わてひさん、今回の作文についての講評をお伝えします。

まず、現代社会における「子供」の問題に対する洞察(どうさつ)が非常に深いです。特に、「専門的知識が現実を歪める要因となる」という点や、知識が「見えない制度」として機能してしまう現象について、具体的な例を挙げて説明しているのが印象的です。また、教育現場での専門分化が子供たちを個人としてではなく、成績や行動のラベルで見がちになる問題点を指摘(してき)している部分は、非常に説得力があります。
さらに、「専門家の存在は社会の信頼(しんらい)を支える基盤(きばん)ともなっており」という見解は、専門知識と人間関係の重要性をバランスよく評価している点で、論理的で洗練された考察と言えるでしょう。

「人間とは知識ではなく、人間同士のつながりで生きてきた」という名言を引用することで、人間性と知識の関係性についての論点を強調しており、「◎名言がよく書けています。」

論旨(ろんし)全体を通じて、社会問題の根本的な原因と解決策について深く掘り下げ(ほりさげ)ており、「原因がよく書けています」「社会問題の主題がよく書けています」と評価できます。全体として、非常に内容の濃い(こい)、優れた作文です。素晴らしい洞察(どうさつ)と表現力をお持ちですので、今後もこの力を存分に発揮していただきたいと思います。
 

森リン評価 現代の問題 nnga 04月3週 わてひ
字数/基準字数:
1247字/600字
思考点:92点
知識点:97点
表現点:85点
経験点:79点
総合点:91点
均衡点:3点
●語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
1200字換算
 
思考点:点
知識点:点
表現点:点
経験点:点
総合点:点
均衡点:3点
●換算語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
●語彙の説明
語彙種類個数種類率点数説明
思考語彙26種27個96%92点考える言葉です。
理由、方法、原因などの説明の語彙。
多すぎると、説明の多い硬い文章になる可能性があります。
知識語彙85種154個55%97点難しい言葉です。
社会的な例や調べた例の語彙。
多すぎると、難しい言葉の多い重い文章になる可能性があります。
表現語彙126種230個55%85点豊かな言葉です。
話題の幅が広い語彙。
多すぎると、散漫な文章になる可能性があります。
経験語彙40種66個61%79点詳しい言葉です。
身近な例や経験した例の語彙。
多すぎると、身近な話の多い狭い文章になる可能性があります。
種類率は、60%以上が目標。70%以上の場合は多様な語彙が使われています。
1247字
 92点
 97点
 85点
 79点
字数 思考語彙 知識語彙 表現語彙 経験語彙

 


■思考語彙 26種 27個 (種類率96%) 92点
 第,、むしろ,。しかし,。たとえば,が可能,くるはず,しまうから,しまうと,だろう,つけば,てこそ,なければ,なるはず,は単なる,も言える,れざる,れるべき,を言える,向き合おう,問題に対して,囚われざる,忘れざる,活かすため,見よう,視点こそ,触れ合いによって,

■知識語彙 85種 154個 (種類率55%) 97点
不可欠,事情,人間,今日,伝統,価値,信頼,個別,傾向,優先,先生,内容,分野,分類,判断,制度,創造,効率,原因,厳密,同士,名言,問題,固定,国語,基盤,子供,存在,学校,実感,対処,専門,尊重,形式,必要,意味,意見,感情,成績,指針,支配,教員,教科,教育,数学,日本,明確,本当,本来,本質,権威,無条件,無知,王様,現代,現実,理科,理解,相手,知識,社会,科目,空気,立場,童話,素直,細分,経験,結果,統合,背景,行動,行為,表現,複雑,要因,視点,計算,評価,軽視,過大,重要,関係,非行,高度,

■表現語彙 126種 230個 (種類率55%) 85点
〇,がち,が可能,くるはず,こと,これ,ごと,そのもの,それ,それぞれ,それら,つながり,なるはず,まなざし,もの,ラベル,レッテル,一,一つ,不可欠,中,事情,二,人,人間,今日,伝統,価値,信頼,個別,傾向,優先,先生,内容,分野,分類,判断,制度,前,創造,力,効率,化,原因,厳密,同士,名言,問題,固定,国語,基盤,姿,子供,存在,学校,実感,家,対処,専門,尊重,形式,必要,性,意味,意見,愚か者,感情,成績,押しつけ,指針,支配,教員,教科,教育,数学,日本,明確,服,本当,本来,本質,権威,活かすため,無条件,無知,王様,現代,現実,理科,理解,的,目,相手,知識,社会,科目,空気,立場,童話,素直,細分,経験,結果,統合,置き去り,肩書き,背景,落ちこぼれ,行動,行為,表現,裸,複雑,要因,視点,触れ合い,計算,評価,誰,軽視,過大,重要,門,関係,非行,高度,

■経験語彙 40種 66個 (種類率61%) 79点
おる,かねる,くれる,しまう,すぎる,ずれる,せる,つく,できる,も言える,られる,れる,を言える,与える,使う,信じ込む,働く,分ける,向き合う,囚われる,基づく,失う,忘れる,支える,教える,歪める,活かす,生きる,疑う,結びつく,補う,見える,見失う,見直す,見落とす,語る,貼る,避ける,重んじる,頼る,

■総合点 91点

■均衡点 3点
 

現代の問題
   高2 わてひ(watehi)  2025年4月3日

 現代社会では、「子供」の問題が捉えにくくなっている背景には、子供に関する共通理解の喪失や、専門的知識に頼りすぎる傾向がある。知識は本来、無知を補うものであるが、知識が創造的に使われず、むしろ現実を歪める要因となることもある。特に「子供」の問題では、専門家による知識が「見えない制度」として働き、「非行」や「落ちこぼれ」といったレッテルを固定化させてしまう。知識に囚われずに相手をありのままに見る「裸の人間」の視点こそが重要であり、人間同士の触れ合いの価値が見直されるべきである。人間の触れ合いよりも、専門的な知識を過大評価する社会に問題がある。

 その原因の一つには、専門分野が細分化されすぎたことがある。専門分野が細分化されてしまうと、触れ合いよりも、知識に基づいた分類と評価の優先され、本来必要な人間的な関係性が置き去りにされてしまうからである。今日の学校教育は、国語、数学、理科、社会と教科ごとに厳密に分けられ、それぞれの科目は専門の教員が教える。この行為は効率的に見えるが、実は「子供を見る」という本質的な視点を失いかねない行為である。たとえば国語の教員は子供の感情表現を、数学の教員は計算力だけを評価し、それらを統合的に見る視点が失われている。結果として、子供は「成績」や「問題行動」といったラベルでしか語られなくなり、その背景や個別の事情が見落とされがちになるはずだ。

 第二の原因として、権威や肩書きを重んじる日本社会の伝統である。その伝統故に結果として、人と人との触れ合いによって見えてくるはずの問題の本質が見失われてしまってきている。『裸の王様』という童話がある。誰もが王様の服が見えないのに、「見えないのは愚か者だ」と信じ込み、誰も本当のことを言えなくなる。これはまさに、肩書きや立場に弱い社会の姿そのものだ。日本でも「〇〇先生」「専門家」といった肩書きがつけば、その人の言うことが無条件に正しいとされ、たとえ内容が人間の実感からずれていても、疑うことを避ける傾向がある。こうした空気の中では、実際に目の前にいる人間と向き合おうとする「素直なまなざし」は軽視され、専門知識に支配された形式的な判断ばかりが優先されてしまっているだろう。

 専門的な知識は、複雑化する現代社会において不可欠なものであり、感情や経験だけでは対処できない問題に対して明確な指針を与えてくれる。また、専門家の存在は社会の信頼を支える基盤ともなっており、その意見が尊重されるのは当然のこととも言える。しかし、「人間とは知識ではなく、人間同士のつながりで生きてきた」という名言がある。どれほど高度な知識であっても、それを使う人間が相手を一人の人間として見ようとしなければ、知識は単なる押しつけやレッテル貼りになりかねない。専門性は重要だが、それを活かすためには、相手との触れ合いと理解を忘れずにいなければならない。知識と人間性が結びついてこそ、真に意味のある判断が可能になるのである。