読書の力 清
小6 あえさた(aesata)
2025年4月4日
読書の楽しみは一人でできる楽しみです。野球を楽しむには自分の他に少なくとも十七人の賛同者が必要でしょう。道具や、設備や、場合によっては途方もなく広い場所がなければ、どうにもならない。読書の方は、設備も要らず、どこかへ出かけるにも及ばず、相手と相談もせず、気の向くままにいつでもどこでもできます。
僕は、読書をすることはとても大切なことだと思う。なぜなら、僕自身が一冊の本に夢中になり、考え方が変わった経験があるからだ。ある日、父が買ってきてくれた「五分で論理的思考力ドリル」という本を読んだとき、僕はその内容に強くひきこまれた。この本は、小学生から大人までを対象にした問題集で、短い時間で楽しみながら論理的な考え方を身につけることができる。本の中では、ソニーの研究者たちが紹介した「五つの思考回路」が登場する。それは、スキャン、クリエイト、リバース、ノック、ステップである。スキャンは、必要な情報を集めて整理し、問題のポイントを見つける力、クリエイトは、自由な発想で新たなアイデアを生み出す力、リバースは、物事を逆の視点から見つめ直す力、ノックは、先入観や思いこみにとらわれず、疑ってみる力、そしてステップは、複雑な問題を、順番に考えて解いていく力である。これらの思考回路に共通しているのは、ひとつの見方にとらわれざる柔軟な思考を持ち、視野を広げることである。この本を読んでから、僕は読書が単なる楽しみではなく、自分の思考力を高め、知識を深める大切な成長の時間であることに気がついた。そしてまるで映画を見ているかのように、場面が頭に浮かび、心が動かされたのである。このことから僕はこれからも色々な本を読んでいきたいと思った。
しかし、テレビも本と同じようにたくさんのことを学ぶ手段である。特に音声が流れるため分かりやすいという長所まである。だから一見すると、テレビの方が優れているように思われがちだ。しかし、テレビは視覚や聴覚に頼る情報が多いため、情報が一方的に流れるため、深く考える余裕が少なくなりがちである。映像はインパクトが強く、すぐに答えを示してくれるが、その過程を自分で考える時間が奪われやすい。それに対して読書は、自分のペースで進めることができるので、わからない部分があれば立ち止まって何度でも戻り、調べ、深く考えることができる。読書を通じて情報を整理し、筋道を立てながら理解を深めることができるため、日常生活や社会で役立つ論理的思考力を鍛える訓練にもなる。また異なる視点から物事を考える柔軟さを養うこともできる。だからこそ、僕はこれからも本を読むことに力を入れ、思考力を高め続けたいと考える。読書を通じて得られる学びや発見は、テレビのように与えられる情報だけでは味わえない、自分自身で掴み取る深い知識と経験だからだ。
人間にとって、読書は知識の宝箱のような存在だ。読書を通して、知らなかったことを知り、新しい発想を得て、世界を広げることができる。それだけでなく、自分の思考を深め、異なる見方を育むこともできる。読書は単なる情報を得るための手段ではなく、自分自身を成長させるための重要な時間であると考える。だからこそ、僕はこれからも多くの本を読み続けたい。そして、読書によって得た知識や経験を、人生の中で役立て、確実に自分の力にしていきたい。「継続は力なり」ということわざのように、少しずつでも積み重ねれば、それはきっと大きな力になると信じている。