重要な物
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年月日
「ふむふむ」
別に素敵な物でもないし、大した物でもない。あってもなくても、どうでもいい物ではないのだ。どんなに素晴らしい部屋でも、屑籠はみすぼらしくて構わない。
僕は、屑籠と同じような物は、ティッシュペーパーだと思う。なぜなら、ないと鼻づまりをしたときに鼻をかむことができないからだ。鼻水を垂らしたままにするわけにもいかないので、ティッシュを忘れた日は隣の席の子に借りるしかない。だから、ティッシュは屑籠に似て目立たないけど大事な物だと思う。
母に屑籠に似たような物がないか聞いてみると、バーベキューでごみ袋がないと、片づけられなくて困ると言っていた。たしかにそうだと思った。なぜなら、ごみ袋がないとどこにゴミを捨てれば良いかが分からなくなってしまい、困惑する。だから、自分で持って行ったり、誰かが持ってきたりしてくれていると安心する。普段は目立たないけど、重要な役割をしている物だと思った。
他にも屑籠に似た、重要だけど目立たない物がたくさん見つかったので紹介する。
一つ目は、トイレットペーパー。無いとトイレに行った時に、拭けない。昔の日本では、長い間紙は大変貴重だったため、使い捨てにしない用具として、貝殻や籌木(ちゅうぎ)と呼ばれる木片をトイレットペーパー代わりにしていたそうだ。木で拭くのは汚いと思ったので、トイレットペーパーが開発されたことに感謝した。
二つ目は、電気。電気が無いと夜は凄く暗いので、何もできなくなる。電気は皆さんおなじみのエジソンが発明するまでは、灯油ランプを使っていた。灯油ランプと違い、ボタン一つで明るくなるので、電気が発明されて良かった。
三つ目は、ドア。無いと見られたくない物が見えてしまう。隣の部屋の音も聞こえてしまうし、とても困る。ドアの歴史を調べていると、なんと約二〇〇〇年前から自動ドアがあったことが分かった。かがり火を灯すと、空気・水・滑車などが動き、ドアが開く仕組みだ。作った人はヘロンで、ヘロンの発明品はなんと十個以上あるとされているらしい。
四つ目は、カーテン。カーテンも、ドアと同じで、見られたくない物が見られてしまう。カーテンには遮光という機能もあるので、西日が当たると、眩しくて我慢できない時もある。
五つ目は、鍵。無いと、泥棒が入り放題になる。昔のカギは、ドアのデコボコと壁のデコボコのところに紐を通して結ぶと、鍵になる仕組みだったそうだ。
六つ目は、歯ブラシ。無いと、虫歯だらけになる。ちなみに歯ブラシがない時代は、柳の小枝の橋を噛んで、歯を磨いていたらしい。それほどまでに昔から人間は歯を磨きたいという欲求があったということだ。
七つ目は、コップ。無いと、うがいができないし、水も飲めない。コップがない時代は、大きな葉っぱを曲げてコップにしたり、ココナッツの殻や、南瓜の皮などを使って、飲んだり、うがいをしたりしていたらしい。
屑籠に似て、目立たないけど重要な役割をしている物はたくさんあったけど、なぜそれらの物は目立たないのだろうか。例えばティッシュペーパーについて考えてみると、昔は、紙があまり普及していなかったが、最近はみんなが当たり前のように紙を使っているから、あまり有難みがないのだと思う。なぜなら、手に入りにくい物を手に入れたら嬉しいけど、当たり前に手に入る物を手に入れてもそこまでは嬉しくないからだ。例えば、人気のお菓子をゲットしたら飛び上がるほど嬉しいけど、あまり人気がないお菓子を手に入れても嬉しくないからだ。屑籠はまるで歩道みたいだ。なぜなら、歩道はあまり意識しないけど、歩道がないと車にひかれてしまうからだ。屑籠がないと、どこに捨てたらよいか分からなくなり、家中がゴミだらけのごみ屋敷になってしまう。だから、屑籠も歩道も重要だ。
僕はごみバコをバコンと閉めた。
ごみ箱は 目立たないけど 重要だ あえひの作俳句