの体を使って研究や薬を作ろうとしていたら、あなたはどう感じますか? そのとき、自分の気持ちを伝える(つたえる)方法(ほうほう)はあると思いますか?
 


■思考語彙 11種 17個 (種類率65%) 54点
。どうして,いいから,いうと,しよう,するため,たので,たら思う,だから,と思う,ないと,のため,

■知識語彙 32種 40個 (種類率80%) 59点
一番,不思議,不気味,人間,以上,以前,健康,博物館,危険,商品,定員,専用,新鮮,日本,昨日,時代,未来,本物,歴史,死体,気分,水分,空間,絶対,自分,自身,茶色,薬品,見学,視線,輸入,部屋,

■表現語彙 75種 123個 (種類率61%) 62点
いや,お母さん,お話,こと,するため,そう,その後,たくさん,たち,ところ,のため,みたい,みんな,もの,よう,エジプト,スフィンクス,ピラミッド,ミイラ,ヨーロッパ,一,一番,不思議,不気味,人,人々,人間,今,以上,以前,体,何,作り,健康,前,千,博物館,危険,取り,商品,塩,定員,専用,年,店,度,新鮮,日本,昔,昨日,時代,木,未来,本物,歴史,死体,気分,水分,私,空間,粉,絶対,背,自分,自身,茶色,薬,薬品,見せ物,見学,視線,輸入,部屋,金儲け,食べ物,

■経験語彙 20種 34個 (種類率59%) 49点
いける,しまう,たら思う,と思う,れる,作る,使う,信じる,感じる,抜く,生まれる,痩せる,盗む,知る,置く,聞く,読む,震える,飲む,飲める,

■総合点 61点

■均衡点 5点
 

私を見ているようなミイラ
   小4 なな(akasona)  2025年4月3日

 中世から十八世紀のヨーロッパでは、ミイラが医薬品としてもてはやされました。日本には、十六世紀に薬品<ミルラ>として輸入されました。ヨーロッパでも日本でも、危険を知りながら「ミイラ取り」にいった人がたくさんいたそうです。このお話を読んで一番怖いなと思ったのは、ミイラを薬にするために人々がミイラを盗んだりしていたというところです。どうして怖いかというと、ミイラは人の死体だからです。人の死体で薬を作るのはとても不気味だと思います。ミイラを使ってお金儲けしようとする人たちは、まるで人間を商品にするお店の定員みたいで怖いと思いました。

「体が木みたいに茶色になっていて人間じゃないみたい。」

昨日、エジプトの歴史博物館へ行って本物のミイラを見てきましたが、本物を見たら思った以上に怖くて体がぶるぶる震えてしまいました。ミイラの視線も感じてしまい、ものすごく怖かったです。エジプトでは昔新鮮で健康な食べ物がそれほどなかったので、ミイラは痩せていたり背が低かったりするそうです。エジプトではミイラ作りのためにナトロンという塩のようなものを使って体の水分を抜くそうです。もし私が薬としてミイラの粉を飲まないといけなかったとしたら、気分が悪くなって絶対に飲めないと思います。その時代に生まれなくてよかったです。

お母さんに以前本物のミイラを見たことがあるか聞いてみました。お母さんは昔エジプトへ行ったことがあり、ピラミッドやスフィンクス、博物館に置いてある本物のミイラを見たそうです。何千年も前の人が同じ空間にいるのが不思議で信じ難かったそうです。私も一度でいいからピラミッドへ行って、ミイラを置いていた専用の部屋を実際に見学してみたいです。

私はこのお話を読んで、自分自身がミイラになってその後薬の粉にされたくないと思いました。そして、未来の博物館に置かれてみんなの見せ物になるのもいやだなと思いました。今の時代に生まれてきて本当によかったと思いました。